排卵日の性欲と月経前の性欲。同じ「したい」が、少し違う…
不純愛トーク 第154夜
あなたの愛のあり方が、「脳内ホルモン」によって左右される。前回は、そんな話をしたあと、そのホルモン測定のテストを作りました。今回は、その脳内ホルモンの分泌量にも影響する「性ホルモン」の話。あなたの「したい」は、3つの性ホルモンのバランスで決まる、という話をご紹介します――。
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哲雄 10日間のごぶさたでしたが、どうでしたか? AKIクンの結果は?
AKI な、何が……ですか?
哲雄 何が……とは殺生な。キミが、ぜひ脳内ホルモンを測定したいとおっしゃるので、寝る時間も削って、テストを作成したのに……。
AKI ハイ、ちゃんと測定しましたよ。でも、その結果は、個人情報でございますからねェ……。
哲雄 守るほどの個人情報でもないと思いますがね。じゃ、当ててみましょう。ズバリ、《タイプC「熱しやすく、あきらめやすい恋多き人」》ではありませんでしたか?
AKI エッ、ど、どうしてわかったの?
哲雄 だって、キミは、どう見てもアドレナリン体質ではない。しかし、快楽には走るタイプだし、自己抑制もそこそこ効くタイプ――となると、結果は想像がつくわけですよ。実は、この長住も同じタイプですから。
AKI ワッ、うれしいような、気持ちわるいような……。
哲雄 素直じゃないなァ、キミも。ま、そこがカワイイところでもあるんだけどね。ということで、このテスト、まだお試しでない方は、ぜひ、試してみてくださいね。
AKI ね、哲ジイ。脳内のホルモンって、他にもあるわけでしょ?
哲雄 ハイ、いろいろとりそろえておりますよ。テストで試した、ドーパミン、アドレナリン、セロトニンは、「神経伝達物質」として働くホルモンなのですが、直接、神経伝達物質にはならないけれど、神経伝達物質の分泌に影響を及ぼすという形で、愛のあり方を左右するホルモンが、いろいろとあるわけです。中でも、大きいのが、「性ホルモン」じゃないでしょうか。
AKI それ、それ、それですよ、私が知りたいのは!
哲雄 ホォ、目が輝いてきましたね。「性ホルモン」を性に関与するホルモンと解釈すれば、これまたいろんな種類があるんだけど、主に登場するのは、エストロゲン、テストステロン、プロゲステロンの3種だね。
AKI 「エストロゲン」は「女性ホルモン」ですよね?
哲雄 単に「女性ホルモン」と呼ばれることもあるけど、別に、女性だけが作り出すホルモンじゃない。男だって作ってるんだよね、微量だけど。
AKI エッ、男も作ってるの?
哲雄 男のエストロゲンは、男性ホルモンであるテストステロンから合成されます。だから、ヘンな話だけど、男性ホルモンの産生がもっとも活発になる思春期になると、副産物のエストロゲンも増えて、一時期、オッパイが女の子みたいにふくらみそうになることがあるんだよね。
AKI 哲ジイのオッパイもふくらみそうになったの? あんまり想像したくないことだけど……。
哲雄 あせりましたよ。エッ、オレ、女になっちゃうの? やだ~ァ……なんてね。でも、それはあくまで一時的な現象。医学的には、「女性化乳房(にゅうぼう)」というらしいんだけど。
AKI そのまま、ふくらんじゃえばよかったのに……。
哲雄 いや~ん。哲子、恥ずかしい……なんて、何を言わせるんです、キミは。でね、この「エストロゲン」ってやつが何をするかと言うと、オッパイを大きくしたり、女らしいニオイを作り出したり、「やらせろ」と迫る男を「いらっしゃい」とやわらか~く迎え入れる、「受身でやさしい気持ち」を生み出したりします。
AKI フーン、受け身でやさしい気持ちねェ。じゃ、「テストステロン」のほうは?
哲雄 「テストステロン」は、別名「男性ホルモン」。こっちは、攻撃的な性衝動を引き起こすホルモンで、「オイ、やらせろ!」と迫ったりするのは、このホルモンの働きなんですね。このホルモンが活発に働きだすと、男女ともに積極的に性行動を起こすことになるんだけど、それだけじゃなくて、相手を支配したいとか、暴力的に屈服させたい、という衝動も強くなる。
AKI ろくなもんじゃありませんね、このホルモンは。レイプ魔を作り出すのも、このホルモンじゃないですか?
哲雄 テストステロンだけが優勢、という状態だと、そうなるかもしれませんね。しかし、このホルモンが働かないと、動物は、外的から身を守ったり、ナワバリを守ったりすることができなくなる。つまり、そういう攻撃的行動がとれなくなるわけで、それはそれで危険でしょう?
AKI ま、女には不要なホルモンですわね。
哲雄 とんでもない。女性もちゃんとこの「テストステロン」を産生してるんでございますよ。副腎皮質とか、卵巣で。ただね、その値は、男性に比べてかなり低く、しかも、女性は、この「テストステロン」の攻撃性を打ち消すような性質を持った「エストロゲン」を大量に分泌してるから、他者と交流したり、親密になったりすることが、男性よりもかなり得意なんだ。
AKI そうか。「テストステロン」優勢だと、人と親密になれないんだ? でも、それじゃ、とろけるようなエッチなんて、できないじゃありませんか?
哲雄 そうだね。しかも、「テストステロン」は、孤独を好む。性欲は起こすくせに、他者と親密になることを好まず、攻撃的で、ひとりになりたがる。ここから導き出されるエッチのスタイルがどんなものか、想像できる?
AKI 乱暴に相手をねじ伏せて、一方的に事を済ませ、
終わるとさっさとどこかへ行っちゃう。
哲雄 まるで、見てきたように、おっしゃいましたが、実はその通り。多くの女性たちが、「少しも満足しない」とおっしゃる男性のSEXは、おおむね、そのようであるかと思われます。しかし、男性の中にも微量ながらエストロゲンはあるし、脳の中では、前回登場した「セロトニン」が、その攻撃性を緩和したりします。
AKI オーッ、がんばれ、セロトニン!
哲雄 しかし、セロトニンも出すぎると、今度は性衝動そのものを抑え込んでしまいます。要は、バランスが大事なんですね、各ホルモンの。ところで、AKIクン、つかぬことをお訊きしますが、キミは、月経前と排卵期、どっちがエッチしたくなります?
AKI ほんと、つかぬことですわ。ま、あえて言うなら、排卵期のほうでしょうか。でも、友だちの中には、月経前になると、無性にしたくなる……という人もいるようですよ。
哲雄 ウン。どっちも……というのが、正解でしょうね。でもね、排卵期の「したい」と月経前の「したい」は、同じ「したい」でも、その中身が違う。
AKI それも、ホルモンの影響だというんですか?

※上のグラフは、ホルモン・バランスの変化を模式的に表したものです。
実際のホルモン量の数値を正確に反映させたものではありません。
哲雄 その通り。ちょっと、上のグラフを見ていただけますか? 実はね、「エストロゲン」と「テストステロン」の分泌量は、排卵期がピーク。そのあとは、両者ともに減少して、代わりに「プロゲステロン」の分泌量がグーンと増える。「プロゲステロン」というのは、別名「黄体ホルモン」。ピルの主成分も、この「黄体ホルモン」だと言えば、その性質がわかるかな?
AKI 避妊……?
哲雄 避妊だけじゃなくて、性衝動そのものを妨害する。「テストステロン」の働きを抑制して、「したい」という気持ちを起こさせなくしてしまうんだよね。ところが、そうして性欲にブレーキをかけ続けた「プロゲステロン」が、月経前になると、ほとんど分泌されなくなる。
AKI オッ、ブレーキ役がいなくなるんだ。こりゃ、まずい!
哲雄 エストロゲンもテストステロンも減少しているけれど、ブレーキ役のプロゲステロンがいなくなって、相対的に言うと、テストステロンの割合が一時的に高くなってしまう。すると、どうなるか?
AKI 性衝動が、高まってしまうわけですね?
哲雄 しかも、こっちの「したい」は、テストステロン主導の「したい」だから、排卵期の「したい」より、攻撃的で、支配的です。しかも、どちらかというと、ひとりになりたい。すると……?
AKI わかった! 月経前の「したい」は、どっちかと言うと、「オナニーしたい」のほうなんだ。
哲雄 それか、相手を攻める「したい」だね。少なくとも「受け身」じゃない。それに対して、排卵期の「したい」は、「ねェ、入れて」という「したい」。医学的に言うと、挿入と射精を望む「したい」なんですね。「排卵」の意味から言っても、そうなるでしょう?
AKI 生物的に言っても、それって、自然なことですよね。その環境を作ってるのがホルモン。うまいことできてるんですねェ、人間の体って。
哲雄 人間の……というより、動物の体がね。そして、AKIクンの体も。そうか、そうか、キミも「排卵日派」か……。ウフフ……。
AKI だから、その薄気味わるい笑い方、止めてくださいって。

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