第94夜☆浮気されて「怒る心」と「悲しむ心」
第94夜
「愛とは何か?」をめぐって、管理人・哲雄がパートナー・AKIを相手に展開する、オヤジ・ギャグ風+ちょっぴりアカデミックおしゃべり。今回のトークは、浮気をめぐっての話。浮気をされて「怒る心」と「悲しむ心」。それを分けるのは、「性の自立」ができているかどうかだ、という話へと展開する予定です――。
【今回のキーワード】 浮気 性の自立 裏切り 性悪説
AKI ハハーン、その顔、やっぱりブルー・クリスマスだったんですね?
哲雄 ホットケー……キ・ミックス! そういうキミだって仕事だったじゃないか。
AKI だって、かきいれ時ですもの。
哲雄 彼女いない男たちの寂しい夜をおなぐさめしてたわけだ。まったく、人の弱みにつけ込んで……。
AKI 弱みに……って、聞き捨てならないことをおっしゃいますね。私は、心から……。
哲雄 わかってますって。ただすねてるだけです。たまには、この孤独な魂を、ボランティアで癒してくれてもよさそうなもんじゃないか……なんて思ってさ。
AKI ウーン、考えときます。ただね、哲ジイ、ただほど怖いものはないとも言いますからね。でも、あれですね。やっぱり、哲ジイは、悲しむタイプなんですね、浮気されると?
哲雄 怒るか、悲しむか、と言われたら、ま、悲しむほうだろうね。でも、場合によっちゃ、笑っちゃうことだってあるかもしれない。
AKI エッ!? 彼女に浮気されて、笑うんですか?
哲雄 たとえば、彼女がものすごく依存性の強い女だったりしたら、オーッ、こいつも一人前に浮気できるようになったんだ――って、なんかうれしくなったりするかもしれない。
AKI フーン、ずいぶん余裕こいてますね。
哲雄 余裕というのとも違うんだよね。心配は心配なんだよ。そのまま、向こうへ行っちゃったらどうしよう――なんて考えたりして。しかし、自分が不安になるのがイヤだから、浮気するな、男はオレだけにしろ、なんてことは、私には言えません。
AKI だから、逃げられちゃったんじゃないですか、彼女に。
哲雄 別に逃げられたわけじゃありませんよ。ニコニコ報告するから、それを「フーン」と聞いていたら、そのうち、向こうに行っちゃった、というだけの話です。
AKI ニコニコ報告……?
哲雄 私、口説かれちゃったの――って、うれしそうにね。
AKI エーッ、それ、ニコニコして聞いてたの? 哲ジイは……。
哲雄 顔で笑って、心で泣いて……たりもするけどね。
AKI 怒ったりはしないの?
哲雄 きょうのテーマはそこなんだけどね、
浮気されて怒る――というのは、どういう精神の構造かと……。
きょうはそこを考えてみたいわけです。
AKI ぜひ、お聞きしたいもんです。フツー、怒るでしょ、相手が自分を裏切ったら。
哲雄 ホラ、そこです、問題は。「裏切った」とは、いったい、どういうことか? 人間の心の中で起こる問題に、「裏切り」なんて言葉が、はたしてふさわしいのか?
AKI でも、私は、会社に忠節を尽くしますとか言っておいて、ライバル会社に情報を渡したりしたら、裏切りでしょ?
哲雄 それは「裏切り」と言われても仕方ないだろうね。
AKI 「一生、キミを愛し続けます」とか誓っておいて、他の女に手を出すのも、同じじゃないですか。
哲雄 それ、前にも言わなかったっけ。そもそも「一生、キミを愛し続けます」なんていう誓いそのものがおかしい。誓うな、そんなもん――という話、しませんでしたったけ。
【参考記事】
『不純愛トーク第3夜~永遠の愛なんて誓ってはてけない』
AKI ああ、なんか聞いたような……。それ、イエスが言ったんでしたよね、「いっさい、誓ってはならない」って。
哲雄 おお、覚えてましたか。要するに、不完全きわまりない人間が、「一生、キミを…」なんてことを口にするのは、思いあがりである――と、イエスは言ったわけです。
AKI でも、よく誓いますよね、人間って。
哲雄 取引関係ではね。取引で交わされる誓いは「契約」と言うんだけど、なぜ契約が必要になるかと言えば、放っておけば、人間は必ず、約束を破るからです。つまりその根底には、「性悪説」が潜んでいる。
AKI 性悪説? 「しょうわる」じゃなくて「せいあく」ですね。
哲雄 「しょうわる」なのはキミ、「せいあく」なのは人間全般。
AKI もう、ボランティアしてあげない。勝手にエコSEXしてなさい。
哲雄 エコSEX?
AKI 自家発電……ってことですッ!
哲雄 ハイ、いつもしてます。それでね、取引関係であれば「契約」が存在するわけで、「契約」があれば「裏切り」もある。「裏切り」に対する制裁は、「怒り」だったり、「報復」だったりするわけだから、もし、その恋愛が「契約行為」であれば、「怒り」という制裁も成り立ちます。
AKI 契約行為としての恋愛? 昔、愛人契約……とかならあったけど……。
哲雄 ま、ふつうに考えれば、恋愛は取引行為ではないから、契約なんてあり得ない――と言いたいところなんだけど、しかし、実際には、限りなく「取引」に近い恋愛が、いたるところで行われています。
AKI あ、わかった。「私を幸せにしてくれると言ったからつき合ったのに」とかいう恋愛ですね。
哲雄 それもあるし、「きょうからキミはボクのもの」「きょうからあなたは私のもの」という恋愛もそうだよね。言葉を替えて言うと、支配―従属関係が成立するような恋愛は、ほとんど「取引」としての恋愛だと思っていいんじゃないかな。でね、ここからがだいじなところ。人間関係には、どちらかが相手を支配してどちらかが相手に従属する、という支配―従属関係か、でなければ、どちらもが自立した人間同士として相手を尊重する関係か、この2種類しかない。それ以外は「無関係」という関係。
AKI わかった。浮気されて怒るというのは、恋愛を「支配―従属」の関係としてとらえているからだ――と。哲ジイは、そう言いたかったわけですね。
哲雄 です。でね、話が元に戻るけど、男女の関係が「支配―従属」の関係になってしまうのは、「性」が「自立」してないからだ、と私は思うわけです。
AKI 尽くすことを求める男も、自ら望んでそうしようと思う女も、「支配」と「従属」の関係に陥っている、ということですか?
哲雄 だから、支配した、従属させたと思っていた相手が、自分以外の異性と関係を持ったとわかると、怒ってしまう。従属してきたほうにとっても、これまで自分を従属させておいて何だ、という思いがあるので、怒り出す場合がある。
AKI ウーン、それと「性の自立」が、どう関係してるのか……?
哲雄 「自立」なんて言うと、誤解する人もいるかもしれないけど、何も「だれかれかまわずやりまくる」なんてことじゃありませんからね。ただ、ボクのペニスや私のヴァギナを「あなたの従属物」にしないってことです。
AKI 従属物にしないってことは、自由に使うってことでしょう。
哲雄 自由に使いたければ、使えばいい。しかし、その「自由」には、「使わない自由」もある。相手を悲しませたくないから、「これにはパスワードを設定しておこう」という使い方もあるわけでしょう。
AKI フンフン。で、そのパスワードとは?
哲雄 「AI」です。
AKI エッ、ああ、「愛」ね。
哲雄 あ、このパスワード、キミにだけは教えておくからね。
AKI 私、要らないです、それ。
※この話、まだまだ続きます。
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AKI フーン、ずいぶん余裕こいてますね。
哲雄 余裕というのとも違うんだよね。心配は心配なんだよ。そのまま、向こうへ行っちゃったらどうしよう――なんて考えたりして。しかし、自分が不安になるのがイヤだから、浮気するな、男はオレだけにしろ、なんてことは、私には言えません。
AKI だから、逃げられちゃったんじゃないですか、彼女に。
哲雄 別に逃げられたわけじゃありませんよ。ニコニコ報告するから、それを「フーン」と聞いていたら、そのうち、向こうに行っちゃった、というだけの話です。
AKI ニコニコ報告……?
哲雄 私、口説かれちゃったの――って、うれしそうにね。
AKI エーッ、それ、ニコニコして聞いてたの? 哲ジイは……。
哲雄 顔で笑って、心で泣いて……たりもするけどね。
AKI 怒ったりはしないの?
哲雄 きょうのテーマはそこなんだけどね、
浮気されて怒る――というのは、どういう精神の構造かと……。
きょうはそこを考えてみたいわけです。
AKI ぜひ、お聞きしたいもんです。フツー、怒るでしょ、相手が自分を裏切ったら。
哲雄 ホラ、そこです、問題は。「裏切った」とは、いったい、どういうことか? 人間の心の中で起こる問題に、「裏切り」なんて言葉が、はたしてふさわしいのか?
AKI でも、私は、会社に忠節を尽くしますとか言っておいて、ライバル会社に情報を渡したりしたら、裏切りでしょ?
哲雄 それは「裏切り」と言われても仕方ないだろうね。
AKI 「一生、キミを愛し続けます」とか誓っておいて、他の女に手を出すのも、同じじゃないですか。
哲雄 それ、前にも言わなかったっけ。そもそも「一生、キミを愛し続けます」なんていう誓いそのものがおかしい。誓うな、そんなもん――という話、しませんでしたったけ。

『不純愛トーク第3夜~永遠の愛なんて誓ってはてけない』
AKI ああ、なんか聞いたような……。それ、イエスが言ったんでしたよね、「いっさい、誓ってはならない」って。
哲雄 おお、覚えてましたか。要するに、不完全きわまりない人間が、「一生、キミを…」なんてことを口にするのは、思いあがりである――と、イエスは言ったわけです。
AKI でも、よく誓いますよね、人間って。
哲雄 取引関係ではね。取引で交わされる誓いは「契約」と言うんだけど、なぜ契約が必要になるかと言えば、放っておけば、人間は必ず、約束を破るからです。つまりその根底には、「性悪説」が潜んでいる。
AKI 性悪説? 「しょうわる」じゃなくて「せいあく」ですね。
哲雄 「しょうわる」なのはキミ、「せいあく」なのは人間全般。
AKI もう、ボランティアしてあげない。勝手にエコSEXしてなさい。
哲雄 エコSEX?
AKI 自家発電……ってことですッ!
哲雄 ハイ、いつもしてます。それでね、取引関係であれば「契約」が存在するわけで、「契約」があれば「裏切り」もある。「裏切り」に対する制裁は、「怒り」だったり、「報復」だったりするわけだから、もし、その恋愛が「契約行為」であれば、「怒り」という制裁も成り立ちます。
AKI 契約行為としての恋愛? 昔、愛人契約……とかならあったけど……。
哲雄 ま、ふつうに考えれば、恋愛は取引行為ではないから、契約なんてあり得ない――と言いたいところなんだけど、しかし、実際には、限りなく「取引」に近い恋愛が、いたるところで行われています。
AKI あ、わかった。「私を幸せにしてくれると言ったからつき合ったのに」とかいう恋愛ですね。
哲雄 それもあるし、「きょうからキミはボクのもの」「きょうからあなたは私のもの」という恋愛もそうだよね。言葉を替えて言うと、支配―従属関係が成立するような恋愛は、ほとんど「取引」としての恋愛だと思っていいんじゃないかな。でね、ここからがだいじなところ。人間関係には、どちらかが相手を支配してどちらかが相手に従属する、という支配―従属関係か、でなければ、どちらもが自立した人間同士として相手を尊重する関係か、この2種類しかない。それ以外は「無関係」という関係。
AKI わかった。浮気されて怒るというのは、恋愛を「支配―従属」の関係としてとらえているからだ――と。哲ジイは、そう言いたかったわけですね。
哲雄 です。でね、話が元に戻るけど、男女の関係が「支配―従属」の関係になってしまうのは、「性」が「自立」してないからだ、と私は思うわけです。
AKI 尽くすことを求める男も、自ら望んでそうしようと思う女も、「支配」と「従属」の関係に陥っている、ということですか?
哲雄 だから、支配した、従属させたと思っていた相手が、自分以外の異性と関係を持ったとわかると、怒ってしまう。従属してきたほうにとっても、これまで自分を従属させておいて何だ、という思いがあるので、怒り出す場合がある。
AKI ウーン、それと「性の自立」が、どう関係してるのか……?
哲雄 「自立」なんて言うと、誤解する人もいるかもしれないけど、何も「だれかれかまわずやりまくる」なんてことじゃありませんからね。ただ、ボクのペニスや私のヴァギナを「あなたの従属物」にしないってことです。
AKI 従属物にしないってことは、自由に使うってことでしょう。
哲雄 自由に使いたければ、使えばいい。しかし、その「自由」には、「使わない自由」もある。相手を悲しませたくないから、「これにはパスワードを設定しておこう」という使い方もあるわけでしょう。
AKI フンフン。で、そのパスワードとは?
哲雄 「AI」です。
AKI エッ、ああ、「愛」ね。
哲雄 あ、このパスワード、キミにだけは教えておくからね。
AKI 私、要らないです、それ。
※この話、まだまだ続きます。

管理人は常に、下記3つの要素を満たせるように、脳みそに汗をかきながら、記事をしたためています。
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