「そんなことして何になる?」という言葉は、絆を破壊!?

何かに取り組んでいるパートナーに、つい、発してしまう言葉。
そのひとつに、「そんなことして何になる?」というのがあります。
実は、この言葉、ふたりの関係にとっては、とても危険なのです。
愛の会話力レッスン 第24回(改訂版)
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夫婦・恋人・親子・上司と部下……あらゆる人間関係で使われる言葉に、「そんなことして何になる?」というのがあります。
筆者・長住は確信しているのですが、こういう言葉が飛び出す人間関係は、たとえ永年連れ添った夫婦であろうと、「おたがいを磨き合う関係」としては終わっています。
つまり、それ以上、深まりもしないし、進歩もしない関係――ということです。
しかし、私たちは、つい、使ってしまうんですね、この言葉を。
まずは、よくあるこんな会話例から――。
ありがちな会話ですよね。
右も左も「エコ、エコ」と、「エコひいき」がまかり通っているご時世。
そういう時流にわりと簡単に乗ってしまう女性と、「ホントかよ?」と常にマユにツバを塗り続ける男性の間では、ビミョーな温度差が生まれてしまいがちなのですが、今回のテーマはそのことではなくて、その前段、「そんなことして何になる?」というくだりです。
わかりにくいかもしれませんので、男女の立場を逆にした例も、紹介しておきましょう。
筆者・長住は確信しているのですが、こういう言葉が飛び出す人間関係は、たとえ永年連れ添った夫婦であろうと、「おたがいを磨き合う関係」としては終わっています。
つまり、それ以上、深まりもしないし、進歩もしない関係――ということです。
しかし、私たちは、つい、使ってしまうんですね、この言葉を。
まずは、よくあるこんな会話例から――。
会話例1 エコに目覚めた妻に夫が……
妻 あ、そのキャップ、捨てないでね。集めてるんだから。
夫 何すんだよ、こんなもん集めて?
妻 それを集めて送ると、森の木が増やせるの。あなたも協力してよ。
夫 バカバカしい。そんなことして何になるんだよ。
妻 何にって……森の木を増やすと、それだけ、地球の温暖化が防げるでしょ。
夫 何個集めると、木が1本植えられるわけ? その木一本で、地球の温度を何度下げられるの? そのキャップを再利用するために、どれだけのエネルギーを使って、どれくらいのCO2が排出されるか知ってるの?
妻 そんなことまでわからないわよ、私には。
夫 わからないけどやってんだ。バッカじゃないの?
妻 ………(絶句)
妻 あ、そのキャップ、捨てないでね。集めてるんだから。
夫 何すんだよ、こんなもん集めて?
妻 それを集めて送ると、森の木が増やせるの。あなたも協力してよ。
夫 バカバカしい。そんなことして何になるんだよ。
妻 何にって……森の木を増やすと、それだけ、地球の温暖化が防げるでしょ。
夫 何個集めると、木が1本植えられるわけ? その木一本で、地球の温度を何度下げられるの? そのキャップを再利用するために、どれだけのエネルギーを使って、どれくらいのCO2が排出されるか知ってるの?
妻 そんなことまでわからないわよ、私には。
夫 わからないけどやってんだ。バッカじゃないの?
妻 ………(絶句)
ありがちな会話ですよね。
右も左も「エコ、エコ」と、「エコひいき」がまかり通っているご時世。
そういう時流にわりと簡単に乗ってしまう女性と、「ホントかよ?」と常にマユにツバを塗り続ける男性の間では、ビミョーな温度差が生まれてしまいがちなのですが、今回のテーマはそのことではなくて、その前段、「そんなことして何になる?」というくだりです。
わかりにくいかもしれませんので、男女の立場を逆にした例も、紹介しておきましょう。
会話例2 夫の趣味を「役に立たない」と切り捨てる妻
妻 また、プラモ?
夫 おお、もうすぐ完成するんだ、オレの戦艦大和。
妻 まったく……。そんなもの組み立てて何になるの?
夫 夢だよ、夢。
妻 ほんッと、あなたって、役に立たないものにばかり、エネルギーを注ぎ込むのねェ。そんな時間があったら、少しは家の中のこともやっほしいもんだわ。
妻 また、プラモ?
夫 おお、もうすぐ完成するんだ、オレの戦艦大和。
妻 まったく……。そんなもの組み立てて何になるの?
夫 夢だよ、夢。
妻 ほんッと、あなたって、役に立たないものにばかり、エネルギーを注ぎ込むのねェ。そんな時間があったら、少しは家の中のこともやっほしいもんだわ。
これで、わかりやすくなったでしょうか?
2つの会話例に共通しているのは、「(そんなことして)何になる?」というメッセージです。
問題は、「何になる?」の「何」が、何を意味しているかでしょう。
最初の例の夫が妻に向かって発した「何」は、おそらく「実効性」ではないかと思われます。「おまえはそれでエコしてるような気になってるかもしれないけど、それでほんとにエコになってるのか?」という「実効性」を問いかけています。
次の例の妻が夫に向かって投げかけた「何」は、「実利=得」でしょうね。「そんなもの作っても、一文の利益にもならないでしょう?」と問いかけているわけです。
「実効性」も「実利」も、「役に立つ」という範疇にくくることができます。
そういう意味では、どちらの会話も同じ種類の会話だと思っていいと思います。
さて、この2つの会話例では、どちらも「大事なこと」がひとつ、忘れられているのですが、みなさん、何だかわかりますか?
もしかしたら、人間にとっていちばん大切かもしれないことが、すっぽり抜け落ちてしまっているのです。
それは、
生きがい=生きる喜び
という要素です。

筆者・長住は思うのです。
人間は、「役に立つことをする」ために生きているのではなく、「生きていることを楽しい」と感じるため、「生きていることをすばらしい」と感じるために生きているのではないか――と。
それがなかったら、苦痛に耐えることも、苦労を耐えしのぶこともできないのではあるまいか――と思うのです。
もう一度、2つの会話例に戻ってみましょう。
【会話例1】の妻は、「そんなことして何になる?」と問う夫に、「地球環境のために」とお題目を唱えるばかりだし、夫は夫で、「はたしてそれが地球環境を守ることになっているのか?」と、『朝まで生テレビ』のような議論に持ち込もうとしています。
はたしてこれが「愛のある会話」と言えるのか?
私の答えは「NO」です。
もし、「愛がある」と言うのなら、真っ先に問うべきなのは、「キミは、そういうことをしてて、生きがいを感じるか?」だし、答える妻も、「やってると、なんだか気持ちが充実するの」ではないかと思います。
それがどう役に立つのか、ほんとに役に立っているのか――なんてことは、ふたりの関係にとっては、どうでもいいことだと思うのです。
【会話例2】も同様です。
「何になるの?」と問う前に、「そういうのを組み立てるのって、楽しいの?」と尋ねるのが先決だろうと思います。答える夫の側も、「夢だよ」のひと言で終わらせず、「ホラ、こういうところをていねいに作ってると、面白いんだぞ」などと、自分が感じている楽しさを妻に伝える努力をすべきだろうと思います。

夫婦というのは、ひとつの社会としてみれば、「利益を共有する経済単位」であり、共通の利益を追求する「利益共同体」です。最低限の経済的利益を共有できないと成り立たない「小さな会社」のようなものです。これは、必要条件です。
しかし、その前に、夫婦は、一組の男女、一組の人間と人間のユニットです。このユニットを成立させるために求められるのは、「生きがいの共有」「よろこびの共有」という精神的結合です。これが、十分条件です。
別に夫婦に限った話ではありません。愛し合う男女の関係では、この「生きがい」や「よろこび」の共有がないと、精神的充足を得ることができません。
最初にご紹介した会話例では、どちらもその要素が欠けています。
こういう会話を続けていると、夫婦間の会話はどんどん形式的なものになっていき、おたがいを「何かやってるらしいけど、何やってんだかねェ。私にはよくわからないのよ」と、「近くの他人」扱いするようになり、最後には、家庭内別居のような状態になる恐れも大。いまのうちの修復がたいせつかと思われます。
ハイ、本日は、ここまで。
最後に、2つの会話の修復例を紹介して、終わりにしましょう。
会話例3 《会話例1》をこう修復してみる
妻 あ、そのキャップ、捨てないでね。集めてるんだから。
夫 ヘーッ、こんなもの集めてどうするの?
妻 それを集めて送ると、森の木が増やせるんだって。あなたも協力してね。
夫 なんか、最近、エコに目覚めちゃってるね。楽しい?
妻 楽しいっていうより、ちょっとだけやりがいを感じる……ってとこ?
夫 おうおう、じゃ、オレも勉強してみるか。それを何個集めると、木が何本植えられるか……とかさ。キミだって、自分が集めたキャップがどれだけ温暖化防止につながってるか、知りたいだろ?
妻 ウン、もっと他にいい方法があるかもしれないしね。ただ、私は、計算とか、そういうの、苦手だし……。
夫 だよな。ま、そこがかわいいとこなんだけどさ……。
妻 じゃ、かわいい女房のために、ひと肌脱いで。お願いしま~す。
会話例4 《会話例2》をこう修復してみる
妻 また、プラモ?
夫 おお、もうすぐ完成するんだ、オレの戦艦大和。
妻 ね、それって面白いの? 私にはよくわかんないのよ。
夫 面白いよ。たとえば、ホラ、ここ見て。(以下、プラモの見所解説)
妻 ほんと、精巧なのね。あなたって、手先も器用なんだね。もしかしたら、野菜の飾り切りとかもうまかったりして……。
夫 おお、今度、やってみるか。
妻 ワァ、助かるゥ。
妻 あ、そのキャップ、捨てないでね。集めてるんだから。
夫 ヘーッ、こんなもの集めてどうするの?
妻 それを集めて送ると、森の木が増やせるんだって。あなたも協力してね。
夫 なんか、最近、エコに目覚めちゃってるね。楽しい?
妻 楽しいっていうより、ちょっとだけやりがいを感じる……ってとこ?
夫 おうおう、じゃ、オレも勉強してみるか。それを何個集めると、木が何本植えられるか……とかさ。キミだって、自分が集めたキャップがどれだけ温暖化防止につながってるか、知りたいだろ?
妻 ウン、もっと他にいい方法があるかもしれないしね。ただ、私は、計算とか、そういうの、苦手だし……。
夫 だよな。ま、そこがかわいいとこなんだけどさ……。
妻 じゃ、かわいい女房のために、ひと肌脱いで。お願いしま~す。
会話例4 《会話例2》をこう修復してみる
妻 また、プラモ?
夫 おお、もうすぐ完成するんだ、オレの戦艦大和。
妻 ね、それって面白いの? 私にはよくわかんないのよ。
夫 面白いよ。たとえば、ホラ、ここ見て。(以下、プラモの見所解説)
妻 ほんと、精巧なのね。あなたって、手先も器用なんだね。もしかしたら、野菜の飾り切りとかもうまかったりして……。
夫 おお、今度、やってみるか。
妻 ワァ、助かるゥ。
こううまくいくかどうかはわかりませんが、一度、お試しを。


2012年11月リリース
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