「食べてるのに太らない女」は、けっこうスケベかも…
不純愛トーク 第160夜
あなたの愛のあり方を決めている「脳内ホルモン」。今回は、ホルモン中のホルモン、DHEAについての話です。実は、このホルモン、脂肪の代謝にも大きく関与。食べているのにやせている女――は、実は、スケベという話をご紹介します――。
【今回のキーワード】 フェロモン 性欲 副腎
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AKI 前回、フェロモンの話をしましたよね。前から、聞こうと思ってたんだけど、人間のフェロモンって、何から作られるの? 汗とかオシッコから……?
哲雄 いや、汗とかオシッコに含まれるっていうだけで、それから作られるわけじゃない。もし、オシッコからフェロモンができるんなら、私なんぞ、一生分の尿を保存して、日夜、精製に励んだことでありましょう。
AKI なんか……やってるっぽいだけに怖いです。じゃ、何から……?
哲雄 フェロモンの元になってるのは、DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)っていうホルモンなんだけど、実はこいつ、「ホルモンの母」と呼ばれたりもするんだよね。
AKI 母……? てことは、他のホルモンを作り出したりもするわけ?
哲雄 作り出しはしないけど、変化するんだね。このDHEA自体が、性ホルモンなんだけど、そこへある種の酵素が働きかけると、別の性ホルモンに変化するし、皮膚組織に到達すると、フェロモンに姿を変えてしまう。その匂いを感じて、脳の中の性欲中枢を刺激するのにひと役買うのも、実は、このDHEA。
AKI すごいやつなんですね、DHEAってのは。ところで、ご隠居、このホルモンって、男も女も持ってるんでげす?
哲雄 そうなんじゃよ、八っつぁん。こいつが作られるのは、主には副腎。あとは脳。卵巣とか睾丸でも多少は作られるらしいけど、ま、あんまり全体量には影響がない。性ホルモンのくせに男女差がない――という奇特なやつなんじゃよ。
AKI じゃ、あんまり意味がないじゃありませんか?
哲雄 そう思うでしょ? ところがどうしてどうして……。実は、このDHEAが男女分け隔てなく分泌されるおかげで、人類は、他の哺乳類にはない、ある大きな特質を獲得することができた。何だと思う?
AKI エーッ!! 何だろ? も、もしかして……女もエッチになった?
哲雄 オーッ! さすが百戦錬磨のAKIクン。そのとおり。通常、哺乳類のメスは、排卵期にしかオスを受け入れようとしないが、人間だけは、このDHEAが常に分泌されることによって、メスも常時、性欲を感じるようになった。大きいでしょ、これ?
AKI DHEAって、そういう性質のホルモンなんですか? その……私のような穢れなき乙女をも、エッチな気分にしてしまうような……。
哲雄 最初に「脳内ホルモン」の話をしたときに、女性ホルモンであるエストロゲンと男性ホルモンであるテストステロンの違いについて話しましたよね(第153夜『排卵期の性欲と月経前の性欲。同じ「したい」が、少し違う…』参照)。エストロゲンは、女性をやさしく受け身な気持ちにさせるけど、テストステロンは、人を攻撃的にし、性欲を高める働きがあるって。でね、このDHEAっていうのは、組成的に言うと、テストステロンの兄弟分みたいなやつなんだ。
AKI ということは、女を性欲で突き動かし、攻撃的にする?
哲雄 少なくとも、じっと男の愛を待ち、それをやさしく受け入れるだけ――という「性」ではなくした。女にだって、性欲はあるゾ! バイブでなぐさめることだってあるんだゾ!――ってね。

と言っても、決して過言ではありますまい。
AKI エラいゾ、DHEA! で、これは、常時、変わらず分泌されているわけですか? どんなときにも、どんな相手に対しても……。
哲雄 なわけないでしょ。まず、年齢的に言うと、分泌が急激に上昇するのは、思春期前後で、だいたい25歳ぐらいでピークに達する。この時期の女性に「エッチしたい」という気分を起こさせ、オナニーに向かわせたりするのは、間違いなく、このDHEAの仕業だと思っていい。その後は、年齢とともに減少していくけど、エストロゲンみたいに、閉経とともに無くなってしまう、ということはない。だから、女性が閉経後も性欲を維持しているとすれば、それは、DHEAのおかげ――と思っていい。ただね……。
AKI 何か、問題があるんですね。
哲雄 出産を経験すると、なぜか、このDHEAの値は、低くなってしまう。本ブログの「ペニスとヴァギナの物語」シリーズで、授乳によってプロラクチンの分泌が増えると、性欲が抑制される――という話をしたことがあるけど(vol.38『「ボイン」は、ほんとは、だれのもの?』参照)、それほどではないにしても、このDHEA値の低下も、出産後のセックスレスのひとつの原因になり得る。深刻なのは――。
AKI まだ、あるんですか?
哲雄 ガンなどで副腎を摘出してしまうと、性欲は、完全になくなってしまう。同じくガンで、卵巣を摘出しても、副腎が残っていれば、性欲はほぼ変わりなく維持できるのにね。DHEAは、副腎で作られるって言ったよね。つまり、こういうことだ。

AKI じゃ、男は? 男だってDHEAに影響されるわけでしょ?
哲雄 いや、男の場合は、DHEAと似た作用をして、DHEAよりさらに強力なテストステロンの影響下にあるから、DHEAの分泌量には、あまり左右されないらしいよ。ただ、テストステロンも、かなりの量が副腎で作られてるから、副腎を失うとヤバイよね。
AKI ね、哲ジイ。DHEAの働きって、それだけ? 女に性欲を起こさせるだけ?
哲雄 いやいや、最初に言ったでしょ? フェロモンは、このDHEAから作られるって。フェロモンを撒き散らすことによって、異性を呼び寄せる。これ、DHEAのもっとも重要な仕事なんじゃないかな。それと、もうひとつ、このホルモンは性感帯にも関係してる。
AKI 性感帯を発達させる……ってこと?
哲雄 女性の体のいろんな場所のDHEA濃度を調べてみるとね、面白いことがわかったのだそうです。乳房と生殖器、特に恥丘付近の濃度が、ズバ抜けて高い。内腿の付け根や、唇の数値も高い。逆に言うと、こういうことになるよね。DHEAの集まった場所が性感帯になる。そしてね、そういう場所では、DHEAは、皮膚組織の外見にも影響を及ぼす場合がある。たとえば、あそこが赤く充血する。唇が厚みを増して、赤く盛り上がる……とかね。そうやって、シグナルを送ってるわけですよ、「私、いつでもOKですよ~」ってね。
AKI そ、そんなこと言いながら、ジロジロ見ないでくださいよ。私の唇、そんなに盛り上がってませんわよ。
哲雄 でも、やせてる……。
AKI そりゃ、やせてますけど、それが何か? エッ!? それもDHEAのせいだって言うんですか?
哲雄 ものの本によると、このDHEAは、脂肪の代謝に関係してるらしいんだよね。DHEAの濃度が高いと、脂肪代謝のモーターが働いて、エネルギーを燃やすらしいんだ。つまり、こういうことですよ。DHEAの値が低い人ほど太りやすく、高い人ほど、やせやすい。ここから、何が言えるか?
AKI やせている人ほど、エッチ……?
哲雄 ピンポーン! ま、太っているかやせているかには、他の要因もからんでいるわけだけど、間違いなく、こういうことは言えるね。

AKI それ、男だって同じでしょ?
哲雄 いや、同じじゃないらしいよ。あくまで、動物(アカゲザル)を調べた結果だけど、オスの場合は、太っていてもやせていても、DHEA値には、ほとんど変化が見られなかったそうだ。
AKI メタボなオヤジって、けっこうエッチだったりするしね……。
哲雄 そう言えば、キミって、よく食べるわりに、太らないよね。つか、やせてるし……。
AKI おかげさまで。
哲雄 DHEAのおかげさま……? みなさ~ん、この女、けっこうスケベですよォ~!

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