「だけ」と「しか」に潜むウソを見抜く

File-7 「だけ」と「しか」に潜むウソを見抜く
「あなただけ」「おまえしか」。恋する
ふたりの間でよく使われる
「だけ」と「しか」には、しばしば
「ウソ」が含まれます。どんなとき、
どんなふうに使われるかを検証――。
あるとき、あなたのカレまたは彼女が、あなたに手を合わせるばかりにして、こんなことを言い出したとしましょう。
ごめんね、こんなこと頼めるの、あなたしかいないの。
こんなこと、ほかのヤツには頼めないからさ。おまえだけなんだよ。
「あなたしか」「おまえだけ」――これを言われると、たぶん、あなたはこう思うはずです。
そんなに私(オレ)を頼りにしてくれてるのか。よし、何でも聞いてあげよう。
ちょっと、待った!――です。
そんなに簡単に、「何でも聞いてあげよう」と思っていいのか?
今回のテーマは、この「あただけ(しか)」「おまえだけ(しか)」という言葉の真偽、その裏に隠された本心です。
特に注意を要するのが、この「だけ」「しか」が、「頼む」とセットで使われるときです。
冒頭の用例をもう一度、見てみましょう。
ここで注目してほしいのは、「こんなこと頼めるの、あなたしかいない」の「こんなこと」です。
この「こんなこと」の内容は何か? ここが重要なんですね。

もし、「こんなこと」が「お金を貸して」だったら?
ふたりの交際期間、結婚の約束をしているかどうか、などによっても違ってくると思いますが、一般的に言うと、こうです。
ふつう、男も女も、交際する相手または交際したいと思っている相手には、自分をよく見せようとします。したがって、たとえお金に困って「貸してほしい」と思っていたとしても、それを相手にはできるだけ知られないようにしようと思うはずです。
うがった見方をすると、そのカレ・彼女には、「こんなこと」を知られたくない相手が他にいて、あなたは「知られてもいい相手」だったから頼んできた――という解釈も成り立つわけです。
もちろん、ふたりの関係が、もっとフランクな状態になっていて、何でも見せ合える関係になっていれば、「お金貸して」もありでしょうが、その場合には、「こんなこと頼めるの、あなたしか」なんていう大げさな前フリもないだろうと思います。
というわけで、こういう場合の「だけ」や「しか」には、大いに注意が必要。実際、女に金を貢がせる男や、男から金を騙し取ってドロンするタイプの女が、もっともよく使うフレーズが、「こんなこと、おまえ(あなた)にしか頼めない」だということも、頭の片隅に置いておいてください。

もし、「こんなこと」が「すごくつまらないこと」だったら?
「こんなこと頼めるの、あなたしかいなくて」と神妙な顔で切り出した彼女やカレの「こんなこと」が、たとえば、「うちの家具を動かすの手伝ってほしいの」とか、「オレが旅行に出ている間、金魚にエサをやってほしいんだけど」とか、「トイレで死んでるゴキブリの死骸を捨ててほしいの」なんてことだったら、どうぞ、喜んで、その頼みは聞いてあげてください。
ほんとに「つまらないこと」ですが、そのつまらないことを他に頼む相手がいない、それをあなたに頼んできた。これは、そんなつまらないことだって頼めるほど、あなたに心を許している、という証拠――と判断できるからです。
ただし、この「心を許す」には、まれに「あなたを異性として意識してないから」が含まれる場合もあります。そこらへんのニュアンスは、くれぐれもカン違いしないように。


「あなたしか」「おまえだけ」――これを言われると、たぶん、あなたはこう思うはずです。


ちょっと、待った!――です。
そんなに簡単に、「何でも聞いてあげよう」と思っていいのか?
今回のテーマは、この「あただけ(しか)」「おまえだけ(しか)」という言葉の真偽、その裏に隠された本心です。
特に注意を要するのが、この「だけ」「しか」が、「頼む」とセットで使われるときです。
冒頭の用例をもう一度、見てみましょう。
ここで注目してほしいのは、「こんなこと頼めるの、あなたしかいない」の「こんなこと」です。
この「こんなこと」の内容は何か? ここが重要なんですね。

もし、「こんなこと」が「お金を貸して」だったら?
ふたりの交際期間、結婚の約束をしているかどうか、などによっても違ってくると思いますが、一般的に言うと、こうです。
ふつう、男も女も、交際する相手または交際したいと思っている相手には、自分をよく見せようとします。したがって、たとえお金に困って「貸してほしい」と思っていたとしても、それを相手にはできるだけ知られないようにしようと思うはずです。
うがった見方をすると、そのカレ・彼女には、「こんなこと」を知られたくない相手が他にいて、あなたは「知られてもいい相手」だったから頼んできた――という解釈も成り立つわけです。
もちろん、ふたりの関係が、もっとフランクな状態になっていて、何でも見せ合える関係になっていれば、「お金貸して」もありでしょうが、その場合には、「こんなこと頼めるの、あなたしか」なんていう大げさな前フリもないだろうと思います。
というわけで、こういう場合の「だけ」や「しか」には、大いに注意が必要。実際、女に金を貢がせる男や、男から金を騙し取ってドロンするタイプの女が、もっともよく使うフレーズが、「こんなこと、おまえ(あなた)にしか頼めない」だということも、頭の片隅に置いておいてください。

もし、「こんなこと」が「すごくつまらないこと」だったら?
「こんなこと頼めるの、あなたしかいなくて」と神妙な顔で切り出した彼女やカレの「こんなこと」が、たとえば、「うちの家具を動かすの手伝ってほしいの」とか、「オレが旅行に出ている間、金魚にエサをやってほしいんだけど」とか、「トイレで死んでるゴキブリの死骸を捨ててほしいの」なんてことだったら、どうぞ、喜んで、その頼みは聞いてあげてください。
ほんとに「つまらないこと」ですが、そのつまらないことを他に頼む相手がいない、それをあなたに頼んできた。これは、そんなつまらないことだって頼めるほど、あなたに心を許している、という証拠――と判断できるからです。
ただし、この「心を許す」には、まれに「あなたを異性として意識してないから」が含まれる場合もあります。そこらへんのニュアンスは、くれぐれもカン違いしないように。

もし、「こんなこと」が、カレや彼女の秘密に関わることだったら
たとえば、こんなお願い――。

これ、メチャクチャOKでしょ。
彼女は、自分の家族の「入院」という秘密を明かして、あなたに応援を頼んでいるわけで、こういう頼みごとは、あなたを心から信頼してないとできないことです。
こういう場合は、一も二もなく、OKしてください。だいいち、これって、彼女の父親の覚えをめでたくする絶好の機会でもあるわけですからね。

ま、あんまりホメられたことじゃありませんが、これもOKでしょ。
こういう「頼みごと」をするほうとしては、頼む時点で相手に秘密を打ち明けてしまうわけですから、よほど心を許した相手でないと、そういう頼み方はできません。
頼まれる側としても、相手の秘密を握って共犯関係を作ってしまう絶好のチャンス。応じれば、ふたりの距離はあっという間に縮まってしまうであろう――と予想できます。
他にもいろんなケースが考えられますが、相手の秘密に関わる「あたなにしか頼めない頼み」は、もしあなたがその相手との接近を望んでいるのであれば、チャンスと考えて応じるべき、というのが、私の考えです。

「だけ」「しか」は、毒にもクスリにもなる言葉
まとめるとこうなります。
・頼みごとに関する「あなただけ」や「あなたしか」の信頼度は、頼みごとの内容による。
・もしそれが、金銭の貸借などに関わることであれば、この「だけ」「しか」は信用がならない。
・しかし、その頼みごとが、「なんだ、そんなこと?」と思うような「つまらないこと」だったり、「相手の秘密に関わること」であった場合には、むしろ、ふたりの距離を縮めるチャンス。積極的に応じるべき。
「あなただけ」「あなたしか」は、他にもいろんな場面で使われます。
「オレにはおまえしかいない」「私が○○するのは、あなただけ」と、愛情を告白する場面。
「こんなに○○だったのは、あなただけ」「オレを○○させるのは、おまえしかいない」と、感動を伝える場面。
こういうときの「だけ」や「しか」は、そのニュアンスによって、いろいろに解釈できます。
そして、その「だけ」「しか」を信用したがために傷つくケースも、信用しなかったがために後悔することになるケースもあります。「だけ」「しか」は、それほど強い言葉だということです。
頼みごと以外で使われる「だけ」「しか」については、機会を改めて詳しく検証してみたいと思います。
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