第115夜☆妻が恋人……なんて、ちょっとヘンタイかも?
第115夜
「恋」では、思いきり相手を美化するけれど、美化し続けたままでは、「恋愛関係」は成立しない。「恋」と「恋愛」の違いは何か? 「恋」が「恋愛」に発展する段階で問題になることは何か? 今回は、「恋」と「恋愛」の間でつまずくギャップについて語り合います――。
【今回のキーワード】 片想い 価値観
【リンク・キーワード】 恋愛小説 エロ コミュニケーション オーガズム 不倫
AKI 「片想い」状態の「恋」から、「恋愛」へと踏み込んだとたんに、哲ジイはギャップにつまずいてしまうんですよね。
哲雄 必ずってわけじゃないですよ。つまずくことが多い、という話です。
AKI 足腰もだいぶ弱ってますからね。気をつけないと……。
哲雄 ええ、バリアフリーにしていただかないと……という話じゃないでしょ。このギャップっていうのは、ある意味では、理想と現実のギャップでもあるわけです。
AKI 哲ジイは、美化しちゃうからなぁ、ホレた相手を。
哲雄 美化ぐらいするでしょ。そうでなきゃ、恋する意味がない。私の「美化」にかかったら、AKIちゃんレベルでも、「アフロディテの生まれ代わり」ぐらいにはなっちゃいますよ。
AKI 失礼な。私レベル「でも

哲雄 ラブ・イズ・ブラインド(恋は盲目)だからね。
ブラインドになれない「恋」なんて、屁のツッパリにもならない。
AKI だったら、ずっと「ブラインド」でいたらいいじゃないですか? 世の中には、「女房に恋してます」なんて言う男だっているんですよ。
哲雄 それはそれで、気持ちがわるい……ていうか、ヘンタイだね、ほとんど。
AKI へ、ヘンタイ……? どうしてェ? 女としては、亭主からそう言われるの、ある意味で理想ですよ。
哲雄 これを説明するのって、ちょっと大変なんだけど、
「恋」と「恋愛」のいちばんの違いは、相手を「対象化」しているかどうか
にあると思うんだよね。
AKI ぜんぜん、わっかりませーん!
哲雄 「対象」という言葉を「目標」に置き換えるとわかりやすいかな。たとえば、キミが「京都」大好きだったとする。「京都、行きた~い」と、キミは、年中、口走っているとする。この状態を「恋」としましょう。
AKI ええ、確かに、私は京都が好きだし、できれば、あんなところに住みたいな~って、思ったりもします。
哲雄 そこですよ、問題は。「行きた~い」と思っている間は、キミは、京都に「恋」をしてるわけだけど、いざ、そこに住むとなると、今度は、「住人」としての「関係性」をそこに作らなくちゃならない。旅行者であったキミにとっては、京都は「旅の目的地」という「対象」でしかなかったけれど、「住人」となると、そこは「目的地」ではなくて、「関係」を結ぶ場所になるわけです。当然、「自分のあり方」も問われることになります。
AKI 税金も払わなくちゃならなくなるし、ゴミも出さなきゃいけなくなりますものね。
哲雄 ご近所とはごあいさつしなきゃいけなくなるし、ホラ、その……いつもキミが着てるパジャマみたいな格好で、街をほっつき歩くわけにもいかなくなるよ。美観を損ねますからね。
AKI し、失礼な。これは、ファッションですゥ。
哲雄 しかし、先方がそう思ってくれるかどうかはわからないでしょ。別に、相手に合わせろ、と言ってるわけじゃなくて、関係を結ぶってことは、「自分のあり方」を相手がどう受け取るかも考慮しなくちゃならなくなるってことですよ。「住人」になるってことはそういうことで、「恋愛」も同じようなものだと、私は思います。
AKI そこが「恋」と「恋愛」の違い?
哲雄 「結婚」となると、もっと濃い関係を結ぶことになるよね。なのに、いつまでも「女房が恋人です」なんて言ってる状態は、依然として、彼女を「目的地」化しているということ。いつまでも観光客気分でいるってことで、彼女との間できちんとした関係性が作れているかどうか、はなはだ疑問を感じるわけです、私は。
AKI それが、「対象化」してるってことなのね。たとえば、女房をアイドル化してしまうとか……?
哲雄 恋人や妻を「お人形」にしたがる男もいるよね。
AKI キミは何もしなくていいからね――とか言って、結局は、家の中の置物にしてしまうようなタイプですね。
哲雄 極端になると、そうなってしまうかもしれないね。だから、ヘンタイだと言ったんです。私は、そういう関係は、正常な「恋愛」とは思えない。だから、「恋」が「恋愛」に発展する段階では、たぶん、みんなそうしてるだろうと思うんだけど、いろんなことをすり合わせるよね。この人と、どんな関係が築けるだろうか――と思いながらね。
AKI 価値観のすり合わせとか……ですね。
哲雄 価値観もあるだろうし、もっと小さなこともあると思うよ。
AKI 小さなこと?
哲雄 たとえば、恋してるうちは、ものすごく男らしくてステキ……と思っていたのに、いざ、恋愛関係になってみると、殴るわ、蹴るわ……のDV男だったとか、センスがよくてオシャレな人と思っていたのに、つき合ってみると、実は、彼女は買い物依存症で、カード破産寸前の状態だった――とかね。
AKI それ、小さくないでしょう? 大きな問題ですよ。
哲雄 あ、この人、キッチンのシンクで痰を吐くんだ――なんてのもあったね。
AKI それは確かに小さいけど、私も、もし憧れてた男性がそんなことしたら、いっぺんで興ざめしちゃうかもしれない。
哲雄 いちばん大きな問題と私が感じるのは、思想かな。あ、この人とは思想が合わない――と思ったら、恋愛関係には進めなくなっちゃうね。
AKI いきなり、大きくなっちゃいましたね。マギーさんの耳みたい……。
哲雄 そう。私の耳は、突然、大きくなるんです。たとえば彼女がね、ボクと公園でデートしてるときに、フッとつぶやいたとする。
AKI な、何をです?
哲雄 まったく、この公園も、最近はホームレスが増えちゃって。とっとと追い出してくれないかしら……とかね。
AKI そこで、耳がダンボになるわけね。
哲雄 なる。思いきりなる。「ホームレスなんてたたき出せ」と言えるこのような女と、私はいったい、どんな人間関係が作れるだろうか――ってね。確かに、そのオッパイは捨てがたくはある。ただ、観賞用として置物にして愛でるだけなら、それでもいいだろうが、しかし、私には残念ながら、そんな男女関係を「恋愛」と呼ぶ趣味はないのでござるよ。
AKI 私にも、そういうのが一度、あった。確かにいい男だったんだけどね、その人さ、自分の親のことを「あいつら」って言うの。それを聞いた瞬間に、ゾーっとなっちゃって、あ、私、この人とはダメ――って思った。
哲雄 思想なんて言うと、大げさに考える人もいるかもしれないけど、自分と世の中との関わり方に関する、そういう小さな考え方の積み重ねだって思えば、わかるでしょ。
AKI なるほど。そうして哲ジイの「恋」は、「恋愛」に育つ前に萎んでしまったのですね。
哲雄 よく萎みます。でも、いったん「恋愛」になると、これが長くなっちゃうんだな。最短でも2年、最長8年。
AKI 打率は?
哲雄 なんですかぁ?
AKI だから、哲ジイの「恋」は、何割程度が「恋愛」に発展するのか……と。
哲雄 エーッと、138打数7安打とか8安打とか……。
AKI 低ッ! 打率1割にも満たないじゃありませんか。
哲雄 だから、私は熱しやすくあきらめやすいって言ってるでしょ。
AKI そういう問題じゃないと思います。それは、恋する相手を間違えているからです。
哲雄 ドキッ! そこを突かれると弱い。
AKI 次回、存分に突ついて差し上げますわ。オホホ……。
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哲雄 これを説明するのって、ちょっと大変なんだけど、
「恋」と「恋愛」のいちばんの違いは、相手を「対象化」しているかどうか
にあると思うんだよね。
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哲雄 「対象」という言葉を「目標」に置き換えるとわかりやすいかな。たとえば、キミが「京都」大好きだったとする。「京都、行きた~い」と、キミは、年中、口走っているとする。この状態を「恋」としましょう。
AKI ええ、確かに、私は京都が好きだし、できれば、あんなところに住みたいな~って、思ったりもします。
哲雄 そこですよ、問題は。「行きた~い」と思っている間は、キミは、京都に「恋」をしてるわけだけど、いざ、そこに住むとなると、今度は、「住人」としての「関係性」をそこに作らなくちゃならない。旅行者であったキミにとっては、京都は「旅の目的地」という「対象」でしかなかったけれど、「住人」となると、そこは「目的地」ではなくて、「関係」を結ぶ場所になるわけです。当然、「自分のあり方」も問われることになります。
AKI 税金も払わなくちゃならなくなるし、ゴミも出さなきゃいけなくなりますものね。
哲雄 ご近所とはごあいさつしなきゃいけなくなるし、ホラ、その……いつもキミが着てるパジャマみたいな格好で、街をほっつき歩くわけにもいかなくなるよ。美観を損ねますからね。
AKI し、失礼な。これは、ファッションですゥ。
哲雄 しかし、先方がそう思ってくれるかどうかはわからないでしょ。別に、相手に合わせろ、と言ってるわけじゃなくて、関係を結ぶってことは、「自分のあり方」を相手がどう受け取るかも考慮しなくちゃならなくなるってことですよ。「住人」になるってことはそういうことで、「恋愛」も同じようなものだと、私は思います。
AKI そこが「恋」と「恋愛」の違い?
哲雄 「結婚」となると、もっと濃い関係を結ぶことになるよね。なのに、いつまでも「女房が恋人です」なんて言ってる状態は、依然として、彼女を「目的地」化しているということ。いつまでも観光客気分でいるってことで、彼女との間できちんとした関係性が作れているかどうか、はなはだ疑問を感じるわけです、私は。
AKI それが、「対象化」してるってことなのね。たとえば、女房をアイドル化してしまうとか……?
哲雄 恋人や妻を「お人形」にしたがる男もいるよね。
AKI キミは何もしなくていいからね――とか言って、結局は、家の中の置物にしてしまうようなタイプですね。
哲雄 極端になると、そうなってしまうかもしれないね。だから、ヘンタイだと言ったんです。私は、そういう関係は、正常な「恋愛」とは思えない。だから、「恋」が「恋愛」に発展する段階では、たぶん、みんなそうしてるだろうと思うんだけど、いろんなことをすり合わせるよね。この人と、どんな関係が築けるだろうか――と思いながらね。
AKI 価値観のすり合わせとか……ですね。
哲雄 価値観もあるだろうし、もっと小さなこともあると思うよ。
AKI 小さなこと?
哲雄 たとえば、恋してるうちは、ものすごく男らしくてステキ……と思っていたのに、いざ、恋愛関係になってみると、殴るわ、蹴るわ……のDV男だったとか、センスがよくてオシャレな人と思っていたのに、つき合ってみると、実は、彼女は買い物依存症で、カード破産寸前の状態だった――とかね。
AKI それ、小さくないでしょう? 大きな問題ですよ。
哲雄 あ、この人、キッチンのシンクで痰を吐くんだ――なんてのもあったね。
AKI それは確かに小さいけど、私も、もし憧れてた男性がそんなことしたら、いっぺんで興ざめしちゃうかもしれない。
哲雄 いちばん大きな問題と私が感じるのは、思想かな。あ、この人とは思想が合わない――と思ったら、恋愛関係には進めなくなっちゃうね。
AKI いきなり、大きくなっちゃいましたね。マギーさんの耳みたい……。
哲雄 そう。私の耳は、突然、大きくなるんです。たとえば彼女がね、ボクと公園でデートしてるときに、フッとつぶやいたとする。
AKI な、何をです?
哲雄 まったく、この公園も、最近はホームレスが増えちゃって。とっとと追い出してくれないかしら……とかね。
AKI そこで、耳がダンボになるわけね。
哲雄 なる。思いきりなる。「ホームレスなんてたたき出せ」と言えるこのような女と、私はいったい、どんな人間関係が作れるだろうか――ってね。確かに、そのオッパイは捨てがたくはある。ただ、観賞用として置物にして愛でるだけなら、それでもいいだろうが、しかし、私には残念ながら、そんな男女関係を「恋愛」と呼ぶ趣味はないのでござるよ。
AKI 私にも、そういうのが一度、あった。確かにいい男だったんだけどね、その人さ、自分の親のことを「あいつら」って言うの。それを聞いた瞬間に、ゾーっとなっちゃって、あ、私、この人とはダメ――って思った。
哲雄 思想なんて言うと、大げさに考える人もいるかもしれないけど、自分と世の中との関わり方に関する、そういう小さな考え方の積み重ねだって思えば、わかるでしょ。
AKI なるほど。そうして哲ジイの「恋」は、「恋愛」に育つ前に萎んでしまったのですね。
哲雄 よく萎みます。でも、いったん「恋愛」になると、これが長くなっちゃうんだな。最短でも2年、最長8年。
AKI 打率は?
哲雄 なんですかぁ?
AKI だから、哲ジイの「恋」は、何割程度が「恋愛」に発展するのか……と。
哲雄 エーッと、138打数7安打とか8安打とか……。
AKI 低ッ! 打率1割にも満たないじゃありませんか。
哲雄 だから、私は熱しやすくあきらめやすいって言ってるでしょ。
AKI そういう問題じゃないと思います。それは、恋する相手を間違えているからです。
哲雄 ドキッ! そこを突かれると弱い。
AKI 次回、存分に突ついて差し上げますわ。オホホ……。

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