「白い裸体」を投げ出して私を誘う彼女の誘惑
雑記 これも愛…な話〈2〉
筆者が日常生活の中で出会った、
ちょっぴり「愛」を感じた出来事を書き綴ります。
【リンク・キーワード】 エロ コミュニケーション 恋愛小説 オーガズム 不倫
どこかへ出かけようとすると、未遊は、必ずその気配を嗅ぎつける。
「ねェ~ん、どこ行くの?」
とばかりに、甘い声を出しながら体を摺り寄せてくる。
歩を進めようとする私に、何度も何度も肩をぶつけてきながら、「ねェってば~」と、上目遣いの視線を送る。
「ホラ、そんなことしてると、歩けないじゃないか」
それでも私が前へ進もうとすると、未遊は、私の行く手に先回りして、いきなり、体を投げ出す。
コテッ――と、音を立てて白い裸身を横たえ、その腹部をあられもなく私の目にさらして、身もだえして見せるのだ。
おまえ、そこまでやるのか――という行動だ。
四肢を広げて腹部をさらし、体をくねらせる姿に、私はつい、禁を破って手を伸ばしてしまう。
そっと腹部をなでてやると、未遊は目を閉じ、全身をのけぞらせて、たちまち、体全体でエクスタシーを表現する。
しかし、わるいけど、未遊、私にできるまのはそこまでだ。
どんなに不憫でも、それ以上のことはできない。
まして、おまえさんを本宅に迎え入れる、なんてことは、とてもじゃないができない。
なぜなら、未遊、おまえは――。

ちょっぴり「愛」を感じた出来事を書き綴ります。
【リンク・キーワード】 エロ コミュニケーション 恋愛小説 オーガズム 不倫
どこかへ出かけようとすると、未遊は、必ずその気配を嗅ぎつける。
「ねェ~ん、どこ行くの?」
とばかりに、甘い声を出しながら体を摺り寄せてくる。
歩を進めようとする私に、何度も何度も肩をぶつけてきながら、「ねェってば~」と、上目遣いの視線を送る。
「ホラ、そんなことしてると、歩けないじゃないか」
それでも私が前へ進もうとすると、未遊は、私の行く手に先回りして、いきなり、体を投げ出す。
コテッ――と、音を立てて白い裸身を横たえ、その腹部をあられもなく私の目にさらして、身もだえして見せるのだ。
おまえ、そこまでやるのか――という行動だ。
四肢を広げて腹部をさらし、体をくねらせる姿に、私はつい、禁を破って手を伸ばしてしまう。
そっと腹部をなでてやると、未遊は目を閉じ、全身をのけぞらせて、たちまち、体全体でエクスタシーを表現する。
しかし、わるいけど、未遊、私にできるまのはそこまでだ。
どんなに不憫でも、それ以上のことはできない。
まして、おまえさんを本宅に迎え入れる、なんてことは、とてもじゃないができない。
なぜなら、未遊、おまえは――。

未遊が、初めてそんな行動を見せたのは、半月ほど前のことだった。
深夜、タバコが切れたので、近くのコンビニに買いに行こうと、サンダルを突っかけて表へ出ると、どここから「ねェ~」と呼びかける声がした。
見回したが、だれの気配もない。
気のせいか、と歩き始めると、また「ねェ~」と声がする。
しかし、だれの姿も見えない。
かまわず歩き出すと、今度は、ヒタヒタ……と、跡を追ってくる足音がする。
足音の主は、私の歩く道の反対側を、約3メートルほど後れて尾いてきているのだった。
私が立ち止まると、その足音も止まる。
歩き出すと、またヒタヒタと尾いてくる。
何度か、それを繰り返したあと、私は、わざと歩く速度を緩めてみた。
すると、足音の主は、私が想像もしなかった行動をとった。
歩調を合わせて、向こうも歩を緩めるのかと思ったら、そうはしないで、道を斜めに横切って、近づいてきたのだ。
近づいてきただけじゃない。
ゆっくり歩こうとする私に、体をぶつけるようにこすりつけてきたのだ。
おまえ、ストーカーだろ、それじゃ――としゃべりかけながら、再び、歩き始めようとしたときに、未遊がとった行動がそれだった。
いきなり私の行く手に立ち回ったかと思うと、コテッ……とやったのだ。
あまりにその音が大きかったので、最初は、骨折でもして転倒したのかと思ったが、そうではなかった。
路上に四肢を投げ出して、「ねェ、してよ」とでも言うように、身もだえする姿に、私はつい、口走ってしまった。
「よせよ。人が見てるだろう」
私の狼狽をよそに、未遊は、私がその体に手を触れるまで、そのシミュレーションを繰り返した。
そうだぞ。サッカーだと、これはリッパなシミュレーションで、おまえ、間違いなくイエローカードか、ヘタするとレッドカードだぞ。
それに、おまえ、誇りってものがないのか!
人に媚びたりしないはずの、おまえの誇り。
野良としてのおまえの誇りは、いったい、どこへ行っちまったんだよ?
未遊は、私のアパート周辺を根城とするノラ猫集団のひとり、というか一匹だ。
正確に数えたことはないが、常時、姿を見るノラが、少なくとも、7~8匹はいる。
会社をつぶして以来、私が移り住んだ安アパートは、比較的ゆったりした敷地内に、全部で3棟が並び立つアパート集落のようなところで、棟と棟の間には、中庭とも通路とも呼べるコンコースがある。
ノラたちは、その広場を、昼も夜も自由に闊歩している。
アパートはペット禁止だが、住人たちは、その広場をテリトリーとするノラたちを何かとかわいがっていて、玄関前に猫用の食器を出してエサを与える者もいる。
私の隣の住人も、ひとつ置いたその隣の住人も、エサやり派だが、私は、ノラにエサをやることにはあまり賛成できないので、これまで一度も、エサを与えたことがない。
隣室の住人、たぶん40代ぐらいのひとり暮らしの女性だが、いつも、その女性が皿に出して置くミルクをなめにくるノラが3匹ほどいて、未遊もその中の一匹だったような気がする。
何度か、ミルクをなめにきた彼らと、玄関を開けたところで鉢合わせした。
私が玄関を開けると、ミルクを飲んでいた猫たちは、パッ……と、猫の子(?)を散らすように逃げるのだが、完全に逃げてしまうわけじゃなくて、4~5メートル離れたところから、こちらの様子を窺う。
その逃げる距離が、バッティングを繰り返す毎に、短くなっていった。
最後には、せいぜい1~2メートル後ずさりする程度になり、その位置から私をじっと凝視するようになった。
グループには、黒のブチが2匹いた。なんという種なのかはわからない。種を問題にするほどのまっとうな連中とも思えなかったが、とにかく目つきがわるかった。
「なんだよ、文句あんのかよ」というような顔をしている。
私がニラみ返すと、「オッ!」というような顔をして、それから目力で言うのだった。
「おまえんとこも、たまには、気のきいた食い物のひとつも出しとけよ」
未遊は、そんな下品なことは言わなかった。
どうやら彼女(勝手にメスと思い込んでいるたけだが)は、彼らのボス格にあたるらしく、いつも、きちんと正座(猫に正座はないけれど)して、小首をかしげたような格好で、私の表情を見つめていた。
その未遊が、あるときから、他の2匹とは違う行動をとるようになった。
私が玄関を開けて、隣室の前を通過するときも、他の2匹が、私から距離をとる方向に逃げるのに対して、未遊は、私のほうへ向かって突進してくるようになった。
突進と言っても、別に体当たりを食らわすわけではなく、私の横をサッとすり抜けて、後ろに回りこむようになったのだ。
後ろに回りこんだ未遊は、私が動き出すと、恐る恐る跡を尾いてくるようになり、未遊が尾いて動き出すと、他の2匹もその跡に従った。
私と未遊との距離は、日に日に近くなり、やがて並んで歩くようになり、体をこすりつけてくるようになり、そして、例のシミュレーションが始まった。
いまでは、私が生ゴミを出しに行くときも、自転車で買い物に出かけるときも、未遊は、その足元にまとわりついてくる。
一度など、うっかり、まとわりつく未遊の足を踏みつけてしまったことがある。
「ギャッ」と悲鳴を挙げた未遊は、しかし、それでも、私の先回りをして、例のコテッ…をやって見せた。
「おまえなぁ……」
私は、笑いながら胸の中で話しかける。
「いっそ、うち猫になるか?」
しかし、それはできない。
だいいち、世間が許さない。
「だからな……」と、私は未遊の腹をなでながら、続けるしかない。
「オレもノラみたいなもんなんだ。おまえも堂々とノラを貫け」
未遊が「ミャー」と鳴く。
たぶん、この先も、私が未遊にエサを与えることはない……だろう。
【追記】 ところで、猫という生きもの、それもノラ猫が、飼い主でもない人間に対してこういう行動をとることがあるのでしょうか? 「猫の気持ち」にあまり詳しくない管理人には、こんなノラ猫の行動が理解できません。どなたか猫に詳しい方がいらっしゃったら、教えてください。
深夜、タバコが切れたので、近くのコンビニに買いに行こうと、サンダルを突っかけて表へ出ると、どここから「ねェ~」と呼びかける声がした。
見回したが、だれの気配もない。
気のせいか、と歩き始めると、また「ねェ~」と声がする。
しかし、だれの姿も見えない。
かまわず歩き出すと、今度は、ヒタヒタ……と、跡を追ってくる足音がする。
足音の主は、私の歩く道の反対側を、約3メートルほど後れて尾いてきているのだった。
私が立ち止まると、その足音も止まる。
歩き出すと、またヒタヒタと尾いてくる。
何度か、それを繰り返したあと、私は、わざと歩く速度を緩めてみた。
すると、足音の主は、私が想像もしなかった行動をとった。
歩調を合わせて、向こうも歩を緩めるのかと思ったら、そうはしないで、道を斜めに横切って、近づいてきたのだ。
近づいてきただけじゃない。
ゆっくり歩こうとする私に、体をぶつけるようにこすりつけてきたのだ。
おまえ、ストーカーだろ、それじゃ――としゃべりかけながら、再び、歩き始めようとしたときに、未遊がとった行動がそれだった。
いきなり私の行く手に立ち回ったかと思うと、コテッ……とやったのだ。
あまりにその音が大きかったので、最初は、骨折でもして転倒したのかと思ったが、そうではなかった。
路上に四肢を投げ出して、「ねェ、してよ」とでも言うように、身もだえする姿に、私はつい、口走ってしまった。
「よせよ。人が見てるだろう」
私の狼狽をよそに、未遊は、私がその体に手を触れるまで、そのシミュレーションを繰り返した。
そうだぞ。サッカーだと、これはリッパなシミュレーションで、おまえ、間違いなくイエローカードか、ヘタするとレッドカードだぞ。
それに、おまえ、誇りってものがないのか!
人に媚びたりしないはずの、おまえの誇り。
野良としてのおまえの誇りは、いったい、どこへ行っちまったんだよ?

未遊は、私のアパート周辺を根城とするノラ猫集団のひとり、というか一匹だ。
正確に数えたことはないが、常時、姿を見るノラが、少なくとも、7~8匹はいる。
会社をつぶして以来、私が移り住んだ安アパートは、比較的ゆったりした敷地内に、全部で3棟が並び立つアパート集落のようなところで、棟と棟の間には、中庭とも通路とも呼べるコンコースがある。
ノラたちは、その広場を、昼も夜も自由に闊歩している。
アパートはペット禁止だが、住人たちは、その広場をテリトリーとするノラたちを何かとかわいがっていて、玄関前に猫用の食器を出してエサを与える者もいる。
私の隣の住人も、ひとつ置いたその隣の住人も、エサやり派だが、私は、ノラにエサをやることにはあまり賛成できないので、これまで一度も、エサを与えたことがない。
隣室の住人、たぶん40代ぐらいのひとり暮らしの女性だが、いつも、その女性が皿に出して置くミルクをなめにくるノラが3匹ほどいて、未遊もその中の一匹だったような気がする。
何度か、ミルクをなめにきた彼らと、玄関を開けたところで鉢合わせした。
私が玄関を開けると、ミルクを飲んでいた猫たちは、パッ……と、猫の子(?)を散らすように逃げるのだが、完全に逃げてしまうわけじゃなくて、4~5メートル離れたところから、こちらの様子を窺う。
その逃げる距離が、バッティングを繰り返す毎に、短くなっていった。
最後には、せいぜい1~2メートル後ずさりする程度になり、その位置から私をじっと凝視するようになった。
グループには、黒のブチが2匹いた。なんという種なのかはわからない。種を問題にするほどのまっとうな連中とも思えなかったが、とにかく目つきがわるかった。
「なんだよ、文句あんのかよ」というような顔をしている。
私がニラみ返すと、「オッ!」というような顔をして、それから目力で言うのだった。
「おまえんとこも、たまには、気のきいた食い物のひとつも出しとけよ」
未遊は、そんな下品なことは言わなかった。
どうやら彼女(勝手にメスと思い込んでいるたけだが)は、彼らのボス格にあたるらしく、いつも、きちんと正座(猫に正座はないけれど)して、小首をかしげたような格好で、私の表情を見つめていた。
その未遊が、あるときから、他の2匹とは違う行動をとるようになった。
私が玄関を開けて、隣室の前を通過するときも、他の2匹が、私から距離をとる方向に逃げるのに対して、未遊は、私のほうへ向かって突進してくるようになった。
突進と言っても、別に体当たりを食らわすわけではなく、私の横をサッとすり抜けて、後ろに回りこむようになったのだ。
後ろに回りこんだ未遊は、私が動き出すと、恐る恐る跡を尾いてくるようになり、未遊が尾いて動き出すと、他の2匹もその跡に従った。
私と未遊との距離は、日に日に近くなり、やがて並んで歩くようになり、体をこすりつけてくるようになり、そして、例のシミュレーションが始まった。

いまでは、私が生ゴミを出しに行くときも、自転車で買い物に出かけるときも、未遊は、その足元にまとわりついてくる。
一度など、うっかり、まとわりつく未遊の足を踏みつけてしまったことがある。
「ギャッ」と悲鳴を挙げた未遊は、しかし、それでも、私の先回りをして、例のコテッ…をやって見せた。
「おまえなぁ……」
私は、笑いながら胸の中で話しかける。
「いっそ、うち猫になるか?」
しかし、それはできない。
だいいち、世間が許さない。
「だからな……」と、私は未遊の腹をなでながら、続けるしかない。
「オレもノラみたいなもんなんだ。おまえも堂々とノラを貫け」
未遊が「ミャー」と鳴く。
たぶん、この先も、私が未遊にエサを与えることはない……だろう。
【追記】 ところで、猫という生きもの、それもノラ猫が、飼い主でもない人間に対してこういう行動をとることがあるのでしょうか? 「猫の気持ち」にあまり詳しくない管理人には、こんなノラ猫の行動が理解できません。どなたか猫に詳しい方がいらっしゃったら、教えてください。

管理人は、常に、フルマークがつくようにと、工夫して記事を作っています。
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