第134夜☆エピソードの多いカップルほど、別れる率が低い
第134夜
相手に自分を印象付け、愛を芽生えさせるためには、「記憶のエピソード化」が重要――という前回の話に続いて、今回も記憶の話。このエピソード記憶をたくさん共有するほど、カップルの絆は強くなり、別れる率も低くなる、という話をご紹介します――。
【今回のキーワード】 エピソード記憶 長期記憶 思い出
【リンク・キーワード】 エロ 恋愛小説 オーガズム コミュニケーション 不倫
AKI 「記憶に残る女」になるためには、エピソードを作れ!――と、前回は確か、そんなお話でしたね。
哲雄 ウン。その前に、もう一度、記憶の種類を整理しておこうか。前にもお見せした図だけど、ちょっと、一部、誤植があったりしたので……。

AKI エーッと、整理しておくと、短期記憶が長期記憶に変わるためには、まず、「好き・嫌い」の感情と結びつくことがたいせつなんでしたね。
哲雄 ハイ、キミの嫌いな数学の公式は、何度、学習しても覚えられないけれど、たとえば、大好きな「赤ちゃんのできる仕組み」なんていう知識は、たちまち頭に記憶されてしまう。
AKI いや、別に、それほどじゃ……。
哲雄 「好き!」と思った人の名前は、いっぺん聞いただけでも頭に残るけど、そうでない人の名前は、なかなか覚えられない。
AKI 「長住哲雄」なんて、やっと、最近になって覚えましたものね。
哲雄 それは、単に、頭がわるいだけ……だと思います。次に、同じ長期記憶でも、この図で言うと右端にあるエピソード記憶がもっとも強い。だから、相手の記憶に残してもらおうと思ったら、記憶を「エピソード化」する必要がある。そのために、
Step1 自分の名前は、付帯情報を付けて紹介せよ!
Step2 人柄・性格を表すひと言をプラスせよ!
Step3 ムリしてでも、エピソードを作り出せ!
――と、前回、そこまで話したのでしたね。
AKI で、ワル知恵にたけた哲ジイは、そのエピソードをねつ造するんですよね。
哲雄 ねつ造なんて、人聞きのわるい。ただ、同じことをするにも、できるだけエピソードになるように行動する――ってだけの話です。刑事ドラマの鬼貫さんみたいにね。
AKI 鬼貫刑事? ああ、あの糖尿病の……?
哲雄 コーヒーを出されて、「お砂糖いくつ?」と訊かれて、「ハイ、じゃ、10個ほど」って、あれ、強烈に記憶に残るでしょ?
AKI そりゃ、残るでしょうけど、あんまりいい記憶にはならないと思いますよ。ただの「ヘンなおじさん」にしかならないでしょ。
哲雄 たとえば、キミが「ドトール」のウェートレスだったとする。そこでコーヒーを飲んでいた中年の紳士が、店を出たあと、あわてて戻ってきて、「ね、あそこらの席に忘れ物ありませんでした? 書類なんだけど」と尋ねたとする。
AKI ま、よくある話でしょうね。
哲雄 キミは、訊くだろうね、「どんな書類ですか?」と。すると、男は、ばつが悪そうに頭をかきながら、答える。「実は、離婚届けなんだ。やっと、女房に判を押させたんだよね」。
AKI エーッ、それ、大変じゃないですか。
哲雄 記憶に残るでしょ、こういうの?
AKI 残るけど、残りゃいいってもんでもないでしょ。エッ、エッ、エーッ!? まさか、それ、やっちゃったんですか、哲ジイ?
哲雄 い、いや……まさか……そんなことまではやりません。
AKI でも、近いことはやったんだ?
哲雄 ていうか、実際、よく忘れ物をするんだよね。メガネとか、携帯とか、書類とか、スーパーで買ったばかりの生鮮食品とか……。で、それを探しに行ったときに、ちょっとだけエピソード作戦を展開します。
AKI たとえば、メガネを忘れたときだと、どんなエピソードを?
哲雄 ああ、よかった。これがないと、美人の見分けがつかないんだよね――などと言いながら、メガネをかけてジッと彼女を見る。
AKI ハハ~ン。その調子で、書類は離婚届だったことにするわけですか?
哲雄 だから、そんなことはしませんって。そんなマイナス・イメージを残すようなことはしません。一度、婚姻届が入ってたことにしたことはあるけど……。
AKI ホラ、ねつ造してるじゃないですか。で、そのときはどうなったんですか?
哲雄 ほんとは、ただの企画書だったんだけど、「どんな書類?」って訊くから、ジョークのつもりで「婚姻届」って答えたんだけどね、どこに置き忘れたかも忘れてるから、結局、出てこなかった。次に、店に行ったときに、女の子が「婚姻届、見つかりました?」って訊くから、「あ、あれはもういいの。止めたんだ、結婚するの」。
AKI 女の子、驚いたでしょ?
哲雄 まるで、ビックリしたように驚いてた!! だから、言ったんだ。「大事な婚姻届を失くすなんて、この結婚は止めなさいってことだよ」って。
AKI ま、エピソードとしては残るでしょうね。そういう男とつき合おうと思うかどうかは別ですけど……。
哲雄 話を元に戻しましょうか。「記憶のエピソード化」ということは、出会いのインパクトしてだけでなく、ふたりの絆を強める要素としても重要なんだよね。実はね、
エピソード化された記憶をたくさん持っているカップルほど、別れる率が低い……。
AKI ヘーッ、そんな統計があるんだぁ……。
哲雄 いや、探したんだけど、そんな統計はありませんでした。そりゃ、そうだよ。エピソード記憶の量なんて、計測しようがないもの。だから、これは、私の経験に基づく推量。しかし、周りのカップルを見ていても、これは、確実に言えることだと思うね。
AKI そう言えば、私の友だちで、3年ぐらいつき合ってたカレと別れた子がいるんだけど、別れたあとで街を歩いたりしてると、あ、ここもカレと行った、ここでは、つまらないことでケンカしたなぁ――とかね、そういう記憶がワーッとこみ上げてきたんだって。結局、その子、元サヤに収まっちゃったんだよね。
哲雄 ウン、よくわかります。エピソード記憶をいっぱい蓄えたカップルって、そうなっちゃうんですよ。積み重ねられたエピソード記憶というのは、その人の中では、もう「文化」になっちゃってるんだよね。その相手と別れるということは、「文化」にまでなっちゃってるその膨大な記憶のファイルを捨てる――ってことでしょ? それって、なかなかできない。
AKI てことはさ、哲ジイ、ふたりの関係を強固なものにしたいと思ったら、エピソード化される記憶をいっぱい作りなさい――ってことになりませんか?
哲雄 簡単に言うと、思い出をいっぱい作ったカップルは、なかなか別れられないってことだよね。だから、申し上げたんです。もう一度、《「心の資産」を作る7か条》の第7条を思い出してくれる?
AKI はい、これですね。
「心の資産」を作る7か条
《第7条》
ありふれた日常から「よいこと」だけを抽出して
「美しい記憶」を貯蓄しましょう。
哲雄 でもね、思い出は、やたら数あればいいというものでもない。あまりに統一のとれてない、バラエティ豊かすぎる思い出は、逆に、印象を弱めかねない。
AKI エッ!? そうなんですか?
哲雄 たとえば、旅行好きで、毎年、春・夏・秋・冬と、今度はあっち、次はこっちと、旅行ばっかりしているカップルがいるとするよね。かたや、毎年、決まった時期に、決まった宿を訪ねてふたりの時間を過ごすカップルがいるとしようか。さて、どっちのカップルの記憶のほうが強く残り、二人の絆を強化することになるか?
AKI どうも、話の流れからすると、後者のような気がしますけど……。
哲雄 そう。実は、これって、記憶の性質と関係することなんだけど、この話の続きは、また次回に。
AKI ファーイ。じゃ、それまで、哲ジイ、ぶっ倒れないように。
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AKI 鬼貫刑事? ああ、あの糖尿病の……?
哲雄 コーヒーを出されて、「お砂糖いくつ?」と訊かれて、「ハイ、じゃ、10個ほど」って、あれ、強烈に記憶に残るでしょ?
AKI そりゃ、残るでしょうけど、あんまりいい記憶にはならないと思いますよ。ただの「ヘンなおじさん」にしかならないでしょ。
哲雄 たとえば、キミが「ドトール」のウェートレスだったとする。そこでコーヒーを飲んでいた中年の紳士が、店を出たあと、あわてて戻ってきて、「ね、あそこらの席に忘れ物ありませんでした? 書類なんだけど」と尋ねたとする。
AKI ま、よくある話でしょうね。
哲雄 キミは、訊くだろうね、「どんな書類ですか?」と。すると、男は、ばつが悪そうに頭をかきながら、答える。「実は、離婚届けなんだ。やっと、女房に判を押させたんだよね」。
AKI エーッ、それ、大変じゃないですか。
哲雄 記憶に残るでしょ、こういうの?
AKI 残るけど、残りゃいいってもんでもないでしょ。エッ、エッ、エーッ!? まさか、それ、やっちゃったんですか、哲ジイ?
哲雄 い、いや……まさか……そんなことまではやりません。
AKI でも、近いことはやったんだ?
哲雄 ていうか、実際、よく忘れ物をするんだよね。メガネとか、携帯とか、書類とか、スーパーで買ったばかりの生鮮食品とか……。で、それを探しに行ったときに、ちょっとだけエピソード作戦を展開します。
AKI たとえば、メガネを忘れたときだと、どんなエピソードを?
哲雄 ああ、よかった。これがないと、美人の見分けがつかないんだよね――などと言いながら、メガネをかけてジッと彼女を見る。
AKI ハハ~ン。その調子で、書類は離婚届だったことにするわけですか?
哲雄 だから、そんなことはしませんって。そんなマイナス・イメージを残すようなことはしません。一度、婚姻届が入ってたことにしたことはあるけど……。
AKI ホラ、ねつ造してるじゃないですか。で、そのときはどうなったんですか?
哲雄 ほんとは、ただの企画書だったんだけど、「どんな書類?」って訊くから、ジョークのつもりで「婚姻届」って答えたんだけどね、どこに置き忘れたかも忘れてるから、結局、出てこなかった。次に、店に行ったときに、女の子が「婚姻届、見つかりました?」って訊くから、「あ、あれはもういいの。止めたんだ、結婚するの」。
AKI 女の子、驚いたでしょ?
哲雄 まるで、ビックリしたように驚いてた!! だから、言ったんだ。「大事な婚姻届を失くすなんて、この結婚は止めなさいってことだよ」って。
AKI ま、エピソードとしては残るでしょうね。そういう男とつき合おうと思うかどうかは別ですけど……。
哲雄 話を元に戻しましょうか。「記憶のエピソード化」ということは、出会いのインパクトしてだけでなく、ふたりの絆を強める要素としても重要なんだよね。実はね、
エピソード化された記憶をたくさん持っているカップルほど、別れる率が低い……。
AKI ヘーッ、そんな統計があるんだぁ……。
哲雄 いや、探したんだけど、そんな統計はありませんでした。そりゃ、そうだよ。エピソード記憶の量なんて、計測しようがないもの。だから、これは、私の経験に基づく推量。しかし、周りのカップルを見ていても、これは、確実に言えることだと思うね。
AKI そう言えば、私の友だちで、3年ぐらいつき合ってたカレと別れた子がいるんだけど、別れたあとで街を歩いたりしてると、あ、ここもカレと行った、ここでは、つまらないことでケンカしたなぁ――とかね、そういう記憶がワーッとこみ上げてきたんだって。結局、その子、元サヤに収まっちゃったんだよね。
哲雄 ウン、よくわかります。エピソード記憶をいっぱい蓄えたカップルって、そうなっちゃうんですよ。積み重ねられたエピソード記憶というのは、その人の中では、もう「文化」になっちゃってるんだよね。その相手と別れるということは、「文化」にまでなっちゃってるその膨大な記憶のファイルを捨てる――ってことでしょ? それって、なかなかできない。
AKI てことはさ、哲ジイ、ふたりの関係を強固なものにしたいと思ったら、エピソード化される記憶をいっぱい作りなさい――ってことになりませんか?
哲雄 簡単に言うと、思い出をいっぱい作ったカップルは、なかなか別れられないってことだよね。だから、申し上げたんです。もう一度、《「心の資産」を作る7か条》の第7条を思い出してくれる?
AKI はい、これですね。

《第7条》
ありふれた日常から「よいこと」だけを抽出して
「美しい記憶」を貯蓄しましょう。
哲雄 でもね、思い出は、やたら数あればいいというものでもない。あまりに統一のとれてない、バラエティ豊かすぎる思い出は、逆に、印象を弱めかねない。
AKI エッ!? そうなんですか?
哲雄 たとえば、旅行好きで、毎年、春・夏・秋・冬と、今度はあっち、次はこっちと、旅行ばっかりしているカップルがいるとするよね。かたや、毎年、決まった時期に、決まった宿を訪ねてふたりの時間を過ごすカップルがいるとしようか。さて、どっちのカップルの記憶のほうが強く残り、二人の絆を強化することになるか?
AKI どうも、話の流れからすると、後者のような気がしますけど……。
哲雄 そう。実は、これって、記憶の性質と関係することなんだけど、この話の続きは、また次回に。
AKI ファーイ。じゃ、それまで、哲ジイ、ぶっ倒れないように。

管理人は常に、下記3つの要素を満たせるように、脳みそに汗をかきながら、記事をしたためています。
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