30代女性はなぜ誘惑に弱い?~「三十させ頃」のホルモン的意味
不純愛トーク 第155夜
あなたの愛のあり方に大きな影響を及ぼす「脳内ホルモン」。特に男性ホルモンであるテストステロンと、女性ホルモンであるエストロゲンのバランスは、年齢によっても変化し、その結果、男女関係も大きく変化します。10代、20代の恋愛と、30代以降の恋愛は、どこが、どう変わるのか、今回は、「三十させ頃」の秘密を、ホルモン的に解き明かしてみます――。
【今回のキーワード】 浮気 セックスレス ホルモン・バランス
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AKI 前回は、生理周期とホルモン・バランスの話をお聞きしたわけですが、このバランスって、人の一生の中でも、変化するでしょ?
哲雄 おっしゃるとおり。それが、一生の中でも大きく変化するがゆえに、夫婦の関係も変化していくし、浮気や離婚という問題も起こってくるわけです。AKIクンは、こんな言葉を聞いたこと、ありますか?
三十、させ頃、
四十は、し頃。
AKI ン……? 何やら意味シンな言葉に聞こえますが、何なんでしょ、これ?
哲雄 女性の性欲のありようを表した言葉です。つまり、30代の女は、させてくれるぞ=男の誘惑を受け入れやすい、40代の女は、自分からしたがるぞ=男を誘惑してくる、ということを言ってるわけですが、これが、実によく、女性のホルモン状態の経年変化を言い当てている。
AKI てことは、女は、30代、40代……と進むにつれて、性に対して積極的になるってことなんですね。
哲雄 その逆に、男は、性における「攻撃性」が減退していきます。これも、ホルモン・バランスの変化がもたらす現象です。かいつまんで言うと、こういうことになるんですね。

10代~20代をピークとして、エストロゲン(女性ホルモン)が減少し、
相対的にテストステロン(男性ホルモン)の影響力が強まる。

10代~20代をピークとして、テストステロン(男性ホルモン)が減少し、
相対的にエストロゲンの影響力が強まる。
AKI つまり、これって、女は「男性化」し、男は「女性化」するってこと?
哲雄 「男性化」「女性化」という言葉がふさわしいかどうかは別だけど、明らかに、異性に求めるものが変わってくる。10代~20代に、もし決定的な亀裂を経験してなければ、そのカップルはおたがいに歩み寄って、理想的な関係を築くことになるでしょうね。
AKI そうでなかったら……?
哲雄 破談や離婚の危機を迎える。特に30代は、その危険性がきわめて高いんだよね、ホルモン的に言うと。
AKI 「させ頃」30代は、「離婚し頃」でもある
――ってこと? ねェ、哲ジイ、それまでの男女関係と30代の男女関係、具体的には、どこがどう変わるんですか?
哲雄 じゃ、まず10代の恋からね。男はテストステロンの、女はエストロゲンの、強烈な影響下にあります。男の子は「やりたい」一心。しかも、それを男の子同士で競争し合う状態にあります。
AKI エッ、そんなことまで競争するの?
哲雄 ていうか、男の競争は、本質的には、メスの獲得競争だから。その競争をあおり立てるのが、テストステロンの役割でもあるんだよね。「おまえ、彼女できたか?」「もう、やったか?」ってね、男同士が集まると、そんな話ばかりしてる。「いや、まだだ」なんて言うと、友だちからバカにされてしまうので、何としても彼女を作ろう、キスしよう、やっちゃおう――と、頭の中では、そんなことばっかり考えてる。それができないと、オナニーに走るんだけど、そのオナニーでも、「あのグラビア・アイドルが抜ける」「いや、オレは、こっちのほうが抜ける」と、おたがいにその回数や「おかず」の優秀さを自慢し合ったりする。
AKI バッカみたい。女の子も、男の子の話はするけど、もっとロマンチックだよ。
哲雄 ウン。この年頃の女の子は、エストロゲンの影響で、ものすごく受け身で、やさしい気持ちになってるからね。カレが、どんなやさしい言葉をかけてくれたとか、どんなふうにやさしく手を握ってくれたとか、そんなことを話しながら、頭の中では、自分とカレとの甘く、ロマンチックな関係を夢想するんだと思う。ところが、男の子のほうは、何とか早いとこ「やっちまおう」と、頭の中ではそのことでいっぱい。
AKI ハイハイ、私にも経験があります。「やりたい」男の子は、一生懸命、体にさわったりしてくるんだけど、それがどうも……女の子をいい気持ちにさせようというさわり方じゃなくて、あそこにさわるために《ほふく前進》してる……みたいなさわり方だから、つい、「止めて」って言ったりするんだよね。
哲雄 「そんなことする、○○クン、嫌い」なんて言っちゃったりもするよね。
AKI 言われましたね、哲ジイも。
哲雄 いえいえ、私はそんな……。でね、20代も、ほぼ、この状態が続きます。ただし、男も女も、この頃にはすでにSEXを経験してるから、両者のスレ違いは、ベッドの中に持ち込まれるわけです。
AKI もう、やっちゃったのに……?
哲雄 やり方が違うわけですよ。テストステロンに導かれた「競争の戦士」たる男は、今度は、彼女をいかにイカせまくるか――に血道を上げるようになります。しかも、この年頃の男は、彼女をイカせるのは、深さと強度と持続時間だと、かたくなに信じ込んでるから、彼女とやりながら、時間を計っちゃったりします。
AKI エッ、そんなことしてるの?
哲雄 アメリカの若い男たちなんて、自分がイキそうになると、母親がウンコしてるところを想像して、射精を止めようとするんだって。
AKI ウソでしょ?
哲雄 『愛は脳内物質が決める』を書いたテレサ・クレンショー女史が書いてたんだけどね。日本でも、この「射精をガマン」するについては、涙なしでは語れないほどの努力をしてるんだよ、若者たちは。ボッキ力を高めるために体を鍛えるやつだっているし、アレそのものの筋トレに励むやつだっている。
AKI そんな筋トレがあるの?
哲雄 昔は、ボッキしたあれに水を入れたヤカンをぶら下げて、持続時間を延ばす訓練をしたりしたもんです。
AKI 哲ジイも、それ、やったの? まさかね……。
哲雄 いや、私は、ムダな努力はしない主義なので……。で、とにかく競争主義な男たちは、そうやって延ばした持続時間を、男同士で自慢し合ったりするわけです。「30分もたせたって? バカ言ってんじゃないよ、オレなんて、1時間はもつゾ!」なんてね。
AKI そんなの、女にとっては、ちっともありがたくない……というより、むしろ、苦痛でしかないのに……。
哲雄 だろうね。エストロゲンたっぷりの20代の女性は、そんなことより、むしろ、自分をその気にさせてくれるやさしい言葉だとか、全身がとろけるようなやさしいタッチだとかで、一体感を高めてくれることを望むはずなんだ。ただ、強く、長く、突きまくれば、女は喜ぶはずだ――なんて考えてる男とのSEXは、だんだん苦痛になってしまう。「ねェ、もっとやさしくして」と、つい口にしてしまうんだけど、男は、女からそんな指示をされることが、基本的にはイヤだから、こちらも、だんだん、彼女に触れることが面倒になってしまう。
AKI それって、セックスレスの始まり……?
哲雄 比較的早い段階でセックスレスになるカップルの場合は、それもひとつの引き金になるでしょうね。そして、欲望が満たされない男は、もっと簡単にやらせてくれる女にテストステロンのはけ口を求めたりしてしまう。
AKI 浮気……ですか?
哲雄 浮気もそうだし、彼女や妻がいながらフーゾクに通うなんてのも、そのはけ口のひとつだと思います。ところがね、この事情が、30代になると、ちょっと変わってきます。
AKI ホルモンのバランスが変わってくるんですね。
哲雄 まず、男。こっちは、あれほど凶暴だったテストステロンが、この頃から少しずつ下降をたどり始める。それに伴って、エストロゲンやその他の、もっと穏やかなホルモンの影響力が、相対的に上昇することになる。
AKI 少し、やさしくなっちゃったりするんですね?
哲雄 ウン。そして、遅ればせながら、妻や恋人との精神的な絆を大事にしよう――という気持ちが強くなる。ただ、やりまくればいいってもんでもないよなぁ……と、少し反省するわけです。ところが、女のほうはというと……。
AKI 逆に、エストロゲンが減少し始めている……?
哲雄 その結果、テストステロンの影響が相対的に上昇する。するとどうなるか?
AKI 欲望を満たしたいという気持ちが、強くなる?
哲雄 その通り。強くなるだけじゃなくて、そのために、自分から積極的に行動しようとする。そのとき、夫なり、恋人なりと良好な関係が続いていれば、ふたりは、ものすごくラブラブな日々を送ることになるんだけど、もし、そこに20代の負の遺産が残っていて、「いまさら、カレとベタベタでもないよな」と思っていると……?
AKI 浮気に走る?
哲雄 夫や恋人に「つくしたい」と思わせるエストロゲンが減少してるところへ、「欲望を満たしたい」というテストステロンの影響が強まるわけだから、場合によっては、歯止めが効かなくなってしまう。しかしね、そこで、どういう行動を選択するかは、単にホルモンだけの問題じゃない。ふたりが結婚しているかどうか、早い結婚だったか、遅い結婚だったか、子どもはいるかいないか――そういう要素がすべて絡んでくる。
AKI 30代は複雑なんですね。
哲雄 複雑です。100人の30代がいたら、100通りの「愛の劇場」が成立する。そのパターンをいくつかに分類してみたいのだけど、これまた長い話になるので……。
AKI ハイ。では、続きは次回、ということにしましょうか。哲ジイは、せいぜい、筋トレに励んでくださいませ。
哲雄 ナヌ……?

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