第108夜☆ノムさん、その贈り物は無作法です!
第108夜
「愛とは何か?」をめぐって、管理人・哲雄がパートナー・AKIを相手に展開する、オヤジ・ギャグ風+ちょっぴりアカデミックおしゃべり。今回は、前回に続いて「贈り物」論。野村元監督のマー君への贈り物をヤリ玉に挙げながら、贈り物とはいかにあるべきかを語ります――。
【今回のキーワード】 野村克也 マー君 贈り物 陰毛
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哲雄 この前、ノムさんがマー君のことを怒ってましたね。しかも、公共の電波を使って。
AKI ノムさん? マー君? それ、ヨシモトですか?
哲雄 ノムさんは、楽天イーグルスの野村克也元監督。マー君は、楽天のエース、田中将大投手のことですッ!
AKI ごめんなさい。野球のこと、あんまり知らないんです。で、そのノムさんは、なんでマー君を怒ってるんですか?
哲雄 ノムさんがね、マネジャーを通して、マー君に高級腕時計を贈ったんだって。ところが、それに対してマー君からお礼のひと言もない。「あんなやつは、人間としてダメだ」と怒ってるわけです。「カルティエの時計やで。高級品やでェ」ってね。
AKI そりゃ、いけませんねェ。マー君、メッ!
哲雄 ホラ、キミも間違えてる。まず、叱るべきなのは、ノムさんのほうでしょ。
AKI エッ、そうなんですか? だって、高級腕時計を贈ってあげたんでしょ? 選手思いのいい監督じゃないですか。
哲雄 ノムさんは、重大なマナー違反を犯してます。まずひとつは、マネジャーを通して贈った、ということ。もうひとつは、贈ったものの「価値=値段」をバラしてしまったということ。この2つのせいで、せっかくの「贈り物」が「贈り物」ではなくなってしまいました。
AKI 贈り物じゃなくなったってことは、「交換」になったってこと?
哲雄 この場合は、「交換」はしてないから、「給付」というべきでしょうね。相手を見下しているフシもあるから、そうなると「下賜」かな。どっちにしても、「贈り物」の精神からは遠く離れた行為です。あのね、
「贈与」でいちばんたいせつなのは、
あげる「モノ」ではなくて、
その「モノ」に付着している、贈る人の「心」なんです。
それは、わかるよね。
AKI ココロ? 愛とか、感謝とか、友情とか……あっ、そうか。哲ジイの得意な「下心」なんてのもありますよね?
哲雄 そんなもの、つけた覚えはありません。
AKI いつもつけてるじゃありませんか。「この小さなペンダントが、いつもあなたの胸とともに揺れ続けることを願って」なんて、キザなメッセージつけたりしちゃって……。あれって、「その胸に触らせろ」っていう下心に見えましたよ、私には。
哲雄 そういうのを邪推と言います。とにかくね、「贈り物」っていうのは、その「贈り物」に込められた「心」のほうが大事。そういうものすべてを総合して「人格性」と呼ぶなら、「贈り物」には「人格性」が伴っていることが、ものすごく重要なんだ。オーストラリアやアメリカの先住民の間では、「贈り物」には「霊力」があると考えられてて、その扱いには、ものすごく慎重になるそうだよ。
AKI 日本でも、人形には霊力が宿っているとか考えますよね。
哲雄 ウン。だから、ゴミのように捨ててはいけない。きちんと供養して燃やしたりするよね。
AKI 質屋に持ち込むなんて、とんでもない?
哲雄 とんでもないです。質屋で現金と交換することによって、「贈り物」に付着している「人格性」はローンダリング(洗浄)されてしまうわけです。キミはよくやってるようだけど……。
AKI そ、それはですね、くっついてる「人格性」が、「一発やらせろ」とかいうとんでもないものだったりするときに、やむを得ず……です。哲ジイからもらった、ただの貝殻だって、私、大事にとってあるんだから。
哲雄 「ただの」は余計です。反対に「これ、高かったのよ」も余計。「贈り物」は、その値段を示唆したとたんに、「贈り物」ではなく、「交換」または「給付」になってしまいます。キミだって、人に贈り物をするときには、正札は外すでしょう?
AKI ジョーシキですね、それは。あ、そうか。ノムさんは、それをやっちゃったんだ。
哲雄 そう。「カルティエだぞ。高かったんだゾ」とやった時点で、「贈り物」失格です。つまり、ノムさんは、相手に現金を送りつけるのと同じことをやっちゃったわけですよ。しかも、それを、マネジャーを通して渡すという、大失態を演じてしまってる。
AKI 人を介してじゃ、心は伝わらない――と、そういうことですか?
哲雄 そのとおり。
「贈り物」に添えられるべき「人格性」が、
人を介するというワンクッションのせいで、
ローンダリングされてしまったわけです。
AKI ダメですねェ、ノムさん。
哲雄 そう考えていくと、どんな贈り物が貴重か、わかってきませんか?
AKI 心が付着している贈り物ほど貴重ってことですよね。付着してる「心」がメイワク……って場合も、ありますけどね。
哲雄 な、なんで、そこで私の顔を見るかなぁ。不肖・長住、贈り物に、人にメイワクがられるような心を付着させた覚えはありませんけど……。
AKI こないだ、どこかのアバズレに、黒い下着を贈ったりしてませんでした? 「この下着を脱がせる日を夢見て…」なんて、メチャクチャ、キモいメッセージを添えて?
哲雄 あれは、ただのジョークです。ほんとに想いを届けたい人には、そんなものを贈らないし、そんなメッセージも添えません。
AKI じゃ、哲ジイが考える最高の贈り物って、どんなもの?
哲雄 だから、それは、人格の付着している程度で判断するんだって。たとえば、ブランド・ショップで給料はたいて買った、ン十万円のジュエリーと、おばあちゃんの代から受け継がれてきた、見た目は多少、古びているけど……っていう、ペンダント。どっちが、贈り物として価値があるか?
AKI そりゃ、後者じゃないですか?
哲雄 どうしてそう思う?
AKI 三代にわたる人格が込められてるんだもん。貴重だし、重いですよ。逆に、重すぎて、いい加減な気持ちでは受け取れなくなっちゃいますけど。
哲雄 私も、そんなものくださいとは、お願いできません。こういう贈り物は、一生に一度、この人……と決めた人に贈るもので、もし私が贈られる側で、贈り主の心に答えられないと思ったら、いただくわけにはいかない贈り物でもあります。だからね、AKIちゃん、私もそんなものが欲しいとは申しません。もし、私に何かくださる、というんだったら、一本、抜いてくだされば、それで十分なんだからね。
AKI 一本、抜く……? ユンケルですか?
哲雄 キミからユンケルもらって、どうしますか? その……あなたのアンダーの毛をですね、一本ほど、プチッと抜いてくだされば……もう、それで十分でございます。
AKI ゼッタイに、イヤです!
哲雄 だろうね。だから、これも、貴重な贈り物になります。昔ね、戦場に出かける若者たちは、愛する女性からアンダーヘアや髪の毛をもらって、それをお守り代わりにして、死地に赴いたりしたんだよね。
AKI もしかしたら、最高の愛の表現かもしれませんね。
哲雄 愛がなければあげられない贈り物だし、愛がなければ、もらっても何の意味もない贈り物。「贈り物」とは、かくあるべし――と、私は思うわけですよ。何がホワイトデーだ、何が倍返しだ!
AKI エーッと、きょうは、そのホワイトデーの話をする予定だったのに……。
哲雄 おお、陰毛よ、そのインモーラルな輝きよ。そなたほど美しい贈り物が、この世にあり得ようか……。
AKI 約1名、壊れておりますので、話の続きは、次回に。
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AKI 贈り物じゃなくなったってことは、「交換」になったってこと?
哲雄 この場合は、「交換」はしてないから、「給付」というべきでしょうね。相手を見下しているフシもあるから、そうなると「下賜」かな。どっちにしても、「贈り物」の精神からは遠く離れた行為です。あのね、
「贈与」でいちばんたいせつなのは、
あげる「モノ」ではなくて、
その「モノ」に付着している、贈る人の「心」なんです。
それは、わかるよね。
AKI ココロ? 愛とか、感謝とか、友情とか……あっ、そうか。哲ジイの得意な「下心」なんてのもありますよね?
哲雄 そんなもの、つけた覚えはありません。
AKI いつもつけてるじゃありませんか。「この小さなペンダントが、いつもあなたの胸とともに揺れ続けることを願って」なんて、キザなメッセージつけたりしちゃって……。あれって、「その胸に触らせろ」っていう下心に見えましたよ、私には。
哲雄 そういうのを邪推と言います。とにかくね、「贈り物」っていうのは、その「贈り物」に込められた「心」のほうが大事。そういうものすべてを総合して「人格性」と呼ぶなら、「贈り物」には「人格性」が伴っていることが、ものすごく重要なんだ。オーストラリアやアメリカの先住民の間では、「贈り物」には「霊力」があると考えられてて、その扱いには、ものすごく慎重になるそうだよ。
AKI 日本でも、人形には霊力が宿っているとか考えますよね。
哲雄 ウン。だから、ゴミのように捨ててはいけない。きちんと供養して燃やしたりするよね。
AKI 質屋に持ち込むなんて、とんでもない?
哲雄 とんでもないです。質屋で現金と交換することによって、「贈り物」に付着している「人格性」はローンダリング(洗浄)されてしまうわけです。キミはよくやってるようだけど……。
AKI そ、それはですね、くっついてる「人格性」が、「一発やらせろ」とかいうとんでもないものだったりするときに、やむを得ず……です。哲ジイからもらった、ただの貝殻だって、私、大事にとってあるんだから。
哲雄 「ただの」は余計です。反対に「これ、高かったのよ」も余計。「贈り物」は、その値段を示唆したとたんに、「贈り物」ではなく、「交換」または「給付」になってしまいます。キミだって、人に贈り物をするときには、正札は外すでしょう?
AKI ジョーシキですね、それは。あ、そうか。ノムさんは、それをやっちゃったんだ。
哲雄 そう。「カルティエだぞ。高かったんだゾ」とやった時点で、「贈り物」失格です。つまり、ノムさんは、相手に現金を送りつけるのと同じことをやっちゃったわけですよ。しかも、それを、マネジャーを通して渡すという、大失態を演じてしまってる。
AKI 人を介してじゃ、心は伝わらない――と、そういうことですか?
哲雄 そのとおり。
「贈り物」に添えられるべき「人格性」が、
人を介するというワンクッションのせいで、
ローンダリングされてしまったわけです。
AKI ダメですねェ、ノムさん。
哲雄 そう考えていくと、どんな贈り物が貴重か、わかってきませんか?
AKI 心が付着している贈り物ほど貴重ってことですよね。付着してる「心」がメイワク……って場合も、ありますけどね。
哲雄 な、なんで、そこで私の顔を見るかなぁ。不肖・長住、贈り物に、人にメイワクがられるような心を付着させた覚えはありませんけど……。
AKI こないだ、どこかのアバズレに、黒い下着を贈ったりしてませんでした? 「この下着を脱がせる日を夢見て…」なんて、メチャクチャ、キモいメッセージを添えて?
哲雄 あれは、ただのジョークです。ほんとに想いを届けたい人には、そんなものを贈らないし、そんなメッセージも添えません。
AKI じゃ、哲ジイが考える最高の贈り物って、どんなもの?
哲雄 だから、それは、人格の付着している程度で判断するんだって。たとえば、ブランド・ショップで給料はたいて買った、ン十万円のジュエリーと、おばあちゃんの代から受け継がれてきた、見た目は多少、古びているけど……っていう、ペンダント。どっちが、贈り物として価値があるか?
AKI そりゃ、後者じゃないですか?
哲雄 どうしてそう思う?
AKI 三代にわたる人格が込められてるんだもん。貴重だし、重いですよ。逆に、重すぎて、いい加減な気持ちでは受け取れなくなっちゃいますけど。
哲雄 私も、そんなものくださいとは、お願いできません。こういう贈り物は、一生に一度、この人……と決めた人に贈るもので、もし私が贈られる側で、贈り主の心に答えられないと思ったら、いただくわけにはいかない贈り物でもあります。だからね、AKIちゃん、私もそんなものが欲しいとは申しません。もし、私に何かくださる、というんだったら、一本、抜いてくだされば、それで十分なんだからね。
AKI 一本、抜く……? ユンケルですか?
哲雄 キミからユンケルもらって、どうしますか? その……あなたのアンダーの毛をですね、一本ほど、プチッと抜いてくだされば……もう、それで十分でございます。
AKI ゼッタイに、イヤです!
哲雄 だろうね。だから、これも、貴重な贈り物になります。昔ね、戦場に出かける若者たちは、愛する女性からアンダーヘアや髪の毛をもらって、それをお守り代わりにして、死地に赴いたりしたんだよね。
AKI もしかしたら、最高の愛の表現かもしれませんね。
哲雄 愛がなければあげられない贈り物だし、愛がなければ、もらっても何の意味もない贈り物。「贈り物」とは、かくあるべし――と、私は思うわけですよ。何がホワイトデーだ、何が倍返しだ!
AKI エーッと、きょうは、そのホワイトデーの話をする予定だったのに……。
哲雄 おお、陰毛よ、そのインモーラルな輝きよ。そなたほど美しい贈り物が、この世にあり得ようか……。
AKI 約1名、壊れておりますので、話の続きは、次回に。

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