第124夜☆一日で消える「幸福感」より保存できる「幸福感」
第124夜
人生の幸せ感を「帳簿」という形で表したらどうなるか? 前回、提案した「人生帳簿」の考え方を、今回は、具体的な例を使って解説。その場限りの「快楽」よりも、保存できる「資産」を増やすような生き方をしたほうが、長続きする「幸福感」を獲得できる――という哲雄理論を、ご紹介します――。
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AKI さて、きょうは、哲ジイ考案『人生帳簿』の話をするんでしたね。でもさ、なんで、こんなもの作っちゃったかなぁ?
哲雄 別に、わざわざ作ったわけじゃないよ。人生ってものをつらつら眺めていると、ハハァ、こういう仕組みになってるなぁ――と気づいたわけで。
AKI でさ、でさ、この帳簿でいちばん大事なことは何なの?
哲雄 やっぱり、「幸福感」じゃないですか? みんな、幸福になるために生きてるんだろうからね。ただね、この「幸福感」には、実は2種類あるんだよね。
AKI わかった。「大きな幸福」と「小さな幸福」?
哲雄 残念でした。わかりやすく言うと、「消える幸福感」と「いつまでも残る幸福感」。「消える幸福感」っていうのは、一定期間が経過すると、跡形もなく消えてしまう幸福感で、私はこれを「とりあえず幸福感」と名づけてます。で、この「幸福感」はどうやって得られるかと言うと、「快楽」が「苦痛」よりも大なときに、得られます。公式にすると、
とりあえず幸福感=快楽-苦痛
と表すことができます。
AKI でも、消えちゃうんですね?
哲雄 ハイ、消えます。たとえば、キミが、カレ氏とホテルに入って、ものすごく気持ちのいいエッチをしたり、どこかのカフェでものすごくおいしいスイーツを食べたとしようか。その「気持ちよさ」も、「おいしさ」も、キミにひと時の幸福感をもたらします。でも、その幸福感は、「気持ちよさ」や「おいしさ」とともに、翌日には見事に消えてしまいます。「おいしさ」なんて、一日たてばウンコになってしまうだけですからねェ。フフ……。
AKI その、変な笑い方、止めていただけますか? あ、でもね、哲ジイ、すごく気持ちのいいエッチをしたその人のことを、私はもっと「好き」になるかもしれないじゃないですか。その「好き」っていう気持ち、「愛」と言ってもていいと思いますけど、それは消えないでしょ?
哲雄 消えませんねェ。人を「好き」という気持ちも、「愛」も、「人生帳簿」の中では「資産」科目ですから、消えません。そして、「資産」である「愛」から得られる幸福感は、一生の財産として残るものだと思っています。これを私は「ずっと幸福感」と名づけたいと思います。この幸福感は、「資産」が「負債」よりも大なときに得られます。公式にすると、
ずっと幸福感=資産-負債
と表すことができます。
AKI ねェ、哲ジイ。何が「資産」になるのか、何が「負債」で、「快楽」と「苦痛」には何が含まれるのか、いまいち、よくわからないんですけど……。
哲雄 でしょうね。ちょっとまとめてみましたから、見てください。
人生の「資産」に属する科目
減らさなければいつまでも残る「心の財産」です
友愛……友だちができること、人を愛する気持ちを持つこと、想い続ける相手がいること…など。
信頼……人から信頼されること、信頼すること、約束を守ること、固い絆を結ぶこと…など。
英知……深い知識を身につけること、高い理想を獲得すること、人生や世界を理解すること…など。
献身……人のために何かをすること、相手の身を思いやること、自分の何かを犠牲にすること…など。
時間……何かをするために残された時間。
人生の「負債」に属する科目
減らさなければいつまでも残る「心の借金」です
憎悪……人に嫌悪や憎しみの情を抱くこと、非難の気持ちを抱くこと…など。
不信……友だちなどを失うこと、信頼を裏切ること、疑いの心を持つこと…など。
恩義……人の世話になること、恩を受けること、感謝しなかったこと…など。
後悔……すんだことを悔やむこと、失ったものを悔やむこと、自分はダメだと思うこと…など。
人生の「快楽」に属する科目
その場限りで消える「楽しいこと」です
肉体的快感……食欲や性欲を満足させること、気持ちいいと感じること…など。
物的充足……欲しいものを手に入れること、欲しいものが充足していること…など。
人気・名声……人からチヤホヤされること、有名になること、もてはやされること…など。
感動・愉悦……楽しい時間を過ごすこと、何かを見たり聞いたりして興奮すること…など。
人生の「苦痛」に属する科目
その場限りで消える「辛いこと」です
肉体的苦痛……体に負荷をかけること、空腹に耐えること、欲望をガマンすること…など。
物的欠乏・喪失……欲しいものが手に入らないこと、ほしいもののない状態に耐えること、必要な物を失うこと…など。
不人気・非難……人から非難されること、嫌われること、好きな人に振り向いてもらえないこと…など。
怒り・悲しみ……人に対して怒ること、暴力をふるうこと、何かの理由で悲しむこと…など。
AKI 私の毎日には、「快楽」や「苦痛」ばかり起こっているような気がします。
哲雄 キミは、たぶん、「快楽」を追い求めて、それを「苦痛」や他の「快楽」と交換するような生き方をしてるんだろうね。あのね、わかりやすくするために、ノートを作ってみようか?
AKI ノ、ノート? あの……私、勉強はどうも……。
哲雄 簡単、簡単。ノートは、こんなふうに、左側に「資産」と「快楽」の+と、「負債」と「苦痛」の-、それと「不幸感」を、右側に「負債」と「苦痛」の+と、「資産」と「快楽」の-、それに「幸福感」を記入するように作るんだよね。できることなら、あとで振り返ったときにわかりやすくするために、真ん中に何をしたかを記入する欄を作っておくといいね。ホラ、こんなふうに……。
AKI 日記兼帳簿みたいなものになりますね。
哲雄 そうだね。それで、ひとつだけ原則があるんだけど、それは、常に、左の欄に書き込んだ数字の合計と、右の欄に書き込んだ数字の合計がイコールになるように、数字を書き込んでいくんだよね。
AKI それはどうして?
哲雄 人間の行動は、常に、何かを得れば何かを失う、というふうに、仕訳することができるからだよ。たとえば、キミが、すてきなカレとエッチして、「気持ちよかった、私、いっぱいイッちゃった」と、満足したとしよう。
AKI あの……私、近頃、そっちのほうはさっぱりなんですけど……。
哲雄 だから、たとえば……の話ね。キミはエッチ的にはとても満足したから、左側の「快楽+」の欄に「3」を記入したとします。ついでに、その結果、カレをもっと好きになっちゃったから、「資産+」の欄にも「2」をつけたとしましょう。でも、キミは、ほんとはその時間を使ってやらなきゃいけないことがほんとはあった。その分をちょっとだけ後悔してるので「1」、あと、気持ちよくなるまで愛してくれたカレに恩義も感じたので、その分の「1」、合計「2」を右側の「負債+」の欄に記入します。残りは、キミの「幸福感」として残るので、右の「幸福感」の欄に「3」と記入しようか。ハイ、こうなります。←上図「仕訳例1」の項、参照
AKI エーッと、左の合計が「5」、右の合計が「5」。なるほど。でも、この幸福感って……?
哲雄 この点数配分だと、「資産-負債=0」、「快楽-苦痛=3」だから、まるっきり「とりあえず幸福感」ってことになっちゃうね。もし、このとき、キミが「気持ちよさ」のほうじゃなくて、「カレとの一体感」に喜びを感じて、「カレを愛してる」がもっと大きくなったら、「ずっと幸福感」が残ることになったんだけどね。
AKI なるほど、じゃ、「カレを好き」に「4」、「気持ちよかった」を「1」にして、「時間を使って後悔してる」を「なし」にすれば?
哲雄 はい、こうなります。「幸福感」は「4」になって、そのうち「3」が「ずっと幸福感」ってことになるね。←上図「仕訳例2」の項、参照
AKI つまり、何ですね。どんなことがあっても、それを自分がどう受け止めるか、どう評価するかで、「幸福感」のあり方が変わってくるってことなんですね。
哲雄 そうです。その感じ方を自分でコントロールできれば……と思って作ったのが、この「人生帳簿」なんだけど、なんだか、しみったれた感じがするので、ネーミングを変えましょう。「幸せノート」! どうです、これで?
AKI それ、いいかも。でも、これ、いちいち手書きするの大変だなぁ。
哲雄 ハイ、そう思ったので、いま、「Excel」で、原簿を作っております。できたら、差し上げますので、どうぞお使いください。ちゃんと計算式まで入れて、1年間の決算ができるようなものを、ただいま制作中です。
AKI ワァーイ、それ、もらっちゃいます。
哲雄 その前に、もう少し、ケースワークしようか? きょうは、仕組みの解説だけで終わってしまったので、次回は、いろんなケースについて、どんな記帳ができるかを演習してみましょう。
AKI ふぁ~い。哲ジイの失恋も、ぜひ、仕訳してみてもらいたいものです。
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AKI その、変な笑い方、止めていただけますか? あ、でもね、哲ジイ、すごく気持ちのいいエッチをしたその人のことを、私はもっと「好き」になるかもしれないじゃないですか。その「好き」っていう気持ち、「愛」と言ってもていいと思いますけど、それは消えないでしょ?
哲雄 消えませんねェ。人を「好き」という気持ちも、「愛」も、「人生帳簿」の中では「資産」科目ですから、消えません。そして、「資産」である「愛」から得られる幸福感は、一生の財産として残るものだと思っています。これを私は「ずっと幸福感」と名づけたいと思います。この幸福感は、「資産」が「負債」よりも大なときに得られます。公式にすると、
ずっと幸福感=資産-負債
と表すことができます。
AKI ねェ、哲ジイ。何が「資産」になるのか、何が「負債」で、「快楽」と「苦痛」には何が含まれるのか、いまいち、よくわからないんですけど……。
哲雄 でしょうね。ちょっとまとめてみましたから、見てください。

減らさなければいつまでも残る「心の財産」です
友愛……友だちができること、人を愛する気持ちを持つこと、想い続ける相手がいること…など。
信頼……人から信頼されること、信頼すること、約束を守ること、固い絆を結ぶこと…など。
英知……深い知識を身につけること、高い理想を獲得すること、人生や世界を理解すること…など。
献身……人のために何かをすること、相手の身を思いやること、自分の何かを犠牲にすること…など。
時間……何かをするために残された時間。

減らさなければいつまでも残る「心の借金」です
憎悪……人に嫌悪や憎しみの情を抱くこと、非難の気持ちを抱くこと…など。
不信……友だちなどを失うこと、信頼を裏切ること、疑いの心を持つこと…など。
恩義……人の世話になること、恩を受けること、感謝しなかったこと…など。
後悔……すんだことを悔やむこと、失ったものを悔やむこと、自分はダメだと思うこと…など。

その場限りで消える「楽しいこと」です
肉体的快感……食欲や性欲を満足させること、気持ちいいと感じること…など。
物的充足……欲しいものを手に入れること、欲しいものが充足していること…など。
人気・名声……人からチヤホヤされること、有名になること、もてはやされること…など。
感動・愉悦……楽しい時間を過ごすこと、何かを見たり聞いたりして興奮すること…など。

その場限りで消える「辛いこと」です
肉体的苦痛……体に負荷をかけること、空腹に耐えること、欲望をガマンすること…など。
物的欠乏・喪失……欲しいものが手に入らないこと、ほしいもののない状態に耐えること、必要な物を失うこと…など。
不人気・非難……人から非難されること、嫌われること、好きな人に振り向いてもらえないこと…など。
怒り・悲しみ……人に対して怒ること、暴力をふるうこと、何かの理由で悲しむこと…など。
AKI 私の毎日には、「快楽」や「苦痛」ばかり起こっているような気がします。
哲雄 キミは、たぶん、「快楽」を追い求めて、それを「苦痛」や他の「快楽」と交換するような生き方をしてるんだろうね。あのね、わかりやすくするために、ノートを作ってみようか?
AKI ノ、ノート? あの……私、勉強はどうも……。
哲雄 簡単、簡単。ノートは、こんなふうに、左側に「資産」と「快楽」の+と、「負債」と「苦痛」の-、それと「不幸感」を、右側に「負債」と「苦痛」の+と、「資産」と「快楽」の-、それに「幸福感」を記入するように作るんだよね。できることなら、あとで振り返ったときにわかりやすくするために、真ん中に何をしたかを記入する欄を作っておくといいね。ホラ、こんなふうに……。

AKI 日記兼帳簿みたいなものになりますね。
哲雄 そうだね。それで、ひとつだけ原則があるんだけど、それは、常に、左の欄に書き込んだ数字の合計と、右の欄に書き込んだ数字の合計がイコールになるように、数字を書き込んでいくんだよね。
AKI それはどうして?
哲雄 人間の行動は、常に、何かを得れば何かを失う、というふうに、仕訳することができるからだよ。たとえば、キミが、すてきなカレとエッチして、「気持ちよかった、私、いっぱいイッちゃった」と、満足したとしよう。
AKI あの……私、近頃、そっちのほうはさっぱりなんですけど……。
哲雄 だから、たとえば……の話ね。キミはエッチ的にはとても満足したから、左側の「快楽+」の欄に「3」を記入したとします。ついでに、その結果、カレをもっと好きになっちゃったから、「資産+」の欄にも「2」をつけたとしましょう。でも、キミは、ほんとはその時間を使ってやらなきゃいけないことがほんとはあった。その分をちょっとだけ後悔してるので「1」、あと、気持ちよくなるまで愛してくれたカレに恩義も感じたので、その分の「1」、合計「2」を右側の「負債+」の欄に記入します。残りは、キミの「幸福感」として残るので、右の「幸福感」の欄に「3」と記入しようか。ハイ、こうなります。←上図「仕訳例1」の項、参照
AKI エーッと、左の合計が「5」、右の合計が「5」。なるほど。でも、この幸福感って……?
哲雄 この点数配分だと、「資産-負債=0」、「快楽-苦痛=3」だから、まるっきり「とりあえず幸福感」ってことになっちゃうね。もし、このとき、キミが「気持ちよさ」のほうじゃなくて、「カレとの一体感」に喜びを感じて、「カレを愛してる」がもっと大きくなったら、「ずっと幸福感」が残ることになったんだけどね。
AKI なるほど、じゃ、「カレを好き」に「4」、「気持ちよかった」を「1」にして、「時間を使って後悔してる」を「なし」にすれば?
哲雄 はい、こうなります。「幸福感」は「4」になって、そのうち「3」が「ずっと幸福感」ってことになるね。←上図「仕訳例2」の項、参照
AKI つまり、何ですね。どんなことがあっても、それを自分がどう受け止めるか、どう評価するかで、「幸福感」のあり方が変わってくるってことなんですね。
哲雄 そうです。その感じ方を自分でコントロールできれば……と思って作ったのが、この「人生帳簿」なんだけど、なんだか、しみったれた感じがするので、ネーミングを変えましょう。「幸せノート」! どうです、これで?
AKI それ、いいかも。でも、これ、いちいち手書きするの大変だなぁ。
哲雄 ハイ、そう思ったので、いま、「Excel」で、原簿を作っております。できたら、差し上げますので、どうぞお使いください。ちゃんと計算式まで入れて、1年間の決算ができるようなものを、ただいま制作中です。
AKI ワァーイ、それ、もらっちゃいます。
哲雄 その前に、もう少し、ケースワークしようか? きょうは、仕組みの解説だけで終わってしまったので、次回は、いろんなケースについて、どんな記帳ができるかを演習してみましょう。
AKI ふぁ~い。哲ジイの失恋も、ぜひ、仕訳してみてもらいたいものです。

管理人は常に、下記3つの要素を満たせるように、脳みそに汗をかきながら、記事をしたためています。
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