満月の夜の神社の姫子〈9〉 「魔性」の女

もの想い 妄夢草紙 
 第10話  満月の夜の神社の姫子   

      R18 
このシリーズは、性的表現を含む官能読み物です。
18歳未満の方は、ご退出ください。


満月になると心を返しに来る
姫子は、かつては「捨て子」で、
町のおとなたちに育てられた。
漁協の古田さんも、育てたおとな
のひとりだった――。


この話は連載9回目です。この話を最初から読みたい方は、⇒こちらから、前回から読みたい方は、⇒こちらからどうぞ。

ここまでのあらすじ 満月の夜になると、神社の楠のたもとにその女が現れるという。「見に行こう」と言い出したのは、亀吉だった。純平は、しぶしぶその後にしたがった。待っていると、やって来たのは漁協の古田さんだった。古田さんは「姫子」の尻から、太いモノをぶち込んだ。男が行くと、姫子は小藪に隠れている純平たちを見つけて声をかけた。あわてて石段を駆け下りた純平たちだったが、そこへ、再び坂道を上がってくる男の姿があった。ビニールの袋をブラブラさせながら上がってきたのは、酒屋「サカエ」のオヤジだった。オヤジが袋から取り出したのは、稲荷ズシ。女は、貪るようにその寿司を食い、食い終わると、スカートの中に男の頭を迎え入れた。その夜、純平は、布団の中でアレに手を伸ばした。触れているとその先からヌルッとしたものが噴出した。初めての射精だった。まだ、姫子は神社にいるだろうか? 翌日、純平はひとりで神社の階段を上った。探していると、姫子に見つかり、純平の体はその腕に抱きしめられた。姫子の手は純平の股間に伸び、ふくらんだ純平のそれを口に含んだ。純平が放出したものを呑み込んだ姫子の顔を、純平は美しいと感じた。姫子は「また満月の夜に」と言う。なぜ、満月の夜にか? 姫子は「心を返しに来る」と言うのだった。純平の疑問に、「サカエ」のオヤジが答えて言うには、姫子はあの神社の楠の根元に捨て置かれた「捨て子」だったという。それを「サカエ」のオヤジや漁協の古田たち町の男たち数人が金を出し合って、養護施設で保護させた。姫子は、その恩に報いるために、満月の夜になると、楠の袂に姿を現すというのだった――


 「姫子」は、かわいい子どもに育っていった――という。
 大きな目は、日に日に輝きを増し、スラリと伸びた手足は、「まるで鶴の子のようだ」と評判になり、おとなたちは「かわいいね」「かわいいね」と、まるで競い合うように、彼女をかわいがった。
 おばさんたちは、何かと言うと、「姫子」におやつや着るものを与え、おやじたちは、「姫子」と一緒にフロに入りたがったり、一緒に寝たりしたがった。
 「町の子」は、町中みんなのアイドルと言ってもいい存在になっていった。

 「ヘェ、姫子、そんなかわいい子だったんだぁ」
 植村のオヤジから聞いた話をすると、亀吉は、目を輝かせた。
 「オレよぉ、神社で姫子を見た――つったらよ、母ちゃんにものすごく叱られた」
 「おまえ、あれ、親にしゃべったの?」
 「古田さんとか、植村のオヤジのことは言ってないよ。ただ、姫子を見た――って言っただけなんだけど、ハンパなく叱られた」
 「おまえの母ちゃん、なんで怒ったんだろうなぁ?」
 「あれは魔性の女だって言ってた」
 「魔性……?」
 「かわいい子だったから、みんなでかわいがってあげたのに、あの子は、おとなをたぶらかすようになった――って」
 「たぶらかす? 何やったんだろ?」
 「何やったの――って訊いたらよ、子どもは知らなくてもいいって言われた」
 植村のオヤジの話とちょっと違う。
 純平にも、亀吉にも、そこから先は、想像するしかなかった。
 しかし、いくら想像してもわからなかった。

          

 学校帰りに漁協のそばを通ると、古田さんが、市場で使った魚箱を洗って干しているところだった。
 純平と亀吉は、何の気なしにその様子を見ていた。
 不自由な足を引きずりながら、古田さんは、いくつもある魚箱を手際よく洗っては、それを次々に、積み上げていく。船に乗れなくなった古田さんは、ああして、一生、魚箱を洗い続けるんだろうか――と、純平は思った。
 純平たちが見ていることに気づいた古田さんは、「オウ」と手を挙げ、「もう、学校、終わりかい?」と声をかけてきた。
 純平と亀吉が「ハイ」と答えると、古田さんは、仕事の手を休めて、ふたりのほうに歩いてきた。
 「どうしたい? 市場の仕事に興味があんのか?」
 「ちょっと……」と亀吉が答えると、古田さんは「オウ、そうか」と目を細めて、胸ポケットから取り出したタバコに火を点けた。
 「大変ですか、市場の仕事って?」
 「そうでもないな。そりゃ、船に乗ってるほうがきついさ」
 「もう、乗らないんですか、古田さんは?」
 「そりゃあ、乗りてェさ、しかし、この足じゃよ……」
 言いながら、古田さんは、いまいましげに自分の右足をこぶしでパチンと叩いた。
 悔しいんだろうな――と純平は思ったが、それは言わないほうがいいような気がした。
 「坊主たちは、何年生になった?」
 「いま、2年です」
 「2年生か? じゃ、16か17だな?」
 「まだ16です」
 純平が答えると、古田さんは、「16かぁ……」と言いながら、ニヤッと笑って、ふたりの顔を交互に見比べた。
 「もう、おまえたちは、あれか? 女の子とはやったか?」
 純平と亀吉は、顔を見合わせて首を振った。
 それを見て、古田さんが「なんだよ」と声に出した。

          

 「オレなんか、坊主たちの歳には、もうやりまくってたけどなぁ」
 「エーッ!?」と、ふたり揃えて声を挙げ、「どこで?」と亀吉が訊いた。
 「オレがガキの頃は、赤線とかあったからなぁ」
 「赤線……?」
 「ま、簡単に言うとよ、きれいなおねェちゃんたちがいて、エッチをやらせてくれる場所さ。昔は、おとなのおじさんたちが、オレたちをそういうところに連れてって、女の扱い方とかを教えてくれたもんだよ。いまは、そういうの、なくなっちまったからなぁ……」
 「ね、古田さん」と、純平は思いきって口を切った。
 「姫子も……そういうところのひとなの?」
 「姫子だって?」
 古田さんが大きな声を挙げたので、純平も、亀吉も、後ずさった。
 古田さんは、「いいから来い」というふうに手招きして、ふたりの肩を抱き寄せた。
 「おまえたち、なんで、姫子を知ってるんだ?」
 古田さんはふたりの顔を交互にのぞき込んで、つかんだ肩を揺すりながら、低く抑えた声で言った。純平は、「姫子」の名を口にしたことを後悔したが、いまさら引っ込めるわけにはいかなかった。
 「みんながウワサしてるんで……。満月になると、姫子が神社の裏の楠のところに現れる――って」
 「なんだ、ウワサか。そんなウワサは忘れな」
 「でも……」と、亀吉が言った。
 「オレら、見ちゃったんです」
 「見たって、何を?」
 「楠の陰に、姫子がいるのを……」
 「何だと?」
 古田さんの声の調子が変わった。

          

 「な、なんで、おまえたち、そんなとこにいたんだ?」
 古田さんは、今度は亀吉の肩をつかんで、その体を揺すった。
 「確かめようって思って。ほんとに、みんなの言う姫子が現れるのかどうか、確かめようってことになって……」
 「それで? 何を見た?」
 「そ、そしたら……男がひとりやって来て……それで……木の陰にいた女の人と……ちょっとエッチなこと始めちゃって……」
 「それを見てたのか、おまえたち?」
 純平と亀吉がうなずくと、古田さんは、ポンと亀吉の肩を離して、ポリポリと頭を掻き始めた。
 「あのときいたの、ふ、古田さん……ですよね?」
 今度は、純平が訊いた。
 「あのよ……」と古田さんは、また声を潜めた。
 「おまえら、それをだれかにしゃべったか?」
 ふたりが首を振ると、古田さんはちょっと、ホッとした顔をした。
 「おまえらが見てたとはなぁ……。いいか、このことは、だれにも言うなよ。その代わりな、今度の満月の夜……」
 そう言って、古田さんは、「ちょっとこっちへ来い」と、ふたりを市場の倉庫の裏に手招きした。
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