「私(オレ)を信じて」と言う人間が隠している本心

File-12 「私を信じて」と言う人間が隠している本心
「私を裏切ったか?」と人から
疑念を向けられたとき、どういう
言葉を返すか? その言い方で、
その人間がウソをついているかどうか
がわかります。
たとえば、あなたが、カレまたは彼女にこんな質問をしたとしましょう。
ね、最近、私を裏切るようなことした?
おまえさ、最近、オレを裏切るようなことしなかったか?
返答の仕方は、人それぞれでしょう。
「ああ、したよ」「それがどうした」「うるさいな」などという開き直りパターンは、この際、除外して考えましょう。
ここでは、「裏切ってなんかいない」と否定する言い方の中に、どの程度、真実が含まれているかを検証してみることにします。
いくつかある返答パターン(否定のパターン)を、並べてみますが、以下は、実は、「信用度」によって並べています。[1]がもっとも信用できない答え方で、[5]がもっとも信用できる答え方です。あなたのカレ、彼女の答え方と比べてみてください。
[1]「オレ(私)を疑ってるの?」「オレ(私)が信じられないの?」
最悪の答え方です。
問われているのは自分の誠実さなのに、こういう答え方をするカレや彼女は、「疑うおまえ(あなた)がわるい」「オレ(私)を疑うなんて、おまえ(あなたは)はひどい人間だ」と、逆ギレしています。
なぜ、こんな答え方をするかと言うと、相手の疑念を封殺し、二度と同様の質問を受けたくないからです。
疑念をシャット・アウトするのは、訊をする人の心の中は、真っ黒繰り返し、と言うわけです。する人の心の中は、真っ黒繰り返し、と言うわけです。
疑惑度 ★★★★★
[2]「オレを信じろよ」「私を信じて」
これも、疑惑いっぱいの答え方。
というのも、こういう答え方をする人は、問われていることに何も答えてないからです。
問われているのは、「裏切ったかどうか?」「裏切りに相当するような事実があったかどうか?」なのに、答えているのは、「信用しろ」の一点張り。総理大臣の「私を信じて」と同じです。
事実確認を回避して、問題を人格問題にすり替えているわけで、なぜ回避しているかと言うと、追及されると困る問題があるから――と考えるのがふつうです。
疑惑度 ★★★★
[3]「そんなことあるわけないでしょ」「何、バカなこと言ってるの?」
「お疑いのような事実は、いっさいございません」と否定する言い方ですが、相手の心配や不安を「そんなこと」「バカなこと」と一蹴するあたりに、やや、きな臭さが漂います。
この強い否定の仕方は、実は、自分の中の狼狽を隠蔽する言い方でもあるのです。人は、自分の弱点や矛盾を衝かれそうになると、強い態度でそれを否定する――という性質を、多かれ少なかれ持っています。体臭の強い人ほど、強いフレグランスを使う、というのと同じですね。
こういう強い否定をあわてて口にする、というときは、やや注意が必要でしょう。
疑惑度 ★★★
[4]「何もないよ。どうしてそんなこと訊くの?」
この答え方には、2通りの解釈があります。
「どうして?」をキョトンとした顔で訊く相手なら、この答えは100%信用してもいいと思います。「どうして……?」は、相手の質問が「寝耳に水」だったために、思わず口をついて出た言葉――と考えられるからです。
しかし、「何もないよ」と「どうして……?」の間に、微妙な間があった――となると、ちょっと怪しくなります。
こちらの「どうして……?」は、もしかしたら、「おまえ(あなた)、何か知ってるの?」と探りを入れる質問であるかもしれないからです。
こういう答え方の場合は、ニュアンスを聞き分ける必要がありそうです。
疑惑度 ★★
[5]「おまえ(あなた)を悲しませるようなことは、何もしてない。信じていいよ」
もっとも誠実で、ウソのない答え方だと思います。
この答えの後ろには、「そりゃ、ちょっとグラつくようなことはあったかもしれないけど」とか、「確かに、誘惑はあったけれど」というような言葉が隠されている場合も、あるかもしれません。
それでも、こういう答え方をする人は、それが「裏切り」にあたるようなことには発展しなかった――と、答えているわけで、「だから、心配しなくていいよ」と、相手の不安な心に向かって呼びかけています。
「何もない」と答えたのではウソになるので、「おまえ(あなた)を悲しませるようなことは」と言葉を選んでいるわけです。
この誠意は、信用してあげないと、人間関係が維持できなくなります。
疑惑度 ★


返答の仕方は、人それぞれでしょう。
「ああ、したよ」「それがどうした」「うるさいな」などという開き直りパターンは、この際、除外して考えましょう。
ここでは、「裏切ってなんかいない」と否定する言い方の中に、どの程度、真実が含まれているかを検証してみることにします。
いくつかある返答パターン(否定のパターン)を、並べてみますが、以下は、実は、「信用度」によって並べています。[1]がもっとも信用できない答え方で、[5]がもっとも信用できる答え方です。あなたのカレ、彼女の答え方と比べてみてください。
[1]「オレ(私)を疑ってるの?」「オレ(私)が信じられないの?」
最悪の答え方です。
問われているのは自分の誠実さなのに、こういう答え方をするカレや彼女は、「疑うおまえ(あなた)がわるい」「オレ(私)を疑うなんて、おまえ(あなたは)はひどい人間だ」と、逆ギレしています。
なぜ、こんな答え方をするかと言うと、相手の疑念を封殺し、二度と同様の質問を受けたくないからです。
疑念をシャット・アウトするのは、訊をする人の心の中は、真っ黒繰り返し、と言うわけです。する人の心の中は、真っ黒繰り返し、と言うわけです。
疑惑度 ★★★★★
[2]「オレを信じろよ」「私を信じて」
これも、疑惑いっぱいの答え方。
というのも、こういう答え方をする人は、問われていることに何も答えてないからです。
問われているのは、「裏切ったかどうか?」「裏切りに相当するような事実があったかどうか?」なのに、答えているのは、「信用しろ」の一点張り。総理大臣の「私を信じて」と同じです。
事実確認を回避して、問題を人格問題にすり替えているわけで、なぜ回避しているかと言うと、追及されると困る問題があるから――と考えるのがふつうです。
疑惑度 ★★★★
[3]「そんなことあるわけないでしょ」「何、バカなこと言ってるの?」
「お疑いのような事実は、いっさいございません」と否定する言い方ですが、相手の心配や不安を「そんなこと」「バカなこと」と一蹴するあたりに、やや、きな臭さが漂います。
この強い否定の仕方は、実は、自分の中の狼狽を隠蔽する言い方でもあるのです。人は、自分の弱点や矛盾を衝かれそうになると、強い態度でそれを否定する――という性質を、多かれ少なかれ持っています。体臭の強い人ほど、強いフレグランスを使う、というのと同じですね。
こういう強い否定をあわてて口にする、というときは、やや注意が必要でしょう。
疑惑度 ★★★
[4]「何もないよ。どうしてそんなこと訊くの?」
この答え方には、2通りの解釈があります。
「どうして?」をキョトンとした顔で訊く相手なら、この答えは100%信用してもいいと思います。「どうして……?」は、相手の質問が「寝耳に水」だったために、思わず口をついて出た言葉――と考えられるからです。
しかし、「何もないよ」と「どうして……?」の間に、微妙な間があった――となると、ちょっと怪しくなります。
こちらの「どうして……?」は、もしかしたら、「おまえ(あなた)、何か知ってるの?」と探りを入れる質問であるかもしれないからです。
こういう答え方の場合は、ニュアンスを聞き分ける必要がありそうです。
疑惑度 ★★
[5]「おまえ(あなた)を悲しませるようなことは、何もしてない。信じていいよ」
もっとも誠実で、ウソのない答え方だと思います。
この答えの後ろには、「そりゃ、ちょっとグラつくようなことはあったかもしれないけど」とか、「確かに、誘惑はあったけれど」というような言葉が隠されている場合も、あるかもしれません。
それでも、こういう答え方をする人は、それが「裏切り」にあたるようなことには発展しなかった――と、答えているわけで、「だから、心配しなくていいよ」と、相手の不安な心に向かって呼びかけています。
「何もない」と答えたのではウソになるので、「おまえ(あなた)を悲しませるようなことは」と言葉を選んでいるわけです。
この誠意は、信用してあげないと、人間関係が維持できなくなります。
疑惑度 ★

世界には、2種類の「信じる」があります
上の[1]~[5]のうち、[1][2][5]には、いずれも「信じる」という言葉が出てきます。
同じ「信じる」ですが、[1][2]の「信じる」と[5]の「信じる」は、まったく意味が異なる「信じる」です。
英語に翻訳すると、[1][2]の「信じる」は、「トラスト=trust」、[5]の「信じる」は、「ビリーブ=believe」です。
「トラスト」のほうは、本来は「取引」などに使われる言葉で、「あなたを信用して金を貸す」などと言うときの「信じる」です。日本語で言うと、「信用」とか「信頼」とか「信任」とかを当てたほうがいいような言葉です。
本来はアテにならないものに「信」を置く、という意味ですから、その裏には「信用ならない」が潜んでいる、と考えていいでしょう。
封建時代のヨーロッパでは、「トラスト」は「信用制度」として発達しました。
当時のヨーロッパでは、土地を持っているものが死ぬと、その相続分の何分の1かは、王様に寄贈しなければなりませんでした。それをいやがる地主たちは、土地をいったん教会などの名義に書き換え、それをわずかな手数料と引き換えに、今度は相続人の名義に戻すということをやりました。
この制度は「トラスト」と呼ばれ、当時のヨーロッパで広範に行われた、と言われています。
「トラスト」には、そうして「虚」を「実」に替え、「実」を「虚」に替える、という意味合いが含まれているわけです。
「トラスト」の「信じる」は、取引行為としての「信じる」。[1][2]の「信じる」が怪しい、というのは、そこに「取引」の意図が含まれているからでもあるのです。
一方の「ビリーブ」は、「神を信じる」とか「仏を信じる」とか言うときの「信じる」で、ある事柄が「真実であると信じる」と言うときの「信じる」も、「ビリーブ」です。
地球の自転も、ニュートンの法則も、「ビリーブ」の対象。「ビリーブ」したものが信じられなくなると、私たちは生きていけなくなります。
[5]に使われた「信じていいよ」は、「あなたを悲しませるようなことは何もしてない」ということを「ビリーブ」していいよ――と言っているわけで、こういう「信じる」は信じるしかありません。

人を信用するか、事実を信じるか?
「トラスト」と「ビリーブ」の違い、おわかりいただけたでしょうか?
「トラスト」は、「私を信用しなさい」という「信じる」で、「ビリーブ」は、「事実を事実として信じなさい」という「信じる」。
筆者は、「トラスト」と言われると、「こいつ、何か不都合なことを隠しているな」と、マユにツバをつけますが、「ビリーブ」と言われたら、「こいつの言うことを信じよう」と思います。
あなたに、「信じて」と言う人の「信じて」が、「ビリーブ」であるか、「トラスト」であるか、真実の目で見きわめてくださいね。
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