第136夜☆なぜいつも、同じタイプの男(女)を好きになってしまうのか?
第136夜
なぜ人は、何回、恋をしても同じようなタイプの相手を選んでしまうのか? 「恋愛」と「記憶」の関係について、今回は、意識の奥に眠る記憶の仕組みを呼び覚ましてみます。永遠に続く「未完成のパズル」から解き放たれるには、「つなぎの恋」が必要、との大胆な提言も飛びして――。
【今回のキーワード】 リビドー 固着 つなぎの恋
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AKI 愛は「リピート」だ! 哲ジイは、そうおっしゃいましたよね。
哲雄 正確に言うと、リピートすることによって、「愛」が生まれる――と申し上げたのですがね。
AKI ね、その逆ってありません?
哲雄 おっしゃってる意味が、よくわかりませんが……。
AKI 「愛」そのものが、リピートされるってことなんですけど……。
哲雄 ああ、また、同じような男に恋してしまったわ――とか、そういうことですか?
AKI そうそう、それです。哲ジイはありません? そういうこと?
哲雄 そう言えば、これまで好きになった女は、みんな、オッパイが2つ付いてたし……。
AKI だから、そういうことじゃなくて。たとえば、背の高い女が多かったとか、不思議と指の長い女が多かったとか……。
哲雄 いやいや、そんなぜいたくは申しません。ただなら、もう、どなたでも……。
AKI ダメだ、こりゃ。
哲雄 そういうAKIクンはどうなの? キミがロマンス・グレーのオヤジに弱いってのは、すでに調査ずみなんだけど、あ、そうそう、確か、額の広い男にも弱いんだよね。ン?
AKI シッ、シッ。余計なことは考えないで先に進みましょう。でね、私の周りを見ても、思うんですよ。この子、また、似たような男に恋してる。そのタイプには、あなた、こないだもフラれて、痛い目に遭ったばかりじゃない――って。
哲雄 フラれたからですよ。厳密に言うと、その子、つき合うってところまで行かなかったんじゃないの? その手前で、「ゴメン」って言われたんでしょ?
AKI あ、そうかもしれない。でも、その「つき合う手前」かどうかっていうのが、この問題に関係するんですか?
哲雄 「つき合う」がどの程度かにもよるんだけど、もしその子が、前の男ととことんつき合って、その男の表も裏も知り尽くしてしまっていたら、そして、そんなつき合いの中で、さんざん痛い目に遭っていたら、また、同じタイプの男を好きになろうとは、たぶん、思わなかっただろうね。
AKI そうか。私には、まだやり残したことがあるぞ……と。完成しかけたジグソーパズルを途中で取り上げられたから、また同じパズルを買ってきてトライする、みたいな感覚なのかなぁ。
哲雄 うまいこと言うねェ。実は、AKIクンにも、未完成のジグソーパズルがあるんだな。自分では気づいてないかもしれないけど……。
AKI エッ、ナニ? ナニ?
哲雄 それは、やさしいお父さんに抱きしめられたい、というパズル。前に、言ってたでしょ。自分はファザコンだって。
AKI そ、そんな話、しましたっけ?
哲雄 ウン。したんだね、めずらしくショージキに。しかし、キミのお父さんは厳格な人で、甘えたいキミを「甘えちゃダメだ」と突き放してしまった。
AKI それが、私の未完成のパズル?
哲雄 かな。フロイト流に言うと、父親へと向かっていたキミのリビドーは、「拒否」されることで、「やさしい父親」という「愛の対象」から抜け出せなくなり、そこに固着してしまった。それが、キミの「未完成のパズル」。
AKI 「リビドー」って、あれですよね。ま、言ってみれば「恋愛の素」?
哲雄 ていうか、人間が恋をしたり、何かを「欲しい」と感じたりするときの、その元になってるのは、「性的欲動」だ――と、フロイトは言ったんだけど、その「性的欲動」のことを、フロイトは「リビドー」と言った。この話、前にも詳しく話したよね。
【参考記事】「リビドー」について、詳しい話を知りたい方は、本講座の下記の記事をご参照ください。
『第56夜☆男の子がおチンチンの快感に目覚める日』
『第58夜☆拒否された欲望は、どこへ消えるのか?』
『第59夜☆「かわいい」に走るのは、欲望の退行現象』
以下、第67夜まで、リビドーに関する記事が続きます。
AKI ああ、思い出した。でも、私は、すぐに「現実法則」に動かされるから、こっちがダメならあっちにしよう――と、目標を替えてしまうって話でした。
哲雄 ところが、そうやって目標を替えたつもりでも、結局、前の男と似たタイプを選んでしまう――となったら、やっぱり、その奥には、フロイト言うところの「リビドーの固着」があるってことなんだよね。脳の記憶のシステムで言うと、「このタイプ」という記憶が、ごく幼少期に抱いた動物的な「好き」の感情と結びついて記憶されたために、ものすごく強い長期記憶になってるんだと思う。
AKI じゃ、しょうがないってこと? その子は、一生、そのタイプの男を追い続けることになるわけ?
哲雄 いいじゃないですか、追い続ければ。だって、そういう男を好きになるっていうのも、その子がその子でいるための、大事な要件のひとつなんだから。
AKI それが、どう見ても、その子を幸せになんかしそうにないタイプの男でも?
哲雄 だって、何がその子の幸せかなんて、キミにはわからないでしょ?
AKI ま、そりゃ、そうですけど……。
哲雄 問題は、彼女の「固着」がどの段階で起こったかだね。もしそれが、たまたま好きになった前の男をあきらめきれなくて――という程度なら、しばらく時間をかければ解決できるだろうけど、実はもっと前、たとえば幼少期に起こった「固着」が原因だとすると、それはちょっとムリ。ファザコンのキミに、「ファザコン止めなさい」と言ったって、「そんなのムリ」と思うでしょ? だいいち、ファザコンでなくなったAKIクンなんて、魅力ないかもしれないし……。
AKI それは、哲ジイの身勝手な願望だと思います。でもさ、もしその「固着」が、たまたま好きになったその前の男が原因――だとしたら? そこから抜け出す方法って、何かあるんですか?
哲雄 その程度の固着は、「固着」とはいえないくらいのシロモノだから、何とかなるんじゃないの。私が個人的に勧めたいのは、「つなぎの期間」を設けなさいってことだね。
AKI つなぎ……?
哲雄 リセットするための期間だね。前の恋が終わりました。ハイ、次の恋です。これじゃ、まだ前の恋の記憶を引きずってるから、同じパターンの恋をしてしまう確率が、かなり高い。
AKI あ、そうか。しばらく、「男は要りません」期間を設けるとか……?
哲雄 それもいいけど、AKIクン・レベルだとそれじゃもたないだろうから、ま、「つなぎの恋」をするとかね。
AKI な、なんですか、私レベル……って?
哲雄 男なしでは、一日も過ごせない――ってレベル。
AKI 言っときますけど、私、そんなに濃くないですよ。それに、
その「つなぎの恋」って何です?
哲雄 軽くて、絶対に後を引かない、しかも、相手にも心の負担にならない程度の恋。しかし、キミの心の空白はちゃんと埋めてくれて、なおかつ、前の男の毒素をデトックスしてくれるような恋――ってことなんだけどね。
AKI そ、そんな、都合のいい男なんて……ま、いなくもないか。
哲雄 誤解のないように言っておくとですね、ここで言う「つなぎの恋」というのは、何も、「好き」と言ったり、エッチをしたり……ってことまでする必要はないんですからね。ま、してもいいけど。要するに、「恋愛もどき」でいいんです。
AKI しかも、安全パイな男と……ですよね。フフ……。
哲雄 な、何ですか、その不気味な笑いは?
AKI 哲ジイって、まさに、そういう役目のために生まれてきたような人ですよね。
哲雄 し、失敬にもほどがある。本日は、ここまで! この話の続きは、また、次回。
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AKI シッ、シッ。余計なことは考えないで先に進みましょう。でね、私の周りを見ても、思うんですよ。この子、また、似たような男に恋してる。そのタイプには、あなた、こないだもフラれて、痛い目に遭ったばかりじゃない――って。
哲雄 フラれたからですよ。厳密に言うと、その子、つき合うってところまで行かなかったんじゃないの? その手前で、「ゴメン」って言われたんでしょ?
AKI あ、そうかもしれない。でも、その「つき合う手前」かどうかっていうのが、この問題に関係するんですか?
哲雄 「つき合う」がどの程度かにもよるんだけど、もしその子が、前の男ととことんつき合って、その男の表も裏も知り尽くしてしまっていたら、そして、そんなつき合いの中で、さんざん痛い目に遭っていたら、また、同じタイプの男を好きになろうとは、たぶん、思わなかっただろうね。
AKI そうか。私には、まだやり残したことがあるぞ……と。完成しかけたジグソーパズルを途中で取り上げられたから、また同じパズルを買ってきてトライする、みたいな感覚なのかなぁ。
哲雄 うまいこと言うねェ。実は、AKIクンにも、未完成のジグソーパズルがあるんだな。自分では気づいてないかもしれないけど……。
AKI エッ、ナニ? ナニ?
哲雄 それは、やさしいお父さんに抱きしめられたい、というパズル。前に、言ってたでしょ。自分はファザコンだって。
AKI そ、そんな話、しましたっけ?
哲雄 ウン。したんだね、めずらしくショージキに。しかし、キミのお父さんは厳格な人で、甘えたいキミを「甘えちゃダメだ」と突き放してしまった。
AKI それが、私の未完成のパズル?
哲雄 かな。フロイト流に言うと、父親へと向かっていたキミのリビドーは、「拒否」されることで、「やさしい父親」という「愛の対象」から抜け出せなくなり、そこに固着してしまった。それが、キミの「未完成のパズル」。
AKI 「リビドー」って、あれですよね。ま、言ってみれば「恋愛の素」?
哲雄 ていうか、人間が恋をしたり、何かを「欲しい」と感じたりするときの、その元になってるのは、「性的欲動」だ――と、フロイトは言ったんだけど、その「性的欲動」のことを、フロイトは「リビドー」と言った。この話、前にも詳しく話したよね。

『第56夜☆男の子がおチンチンの快感に目覚める日』
『第58夜☆拒否された欲望は、どこへ消えるのか?』
『第59夜☆「かわいい」に走るのは、欲望の退行現象』
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AKI ああ、思い出した。でも、私は、すぐに「現実法則」に動かされるから、こっちがダメならあっちにしよう――と、目標を替えてしまうって話でした。
哲雄 ところが、そうやって目標を替えたつもりでも、結局、前の男と似たタイプを選んでしまう――となったら、やっぱり、その奥には、フロイト言うところの「リビドーの固着」があるってことなんだよね。脳の記憶のシステムで言うと、「このタイプ」という記憶が、ごく幼少期に抱いた動物的な「好き」の感情と結びついて記憶されたために、ものすごく強い長期記憶になってるんだと思う。
AKI じゃ、しょうがないってこと? その子は、一生、そのタイプの男を追い続けることになるわけ?
哲雄 いいじゃないですか、追い続ければ。だって、そういう男を好きになるっていうのも、その子がその子でいるための、大事な要件のひとつなんだから。
AKI それが、どう見ても、その子を幸せになんかしそうにないタイプの男でも?
哲雄 だって、何がその子の幸せかなんて、キミにはわからないでしょ?
AKI ま、そりゃ、そうですけど……。
哲雄 問題は、彼女の「固着」がどの段階で起こったかだね。もしそれが、たまたま好きになった前の男をあきらめきれなくて――という程度なら、しばらく時間をかければ解決できるだろうけど、実はもっと前、たとえば幼少期に起こった「固着」が原因だとすると、それはちょっとムリ。ファザコンのキミに、「ファザコン止めなさい」と言ったって、「そんなのムリ」と思うでしょ? だいいち、ファザコンでなくなったAKIクンなんて、魅力ないかもしれないし……。
AKI それは、哲ジイの身勝手な願望だと思います。でもさ、もしその「固着」が、たまたま好きになったその前の男が原因――だとしたら? そこから抜け出す方法って、何かあるんですか?
哲雄 その程度の固着は、「固着」とはいえないくらいのシロモノだから、何とかなるんじゃないの。私が個人的に勧めたいのは、「つなぎの期間」を設けなさいってことだね。
AKI つなぎ……?
哲雄 リセットするための期間だね。前の恋が終わりました。ハイ、次の恋です。これじゃ、まだ前の恋の記憶を引きずってるから、同じパターンの恋をしてしまう確率が、かなり高い。
AKI あ、そうか。しばらく、「男は要りません」期間を設けるとか……?
哲雄 それもいいけど、AKIクン・レベルだとそれじゃもたないだろうから、ま、「つなぎの恋」をするとかね。
AKI な、なんですか、私レベル……って?
哲雄 男なしでは、一日も過ごせない――ってレベル。
AKI 言っときますけど、私、そんなに濃くないですよ。それに、
その「つなぎの恋」って何です?
哲雄 軽くて、絶対に後を引かない、しかも、相手にも心の負担にならない程度の恋。しかし、キミの心の空白はちゃんと埋めてくれて、なおかつ、前の男の毒素をデトックスしてくれるような恋――ってことなんだけどね。
AKI そ、そんな、都合のいい男なんて……ま、いなくもないか。
哲雄 誤解のないように言っておくとですね、ここで言う「つなぎの恋」というのは、何も、「好き」と言ったり、エッチをしたり……ってことまでする必要はないんですからね。ま、してもいいけど。要するに、「恋愛もどき」でいいんです。
AKI しかも、安全パイな男と……ですよね。フフ……。
哲雄 な、何ですか、その不気味な笑いは?
AKI 哲ジイって、まさに、そういう役目のために生まれてきたような人ですよね。
哲雄 し、失敬にもほどがある。本日は、ここまで! この話の続きは、また、次回。

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