「トゲトゲ女」と「ユルユル女」。その違いを生む秘密
不純愛トーク 第172夜
テストステロン(男性ホルモン)に急かされて、「エッチさせろ」と迫る男と「まだダメ」と拒む女。男と女の関係は、そんな押し引きの中で決まっていきます。しかし、女が口にする「NO」には、「強いNO」もあれば、「弱いNO」も。そのガードの堅さを決めるのは、いったい、何なのでしょう?
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哲雄 「人を見たらドロボーと思え」じゃないけど、世の中には、男を見たらレイプ魔と思え――とでも思ってるんじゃないか、という女性、いますよね。キミにも、ちょっと、その傾向が見られるんだけど……。
AKI そ、そんなこと……ありませんよォ。
哲雄 とか言いながら、いま、20センチほど、飛びのいたではありませんか?
AKI いや、そ、それは……何となく身の危険を感じたからでありまして……。
哲雄 それです。つまり、キミのセンサーは、私が距離30センチほどに近づくと、何かされるんではないか――と感じて、防御反応にスイッチが入ったわけです。
AKI つ、つまり、私のセンサーは過剰――だとおっしゃりたいわけですね?
哲雄 だから、その傾向あり、と申し上げてるわけです。過剰だからいけない、と言ってるわけじゃありませんよ。ただね、あまりにそれが過剰だと、対人関係、特に異性との関係が、うまく形成できない場合もある。たとえば、男から視線を浴びただけで、胸を隠そうとする女性とか……。
AKI 私、そこまではやりませんけど……。
哲雄 隠すほどありませんからね。でもね、じっくり話そうと思ってる相手からそれをやられると、なんだか、話す気が失せてしまうんですよね。特に、私のように、相手の胸を見て話すようなタイプの人間だと……。
AKI それは、哲ジイがわるいんです。ふつう、話すときは、「相手の目を見て」でしょ?
哲雄 メシでも食いながら話そうか――って言うと、決まって、「わたし、さっき食べたばかりで……」とくる。ウソつけ! キミ、さっき廊下で、「おなかすいたね」って言ってたじゃないか!
AKI 哲ジイの「メシ」は、「メシだけじゃない」と感じるからですよ。
哲雄 ま、そんな調子だから、口説くどころの話じゃない。その前提となる人間関係そのものが築けないではありませんか、これでは……。
AKI 哲ジイだけでなく、だれに対してもこう……ってなると、確かに、人間関係を作るのがむずかしいでしょうね。でも、どうして、そんなにトゲトゲになっちゃうんだろ? それって、生まれつきなのかなぁ?
哲雄 人間の防御反応にいちばん関係してると思われるのは、脳の中の「扁桃体」と呼ばれる部分なんだけど、そこに、イヤな情報が記憶されてるって場合が多いかもしれない。
AKI 「扁桃体」って、「好き」とか「嫌い」の感情に関係してるパーツでしたよね。
哲雄 よく覚えてくれてました。「扁桃体」は「好き」「嫌い」だけじゃなく、その前に、「これは危険かどうか」を、脳のほかの部分よりも早く、真っ先に感じるパーツでした。

『第36夜☆「さわる」が最後じゃ、順番が逆』
『第37夜☆「好き」と「嫌い」は、ニオイと触覚で8割決まる』
『第38夜☆「チッ!」と言わせる脳、「まぁまぁ」となだめる脳』
AKI そうか。こういう男は危険だから避けなさい――っていう情報が書き込まれてると、同じような男が近づいてきただけで、本能的に防御反応を起こしてしまうわけですね。
哲雄 たとえば、昔、男にひどい暴力を受けた――なんてことがあって、その記憶が「扁桃体」に残っていると、目の前の男が、頭をかこうと手を上げただけでも、体がビクッと反応してしまったりする。ま、そこまでいくと、PTSD(心的外傷後ストレス障害)なんだけど、防御反応が強い人の脳の中では、それに近いことが起こっている、と言っていいでしょうね。
AKI ウーン、私、そんなひどい恐怖の記憶なんてないけどなぁ……。
哲雄 キミの場合は、教育の問題だと思います。
AKI エッ、教育も関係してるの?
哲雄 特に、幼少期の教育ですね。たとえば、親がものすごく厳格で、たとえば、キミが「おとうさ~ん」なんて甘えて、首ったまに抱きついたりすると、「いやらしいわね、この子は」と、いつも、ピシャッと手をはたかれてた……とかね。
AKI あ、それ、あるかもしれない。うちの親、どっちも、ものすごく厳格な教育者だったから。私が、ちょっとエッチいマンガとか読んでるだけでも、手が飛んできて、「まったく、おまえはいやらしい子だ」みたいなこと、言われてたから。
哲雄 それで、キミは、自分の中に潜んでいるエッチな感情とかは、隠さなくてはいけないもの、と思うようになった。たとえ、ああ、この人にだったら抱かれてもいいわ――と思っても、その感情にはフタをして、パッと身をかわすようになった。
AKI あの……念のために言っときますけど、私、哲ジイに対しては、何も潜んでるものなんてありませんからね。
哲雄 ええ、ええ、わかってますよ。とにかくです、男に対して過剰に自分を防衛しようとする人の意識の中では、こういうメカニズムが働いてる、ということです。
AKI その逆は、どうなんです? つまり、ガードが甘いというか、まったく無警戒に、男の接近を許してしまう女だっているでしょう?
哲雄 いますねぇ。おそらく、そういう人は、「扁桃体」が「恐怖」として記憶しなければならないような体験をせずにすんだのかもしれません。あるいは、小さい頃から、周囲のおとなたちにさわられまくって育った――とか。
AKI さわられまくって……?
哲雄 あ、別に、「性的に」ってことじゃないですよ。何かというと、頭をなでられたり、抱きしめられたり、スリスリされたりして育った――ってことです。そういう育ち方をした人は、人が自分に触れるという行為には、何の悪意もない、と思い込んでますから、当然、警戒心も起きません。それはそれでいいことなんだけど、ただ、そのぶん、危なっかしいと言えば、危なっかしい。
AKI 「させ子ちゃん」になっちゃったりしません?
哲雄 させ子ちゃん……? キミも、ずいぶん、下品な言葉を使いますね。要するに、ガードが甘いってことでしょうが、そういう人の場合は、キミのケースとは逆に、どこかで、「だれにでもさわらせちゃダメなんだよ」ということを学習する必要があるでしょうね。
AKI 学習できない人だっているでしょ?
哲雄 いるでしょうね。ぜひ、そういう方にお会いしてみたいものですが、たいていは、どこかで学びます。家庭で学ばなかったら、学校で学びます。学校で学べなかったら、本やドラマで学びます。実社会に出て、体験の中から学んでいく人もいるでしょう。
AKI それでも学ばなかったら、ほんとにユルい女になっちゃうんでしょうね。
哲雄 ただね、AKIクン。ここで言った、過剰に防御する女も、逆に防御がユルい女も、ケースとしてはレアで、たいていの女性は、そういうガードのラインは、おとなになってからの経験や学習を通して、自分なりの基準を作り上げていきます。目の前の男のアプローチを受け入れるか、ハネつけるかの選択は、その基準に照らし合わせて判断していくわけです。そのときに問題になるのは、私は、その人のセンスだと思います。
AKI セ、センス……? 許すか許さないかは、センスの問題なんですか?
哲雄 でなきゃ、恋愛なんて、ただの生殖活動になっちゃうじゃないですか。たとえばね、キミに、「100万円あげるからやらせてよ」と迫る男と、「あまりに月が美しいから、キミを抱きしめたくなった」と言う男がいたら、キミはどちらの男に心が傾くか?
AKI そりゃ、100万円ですよ。
哲雄 エッ、エーッ!? そ、そうなの?
AKI ウソですよ。でも、100万円は、ちょっと心が動くかもしれない。
哲雄 じゃ、5万円だったら?
AKI 私、5万円で転ぶような女じゃありません。
哲雄 恋愛というゲームの中で、いつ、どのタイミングで、どんな条件があれば、身も心も開いてしまうか? そこをめぐって、押したり引いたりするから、恋愛はスリリングなのであって、スリリングだからこそ、恋愛は人を惹きつけて止まないのだと、私は思ってるんですよ。次回からは、そこらへんの話をしてみたいと思います。
AKI ハイ。私もぜひ、そこらへんをお聞きしたいと思っております。くれぐれも哲ジイ、「だれでもOKよ」なんて女に、ヨロめいたりしませんように。

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