ヤンママの30代は、キケンな香り。そのホルモン的理由
不純愛トーク 第156夜
30代に入ると、脳内のホルモン・バランスは、大きく変化し始めます。それによって変わっていく愛のかたち。その変化をもっとも劇的に経験することになるのが、早く結婚して、早く出産した「ヤンママ」たち。今回は、その30代が直面する危機のあり方を検証してみます――。
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AKI わたくし思うにですね、哲ジイは、テストステロン全盛の頃には、そのエネルギーをオナニーで使い果たし、そして、それがほとんど涸れかかったいまになって、若い女のシリを追い回したりしてるから、相手にしてもらえない。てことは、哲ジイのテストステロンは、ほとんど有効な使われ方をしてないってことですよね。
哲雄 だれが、涸れかかってるって? だれが、若い女のシリを追い回してるって? 見てきたようなホントのことを言わないでくれる? 確かに、それは、ほとんどムダに、東京湾に流してしまいましたが……。
AKI エッ、東京湾に……?
哲雄 下水道を通って、東京湾に。江戸前のハゼとかコハダとかは、わがテストステロンを食ってお育ちになったわけです。
AKI ハゼもコハダも、食べるの、止めた。それでね、哲ジイ、前回の続きで、30代の恋愛模様は複雑だって話なんですけど……。
哲雄 ハイ。ちょっと復習しておくと、男性ホルモンであるテストステロンも、女性ホルモンであるエストロゲンも、10~20代をピークとして、減少していく。テストステロンは、攻撃型のホルモン、エストロゲンは受け身のホルモンでしたね。テストステロンとエストロゲンは、男性も女性も、両方持っているのだけれど、男性の場合は、圧倒的にテストステロンの量のほうが多く、女性の場合は、エストロゲンが圧倒的に多いので、20代までは、男はテストステロンの影響を強く受けて、乱暴に相手を求めるSEXを好み、女は、エストロゲンの影響を受けて、やさしく触れ合うSEXを好む傾向がある――と、そんなことをお話しました。
AKI でも、そのバランスが変化していくんでしたね。
哲雄 そう。30代に突入すると、男性は、相対的にテストステロンの影響が低下していく。エストロゲンも減っていくんだけど、元々少なかったエストロゲンの低下よりも、多量に分泌されていたテストステロンの減り方のほうが、パーセンテージで言うと、はるかに大きい。結果的に、男は、エストロゲンの影響を受ける割合が大きくなって、少し穏やかな、安定した関係を好むように変わっていくんだね。ところが、女性のほうは……。
AKI 逆に、エストロゲンの減り方のほうが大きいから、テストステロンの影響を受ける割合が大きくなって、少し攻撃的に、積極的にSEXを求めるようになる。「三十、させ頃」なんて言われるのは、そのせいだ――と、そういう話でした。
哲雄 思うんだよね。こうして、少し穏やかに愛することを覚えた男と、少し攻撃的に求めることを覚えつつある女が、うまいこと出会えば、それはもう、理想的なカップルができ上がるんじゃないか――ってね。
AKI そうかぁ。そうですよ、哲ジイ。30代同士の出会いって、いいじゃないですか。男は、10代や20代の男のように、ただ長く、強く、ピストンすればいいだろ……ってSEXじゃなくて、女をやさしく愛撫することも覚えてるだろうし、女のほうだって、ただ男を受け入れるだけじゃなくて、たまには自分が上になって攻めたり、お口で攻めてみたり……ってことが、自然にできるようになってるだろうし。
哲雄 AKIクンにかかると、なんかリアルになっちゃうけど、ま、でも、そういうことだよね。ところがね、AKIクン。たいていのカップルは、もっと早い時期に出会ってるでしょ。早い人だと10代の終わり頃とか、20代の初め頃とかさ……。問題は、そういうカップルの場合なんだよ。
AKI わかった。30代になって、初めて、「ああ、わたし、ほんとは、こういう人に会いたかったんだよな」と思うような人に、出会っちゃったりするわけだ。
哲雄 問題だよね、それ……。
AKI てか、危ないですッ!
哲雄 特に、こういうケースが危ない。ケンとメリーは、高校時代に出会って、すぐエッチする関係になった。その頃のケンと言えば、メリーの気分などおかまいなしに、ただペニスをメリーのヴァギナに突き立てて、ストップウオッチ片手に腰を動かすばかり。「きょうは15分もった」とか「30分もったぞ。よかっただろ?」なんて自慢するんだけど、メリーは、ただ痛いばかりで、ちっとも気持ちよくない。そのうち、カレとのエッチを苦痛に感じるようにさえなってしまった。でも、そんなことをカレには言えない。そんな関係を続けているうちに、デキちゃった――。
AKI アラ、大変!
哲雄 で、このふたりは、20歳になったばかりで、できちゃった婚。よくあるパターンだよね。ところがね、子どもが生まれてしまうと、メリーは、ますます、ケンにさわられるのがイヤになってしまった。
AKI 相変わらず、乱暴だったのね、ケンのさわり方が?
哲雄 それもあるんだけどね、実は、もうひとつ、生理的に無視できない理由がある。それが、プロラクチン。
AKI プロラクチン? これもホルモンなんですか?
哲雄 ウン。脳の下垂体で作られるホルモンで、乳房の成長を促したり、母乳の分泌を促したりする働きがあるんだけど、赤ちゃんがオッパイを吸うと、このホルモンの値は、一気に、通常の10倍ぐらいにハネ上がるんだ。それはそれで、人間の体にとっては正しいことなんだけど、ひとつだけ困った作用があって、
このホルモンの分泌量が増えると、性欲が抑制されてしまう。
AKI あらら……。つまり、あれですか? 授乳期間中は、お父ちゃんにはさわらせないぞ、ってこと?
哲雄 ま、自然の摂理としてはそういうことだろうね。授乳してる間は、次の妊娠はおやめなさい――と、体が要求するんだろうね。そうすると、どうなるか? ケンは、赤ちゃんにメリーのオッパイばかりか、エッチまでも奪われてしまうことになる。
AKI 嫉妬しませんか、ケンのやつ?
哲雄 それもあるだろうね。父親と子どもというのは、こうして、誕生直後から、母親の愛を奪い合うライバル関係になるわけだけど、そっちの問題は、心理学的に、また別のテーマになってしまうので、ここでは深入りしません。問題は、性欲。ただでさえ、ケンの乱暴なSEXにうんざりしてたところへ、このプロラクチン効果で、性欲そのものまで減退してしまったメリーは、ケンが体に手を伸ばしてきても、「いまは、ダメ」と、誘いを拒むようになってしまう。すると、ケンはどうなるか?
AKI 欲求不満、溜まりますわねェ。わかった、外注するんだ!
哲雄 そう。はけ口を、外の女に求めてしまう。そうして、ケンの側でも、冷たい妻に触れようという気が、だんだんなくなって、こういう状態がしばらく続くと、そのままセックスレスになってしまう。
AKI でもさ、プロラクチンは、授乳期間が終わると、平常値に戻るんでしょう。
哲雄 戻ります。もし、このケンとメリーのふたりが、もう少し年齢が上で、たとえば、ケンが30代前半、メリーが20代後半なんかだと、ケンはもう少しやさしくなってるし、メリーも、もう少し積極的になってるから、子どもの目を盗んでイチャイチャ――なんてことになるんだろうけど、まだ、20歳そこそこのふたりだと、そのまま、ふたりの関係がギクシャクし始めるってことが少なくないだろうと思います。
AKI 冷えちゃうんですね、おたがいの肌の温度が。少しずつでもさわりっこしてれば別だけど、それもなしに「触れない期間」がある程度続くと、たぶん、「この人とエッチしたい」という気持ちそのものが、消えていってしまうかもしれないですね。それに、それからの何年間かっていうのは、育児に手間のかかる期間だし……。
哲雄 おそらく、子どもが小学校の高学年になるくらいまでは、母親って、子どもの世話で手一杯だろうしね。で、やっと、30代になって、子どもからも少し手が離れました。体の中ではエストロゲンの減少が始まって、ムクムク……と、テストステロン主導の「エッチしたいゾ」欲望が頭をもたげ始めます。20代前半の頃には考えられもしなかった積極的な気持ちでね。ところが……。
AKI エッチの相手となるべきケンとは、もう何年も、肌の冷め切った状態が続いている――ですよね。
哲雄 最近になって、少しやさしいそぶりも見せ始めたケンだけど、メリーの頭の中には、乱暴だった頃のケンのイメージしかない。いまさら、スリスリされてもねェ……と、いまひとつ、体が反応しない。そんなところへ、やさしい言葉をかけてくる男、登場! ケンとは違って物腰もやわらかく、ロマンチックな言葉でハートをとろけさせ、こないだチラと、私の肩を抱いたりしてくれたけど、その抱き方がまた、なんともソフトで、つい、感じちゃったりもした……。
AKI あ、それ、ヤバイです。
哲雄 このふたりのケースは、ひとつの典型だと思います。20代の早いうちまでに結婚・出産を経験して、若すぎるパパ・ママとなったカップルが、育児期間中のカレの浮気、セックスレスなどを経て、30代で今度は彼女が不倫に走る、またはいきなり離婚を切り出す。
AKI ヤンママの30代は、キケンな香りに満ちているんですね。
哲雄 よし! 目標は、30代の元ヤンママ! 長住、ガンバりま~す。
AKI 何、言ってんだか、このエロじじいは? ね、ね。その逆はどうなんですか? 30過ぎて結婚して、マル高出産したようなカップルの場合は?
哲雄 わかりました。そちらのケースについても、次回、ホルモン的に検証してみることにしましょう。ああ、ハラ減った! 寿司でも食いに行こうか?
AKI 哲ジイのテストステロンを食ったコハダとかですか? 私は、パス!

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