会社では「いい人」が、家庭では「暴君」になる理由
不純愛トーク 第165夜
男を優秀な「戦士」に仕立てるホルモン=テストステロン(男性ホルモン)は、一方で男をけしかけて、レイプに走らせたり、暴君を作り上げたりしてしまいます。そのテストステロンの暴走を食い止めるのが、セロトニン。今回は、この2つのホルモン。テストステロンとセロトニンの、愛と葛藤の物語をご紹介します――。
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哲雄 実におぞましい話ではあるのですが、
世の中から戦争がなくなると、家庭内暴力が増える。
どうも、人間がホルモンに支配されながら作り上げる世の中には、そういう性質があるみたいなんだよね。
AKI そのホルモンって、もしかしたら、テストステロン?
哲雄 残念ながら、そのようですね。テストステロンは、人間に、競争に打ち勝つ強い闘争心や、脅威に立ち向かう勇気や、成功を求める向上心なんてものを付与してくれる頼もしいホルモンではあるのですが、その一方で、暴力を助長し、下位の者を支配したり、征服したり……という、よからぬ衝動も増やしてしまう。たとえば、キミは、会社でエラそうにして、部下をギュウギュウに牛耳ってる暴君タイプの男と、そんな上司の下でガマンにガマンを重ねている羊タイプの男、どっちが、家庭ではよき夫、よき父親になると思う?
AKI ま、常識的に言えば、羊タイプのほうだと思いますけど、違うんでしょうね?
哲雄 ハイ、違うんですね。必ずそうだとは言えないけど、会社で暴君な男は、家庭では、奥さんや子どもの言いなりになってる――ということが、意外にも多い。逆に、会社でガマンを強いられている男は、家に帰ると暴君になって、家族に暴力をふるったりすることが、これまた意外に多い。
AKI つまり、プラマイ0にしようってわけですか?
哲雄 麻雀じゃないから、プラマイってことはないけど、テストステロンは常に作られてるわけだから、どこかでガマンした衝動は、どこかで解き放たないと、キケンでしょ?
AKI そう言えば、私のお店に、ちょっとアブナいドライバーさんがいたのよね。
哲雄 ドライバーさん……?
AKI あ、ドライバーさんっていうのはね、女の子をお客さんのところまで送り届けて、迎えに行って――ってことをやる人。私たちの仕事には欠かせない存在なんだけど、中にひとり、ものすごくキレやすい人がいたの。何かあると、「ああ、ムシャクシャする。だれか殴りてェ」とか言い出すの。そういうときは、クルマの運転も乱暴になって、クラクション鳴らしまくったりして、一度なんて、それでほんとに乱闘になりそうになったもんだから、結局、店をクビになっちゃったんだけどさ。あれも……。
哲雄 ウン、それは、間違いなく、テストステロンの仕業だね。私の知り合いにもいたよ。仕事でストレスがたまると、街に出て、だれかれかまわず、ケンカをふっかけたりするのが……。それとか、すぐ、モノをブッ壊しちゃうやつとかね。
AKI キケンじゃないですか、そのままじゃ。
哲雄 特に、いまの時代はキケンだよね。昔は、「そんなに暴れたいんだったら、外に出てケンカでもしておいで」って、親が男の子を適当に暴れさせてくれたけど、いまは止めるでしょ、親たちが? ちょっとケガしただけでもクレームになったりするから、学校もキケンな遊戯はさせなくなったし、男の子がちょっとワルさをする場所もなくなった。世の中が、エストロゲン好みの穏やかさを重視するようになった結果、ガス抜きする場所を失ったテストステロンは、そのホコ先を、家庭内とかの「弱い者」に向けるようになった。
AKI エストロゲンって、女性ホルモンでしたよね? 女性を受容的な気分にさせる……っていう、メルヘン好みのホルモン。
哲雄 よく覚えてました。特に日本では、エストロゲン=セロトニン連合軍に支配される、無競争的で穏やかな、もっと言うなら「うつ的な」社会というのが、でき上がってしまったわけです。
AKI エッ!? エストロゲンとセロトニンって、連合軍を作っちゃう関係なの? セロトニンって、人を穏やかで幸せな気分にする沈静のホルモンですよね?
哲雄 そうです。そして、このセロトニンこそ、前回、お話したテストステロンの働きを抑制するホルモン。テストステロンにとっては、不倶戴天の敵。
AKI 敵なんだ……?
哲雄 そう、立派な敵です。テストステロンってさ、社会的には、優秀な「戦士」を作るために欠かせないホルモンだけど、同時に、「不良」や「凶暴な犯罪者」を作り出すホルモンでもあるわけなんだよね。その凶暴な犯罪者をおとなしくさせるために、プロザックなどの、セロトニンを増加させる薬剤を投与することが検討されたこともあるくらいなんだ。つまり、クスリで犯罪者のキバを抜こうってわけだけど、これには人権上の問題もあって、まだ検討段階だと思う。それに、副作用もあるしね。
AKI 副作用? エッチできなくなるとか…?
哲雄 できなくなりはしないけど、性欲が起きなくなる。そして、エッチしてもあまり感じないので、オーガズムが得にくくなる。その性質を利用して、男性の早漏治療に使われることもあるんだけど、プロザックを投与された男の射精は、確かに遅くはなるけど、その代わり、性の喜びも感じられなくなる。それにね、このクスリには、もっと重大な副作用がある。
AKI 何だろう? 男がオカマになる……?
哲雄 ナルホド。AKIクンらしい見解です。でも、オカマが攻撃的でないかというと、私の経験では

AKI そうか……。確か、セロトニンの過剰は、人を「うつ」状態にするんでしたよね。
哲雄 そして、うつの治療には、逆に、テストステロンを増やす薬剤が使われる。ね、テストステロンとセロトニンは、不倶戴天の関係でしょ?
AKI 共存できないわけですね。人体の中でも、そうなんですか?
哲雄 セロトニン優勢の状態では、テストステロンの分泌は抑制されるし、テストステロン優勢の状態では、セロトニンの分泌は抑制される。ほんとはね、この両者がうまくバランスがとれてるといいんだけどね。ところで、AKIクンは、男らしい男性って好きですか?
AKI 「男らしい」っていうのは、胸毛が生えてるとか……?
哲雄 ま、それもあるだろうね。実際、胸毛などの体毛は、テストステロンの支配を受けてるわけだけど、そんなことより、むしろ、精神的な傾向のことをお訊きしてるわけです。たとえば、積極的で、攻撃的で、ときには腕力にモノを言わせるようなところのある男と、消極的で、受動的で、腕力はからっきし……みたいな男だったら、どっちを選ぶ?
AKI どっちもイヤですよォ。でも、ホルモン的に言うと、どっちかなんですね?
哲雄 ま、そうだね。ホルモン的に表現すると、
《男らしい=テストステロン高めでセロトニン低め》
《女らしい=テストステロン低めでセロトニン高め》
ってことになるわけですよ。
AKI ね、哲ジイ。もしかして《草食系男子》なんていうのは、この逆だと思えばいいのかな? つまり、《テストステロン低めでセロトニン高め》の男が、《草食系》?
哲雄 そういうことになりますね。反対に、《肉食系女子》は、《テストステロン高めでセロトニン低め》の女、とも言えるわけだ。
AKI どうなるの? テストステロン高めでセロトニン低めの女子は?
哲雄 うまくいけば、女実業家や管理職、格闘家として成功するかもしれないね。亭主を尻に敷いてホストクラブ通いする主婦とか、あちこちにクレームつけまくるモンスター主婦……なんてのもありかな。そうでなきゃ、すごくふしだらな女になる。乱交、SM、売春……などに走るとか、男をはねつけてオナニーに耽るとか。
AKI ウーン、どれもイヤかな。やっぱり、《テストステロン低めでセロトニン高め》がいいです。
哲雄 ま、私が見る限り、キミはそのタイプだと思いますよ。
AKI 哲ジイはどうなの?
哲雄 私……? 自分では、どちらかと言うと《草食系》だと思っていたのですが、どうも、そうではないらしい……。
AKI 頭、薄くなってるしね。
哲雄 ほっとけ! それも、《テストステロン高め》のひとつの兆候なんですけど、もっと大きな判断材料は、「結婚しなかった」ってこと。
AKI エッ。それ、関係あるの?
テストステロンが高いと、結婚したがらないの?
哲雄 実は、そうらしい。その話は、次回、詳しく。
AKI 哲ジイが、なぜ、嫁もとらずにエロ道を貫こうとしたのか、そのホルモン的秘密が明るみに出されるわけですね。楽しみィ~。
哲雄 つか、エロ道なんか、貫いてないし……。

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