第88夜☆妻を貸し合う、「盆かか」の風習
第88夜
「愛とは何か?」をめぐって、管理人・哲雄がパートナー・AKIを相手に展開する、オヤジ・ギャグ風+ちょっぴりアカデミックおしゃべり。今回は、共同体が生んだ性のシステムの話。かつて日本の村落には、女房を貸し合う「盆かか」という風習まであった、という話を紹介します――。
【今回のキーワード】 盆かか 共同体 談合 エゴグラム
AKI 前回は、ちょっと回り道をしてしまいましたね。でも、ちょっと気になって、私、テストやってみたんです。

『あなたはマネージャー型? チアリーダー型?』(テストにはFC2ポイントが必要になります)
哲雄 で、結果は?
AKI それは、ヒ・ミ・ツ!
哲雄 言わずともわかりますよ~だ。「ちょいゆるマネージャー型」だったでしょ?
AKI エッ!? どうしてわかったんですか?
哲雄 私が作ったテストだよ。この人だったら、こういう結果になるはず、ぐらいわかりますとも。でなきゃ、テストの意味がない。
AKI 要するに私って、世話焼き母さん型のマネージャーってことなんですね。
哲雄 ウン、結婚すれば「世話焼き母さん」、しなきゃ「癒し系フードル」。これがキミのたどる道ってことだね。
AKI だから、フーゾクではないと……。
哲雄 フーゾクではないにしても、「接客」には向いている。つまり、キミの中には、エゴグラムで言うところのNP(養護的親)の要素と、AC(順応する子ども)の要素が強いわけで、こういう人は、人の気持ちに寄り添うことが得意だし、しかも、その気持ちに応えてなにくれと面倒を見たがるわけだから、男としてみれば、ヒジョーに都合のいいカミさんなんだよね。
エゴグラムについては、本ブログの『愛の会話診断13~心理学が見つけた、絶対、ケンカにならない話法』を参照。以下に、その要点を、まとめておきます。
AKI 私の場合、このAC(順応する子ども)が高いことが問題なんですよねェ。
哲雄 ウン。もう一度、グラフを見せておくと、キミの場合は、こうなる。
日本人の場合、どうしても、このACが高くなる傾向がある、と私は思うんだけど、それは、なぜかと言うと……。
AKI そこ、そこ。それが知りたいんです。
哲雄 ひとつは、日本人が照葉樹林帯に住む採集・農耕民族である、ということが関係していると思う。
AKI 照葉樹林帯……? 何ですか、それ?
哲雄 照葉樹というのは、一年中、緑の大きな葉っぱをつけている樹木のことで、自然林がそういう樹木で占められている一帯を、「照葉樹林帯」と言うんだよね。中国の雲南省あたりから日本列島の中南部あたりにかけて広がっていて、ほとんど稲作地帯と一致しているんだけど、こういう地帯の人たちは、このめぐみ豊かな樹林に共有の入会権を設定して、そのめぐみを分け合うという共同体を築いてきた。
AKI つまり、「村」ということですね?
哲雄 そう、「村落共同体」ですね。きのこでも、木の実でも、山菜でも……みんな、ほどほどに取って、ほどほどに豊かに暮らしましょう――という意識が、風土的に根付いてるんですね。こういう風土の中で生活していると、他人との関係はどうなるか?
AKI たえず、他のメンバーのことを気にしますよね。
哲雄 そう。隣は何をする人ぞ――を、常に気にかけて暮らします。そして、困ったときには、救いの手を差し伸べ、みんなが心地よく暮らせるように……と、ものを分け合ったりもする。
ときには、女房まで貸し合う。
AKI い、いま、何ておっしゃいました? 女房を貸・し・合・う……?
哲雄 あ、口が滑っちゃった。ああ、また、話が脇道へ逸れそう……。
AKI 逸れてください、逸れてください。それ、聞きたい! あ、そ~れ!
哲雄 韻を踏んでるし。よろしい。ちょっとだけ逸れましょう。たとえば、一部の地域では、「盆かか」なんて制度がありました。
AKI ボンカカ? 食べ物じゃないですよね?
哲雄 ま、食べるわけですけどね、他所ん家の女房を。盆になると、村の男たちがクジを引いて、「んじゃ、八っつあんは、為五郎ん家のかかとやれ!」てなことを決めたりしてたらしい。
AKI そ、それってクジですか? 食べたくない「かか」だっているでしょうに……。
哲雄 ま、中には、不満をもらすやつもいたみたいだよ。「やんだ、オラ、為ん家のかかは食いたくねッす」なんてね。すると、村の長老とかが間に入って、調整してやったらしい。「八っつあんが、為ん家のかかはやんだつってっから、ここは五郎どん、おめ、食ってやってくんねぇすか? そんかわり、来年は、おめにほら、拓也ん家のかか、食わせてやっからよ」みたいなもんでしょうよ。
AKI なんか、それ、談合みたいですね。
哲雄 談合ですよ。私は「談合」というのは、村落共同体を機能させるシステムとしては、決してわるい制度じゃないと思ってるんです。巨大な利権が絡まない限りね。あ、また、話が逸れそうだから、「盆かか」に話を戻しますよ。で、問題は、女房のほうだ。
AKI ね、「かか」のほうには選択権はなかったんですか?
哲雄 そこが問題っちゃあ問題だよね。まだ、「女房は家の財産(モノ)」という考え方の時代だから、財産の側には選択権はない。いまの時代から言うと、とんでもない話ってことになるんだけど、ただね、「かか」のほうも、それを愉しみにしてた気配がある。
AKI そりゃ、そうでしょうよ。私だったら、ドキドキしちゃう。
哲雄 そ、そうなの?
AKI 目がギラギラしてますけど、哲ジイ。ダメですよ、拒否権発動! だれが来るかわからないから、ドキドキするんですからね。
哲雄 だよね。「かか」のほうも、「今年は、どんなサオが私を食いにくるんだべ?」と、期待半分で待ったかもしれない。おおらかだよね、この時代って。あ、そうそう、「かか」たちには、もうひとつ愉しみがあった。
AKI な、何ですか?
哲雄 村の若者たちに性の手ほどきをしてあげる、という仕事。
AKI それ、仕事なんですか?
哲雄 仕事というより、権利……かな。各地に「闇夜祭り」みたいなものがあったんだけど、一部の地域では、この闇夜に、年配の「かか」たちが、村のまだ女を知らない若者たちに、性の手ほどきをしてあげることになってた。
AKI いい制度~。
哲雄 ま、そんなわけで、共同体が機能しているうちは、性も共同体内で、うまいこと処理できるようなシステムができてたってことですね。あ~あ、きょうはこの話で終わっちまった。
AKI 次回、話を元に戻しましょう。ああ、私も、共同体創りた~い。
哲雄 その節は、ぜひ、私めもお仲間に……。
AKI 拒否権発動!
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哲雄 フーゾクではないにしても、「接客」には向いている。つまり、キミの中には、エゴグラムで言うところのNP(養護的親)の要素と、AC(順応する子ども)の要素が強いわけで、こういう人は、人の気持ちに寄り添うことが得意だし、しかも、その気持ちに応えてなにくれと面倒を見たがるわけだから、男としてみれば、ヒジョーに都合のいいカミさんなんだよね。

【エゴグラムについての復習~心の中に棲む5つの自我の状態】
CP……批判的親。他者を厳しく批判し、指導しようとするが、その姿勢は支配的で、ガンコでもある。
NP……養護的親。やさしく、思いやりをもって他者を養護しようとするが、しばしばおせっかいととられることもある。
A……自立したおとな。合理的、客観的な冷静な心で、他者と接しようとするが、しばしばその態度は、「冷たい」と受け取られることもある。
FC……自由な子ども。自由奔放にふるまう明るい子どものような自我の状態。ただし、周囲には、自己中心的でわがままと映ることも多い。
AC……順応する子ども。「いい子」と思われたくて、周囲に過剰に適応しようとる自我の状態。もっともストレスを溜めやすい自我の状態でもある。
CP……批判的親。他者を厳しく批判し、指導しようとするが、その姿勢は支配的で、ガンコでもある。
NP……養護的親。やさしく、思いやりをもって他者を養護しようとするが、しばしばおせっかいととられることもある。
A……自立したおとな。合理的、客観的な冷静な心で、他者と接しようとするが、しばしばその態度は、「冷たい」と受け取られることもある。
FC……自由な子ども。自由奔放にふるまう明るい子どものような自我の状態。ただし、周囲には、自己中心的でわがままと映ることも多い。
AC……順応する子ども。「いい子」と思われたくて、周囲に過剰に適応しようとる自我の状態。もっともストレスを溜めやすい自我の状態でもある。
AKI 私の場合、このAC(順応する子ども)が高いことが問題なんですよねェ。
哲雄 ウン。もう一度、グラフを見せておくと、キミの場合は、こうなる。

AKI そこ、そこ。それが知りたいんです。
哲雄 ひとつは、日本人が照葉樹林帯に住む採集・農耕民族である、ということが関係していると思う。
AKI 照葉樹林帯……? 何ですか、それ?
哲雄 照葉樹というのは、一年中、緑の大きな葉っぱをつけている樹木のことで、自然林がそういう樹木で占められている一帯を、「照葉樹林帯」と言うんだよね。中国の雲南省あたりから日本列島の中南部あたりにかけて広がっていて、ほとんど稲作地帯と一致しているんだけど、こういう地帯の人たちは、このめぐみ豊かな樹林に共有の入会権を設定して、そのめぐみを分け合うという共同体を築いてきた。
AKI つまり、「村」ということですね?
哲雄 そう、「村落共同体」ですね。きのこでも、木の実でも、山菜でも……みんな、ほどほどに取って、ほどほどに豊かに暮らしましょう――という意識が、風土的に根付いてるんですね。こういう風土の中で生活していると、他人との関係はどうなるか?
AKI たえず、他のメンバーのことを気にしますよね。
哲雄 そう。隣は何をする人ぞ――を、常に気にかけて暮らします。そして、困ったときには、救いの手を差し伸べ、みんなが心地よく暮らせるように……と、ものを分け合ったりもする。
ときには、女房まで貸し合う。
AKI い、いま、何ておっしゃいました? 女房を貸・し・合・う……?
哲雄 あ、口が滑っちゃった。ああ、また、話が脇道へ逸れそう……。
AKI 逸れてください、逸れてください。それ、聞きたい! あ、そ~れ!
哲雄 韻を踏んでるし。よろしい。ちょっとだけ逸れましょう。たとえば、一部の地域では、「盆かか」なんて制度がありました。
AKI ボンカカ? 食べ物じゃないですよね?
哲雄 ま、食べるわけですけどね、他所ん家の女房を。盆になると、村の男たちがクジを引いて、「んじゃ、八っつあんは、為五郎ん家のかかとやれ!」てなことを決めたりしてたらしい。
AKI そ、それってクジですか? 食べたくない「かか」だっているでしょうに……。
哲雄 ま、中には、不満をもらすやつもいたみたいだよ。「やんだ、オラ、為ん家のかかは食いたくねッす」なんてね。すると、村の長老とかが間に入って、調整してやったらしい。「八っつあんが、為ん家のかかはやんだつってっから、ここは五郎どん、おめ、食ってやってくんねぇすか? そんかわり、来年は、おめにほら、拓也ん家のかか、食わせてやっからよ」みたいなもんでしょうよ。
AKI なんか、それ、談合みたいですね。
哲雄 談合ですよ。私は「談合」というのは、村落共同体を機能させるシステムとしては、決してわるい制度じゃないと思ってるんです。巨大な利権が絡まない限りね。あ、また、話が逸れそうだから、「盆かか」に話を戻しますよ。で、問題は、女房のほうだ。
AKI ね、「かか」のほうには選択権はなかったんですか?
哲雄 そこが問題っちゃあ問題だよね。まだ、「女房は家の財産(モノ)」という考え方の時代だから、財産の側には選択権はない。いまの時代から言うと、とんでもない話ってことになるんだけど、ただね、「かか」のほうも、それを愉しみにしてた気配がある。
AKI そりゃ、そうでしょうよ。私だったら、ドキドキしちゃう。
哲雄 そ、そうなの?

AKI 目がギラギラしてますけど、哲ジイ。ダメですよ、拒否権発動! だれが来るかわからないから、ドキドキするんですからね。
哲雄 だよね。「かか」のほうも、「今年は、どんなサオが私を食いにくるんだべ?」と、期待半分で待ったかもしれない。おおらかだよね、この時代って。あ、そうそう、「かか」たちには、もうひとつ愉しみがあった。
AKI な、何ですか?
哲雄 村の若者たちに性の手ほどきをしてあげる、という仕事。
AKI それ、仕事なんですか?
哲雄 仕事というより、権利……かな。各地に「闇夜祭り」みたいなものがあったんだけど、一部の地域では、この闇夜に、年配の「かか」たちが、村のまだ女を知らない若者たちに、性の手ほどきをしてあげることになってた。
AKI いい制度~。
哲雄 ま、そんなわけで、共同体が機能しているうちは、性も共同体内で、うまいこと処理できるようなシステムができてたってことですね。あ~あ、きょうはこの話で終わっちまった。
AKI 次回、話を元に戻しましょう。ああ、私も、共同体創りた~い。
哲雄 その節は、ぜひ、私めもお仲間に……。
AKI 拒否権発動!

管理人は常に、下記3つの要素を満たせるように、脳みそに汗をかきながら、記事をしたためています。
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