反対され、責められるほど強くなる? ふたりの絆
不純愛トーク 第176夜
ある種の男女は、「障害のある恋」ほど心を燃やす! 前々回からそんな話をお届けしていますが、今回は、そういう心のはたらきを生み出す仕組みについて、考えてみます。実は、こういう恋にハートを燃やす人は、自分に自信のある人が多かったりするのです――。
【今回のキーワード】 障害のある恋 不倫
【SEOリンク・キーワード】 エロ 恋愛 恋愛小説 オーガズム 不倫
AKI たとえ、ライバルがいようとも、彼女がその男との間で不幸な思いに苦しんでいる――と判断したら、「ナイト精神」に火がついて、「彼女をこの不幸から救出したい」と思うようになる。前回、哲ジイはそうおっしゃいましたよね。それが、「障害のある恋」にハートを燃やしてしまう理由?
哲雄 理由のひとつです。ひとつではあるけど、かなり大きな理由だと思いますよ。
AKI それって、男だけの感じ方? 女にも、そういうの、あるような気がするんですけど……。
哲雄 ええ、あると思いますよ。特に、母性愛に富んだ女性には、そういう感じ方をする人が多いと思います。
AKI このひと、ほっとけない――とか思っちゃうわけですね?
哲雄 たぶん、キミにもあると思いますよ、そういう部分。たとえばさ、目の前にいるちょっとタイプな男が、「オレ、家ではあんまり大事にされてないんだよね」と、それはもう、寂しそうな眼差しでつぶやいたとしましょう。見ると、シャツの袖口なんかもほつれてるのに、冷たいカレの奥さんは、それをつくろってくれようともしないようだ。人一倍、母性にあふれたキミの心は、キュンとなって、「よし! 及ばずながら、この私が、このひとを幸せにしてあげよう」という気持ちが、強く強く芽生えちゃったりするのではないか――と、私は思うのですがね。
AKI 確かに……そういうところはあるかも。哲ジイだって、そういうところがあるでしょ?
哲雄 ハイ。私はもう、そればっかり。ああ、この人、不幸な恋愛してるなぁ……なんて思うと、もう黙っていられなくなります。
AKI だから、お水の女性にも弱いんですよね? ね?
哲雄 ドッキーン! な、なんで、知ってるかなぁ……。
AKI この人は、ゼッタイ、自分の手で幸せにするんだ――って、子持ちのデリ嬢に入れあげたりしてたじゃないですか。何て言いましたっけ、あの人?
哲雄 そ、そんな……昔の話は、忘れました。
AKI 要するに、私も、哲ジイも、不幸のニオイのする相手に弱いってことなのね。そんな気持ちにさせてしまうのは、男の場合は「ナイト精神」だし、女の場合は「母性愛」だ――と、そういうことなんですね?
哲雄 簡単に言ってしまうと、「養護本能」。「好き」と思う相手を「養護して、幸せにしてあげたい」と思う本能ですね。
AKI それが、「障害のある恋」に燃える理由のひとつ。「ひとつ」ってことは、他にも理由があるってことなんですね?
哲雄 ハイ。全然、違う理由から、あえて障害に挑もうとするタイプもいます。こちらは、「困難」とか「ムリ」とか言われれば言われるほど、ファイトを燃やしてしまうタイプ。登山家が「もっと高い山へ」「もっともっと高い山へ」と、挑戦し続けるのに似てますね。
AKI つまり、あれですか? ムリ目の恋ほど燃え上がっちゃうってことですか? 難儀なお方ですねェ。
哲雄 本人は、それが楽しいんじゃないですか。こっちのタイプを動かしてるのは、「征服欲」や「闘争本能」。簡単に手に入ったんじゃ面白くないから、あえて、困難な目標に挑もうとするわけです。こういう欲望や本能を導き出すのは、主に男性ホルモンであるテストステロンなので、どちらかと言うと、男性に多いタイプなんだけど、女性でも、テストステロン高めの人には、この傾向が表れる場合があります。
AKI ひとの「いい男」を見ると、奪っちゃいたくなる女とか、いますけどね。
哲雄 ま、それは、単に欲が深いだけかもしれないね。ここで言う「困難」の中には、相手のレベルが高すぎるなんてのもあるし、強烈なライバルがいるっていうのもあるし、相手が親の仇の一族であるなんてのもあるだろうし、もし結ばれたら、周り中から道徳的な非難を浴びるだろう……なんてのもある。そういう困難に、それでも立ち向かおうとするわけです。
AKI 不倫なんかも、このケースなわけですね。
哲雄 不倫は「障害のある恋」のひとつの典型と言っていいと思うけど、それを衝き動かしてるエネルギーが、「養護本能」由来なのか、「征服欲」由来なのかは、ケースによると思います。ただね、こうは言える。
「恋の障害」が《周囲の反対》とか《世間の非難》とかって言う場合、
当人同士の結びつきは、かえって強くなる。
AKI エッ、そうなんですか?
哲雄 ロミオとジュリエットだってそうでしょ?
AKI そう言えば、そうですよね。どうしてだろ? もしかして、団結しないと乗り切れないから……?
哲雄 さすが、経験者。よくわかりました。
AKI 別に、経験はしてませんけど……。
哲雄 ま、いいでしょう。どうして周囲に反対されたり、非難されたりすると、かえって結びつきが強くなってしまうのか? これはね、生存域が狭くなるからなんだ。
AKI 生存域……? なんすか、それ?
哲雄 人間には……というか、動物には、それぞれが生存のために活動する領域というのがあるんだけど、周囲が敵だらけになると、その領域は狭くなってしまいます。
領域が狭くなると、
その領域内にいる個体間の結びつきは強くなる。
強くならざるを得ないんだよね。これ、分子レベルでも同じ。
AKI ぶ、分子……ですか?
哲雄 1個の分子が動き回る範囲って、気体がいちばん大きくて、次が液体。固体になると、分子同士が結合し合って、全然動かなくなる。固まっちゃうわけですよ。
AKI ああ、そうかぁ。人間もおんなじってことですね。たとえが適切かどうかはわからないけど、雪国の人たちのほうが、身内の結束は強かったりしますものね。
哲雄 おおッ、ものすごく適切なたとえですね。雪に閉ざされると、生活の領域がものすごく狭くなるからね。すると、どうなるか?
AKI 肌を寄せ合うようにして生きることになる?
哲雄 オーッ、文学的! しかし、ほとんど当たってますね。肌を寄せ合うかどうかはともかく、結びつきは、暑くて暑くてしょうがないという熱帯のカップルよりも強くはなりますね。
AKI 熱帯だと、逆かもしれませんものね。「ベタベタくっつくなよ、暑いだろ」てなもんでしょ。
哲雄 「雪」を「周囲の反対」とか「世間の非難」と考えると、わかりやすいんじゃありませんか?
AKI すごくわかりやすいです。ギャングの結束が強いのも、同じ理屈でしょうね。
哲雄 『俺たちに明日はない』のボニーとクライドみたいにね。
AKI つまり、あれですね。周りから反対されればされるほど、責められれば責められるほど、逆に、ふたりの結びつきは強くなる。でもさ、哲ジイ。それって、けっこう精神力が必要ですよね。
哲雄 おっしゃるとおり。これが、「障害のある恋」に共通する特徴。
そういう恋に燃える人たちっていうのは、
実は、精神的にタフだし、
言い方を変えると、自分に自信がある。
AKI 自信……ですか?
哲雄 そうです。少々、障害があっても、自分はそれを乗り越えられる、いや、乗り越えてみせる。そういう自信があるから、障害にも挑んでいけるわけです。自信がない人は、目の前にハードルを突きつけられた時点で、「自分にはムリ」と「安全な道」にコース変更してしまいますから。
AKI でもさ、そうしないと、安定した家庭なんて築けませんよ。
哲雄 そうなんだよね。安定を求めて障害を嫌い、恋愛のスリルを捨ててしまうか? それとも、恋愛のスリルを求めて障害に挑み、安定を犠牲にするか? これって、あらゆる恋愛について回る永遠のテーマだね。
AKI 哲ジイがいまだ「安定」を得るにいたらないのは、実は、それが原因?
哲雄 それについては、回答を留保いたします。
AKI その理由は?
哲雄 回答を留保する理由を回答することを留保します。
AKI なんじゃ、それ?

管理人は常に、下記3つの要素を満たせるように、脳みそに汗をかきながら、記事をしたためています。
あなたの押してくださったポイントを見ては、喜んだり、反省したりの日々です。
どうぞ、正直な、しかしちょっぴり愛情のこもった感想ポチをお送りください。よろしくお願いいたします。



→このテーマの記事一覧に戻る →トップメニューに戻る
- 関連記事
-
- 「実らない恋」に惹かれてしまう《恋愛体質》 (2011/04/05)
- 反対され、責められるほど強くなる? ふたりの絆 (2011/03/30)
- 彼女に「男がいる」と知ったとき、男が思うこと (2011/03/23)