「義理チョコ」は、ある種のセクハラである
不純愛トーク 第104夜☆アンコール
昨夜に続いて、「バレンタインデー・スペシャル」。今回は、愛もない人からもらう「義理チョコ」は、男にとっては「ある種のセクハラ」である、という話を、そもそも、義理チョコがどうして始まったか? という経緯を含めてお話したいと思います――。
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AKI ね、哲ジイ、バレンタインデーの話の続きなんだけど……。
哲雄 ハイ、まだ何か……。
AKI 14日って、月曜日ですよね。
哲雄 製菓会社は、ホクホクだろうね。
AKI やっぱり、増えますかね?
哲雄 明らかに、義理チョコの数は増えるでしょ。だって、3連休明けの月曜日だよ。
AKI 女の子たちには、恐怖の月曜日ね。
哲雄 恐怖なのは、むしろ男たちのほうじゃないの?
AKI エーッ!? どうしてェ? チョコたくさんもらえるんだよ。
哲雄 だから、怖いんですよ。だって、もらったらお返ししなくちゃいけないんでしょ。しかも、ホワイトデーは倍返しだなんて説も、まことしやかにささやかれてるし……。
AKI そっかぁ……。お父さんたちには、きつい話ですよね。
哲雄 愛もない女たちから、一方的にチョコを押し付けられて、
それを倍にして返せ――と言われる。
私はね、これって、ある種のセクハラだと思ってるんですよ。
AKI 長住哲雄、いよいよ、2月が嫌いになっております。
哲雄 そもそも、バレンタインデーにはチョコ、なんてことになったからいけないんですよ。松坂牛だったら、こうはならない。
AKI バレンタインには松坂牛? それ、たぶん流行らなかったでしょうね。でも、どうしてチョコになっちゃったのかなぁ。哲ジイは、それは日本だけの現象だっておっしゃいましよね。
哲雄 だから、「バレンタインにチョコ」っていうのは、製菓会社の陰謀なんだって。元々、西欧では、この日には、自分の愛する人に花を贈ったり、ケーキを贈ったり……ちょっとした贈り物をして愛を表現し合う習慣があったんだけど、1868年に、イギリスのキャドバリー社が、ちょっとしたヒット商品を発売したんだよね。
AKI もしかして、それがチョコだった?
哲雄 きれいな箱にチョコを詰めたチョコレート・ボックスとキャンディ・ボックスを、バレンタインの贈答用として発売したんだけど、これがちょっとした人気になった。それが、各地に伝わっていったんじゃないかと言われてる。あくまで、バレンタインデーの贈り物の、選択肢のひとつとしてだけどね。
AKI 1868年。ちょうど明治維新の年ですね。
哲雄 オッ、粋なことを知ってるねェ。
AKI 別に、粋でも何でもないです。ジョーシキです。じゃ、日本でも、文明開化とともに、バレンタインデーの習慣が始まったのかなぁ? 「男爵、あちらでは、この日にチョコレートを贈るんだそうざますわよ」「ホーッ、公爵夫人、それは存じませんでしたなぁ。どうだね、西郷クン、キミもひとつやらないかね?」「いや、おいどんは、ゲタンハのほうがようごわす」――なんてね、やってたのかしら。
哲雄 残念ながら、日本でこの習慣が知られるようになるのは、ずーっと後。東京経済大学の山田晴通という先生が、ここらへんのことを論文に書かれてるんだけど、それによると、1936年にモロゾフの前身である「神戸モロゾフ製菓」が、英字新聞に「あなたのバレンタインにチョコレートを贈りましょう」という広告を掲載したのが、いちばん古い記録。でも、これは在日外国人向けの広告だからね。
AKI じゃ、日本人向けには?
哲雄 1956年に「メリーチョコレート」が、新宿の伊勢丹で「バレンタインセール」をやったのが最初とされてます。1960年には、森永製菓が「愛する人にチョコレートを贈りましょう」という新聞広告を出し、1965年には、伊勢丹がバレンタインデーのフェアをやったりもした。
AKI けっこうキャンペーンを張ったんですね。
哲雄 でもね、あんまり定着しなかった。それに、この段階ではまだ、「女性から男性に愛を告白する日」なんていうコンセプトは、どこにも見当たらない。こんなコンセプトが、いったい、いつ、だれによって提唱されたのか、さっぱりわからないんだ。
AKI 不思議ですね。もしかしたら、ギャルたちが勝手に創り出した?
哲雄 私も、その線が濃いと思うんだ。というのもね、バレンタインデーのチョコがパッと広がったのは、1970年代になってからなんだけど、その火付け役は、小学校高学年から高校生にかけての女の子たちだった。その直前の1968年には、「ソニープラザ」がバレンタインデーのチョコを流行させようとキャンペーンを張ったりしてたから、その影響もあるのかもしれないけど……。
AKI やっぱり、発信源は、ギャルなんだぁ。
哲雄 時代背景もあったと思うんだ。この1970年代の初め頃っていうのは、『an an』『nonno』が創刊された時期で、思想的にも、ウーマン・リブの活動が注目され始めた時期。つまり、女たちから行動を起こすということが、時代のキーワードになっていた頃なんだよね。
AKI あ、そうか。だから、女から愛を告白してもいいじゃないか――になって、それにチョコが利用された……と、そういうことですか?
哲雄 そう考えると、なんとなくツジツマが合うんだけど……っていう程度の話だけどね。
AKI ツジツマ合ってます。マグロとツマくらい合ってます。
哲雄 なんかカン違いしてると思うんだけど、ま、いいか。それにしても、もうひとつのナゾ、なぜ、それが義理チョコにまで発展したかというのがよくわからない。
AKI それ、ゼッタイ、お水のせいですよ。
哲雄 オッ、新説! なるほど、それも考えられるねェ。
AKI 私のIQの高さがわかっていただけました? 私の推理はこうです。まず、ギャルたちが火をつけて、お母さんたちがすぐ、それを取り入れた。家に帰ると、女房と娘たちが、くたびれたダンナにチョコを渡して、「今日は大事な人にチョコを渡す日なのよ」と講釈してみせる。感激したお父さんは、クラブやスナックで、「実は娘と女房がね……」と自慢話をする。「あら、それ、いい話ねェ。うちでもやろうかしら」と、かとうかずこみたいなママが、さっそく店のサービスに取り入れる。一軒がやり始めると、そんなものはあっという間に広がるでしょ?
哲雄 なんで、かとうかずこなのか、わかりませんが、実際、そうなりましたわな。
AKI ここから、Vチョコの「お歳暮化」が始まりました。お歳暮なら、職場の上司にもあげとかんとまずいんちゃう? となって、義理チョコがあっという間に、日本全国津々浦々にまで広がった。ね、どぉ、哲ジイ? 私の推理、的外れ?
哲雄 お見事。それ、十分に考えられる線です。もうひとつ理由があるとすれば、日本人独特の横並び意識。ひとりにあげたら、他にもあげなきゃまずいでしょ――という、気ばたらき文化が、みんなにチョコを配るという風習を生み出してしまった。
AKI あ、それもありますよね。ホラ、あんたたち、あのすみっこの長住さんにもあげなきゃかわいそうでしょ……ってなって、あわれな哲ジイにも安いチョコが回ってくるようになった。
哲雄 言っときますけどね、私はこれまで、ゴディバ以外のチョコはちょうだいしたことがありません。毎年、この時期は、胸焼けに苦しんでたんだからね。
AKI それは、あれですよ。ホワイトデーねらいのエビタイ作戦ですよ。
哲雄 ああ、それそれ。そのホワイトなんとやら。耳にするさえおぞましい言葉です。
AKI ね、こっちも何かいわれがあるんですか?
哲雄 いわれもくそもあるもんですか。あるのは、ただの商魂。その問題については、いずれまた、機会を改めてご紹介したいと思います。全国の勤勉なるお父さん、ホワイトデーが怖ければ、月曜日は「直行直帰」にしたほうがいいですよォ~!

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