オンドリが証明!? 女房は、新しいほうがいい…?
不純愛トーク 第166夜
あなたの中で「性の衝動」を生み出し、人間を競争や闘争に駆り立てるホルモン=テストステロンは、男をレイプに走らせ、暴君に仕立て上げるキケンなホルモンでもある。前回は、そんな話をしましたが、今回は、その続き。実は、このホルモンは、男を浮気に走らせる困ったちゃんでもある、という話をご紹介します――。
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哲雄 ものの本によると、あるとき、アメリカの大統領がその奥さんをともなって、地鶏を育てている農場を、見学に訪れたのだそうだよ。まず、大統領夫人が、驚きの声を挙げた。「まぁ、卵がたくさん!」ってね。すると、農場のオヤジが得意そうに答えた。
AKI うちの地鶏は、精力絶倫でやして……。
哲雄 惜しいッ! 正解は、「うちの雄鶏は、一日に何回も雌鳥の体を揺すぶるんですよ」でした。するとね、大統領夫人が、言った。「あなた、そのことをうちの主人に教えてあげてちょうだいな」。
AKI 大統領、「セックスレス」だったのかしら?
哲雄 さぁねェ……そこまではわからない。でもね、大統領は、同じ農夫にこう尋ねた。「ところで、キミ、この鶏たちは、一夫一妻制なのかね?」。すると、農夫が答えたね、「とんでもねェ。雄鶏たちがガンバるのは、若い雌鳥をあてがったときなんですよ」って。大統領は、言いました。「キミ、どうかそのことを、うちのカミさんに教えてやってくれたまえ」。
AKI つまり、あれですか? 地鶏のオスは、新鮮なメスが好き――と、そういう話なんですね? で、それが……?
哲雄 ハイ、これも、テストステロンの見逃せない性質のひとつ、という話です。実はね、ニワトリに限らず、ヒツジにだって、サルにだって、われわれ人間にだって、頻繁にセックスする動物のオスには、《不応期》と呼ばれるものがあります。
AKI 不応期……? 呼べど応えぬ期間……ってことですか?
哲雄 別に、「あなた」と呼ばれても返事しない――とか、そういう意味じゃないですよ。そういうダンナもいるみたいだけど、そういうことじゃなくて、この「不応」は、射精できないってこと。たいていの動物のオスは、一回、射精してしまうと、次に射精するまでの間に、一定のインターバルを必要とする。このインターバルのことを《不応期》と呼んでるわけです。
AKI ずーっと、《不応期》のまま……って人も、いるみたいですけどね。
哲雄 とか言いながら、人の顔を見るんじゃありません。私の場合は、それが3年ぐらい……って、思わず言いそうになっちゃったじゃありませんか。
AKI それって、ふつうはどれくらいなんですか?
哲雄 ま、すごく好きな彼女を相手にしている若い男だと、2、3分ってこともあるでしょうね。
AKI エッ!? 相手によって違っちゃったりするわけですか?
哲雄 そう。今回は、その話をしようと思ったわけです。まず、一般的な法則を言いましょう。同じメスを相手に何度もセックスするオスがいたとします。1回目の《不応期》が3分だったとすると、2回目は7分、3回目は15分……っていうふうにね、この《不応期》は、回数を重ねるごとに長くなる傾向があります。ところが、そこで、パートナーが替わると……。
AKI パートナーが替わるっていうのは、新しいメスが現れると――ってことですね?
哲雄 そうです。すると、オスの《不応期》は、最初の「3分」にリセットされてしまう。
AKI エッ、エ――ッ!? そ、そんなぁ……。それじゃ、まるで、「女房と畳は、新しいほうが……」みたいな話じゃないですか?
哲雄 そのとおり。
ホルモン的に言うと、畳はともかく、女房は、新しいほうが絶対にいい
というわけです。なので、最初の地鶏農家の話に戻るけど、卵をたくさん収穫したかったら、つまり、雄鶏が雌鳥に乗っかる回数を増やしたかったら、雄鶏には、たえず新鮮な雌鳥をあてがったほうがいいってことになる。これをね、そのとき農場を訪問した大統領の名前をとって、《クーリッジ効果》と呼んでるんだって。――【注】クーリッジは、アメリカ合衆国の第30代大統領です。
AKI ま、しかし、人間のメスは、雌鳥じゃないわけですからねェ。で、それも、テストステロンの性質である――と?
哲雄 ハイ。テストステロンのきわめて重要な性質のひとつです。つまり、テストステロンのお導きに従う限り、動物のオスは、単一のメスとの深く親密な関係を求めるのではなく、たえず、新鮮な相手を求めるってことですね。
AKI てことは、あれですか? 一度、乗っかったメスは、もう用なしってこと?
哲雄 いや、そうでもありません。テストステロンは、支配権や所有権にこだわるホルモンでもありますから、一度、乗っかったメスは、自分のものとしてキープしたがります。所有・支配はしたがるけど、関わり合うのはゴメンこうむる。そういうホルモンです。
AKI もう、最悪! テストステロンの言いなりになってたりしたら、結婚なんてできないじゃありませんか!
哲雄 だから、前回、申し上げたじゃありませんか。私が結婚しなかったのも、もしかしたら、テストステロンが強かったせいではないか――と。
AKI 《不応期》長いくせに……? もう、最低ッ! 一生、ひとりでマスかいてなさい!
哲雄 な、なんと……レディにあるまじき発言。ま、確かに、それも嫌いじゃない……つか、けっこう好きだったりはしますけどね。前にもお話しましたが、テストステロンは、男性も女性も、オナニーに走らせる性質を持ってますから。
AKI でもさ、哲ジイ、これってひとつの矛盾ですよね。相手に情欲を抱いて、セックスしたいという衝動を起こさせるのは、テストステロン。しかし、そのテストステロンは、相手とベタベタすることも、深くコミットメントして安定した関係を築くことを好まない。
哲雄 一発、ブッ放したとたんに、背を向けて寝るとか、「さぁ、終わった」とばかりに、TVのスイッチをつけたり、ゲームをおっ始めたりするとか、彼女とデートをしながら、周りの女たちにキョロキョロ、目を走らせるとか、本を読んだり、新聞を読んでるときに声をかけると、不機嫌な返事しかしないとか――これらは、すべて、テストステロンの命じる行動様式であると言っていいでありましょう。
AKI ホント、「悪党」ですね、テストステロンって。
哲雄 ま、カッコよく言うなら、孤独なヒットマンみたいなやつ。そうでなきゃ、何人もの女を囲い込む暴君的なハーレムの主。しかし、男という生きものがみんながみんな、こうだと、人間の場合は、単婚社会は維持できませんわなぁ。
AKI そうですよォ。困りますよォ、哲ジイ。
哲雄 なので、ホルモンのバランスが大事――という話を、前回はさせていただいたわけです。前回は、テストステロンと対抗的に働くホルモンとして、セロトニンを取り上げましたが、セロトニンが高すぎてしまうと、今度は、「うつ社会」を作ってしまう。だから、バランスが大事、という話をしたわけですが、もうひとつ、常にテストステロンには「相棒」がいる、という話を、前にもしましたよね。
AKI エ―ッと、確か、第162夜『男の浮気を止める!? 一夫一妻制のホルモン』で出てきた、バゾ……なんとか。
哲雄 バゾブレシン。体温調節なんかの役目をこなすホルモンなんだけど、テストステロンの分泌量が増えると、こいつも分泌量を増やすというふうに、常にテストステロンと行動を共にしていて、テストステロンの暴走を、「まぁまぁ、そう熱くなりなさんなよ」と落ち着かせる役をこなしてる。
AKI 熱くなりやすい神部警部補を、冷静にクールダウンさせる杉下警部……みたいな存在なんですね。
哲雄 どっちがどっちかはわかりませんが、テストステロンとセロトニンの関係が「対抗的」だとするなら、こっちは「相補的」と言ってもいいような気がします。
AKI わかった! 哲ジイが、《不応期》長いにも関わらず結婚できなかったのは、テストステロンが強すぎたからではなくて、バゾブレシンが欠乏していたからなんだ。哲ジイは「バゾ欠乏症」である。どうでしょう、そんな診断で……?
哲雄 勝手に決めつけないでいただきたい。私ほど、「安定」を欲して止まない魂は、この地上のどこにも存在しないでありましょう。
AKI 頭、薄くなってから、そんなこと欲しても、もう遅いんですッ!
哲雄 ヌーッ、言わせておけば、この女……。(当たってるだけに、怖い!


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