マネーが世界を飛び回るほど、人々は不幸になる


 不純愛トーク   第197夜  
 「グローバリズム」こそ、世界中で貧富の格差を広げている元凶。前回からそんな話をお届けしていますが、今回は、マネーという側面から、その功罪を分析してみます。強欲なマネーが飛び回るほど、世界では、人々が不幸になっていく、という話です――。

【今回のキーワード】 グローバリズム 愛郷心
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AKI みなさん、お盆休みはいかがお過ごしでしたか? このトークも、ずいぶん、久しぶりになっちゃいましたけど、哲ジイは?

哲雄 干物になりかかっておりました。こりゃ、いかん……というので、水分をたっぷり補給して、たっぷり汗かいて、ついでに、マスも2度ほど……。

AKI ハ……? みなさん、ただいまの発言は、聞かなかったことにしてくださいませ。

哲雄 AKIクンは、郷里にでも、帰っておられたのですかな?

AKI ハイ。久しぶりに、実家のほうへ……。

哲雄 けっこう、けっこう。郷里はたいせつです。大いに、郷里の郷里らしさを愛していただきたいものです。その郷里を愛する心のことを「愛郷心」と申します。これを国家レベルにいると、「愛国心」てなことになるわけですが、この言葉、私は嫌いです。しかし、「愛郷心」は大好き。

AKI 愛郷心と愛国心、どう違うんですか?

哲雄 「愛郷心」は、自分の生まれ育った風土、そこに生まれる人間同士の絆や、自然発生的に形成されるコミュニティなどを、愛して止まない心のことで、「愛国心」は、それを国家単位に広げ、その国家を成立させている体制や利益の仕組みを是として、それを愛する心のことだと思っています。「愛郷心」は、故郷の山河を守ろうとしますが、「愛国心」は、ブルドーザーでその山河を押し潰して、コンクリートで埋めてしまおうとします。

AKI 私も、「愛郷心」のほうが好きかもしれない……。

哲雄 さて、本日のテーマは、その「愛郷心」と「愛国心」にも、多少、関係があることなのですが、前回の続きで、私がなぜ、グローバリズムを嫌っているか――という話をするんでしたね?

AKI ハイ。きょうはしっかり、そこのところをお聞きしたいと思っています。

哲雄 「グローバリズム」とは、ざっくり言うと、世界を「単一の――」でまとめてしまおうとする考え方なのですが、その「単一の」には、いくつかのステージがあります。もっとも大きいのが、「金融」でしょうね。世界の通貨を統一――とまではいかないけど、どこの国の通貨であれ交換自由、というふうにしてしまいました。

AKI あれですよね、円相場がどうのこうの……なんていうのも、通貨交換を自由にしたから起こる問題なんですよね?

哲雄 そうです。その結果、投機目的で、通貨を買ったり、売ったりするハゲタカみたいな連中が暗躍するようになって、通貨の安定性は著しく損なわれました。

AKI そのハゲタカみたいな連中って、どこのだれなんです?

哲雄 それを説明する前に、もうひとつ。通貨と同じように、売り買いされるものと言えば、AKIクン、何を思い浮かべますか?

AKI 「株」ですね?

哲雄 そう。その「株」。これも、いまや全世界で自由に売買できるようになりました。そして、ここにも、ハゲタカがうようよしています。だれでも金さえあれば、「あの会社の株を買い占めて乗っ取ってやれ」なんてことが、理論的にはできるようになった。乗っ取った連中は、その企業の理念とか、従業員の雇用の確保なんてことはどうでもよくて、「利益を上げて配当金を増やせ」ということだけを要求してくる。吸い上げるだけ吸い上げて、株が値上がりすると、パッと売り払って譲渡益を得る。

AKI まさに、ハゲタカですね。これも、グローバリズムがもたらす弊害……ってことですか?

哲雄 そうです。「グローバリズム」っていうのは、「マネー」という側面から見ると、こうして「通貨」や「資本」が全世界を自由に飛び回れるようにしよう――という考え方だと言っていいと思います。もっと言うならば、「金だけ持っていて、その金を増やしたい」という連中が、何の支障もなく、世界中で利益漁りができるようにするシステム、そういうシステムを構築することを推し進めようとする考え方だ――と言っていいと思います。

AKI けっこう、あこぎな人々に有利な考え方なんですね?

哲雄 AKIクンもそう思います? 私もそう思うんです。最近は、これを「強欲資本主義」として非難する声も、世界のあちこちで巻き起こってるんですが、特にヤリ玉に挙がっているのが、「ハゲタカ・ファンド」と呼ばれる連中。とにかく、「ここは儲けになる」と思ったら、なりふり構わず資金を注ぎ込んで、もうけるだけもうけてパッと資金を引き上げる、みたいなことをやるんだよね。あまりにひどいので、「ファンド」の活動に制限を加えようという動きも、世界中で検討されてます。

AKI ね、哲ジイ、その「ファンド」って何すか?

哲雄 広義には、顧客から預託された資金を運用して、その運用益を顧客に還元する組織のことで、投資信託会社なんていうのも「ファンド」なんですが、狭義には、多くの顧客から小口の資金を私的に募集して、その運用で利益を上げようとする投資グループという意味で使われます。日本でも、ライブドア問題などで、一時、話題になった「村上ファンド」なんてのがありましたが、あれが、狭義の「ファンド」だと思ってください。

AKI そういうグループが、あちこちにあるんですか?

哲雄 あちこちと言ってもね、最近は、いろいろと規制の動きで出てるんで、たちのわるい「ファンド」はそういう規制を逃れるために、太平洋の真ん中の名前も知らないような島国に名義上の本社を登録したりしてるんだ。実際に活動するのは、ニューヨークのウォール街だったりするんだけどね。

AKI 悪賢い連中ですねェ。だから「ハゲタカ」なんですね?

哲雄 しかしねェ、これは私見ですが、世界のファンドの親玉とも言うべき「IMF(国際通貨基金)」までが、どうも胡散臭いことをやってる。たとえば、途上国で経済危機が発生すると、IMFが乗り出してきて、「融資してやる代わりに、おまえのところの市場を開放しろ」とやる。資本市場も開放しろ、金融市場も開放しろ――とやる一方で、財政を緊縮しろ、と要求するわけですよ。力のついてない途上国の金融機関などは、これをやられるとひとたまりもない。結局は、欧米列強の資本においしいところを全部、持っていかれてしまう。そんなことを、IMFがやってていのか?――と思っても、どの国も、IMFが怖いので、表立っては非難の声を挙げてない。

AKI だれも、批判しないんですか?

哲雄 『世界を不幸にしたグローバリズムの正体』なんて本を書いたジョセフ・E・スティグリッツあたりは、そこらへんを厳しく糾弾してるんですけどね、でも、これ以上は、経済の専門的な話になるので、ここでは触れないでおきましょう。ただ、覚えておいてください。こういう「マネー・グローバリズム」を強く支持し、その利益に預かってきたのは、アメリカという国であり、そのアメリカの中でもウォール街を牛耳ってる連中であるってことを。

AKI その連中とは……?

哲雄 アングロ・サクソン系のエスタブリッシュメントと、ユダヤ系金融資本である――と、私はニラんでいます。でも、この話はここまで。

AKI マネー以外の「グローバリズム」もあるんですね?

哲雄 ハイ。ひとつは、「資源グローバリズム」。資源と言っても、主にはオイル、つまり石油なんだけどね。ま、これは、ここでは触れないでおきましょう。われわれの生活にも関連が深いのは、「産業グローバリズム」でしょうね。実は、これが私たちの生活のあり方に、ものすごく大きな影響を与えてます。

AKI 恋愛や、結婚にも……?

哲雄 あるっちゃある。ないっちゃない。でも、ライフスタイルには大きな影響があるから、やっぱりある……ってことになるかな。AKIクンは、「地産地消」という言葉を聞いたことがありますか?

AKI 地場で取れた新鮮な野菜を食べましょう――とかっていう、あれですか?

哲雄 ものすごく小さく言うと、そういうことなんだけど、「グローバリズム」の対極にあると見られている「スロー・ライフ」という考え方からすると、単に、地場野菜だけの問題じゃない。「スロー・ライフ」という思想の大きな特徴のひとつは、「国際市場」というより、「大きな市場」というものに批判的、ということなんだ。

AKI スロー・ライフ、これもよく聞く言葉ですよね。私は、健康な生活を送るための考え方を提案してるのかな――って、思ってました。

哲雄 結果的にはそうなるかもしれないけど、目的は、そこじゃない。私は、これはひとつの社会思想だと思ってるんだけど、「スロー・ライフ」については、またあとでじっくり検討するとして、「地産地消」ね。実は、これが、グローバリズムとはまったく相容れない考え方なんだ。

AKI そうか。「グローバリズム」だと、「地産」じゃなくなるわけですね。

哲雄 そうです。「グローバリズム」の発想からすると、「物」というものは、どこかでまとめて効率よく作ったものを、世界中に流通させればいいじゃないか――ということになるよね。工業製品も、農産物も、そして飲食物さえも。

AKI エッ!? 飲食物まで……ですか?

哲雄 AKIクンだって、大いに、グローバリズム的飲食物のお世話になっているのではありませんか?

AKI エーッ……と、身に覚えがあるような、ないような……。

哲雄 マックとかによくいらっしゃるじゃありませんか? KFCにも、ミスドにも、よく行ってますよね。

AKI ハァ、確かに……。

哲雄 キミの食生活は、まるっきり「グローバリズム」に侵食されているわけです。「スロー・ライフ」を支持する人たちには、真っ向から否定されてしまう考え方なんですよね。

AKI エッ!? そ、そうなんですか?

哲雄 ここからが、グローバリズムの最大の問題になってくるわけですが、残念ながら、時間がなくなってしまいました。

AKI では、次回……ということで。さて、おなかも空いたし、私、マックで何か食べて帰ります。

哲雄 言ってる端からこれだもん。あ~あ。




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