第145夜☆その人に「ビビッ」とくる、化学反応の法則
第145夜
人間同士が出会って惹かれ合う要素について話を進めてきましたが、今回は、その出会いのときに発生する「化学反応」について。《支配》 《従属》 《自立》という、人間関係の3要素が、どのように反応し合って、「好き」や「嫌い」の感情が生まれるかを、人間科学的に解説していきます――。
【今回のキーワード】 ビビッ 対人スタンス
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AKI ねっ、哲ジイ。よく、「会った瞬間にビビッとくる」とか言うでしょ? あれも、長住流に言うと「化学反応」ってことになるんですか?
哲雄 きわめて反応性の高い物質同士が出会った――ってことでしょうね。よく知られてるように、酸素と水素なんていうのは、出会った瞬間に燃え上がって、つまり爆発して、H2O=水、になっちゃいますからね。
AKI フーン。じゃ、私があんまりビビッと来ないのは、反応性の高い物質がないのかも……。きょうは、その化学反応の法則について話をするんでしたよね。
哲雄 ま、法則ってほど大げさなもんじゃありませんがね。ただ、ひとつだけ覚えておいてほしいのは、人が人に対してとるスタンスには、実は3種類しかない――ってことなんだ。
AKI たった3種類?
哲雄 支配か、従属か、自立か。大別すると、この3通り。で、この三者の間には、こういう関係が成り立ちます。

⇔は反発し合う、=は惹かれ合う、…は無関心、という関係を表します
支配したがる人間⇔支配したがる人間
支配したがる人間=従属したがる人間
支配したがる人間…自立したがる人間
従属したがる人間⇔従属したがる人間
従属したがる人間…自立したがる人間
自立したがる人間=自立したがる人間
AKI 支配したがる人間は、「こいつ、従属したがってるな」と感じると、「ビビッ」と来て、「こいつ、オレを支配しようとしてるのか」と感じると、「ムカッ」と来るってことですね。でも、哲ジイ、これだと、人間関係には、全部で6種類の組み合わせしかない、ってことになりますよね。
哲雄 そうなんだけど、「支配」にも「従属」にも、それぞれいくつかタイプがあるからね。それに、ここに上げたのは、あくまで「人間と人間の関係」のあり方についてのタイプであって、「化学反応」を起こす要素としては、ほかにも、生理的要素や社会的要素もある。起こり得る化学反応をすべて取り上げて検証するなんてことは、とてもじゃないけど、やってられません。
AKI でも、哲ジイは、ここに挙げた3要素がいちばん重要だと思ってる。そうなんでしょ?
哲雄 さすが、AKIクン。よくおわかりで……。顔形の好みとか、オッパイの大きさの好みとかいう「生理的要素」や、世間がよく「価値観」と呼んだりする「社会的要素」については、機会を改めることにして、ここでは、もっとも重要と思われる「対人スタンス」の性質だけを取り上げて、「ビビッ」の仕組みを解明してみたいと思います。
AKI ね、哲ジイ。この「支配」と「従属」と「自立」ですけど、人間って、どれかひとつだけを使ってるわけじゃありませんよね。だって、どんなに「支配」したいと望む人でも、「従属」しなきゃいけない場面だってあるわけじゃないですか?
哲雄 もちろんです。だけど、ほんとは「こいつを支配したい」と思っている人間が見せる「従属」の仕方と、「従属するのが好き」という人間が見せる「従属」の仕方は、明らかに違う。スルドい人は、そこらへんを嗅ぎ取って、「ビビッ」と来たり、来なかったりするわけです。
AKI 私、個人的には、支配したがる男って、苦手かもしれない……。
哲雄 ホント? 私には、案外、そうでもないように見えるけどね。
AKI エーッ、そんなことないですよォ。
哲雄 それは、キミが《支配型》と聞いたときに、ムチを持ってピシッ……みたいなタイプを想像するからですよ。しかし、《支配型》は、そんなタイプばかりじゃない。キミの大好きな「やさしいお父さんタイプ」も、実は、この《支配型》の一種なんだよね。
AKI そ、そうなんですか?
哲雄 単に「支配」の仕方が違うだけなんだよね。ピューピュー北風さんみたいな《支配型》もいるし、ポカポカ太陽さんみたいな《支配型》もいる。小沢さんみたいな《支配型》もいれば、菅さんみたいな《支配型》もいる。
AKI あとのほう、よくわからないです。
哲雄 ま、そっちはわからなくてもいいです。《支配型》は、支配の仕方によって、まったく感じ取り方が違うと思うので、ざっと分類しておきましょうか。私が知る限りでは、《支配型》には、だいたい、この4タイプがいます。
暴君型……ムチと鉄拳で支配する独裁者タイプ
文字通り、腕力にモノを言わせて、相手を肉体的に支配しようとするタイプ。鉄拳はふるわないけど、何かと言うと声を荒げて相手を威嚇する――というのも、このタイプに含まれる。
親分型……面倒を見る代わりに、服従を求める太っ腹タイプ
とにかく面倒見がいいし、懐も広いので、人望も得やすいが、その前提として、相手が自分のテリトリー(ナワバリ)の中に留まることを求める。男であれば「やさしいお父さん」、女であれば「やさしいお母さん」を演じることも多く、ときに過剰な世話焼きを「ウザい」と思われることもある。
裁判官型……ルールや道徳を前面に押し立てて人の行動や心を支配するタイプ
何かと言うと、「××しちゃダメ」「○○すべき」が飛び出すのが特徴で、家庭にあっては「ガミガミ親父」「教育ママ」、職場では「融通の利かない上司」などを演じることが多い。浮気や不倫に走る人間を「人間じゃない」ぐらいに思ったりするタイプでもり、約束を破ったり、時間を守らない相手に青スジを立てることもあり、交際相手としては、息が抜けない相手。
博愛・溺愛型……愛情をふり撒くことによって人の心を支配するタイプ
ひとりの人間をベタベタに愛する「溺愛タイプ」と、だれかれかまわず愛情を示そうとする「博愛タイプ」がいるが、共通しているのは、そうして「いい人」を示し続けようとするところ。愛情が裏目に出て逆ギレされたりすると、心が傷つくモロさも持っている。
AKI ヘェ、そうなんだぁ。《暴君型》や《裁判官型》は、「この人、私を支配しようとしてる」って、わりとわかっちゃうけど、《親分型》とか《博愛・溺愛型》とかは、一見、そうは見えないかもしれませんね。
哲雄 でしょ? ファザコンの気があるキミなんか、《親分型》の男に「ホラ、これでも食って、元気出せ」なんて男気を見せられたりすると、たちまち「ビビッ」と来ちゃったりするんじゃないか――ってね、ちょっと、心配もしているわけですよ。
AKI それは、それは……。余計な心配までしていただいて、恐縮です。そうするとですね、哲ジイ、こういう《支配型》には、心のどこかで「従属」を願っている人間でないと、「ビビッ」とは来ませんよね、男でも、女でも。
哲雄 来ません。同じ《支配型》だと、たとえ、その支配の仕方が、ソフトな《親分型》であろうが、《博愛・溺愛型》であろうが、「こいつは、そんなこと言いいながら、自分を取り込もうって気だな」と感じてしまいますから、反発してしまいます。
AKI 《自立型》もダメですか?
哲雄 《自立型》は、人間関係を、どちらかが支配し、どちらかが従属する《支配―従属》関係では見ようとしないし、そういう関係の中に入り込むことも好みませんから、無視するわけです。「そんなパワーゲームには、関係ないもんね」という姿勢を貫くわけですよ。
AKI そうすると、《支配型》に「ビビッ」とくるのは、多かれ少なかれ、どこかに《従属型》の要素を持った人間ってことになるわけですね? でも、《従属型》ならだれでも……ってわけでもないでしょ?
哲雄 ハイ。《支配型》のどのタイプにビビッと来るかも、人によって違うでしょうね。でも、それを解説するためには、《従属型》のタイプも分析しなくちゃならない。今回は、もう字数いっぱいになっちゃったから、その話は次回に。ところでAKIクン、この私は、何型に見える?
AKI そりゃ、《自立型》でしょ。
哲雄 どうして?
AKI でなきゃ、半世紀近くもひとりで生きてはこられません。あ、でも、哲ジイは《自立型》じゃなくて、《孤立型》か……。
哲雄 あのね……。
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哲雄 そうなんだけど、「支配」にも「従属」にも、それぞれいくつかタイプがあるからね。それに、ここに上げたのは、あくまで「人間と人間の関係」のあり方についてのタイプであって、「化学反応」を起こす要素としては、ほかにも、生理的要素や社会的要素もある。起こり得る化学反応をすべて取り上げて検証するなんてことは、とてもじゃないけど、やってられません。
AKI でも、哲ジイは、ここに挙げた3要素がいちばん重要だと思ってる。そうなんでしょ?
哲雄 さすが、AKIクン。よくおわかりで……。顔形の好みとか、オッパイの大きさの好みとかいう「生理的要素」や、世間がよく「価値観」と呼んだりする「社会的要素」については、機会を改めることにして、ここでは、もっとも重要と思われる「対人スタンス」の性質だけを取り上げて、「ビビッ」の仕組みを解明してみたいと思います。
AKI ね、哲ジイ。この「支配」と「従属」と「自立」ですけど、人間って、どれかひとつだけを使ってるわけじゃありませんよね。だって、どんなに「支配」したいと望む人でも、「従属」しなきゃいけない場面だってあるわけじゃないですか?
哲雄 もちろんです。だけど、ほんとは「こいつを支配したい」と思っている人間が見せる「従属」の仕方と、「従属するのが好き」という人間が見せる「従属」の仕方は、明らかに違う。スルドい人は、そこらへんを嗅ぎ取って、「ビビッ」と来たり、来なかったりするわけです。
AKI 私、個人的には、支配したがる男って、苦手かもしれない……。
哲雄 ホント? 私には、案外、そうでもないように見えるけどね。
AKI エーッ、そんなことないですよォ。
哲雄 それは、キミが《支配型》と聞いたときに、ムチを持ってピシッ……みたいなタイプを想像するからですよ。しかし、《支配型》は、そんなタイプばかりじゃない。キミの大好きな「やさしいお父さんタイプ」も、実は、この《支配型》の一種なんだよね。
AKI そ、そうなんですか?
哲雄 単に「支配」の仕方が違うだけなんだよね。ピューピュー北風さんみたいな《支配型》もいるし、ポカポカ太陽さんみたいな《支配型》もいる。小沢さんみたいな《支配型》もいれば、菅さんみたいな《支配型》もいる。
AKI あとのほう、よくわからないです。
哲雄 ま、そっちはわからなくてもいいです。《支配型》は、支配の仕方によって、まったく感じ取り方が違うと思うので、ざっと分類しておきましょうか。私が知る限りでは、《支配型》には、だいたい、この4タイプがいます。

文字通り、腕力にモノを言わせて、相手を肉体的に支配しようとするタイプ。鉄拳はふるわないけど、何かと言うと声を荒げて相手を威嚇する――というのも、このタイプに含まれる。

とにかく面倒見がいいし、懐も広いので、人望も得やすいが、その前提として、相手が自分のテリトリー(ナワバリ)の中に留まることを求める。男であれば「やさしいお父さん」、女であれば「やさしいお母さん」を演じることも多く、ときに過剰な世話焼きを「ウザい」と思われることもある。

何かと言うと、「××しちゃダメ」「○○すべき」が飛び出すのが特徴で、家庭にあっては「ガミガミ親父」「教育ママ」、職場では「融通の利かない上司」などを演じることが多い。浮気や不倫に走る人間を「人間じゃない」ぐらいに思ったりするタイプでもり、約束を破ったり、時間を守らない相手に青スジを立てることもあり、交際相手としては、息が抜けない相手。

ひとりの人間をベタベタに愛する「溺愛タイプ」と、だれかれかまわず愛情を示そうとする「博愛タイプ」がいるが、共通しているのは、そうして「いい人」を示し続けようとするところ。愛情が裏目に出て逆ギレされたりすると、心が傷つくモロさも持っている。
AKI ヘェ、そうなんだぁ。《暴君型》や《裁判官型》は、「この人、私を支配しようとしてる」って、わりとわかっちゃうけど、《親分型》とか《博愛・溺愛型》とかは、一見、そうは見えないかもしれませんね。
哲雄 でしょ? ファザコンの気があるキミなんか、《親分型》の男に「ホラ、これでも食って、元気出せ」なんて男気を見せられたりすると、たちまち「ビビッ」と来ちゃったりするんじゃないか――ってね、ちょっと、心配もしているわけですよ。
AKI それは、それは……。余計な心配までしていただいて、恐縮です。そうするとですね、哲ジイ、こういう《支配型》には、心のどこかで「従属」を願っている人間でないと、「ビビッ」とは来ませんよね、男でも、女でも。
哲雄 来ません。同じ《支配型》だと、たとえ、その支配の仕方が、ソフトな《親分型》であろうが、《博愛・溺愛型》であろうが、「こいつは、そんなこと言いいながら、自分を取り込もうって気だな」と感じてしまいますから、反発してしまいます。
AKI 《自立型》もダメですか?
哲雄 《自立型》は、人間関係を、どちらかが支配し、どちらかが従属する《支配―従属》関係では見ようとしないし、そういう関係の中に入り込むことも好みませんから、無視するわけです。「そんなパワーゲームには、関係ないもんね」という姿勢を貫くわけですよ。
AKI そうすると、《支配型》に「ビビッ」とくるのは、多かれ少なかれ、どこかに《従属型》の要素を持った人間ってことになるわけですね? でも、《従属型》ならだれでも……ってわけでもないでしょ?
哲雄 ハイ。《支配型》のどのタイプにビビッと来るかも、人によって違うでしょうね。でも、それを解説するためには、《従属型》のタイプも分析しなくちゃならない。今回は、もう字数いっぱいになっちゃったから、その話は次回に。ところでAKIクン、この私は、何型に見える?
AKI そりゃ、《自立型》でしょ。
哲雄 どうして?
AKI でなきゃ、半世紀近くもひとりで生きてはこられません。あ、でも、哲ジイは《自立型》じゃなくて、《孤立型》か……。
哲雄 あのね……。

管理人は常に、下記3つの要素を満たせるように、脳みそに汗をかきながら、記事をしたためています。
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