第147夜☆「尽くす女」は、「暴君」を作る!?
第147夜
人間のタイプには、人を支配したがる《支配型》と人に従属したがる《従属型》、どちらも好まない《自立型》があります。今回は、《支配型》の中でももっとも支配欲の強い《暴君型》を取り上げて、その性質を分析します。《暴君型》と合うのは、いったいどんな人間なのでしょう――。
【今回のキーワード】 暴君 浮気 尽くす女
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AKI 人を支配したがる人間って、基本的には、「ハイハイ」と言うことを聞く人間が好きなんでしょ?
哲雄 そうなんだけどね、中には、それじゃ面白くない――と感じるタイプもいるわけですよ。《支配型》の人間には、《暴君型》《親分型》《裁判官型》《博愛・溺愛型》の4タイプがいると説明したと思うけど、特に、《暴君型》と《親分型》には、その傾向が強いかもしれない。
AKI エーッ、そうなの? 《暴君型》なんて、腕力にモノを言わせてでも、相手を屈服させようとするわけでしょ?
哲雄 だから、《従属型》との相性がいい。その中でも、特に《召使型》なんだけど、でもさ、相手が完全に自分に屈服して、「ハイハイ、なんでもあなたのおっしゃるとおりにするわ」ってなると、このタイプは面白くない。今度は、「なんで、おまえはいつも、ハイ、ハイなんだ。人をバカにしてるのか」と怒り出したりする。
AKI 扱いにくいタイプですわねェ。
哲雄 それ、その「扱う」。それが、このタイプは気に食わない。自分は「扱われてるんだ」ってことにガマンがならない。このタイプの悦びは、いやがる相手を力ずくでねじ伏せて言うことを聞かせるところにあるんだから、はなっから「おおせのとおりにいたします」じゃ、モチベーションが低下するわけです。
AKI わかった。そこで、このタイプは標的を替える?
哲雄 オーッ、スルドい。そう、ひとつは、標的を替える。相手を完全に支配できた、と思ったら、次の標的に向かう。今度は、ひとつ、あのクソ生意気な女を落としてみるか――てなもんでしょう。
AKI いやですよ、私は。そんな標的にされるの。しかしですね、哲ジイ。そうなると、このタイプが闘志を燃やす相手というのは、必ずしも《従属型》とは限りませんよね。
哲雄 だから申し上げたでしょう。相性だけから言えば、《支配型》には《従属型》ってことになるけど、《支配型》の好みとなると、必ずしも《従属型》とは限らないって。
AKI 確かに、そうおっしゃいました。ちょっと、話が複雑になるので、もう一度、タイプの整理をしておきましょうか。
対人スタンスによるタイプ分類
支配型……人を支配することに喜びを見出すタイプ。以下の4タイプがいる。
暴君型……力にモノを言わせて、相手を肉体的・精神的に支配しようとする独裁者タイプ。
親分型……面倒を見ることで、相手を自分の支配下にとどめようとする太っ腹タイプ。
裁判官型……ルールや道徳を前面に押し立てて、人の行動や心を支配しようとするタイプ。
博愛・溺愛型……愛情をふり撒くことによって、人の心を支配しようとするタイプ。
従属型……人に支配されたり評価されることで心の充足を得るタイプ。以下の4種がいる。
召使型……強権を発動する相手に隷属し、身も心も支配されることに快感を覚えるタイプ
子分型……力のある相手に庇護されることを望み、忠節を尽くすことに生きがいを感じるタイプ。
よい子型……目上の人間の評価を気にし、たえずいい点を取ろうとするタイプ。
ブリッコ型……「かわいい子ども」でいることによって、庇護者の愛情を得ようとするタイプ。
自立型……だれにも従属せず、人を支配しようともせず、自立した人間でいることを望むタイプ。
哲雄 このタイプの中で言うと、《暴君型》がもっとも屈服させたいと闘志を燃やすのは、同じ《暴君型》かもしれないんだよね。でも、これは大変。どちらもが相手をねじ伏せようとするタイプだから、もしこんなふたりが結婚なんてした日には、家庭の中はどうなるか?
AKI 血で血を洗うような状態になりますよね。壁は穴だらけ、食器は三日で粉々、シャツは破かれ、ブラは引き裂かれ……ああ、想像しただけでも身の毛がよだつ。
哲雄 だから、通常、こういうふたりが一緒になるということは、よほど優劣がハッキリした場合を除いて、考えられない。したがって、恋人や女房にするとしたら、とりあえずは、《従属型》を選ぶ。
AKI 《従属型》ならどのタイプでもいい、というわけじゃないですよね。
哲雄 「あいつはよく尽くしてくれる」みたいな言い方をする男がいるでしょう?
AKI 私、大嫌いなんですけど、その言い方。
哲雄 私も嫌いです。だいいち、尽くされたくないし……。ところがね、《暴君型》の男にとっては、「尽くす女」っていうのは、他の男たちに自慢できる戦利品のひとつなんだよね。「うちの女房は気が利くんだよ」なんて自慢してる男を見ると、柔らかい言葉を使ってても、こいつは、女を「戦利品」扱いしてるな……と思うわけですよ。この「尽くす女」というのは、タイプで言うと、《召使型》か《子分型》。《暴君型》がステディな女として確保したいのは、このタイプだと思っていいでしょうね。
AKI 《よい子型》じゃダメなんですか?
哲雄 《よい子型》は、相手から評価してもらえないと、壊れてしまいます。《暴君型》は、たまにアメを与えることはあっても、基本的には要求するばかりのタイプですから、《よい子型》が求める「評価=点数」を与える、ということがない。そうなると、《よい子型》はついていけなくなってしまいます。ガマンしてると「うつ」になりかねない。《暴君型》にとってはよくても、裏ばれる側としてダメな相手なんですね。
AKI なるほど。だから、私もダメなんですね。《ブリッコ型》は、ハナからダメですよね。だって、《暴君型》は、《ブリッコ型》が求める愛情を示してあげられないんだから。
哲雄 そのとおり。というわけで、《暴君型》がステディとして選ぶのは、《召使型》や《子分型》になりやすいわけだけど、でもこのタイプだと、相手が完全服従してしまうから面白くない。
AKI ムリを言いたいのに、ムリも「ハイハイ」と聞いてしまうからですね。で、次のターゲットを探す。それって「浮気」ってことですか?
哲雄 「浮気」の場合もあるだろうし、周りの女たちへの「セクハラ」もあるだろうし、もっと悪質なのもいるだろうね。そうでなかったら、もうひとつの道に走る。
AKI もうひとつの道? 何ですか、それ? まさか、暴力……?
哲雄 そこまでいくかどうかは別として、要求をエスカレートさせるわけですね。
AKI 暴君がますます暴君になるってことですか?
哲雄 だね。相手が、「レベル1」の要求に従うようになったら、今度は、「これではどうだ?」とばかり、「レベル2」の要求を突きつける。「レベル2」を受け入れたら、今度は、「レベル3」って具合にね。
AKI 「肩をもめ」で満足したら、次には「チンチンなめろ」とか……?
哲雄 どうも、おミャーさまが頭に浮かべる想像は、下品でかんわ。ま、そういうのもあるかもしれないけど、基本的には、要求のレベルのエスカレートだからね。「ちゃんと部屋の中を片づけておけ」が「チリひとつないくらいにきれいにしておけ」にエスカレートする……とか、ま、そんな感じじゃないですか?
AKI ハードルを高くしていくわけだ。それで、相手が苦しむ姿を見たい――と。それって、Sじゃないですか?
哲雄 暴君には、多かれ少なかれ、Sの要素があるかもしれないね。相手に負荷を与えることによって、支配者である自分の優位性を保とうとするわけだから。つまり、こういう暴君は、相手が尽くせば尽くすほど、その暴君ぶりがひどくなっていくんだ。
AKI 暴君は、エスカレートする、ということですね。
ウーン、そうなったら、どうしたらいいんでしょうね?
哲雄 最初が肝心でしょうね。相手が「10」要求してきたら、常にその「10」を満たそうとするのでなく、「5」とか「6」で留めておく。自分の要求が100%満たされるわけではない――ということを、早い段階で学習させることが必要だと、私は思います。
AKI それ、精神的には、かなりきついですね。
哲雄 暴君をもっとひどい暴君にしないためには、それくらいの勇気は持たなくちゃ。
AKI これ、「暴君」が女である場合も同じですか?
哲雄 同じですね。私の経験によれば、女の「暴君」のほうがひどいですけど……。
AKI 哲ジイも、辛い人生を送ってるんですねェ。それで、頭も薄くなっちゃった?
哲雄 ほっとけ。今回は、《暴君型》の話で終わっちゃったけど、《親分型》だとどうなるか? その話は、次回ということにしましょうか。
AKI あの、これ、試供品でもらったんだけど、よかったら使ってみます? 新しい「脱毛防止シャンプー」なんですって……。
哲雄 ご心配は、ご無用に願います。
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哲雄 だから申し上げたでしょう。相性だけから言えば、《支配型》には《従属型》ってことになるけど、《支配型》の好みとなると、必ずしも《従属型》とは限らないって。
AKI 確かに、そうおっしゃいました。ちょっと、話が複雑になるので、もう一度、タイプの整理をしておきましょうか。


暴君型……力にモノを言わせて、相手を肉体的・精神的に支配しようとする独裁者タイプ。
親分型……面倒を見ることで、相手を自分の支配下にとどめようとする太っ腹タイプ。
裁判官型……ルールや道徳を前面に押し立てて、人の行動や心を支配しようとするタイプ。
博愛・溺愛型……愛情をふり撒くことによって、人の心を支配しようとするタイプ。

召使型……強権を発動する相手に隷属し、身も心も支配されることに快感を覚えるタイプ
子分型……力のある相手に庇護されることを望み、忠節を尽くすことに生きがいを感じるタイプ。
よい子型……目上の人間の評価を気にし、たえずいい点を取ろうとするタイプ。
ブリッコ型……「かわいい子ども」でいることによって、庇護者の愛情を得ようとするタイプ。

哲雄 このタイプの中で言うと、《暴君型》がもっとも屈服させたいと闘志を燃やすのは、同じ《暴君型》かもしれないんだよね。でも、これは大変。どちらもが相手をねじ伏せようとするタイプだから、もしこんなふたりが結婚なんてした日には、家庭の中はどうなるか?
AKI 血で血を洗うような状態になりますよね。壁は穴だらけ、食器は三日で粉々、シャツは破かれ、ブラは引き裂かれ……ああ、想像しただけでも身の毛がよだつ。
哲雄 だから、通常、こういうふたりが一緒になるということは、よほど優劣がハッキリした場合を除いて、考えられない。したがって、恋人や女房にするとしたら、とりあえずは、《従属型》を選ぶ。
AKI 《従属型》ならどのタイプでもいい、というわけじゃないですよね。
哲雄 「あいつはよく尽くしてくれる」みたいな言い方をする男がいるでしょう?
AKI 私、大嫌いなんですけど、その言い方。
哲雄 私も嫌いです。だいいち、尽くされたくないし……。ところがね、《暴君型》の男にとっては、「尽くす女」っていうのは、他の男たちに自慢できる戦利品のひとつなんだよね。「うちの女房は気が利くんだよ」なんて自慢してる男を見ると、柔らかい言葉を使ってても、こいつは、女を「戦利品」扱いしてるな……と思うわけですよ。この「尽くす女」というのは、タイプで言うと、《召使型》か《子分型》。《暴君型》がステディな女として確保したいのは、このタイプだと思っていいでしょうね。
AKI 《よい子型》じゃダメなんですか?
哲雄 《よい子型》は、相手から評価してもらえないと、壊れてしまいます。《暴君型》は、たまにアメを与えることはあっても、基本的には要求するばかりのタイプですから、《よい子型》が求める「評価=点数」を与える、ということがない。そうなると、《よい子型》はついていけなくなってしまいます。ガマンしてると「うつ」になりかねない。《暴君型》にとってはよくても、裏ばれる側としてダメな相手なんですね。
AKI なるほど。だから、私もダメなんですね。《ブリッコ型》は、ハナからダメですよね。だって、《暴君型》は、《ブリッコ型》が求める愛情を示してあげられないんだから。
哲雄 そのとおり。というわけで、《暴君型》がステディとして選ぶのは、《召使型》や《子分型》になりやすいわけだけど、でもこのタイプだと、相手が完全服従してしまうから面白くない。
AKI ムリを言いたいのに、ムリも「ハイハイ」と聞いてしまうからですね。で、次のターゲットを探す。それって「浮気」ってことですか?
哲雄 「浮気」の場合もあるだろうし、周りの女たちへの「セクハラ」もあるだろうし、もっと悪質なのもいるだろうね。そうでなかったら、もうひとつの道に走る。
AKI もうひとつの道? 何ですか、それ? まさか、暴力……?
哲雄 そこまでいくかどうかは別として、要求をエスカレートさせるわけですね。
AKI 暴君がますます暴君になるってことですか?
哲雄 だね。相手が、「レベル1」の要求に従うようになったら、今度は、「これではどうだ?」とばかり、「レベル2」の要求を突きつける。「レベル2」を受け入れたら、今度は、「レベル3」って具合にね。
AKI 「肩をもめ」で満足したら、次には「チンチンなめろ」とか……?
哲雄 どうも、おミャーさまが頭に浮かべる想像は、下品でかんわ。ま、そういうのもあるかもしれないけど、基本的には、要求のレベルのエスカレートだからね。「ちゃんと部屋の中を片づけておけ」が「チリひとつないくらいにきれいにしておけ」にエスカレートする……とか、ま、そんな感じじゃないですか?
AKI ハードルを高くしていくわけだ。それで、相手が苦しむ姿を見たい――と。それって、Sじゃないですか?
哲雄 暴君には、多かれ少なかれ、Sの要素があるかもしれないね。相手に負荷を与えることによって、支配者である自分の優位性を保とうとするわけだから。つまり、こういう暴君は、相手が尽くせば尽くすほど、その暴君ぶりがひどくなっていくんだ。
AKI 暴君は、エスカレートする、ということですね。
ウーン、そうなったら、どうしたらいいんでしょうね?
哲雄 最初が肝心でしょうね。相手が「10」要求してきたら、常にその「10」を満たそうとするのでなく、「5」とか「6」で留めておく。自分の要求が100%満たされるわけではない――ということを、早い段階で学習させることが必要だと、私は思います。
AKI それ、精神的には、かなりきついですね。
哲雄 暴君をもっとひどい暴君にしないためには、それくらいの勇気は持たなくちゃ。
AKI これ、「暴君」が女である場合も同じですか?
哲雄 同じですね。私の経験によれば、女の「暴君」のほうがひどいですけど……。
AKI 哲ジイも、辛い人生を送ってるんですねェ。それで、頭も薄くなっちゃった?
哲雄 ほっとけ。今回は、《暴君型》の話で終わっちゃったけど、《親分型》だとどうなるか? その話は、次回ということにしましょうか。
AKI あの、これ、試供品でもらったんだけど、よかったら使ってみます? 新しい「脱毛防止シャンプー」なんですって……。
哲雄 ご心配は、ご無用に願います。

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