第93夜☆「精神の自立」には「性の自立」が必要
第93夜
「愛とは何か?」をめぐって、管理人・哲雄がパートナー・AKIを相手に展開する、オヤジ・ギャグ風+ちょっぴりアカデミックおしゃべり。「S」も「M」も、依存的性質から生まれる傾向――と主張する哲雄、今回は、「精神の自立」には、「性の自立」が必要、という持論を展開します――。
【今回のキーワード】 S M 浮気 性の自立 DINKS 村落共同体
AKI 前回までのSとMの話ですけどね、哲ジイ。結局、S的な要素にしても、M的要素にしても、それを芽生えさせたのは、親との関係なんですよね。
哲雄 それが大きい、ということですね。子どもに対して支配的にふるまう親も、反対に依存的にふるまう親も、子どもの中に「S」や「M」の要素を生み出す原因になり得る、ということですね。
AKI エーッと、親が支配的にふるまうと……?
哲雄 子どもがその支配に対して畏敬の念を強く持てば、Mになるし、反発して嫌悪の情を強くすれば、自分も将来、人を支配することで快感を覚えるSになる。
AKI 反対に親が依存的であれば……?
哲雄 依存的でガマンするタイプの親だと、子どもも「ガマン」を美徳と感じて、Mの要素を身につけるだろうし、依存的で子どものご機嫌ばかりとろうとするような親だと、他人は自分のわがままを受け入れるものと思い込んで、Sの要素を身につけることになる。
AKI つまり、親は、過度に支配的であっても、依存的であってもいけない――ということですね。てことは?
哲雄 エゴグラムで言うと、「自立したおとな」の要素を身につけなさい、ということになるのかなぁ。ところがねェ……。
AKI 何か、問題でも?
哲雄 前にも言ったかもしれないけど、日本人は、この要素がもともと希薄なんだよね。
AKI 日本人だけ?
哲雄 村落共同体が社会の基盤であったような民族は、全般にそうかもしれない。特に、アジアの照葉樹林帯のように、採取すべき実りが豊富にあって、それをみんなで分け合って生活するというスタイルが定着していた風土で育った民族はね。
AKI それ、いいことじゃないですか。
哲雄 いいことですよ。共同体の成員ひとりひとりをみんなが思いやる、というメンタリティは、貴重なものだと思います。しか~し……。
AKI おっ、やはり何か、問題があるわけですね。
哲雄 大ありありのコンコンチキ。これは、共同体が機能していれば……の話でありまして。
AKI そうかぁ。その共同体が、いまは消滅してるんだ。
哲雄 共同体が、ほとんど消滅しているにもかかわらず、他人にかまったり、気にしたりするメンタリティだけが残った。すると、どうなるか?
AKI ウーン。もしかして、自分の家族だけをかまう、ということになる?
哲雄 そうなんだよね。家族、特に子どもに対しての依存や支配が、過剰になる。
AKI ね、哲ジイ。それって、かまう余裕のある家庭の話ですよね。
哲雄 そう。少なくとも、妻が専業主婦やる余裕のある家庭の話。
AKI そうかぁ、貧乏な家庭じゃ、奥さん、専業なんてやってらんないもんなぁ。
哲雄 話はそれるけどさ、いま、日本の家庭を大きく3つに分けると、ものすごく余裕のある上流の共働き家庭と、ふつうに余裕のある中流の専業主婦の家庭と、生活のために夫婦が必死で働かなくちゃならない下流の共稼ぎ家庭――というふうに分けられるんだよね。
AKI 私、そのものすごく余裕のあるほうに惹かれるんですけど……。
哲雄 ところがさ、そういう夫婦は、どちらもがキャリアだったりして、社会的にも重要なポストについてたりするから、ヘタすると、子どもを作らなかったりするんだよね。昔で言うと、DINKS。
AKI それ、前にも出てきましたよね。エーッと、ダブル・インテリ・ノー・セックス……とかなんとか。
哲雄 ノー・キッズ!
AKI あ、そうそう。ふたりで高収入を挙げて、子どもなし。ま、いちばん優雅に暮らせるパターンですよね。そこへ行くと、哲ジイなんかは、LINKW。
哲雄 何ですか、それ?
AKI リトル・インカム・ノー・キッズ。
哲雄 最後のWは?
AKI ワイフ。つまり、妻もなし。クックックッ……。
哲雄 かってに笑ってろ。それでね、自立の話に戻るけど……。
AKI ハイハイ、そこが本題でした。
哲雄 極端なことを言うと、精神の自立は、性の自立なくしては語れない。
AKI そ、そ、それって、フリー・セックスのすすめってことっすか?
哲雄 いや、そういうことじゃないんだな。自分の性的な充足を、相手に依存するという状態、あるいは相手の支配に委ねるという状態。そこから脱却しないと、精神的に自立しているとは言えない、ということです。
AKI 相手に依存しない……ってなると、どうなるんです? たとえば、浮気するとか?
哲雄 それも、ひとつの選択肢。おひとりさまで楽しむ、っていうのも、ひとつの選択肢。とにかくね、女性であれば、自分の幸福感が相手のペニスの稼働率次第――みたいな考え方をしないってこと。男であれば、自分の幸福感が相手のヴァギナの占有率次第――みたいな考え方をしないってこと。
AKI ああ、わかった。あなたがしてくれないから、私は不幸……みたいな考え方をしないってことですね。
哲雄 たぶん、男は、女にそう思ってほしいと思うだろうけどね。「あなたが抱いてくれないと、私は悲しいの」なんて言われるのを好むからね、依存性の強い男は。
AKI それも依存なんだ。
哲雄 立派に依存でしょう。支配してると思わせてくれることに、自分の男としての価値を依存してる、と言っていいんじゃないかな。よく言うでしょ。亭主関白というのは、実は、ものすごい甘えんぼうなんだ――って。
AKI たとえばよ、哲ジイは、自分の彼女が、もし他の男によって性的満足を得たとしても、怒ったりしないって言える?
哲雄 怒るってことは、100%あり得ないね。悲しむことはあるかもしれないけど……。
AKI 「怒る」と「悲しむ」か……。それって、どう違うんだろ?
哲雄 ウン。実は、そこが「自立」の重要なポイントなんだけど、この話、ちょっとやそっとでは語りつくせない。次回は、そこらへんから始めようか?
AKI ハイ。では、哲ジイ、ステキなブルー・クリスマスを!
哲雄 ドキッ! なんでわかるかなぁ。
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哲雄 前にも言ったかもしれないけど、日本人は、この要素がもともと希薄なんだよね。
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AKI それ、いいことじゃないですか。
哲雄 いいことですよ。共同体の成員ひとりひとりをみんなが思いやる、というメンタリティは、貴重なものだと思います。しか~し……。
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AKI ウーン。もしかして、自分の家族だけをかまう、ということになる?
哲雄 そうなんだよね。家族、特に子どもに対しての依存や支配が、過剰になる。
AKI ね、哲ジイ。それって、かまう余裕のある家庭の話ですよね。
哲雄 そう。少なくとも、妻が専業主婦やる余裕のある家庭の話。
AKI そうかぁ、貧乏な家庭じゃ、奥さん、専業なんてやってらんないもんなぁ。
哲雄 話はそれるけどさ、いま、日本の家庭を大きく3つに分けると、ものすごく余裕のある上流の共働き家庭と、ふつうに余裕のある中流の専業主婦の家庭と、生活のために夫婦が必死で働かなくちゃならない下流の共稼ぎ家庭――というふうに分けられるんだよね。
AKI 私、そのものすごく余裕のあるほうに惹かれるんですけど……。
哲雄 ところがさ、そういう夫婦は、どちらもがキャリアだったりして、社会的にも重要なポストについてたりするから、ヘタすると、子どもを作らなかったりするんだよね。昔で言うと、DINKS。
AKI それ、前にも出てきましたよね。エーッと、ダブル・インテリ・ノー・セックス……とかなんとか。
哲雄 ノー・キッズ!
AKI あ、そうそう。ふたりで高収入を挙げて、子どもなし。ま、いちばん優雅に暮らせるパターンですよね。そこへ行くと、哲ジイなんかは、LINKW。
哲雄 何ですか、それ?
AKI リトル・インカム・ノー・キッズ。
哲雄 最後のWは?
AKI ワイフ。つまり、妻もなし。クックックッ……。
哲雄 かってに笑ってろ。それでね、自立の話に戻るけど……。
AKI ハイハイ、そこが本題でした。
哲雄 極端なことを言うと、精神の自立は、性の自立なくしては語れない。
AKI そ、そ、それって、フリー・セックスのすすめってことっすか?
哲雄 いや、そういうことじゃないんだな。自分の性的な充足を、相手に依存するという状態、あるいは相手の支配に委ねるという状態。そこから脱却しないと、精神的に自立しているとは言えない、ということです。
AKI 相手に依存しない……ってなると、どうなるんです? たとえば、浮気するとか?
哲雄 それも、ひとつの選択肢。おひとりさまで楽しむ、っていうのも、ひとつの選択肢。とにかくね、女性であれば、自分の幸福感が相手のペニスの稼働率次第――みたいな考え方をしないってこと。男であれば、自分の幸福感が相手のヴァギナの占有率次第――みたいな考え方をしないってこと。
AKI ああ、わかった。あなたがしてくれないから、私は不幸……みたいな考え方をしないってことですね。
哲雄 たぶん、男は、女にそう思ってほしいと思うだろうけどね。「あなたが抱いてくれないと、私は悲しいの」なんて言われるのを好むからね、依存性の強い男は。
AKI それも依存なんだ。
哲雄 立派に依存でしょう。支配してると思わせてくれることに、自分の男としての価値を依存してる、と言っていいんじゃないかな。よく言うでしょ。亭主関白というのは、実は、ものすごい甘えんぼうなんだ――って。
AKI たとえばよ、哲ジイは、自分の彼女が、もし他の男によって性的満足を得たとしても、怒ったりしないって言える?
哲雄 怒るってことは、100%あり得ないね。悲しむことはあるかもしれないけど……。
AKI 「怒る」と「悲しむ」か……。それって、どう違うんだろ?
哲雄 ウン。実は、そこが「自立」の重要なポイントなんだけど、この話、ちょっとやそっとでは語りつくせない。次回は、そこらへんから始めようか?
AKI ハイ。では、哲ジイ、ステキなブルー・クリスマスを!
哲雄 ドキッ! なんでわかるかなぁ。

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