第86夜☆「人気者」と「不良」――実は、紙一重
第86夜
「愛とは何か?」をめぐって、管理人・哲雄がパートナー・AKIを相手に展開する、オヤジ・ギャグ風おしゃべり。
今回は、母親の過剰な愛を受けて育った子どもがどんな子どもになるかを、エゴグラムを使って解説します――。
【今回のキーワード】 乳離れ エゴグラム 暴君
AKI ねェ、ねェ、聞かせてくださいよ。その乳飛ばしの話。
哲雄 ハハ……笑っちゃうんだよな、この話。ハハハハハハトワライナガラチチヲトバシタ……ってね。
AKI 母はハハハと笑いながら乳を飛ばした…? 何すか、それ?
哲雄 いやね、小生はご存じのとおり、長男でありまして、2つ下に弟が、そのさらに3つ下に妹がおりまして、わりと早くから、追い払われたんですな、母親のそばを。たとえば、母親が弟だか、いやもしかしたら妹だったかに、乳を飲ませているところに近づいたりすると、「なんね? あんたも飲みたいとね? 飲みたきゃ飲みんしゃい」などとのたもうて、飛ばすのですよ、乳を。
AKI エッ、ウソ―――ッ!! ビューッて? 信じらんな~い。
哲雄 空いてるほうの乳房をムギュッとわしづかみにして、水鉄砲みたいに。それがまた、コントロールがええねん。見事に顔にピシャッとかけよんねん。そんな、生ぬるい母乳を顔にかけられてみぃや。ごっつ、気持ちわるいで。
AKI もしもし、いきなり関西弁になってますけど……。
哲雄 あ、さっき鶴瓶さんのTV見てたもんで、つい……。ま、そんなわけで、私は母親の乳攻撃によって、乳離れを果たすと同時に、乳房恐怖症というトラウマを背負うことになったわけであります。
AKI それはウソだと思います。でもね、哲ジイ、よかったじゃないですか。乳はぶっかけられるわ、倉庫に閉じ込められて留守番させられるわ、そりゃ、いやでも自立しますもの。しかも、15で家を追い出されたんでしょ?
哲雄 あれは、追い出されたのではなくて、勉学のために下宿することになったんです。結果的には、自立を促すことにはなりましたけどね。
AKI やっぱり、そういうプロセスって必要なのかも……ですね。いまの親って、なかなか子どもを突き放さないでしょ?
哲雄 というか、子どもに嫌われたくないという気持ちが強すぎるんだと思う。つまり、親が子どもの顔色をうかがっちゃってるわけだよね。
AKI でもさ、子どもがひとりしかいなくて、お父さんは夜遅くならないと帰って来ない……みたいな環境だと、どうしても、お母さんは子どものご機嫌とろうとするんじゃないの?
哲雄 それは、お父さんだって同じでしょ。たまにしか一緒にいられないから、やっぱり子どものご機嫌をとってしまう。むしろ、こっちのほうがひどいかもしれない。でね、きょうはその話をしようと思ったんだけど、子どもがなかなか自立できないのは、親自身が自立したおとなになってないからではないか――と思うわけですよ、私は。
AKI 自立できてないの? 親が……?
哲雄 AKIちゃんは、「エゴグラム」って知ってる?
AKI ハァ。なにげに……。それ、このブログの「愛の会話診断」シリーズでもやってましたね。
哲雄 「エゴグラム」と「交流分析」について解説した記事ですね。「エゴグラム」では、人の「自我」の状態を5つに分類して考えるんだけど、もう一度、復習しておこうか?
AKI お願いしま~す!
哲雄 この5つの自我の状態は、どれかひとつだけを持っているというのではなくて、だれでも一応、全部持ってるんだよね。ただ、どの状態が強く、どの状態が弱いかは、人によって違う。日本人は、NP(養護的親)の要素がいちばん高く、欧米人は、A(自立したおとな)の要素がいちばん高い、と言われてるね。
AKI つまり、日本人は、何かと世話を焼きたがる傾向が強く、欧米人は、物事を合理的に、冷静に判断する傾向が強い、ということですね。
哲雄 それだけならいいんだけど、これに、A(自立したおとな)の要素が低く、AC(順応する子ども)が高いが加わると、どうなるか? グラフにすると、ちょうど、アルファベットのNのような形になるよね(下図参照)。
AKI あっ、ほんとだ。このパターン、多いんですか?
哲雄 日本人の、特に女性に多いパターンだと思う。人の気持ちに適応しよう、順応しようとして、何くれと世話を焼いてしまうんだね。これ、職業で言うと、どういう職業にふさわしい性質だと思う?
AKI ウーン、何だろ? たとえば、旅館の若女将とか……?
哲雄 オーッ、それ、言えてるね。あと、そうだね。クラブのママとかもそうだろうね。もっとピッタリくるのは、看護師とか介護士とかの福祉系の仕事。美容師や、そうそう、キミのエステティシャンなんて仕事も、そうじゃないか?
AKI そうかぁ。私の仕事は、日本女性の特質に合ってるんだぁ。エッヘッヘッ、捨てたもんじゃないわね、私も。
哲雄 だれも捨ててませんよ。むしろ、拾いたいくらいのもんで……。
AKI 60分、1万4000円です。
哲雄 拾うの、止めた! それでね、話を戻すけど、もし母親がこのパターンだと、どうなるか?
AKI 子どもの言いなりに世話を焼くかもしれない。あ、もしかして、息子のオナニーを手伝っちゃうなんていうのも、このタイプのお母さん?
哲雄 かもしれないねェ。とにかく、このタイプは、わるい言い方をすると、いつも相手の顔色をうかがって、順応しようとするわけだから、自分にもストレスが溜まるわけだけど、もしこの相手が子どもだったら、その子どもにはどんな影響が出るかというと……。
AKI それ、前回、話しましたよね。わがまま放題の子どもが育ってしまう?
哲雄 想像がつくのは、子どものFC(自由な子ども)要素が強くなる、ということだね。よく言えば、自由奔放、わるく言えばわがままな子どもに育ってしまう。あとは、教育の影響もあるだろうけどね。もし、その子が母親のNP要素も合わせて引き継ぐと、世話焼き好きで天真爛漫な子どもになる。グラフにすると(下図左参照)、ちょうどアルファベットのM字のような形になるよね。
AKI 世話好きで天真爛漫……って、いいじゃないですか?
哲雄 問題は、真ん中のA(自立したおとな)の要素がどれくらいかなんだよね。「教育の影響が重大」と言ったのは、そのことで、そこそこA要素があれば、アイドルとかの人気商売にはピッタリのキャラが出来上がる。でも、Aの要素をある程度獲得できないと、目立ちたがりの「不良」になってしまう可能性も、かなり高い。
AKI 不良になるか、人気者になるか――ですか。そう言えば、アイドルって、けっこう「不良」上がりの子、多いですよね。
哲雄 もうひとつの可能性。子どもがNP要素ではなく、CP(批判的親)の要素を育ててしまった場合はどうなるか、なんだけど……。
AKI そういう場合もあるんですね。
哲雄 むしろ、こっちの可能性のほうが高いかもしれない。CPは、自分の理想を追求する性質でもあるんだけど、ある意味で独善的でもあるんだよね。親が子どもの顔色をうかがってばかりいると、子どもは、自分の言い分はいつでも通る、と思い込み、自分の掲げる理想や信条は絶対だというふうに振る舞うようになる。グラフ(上図右参照)にすると、ちょうど逆N字のようになるよね。
AKI わかった! これが「暴君」タイプだ。
哲雄 ウン。暴君にもなるし、もしかしたら偉大なアーティストになるかもしれない。自己主張が強く、自由奔放に振る舞い、周囲に適応したり、人を気遣うなんてことが苦手だから、ヘタすると、定職に就けないなんてことにもなりかねない。やっぱり、教育でA要素をどれだけ身に着けられるかが、カギになるでしょうね。
AKI ね、ね。もしも、親が逆のタイプだったらどうなるの? 子どもの顔色なんかまったく見ようともしないで、一方的に自分の考えを押し付けるようなタイプだったら?
哲雄 それ、AKIちゃんのケースだよね。じゃ、次回は、その話をしましょう。
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哲雄 あれは、追い出されたのではなくて、勉学のために下宿することになったんです。結果的には、自立を促すことにはなりましたけどね。
AKI やっぱり、そういうプロセスって必要なのかも……ですね。いまの親って、なかなか子どもを突き放さないでしょ?
哲雄 というか、子どもに嫌われたくないという気持ちが強すぎるんだと思う。つまり、親が子どもの顔色をうかがっちゃってるわけだよね。
AKI でもさ、子どもがひとりしかいなくて、お父さんは夜遅くならないと帰って来ない……みたいな環境だと、どうしても、お母さんは子どものご機嫌とろうとするんじゃないの?
哲雄 それは、お父さんだって同じでしょ。たまにしか一緒にいられないから、やっぱり子どものご機嫌をとってしまう。むしろ、こっちのほうがひどいかもしれない。でね、きょうはその話をしようと思ったんだけど、子どもがなかなか自立できないのは、親自身が自立したおとなになってないからではないか――と思うわけですよ、私は。
AKI 自立できてないの? 親が……?
哲雄 AKIちゃんは、「エゴグラム」って知ってる?
AKI ハァ。なにげに……。それ、このブログの「愛の会話診断」シリーズでもやってましたね。
哲雄 「エゴグラム」と「交流分析」について解説した記事ですね。「エゴグラム」では、人の「自我」の状態を5つに分類して考えるんだけど、もう一度、復習しておこうか?
AKI お願いしま~す!
【心の中の5人家族~自我の5つの状態】
CP……批判的親。他者を厳しく批判し、指導しようとするが、その姿勢は支配的で、ガンコでもある。
NP……養護的親。やさしく、思いやりをもって他者を養護しようとするが、しばしばおせっかいととられることもある。
A……自立したおとな。合理的、客観的な冷静な心で、他者と接しようとするが、しばしばその態度は、「冷たい」と受け取られることもある。
FC……自由な子ども。自由奔放にふるまう明るい子どものような自我の状態。ただし、周囲には、自己中心的でわがままと映ることも多い。
AC……順応する子ども。「いい子」と思われたくて、周囲に過剰に適応しようとる自我の状態。もっともストレスを溜めやすい自我の状態でもある。
【参考記事】
『愛の会話診断13☆心理学が見つけた、絶対、ケンカにならない話法』





【参考記事】
『愛の会話診断13☆心理学が見つけた、絶対、ケンカにならない話法』
哲雄 この5つの自我の状態は、どれかひとつだけを持っているというのではなくて、だれでも一応、全部持ってるんだよね。ただ、どの状態が強く、どの状態が弱いかは、人によって違う。日本人は、NP(養護的親)の要素がいちばん高く、欧米人は、A(自立したおとな)の要素がいちばん高い、と言われてるね。
AKI つまり、日本人は、何かと世話を焼きたがる傾向が強く、欧米人は、物事を合理的に、冷静に判断する傾向が強い、ということですね。
哲雄 それだけならいいんだけど、これに、A(自立したおとな)の要素が低く、AC(順応する子ども)が高いが加わると、どうなるか? グラフにすると、ちょうど、アルファベットのNのような形になるよね(下図参照)。

AKI あっ、ほんとだ。このパターン、多いんですか?
哲雄 日本人の、特に女性に多いパターンだと思う。人の気持ちに適応しよう、順応しようとして、何くれと世話を焼いてしまうんだね。これ、職業で言うと、どういう職業にふさわしい性質だと思う?
AKI ウーン、何だろ? たとえば、旅館の若女将とか……?
哲雄 オーッ、それ、言えてるね。あと、そうだね。クラブのママとかもそうだろうね。もっとピッタリくるのは、看護師とか介護士とかの福祉系の仕事。美容師や、そうそう、キミのエステティシャンなんて仕事も、そうじゃないか?
AKI そうかぁ。私の仕事は、日本女性の特質に合ってるんだぁ。エッヘッヘッ、捨てたもんじゃないわね、私も。
哲雄 だれも捨ててませんよ。むしろ、拾いたいくらいのもんで……。
AKI 60分、1万4000円です。
哲雄 拾うの、止めた! それでね、話を戻すけど、もし母親がこのパターンだと、どうなるか?
AKI 子どもの言いなりに世話を焼くかもしれない。あ、もしかして、息子のオナニーを手伝っちゃうなんていうのも、このタイプのお母さん?
哲雄 かもしれないねェ。とにかく、このタイプは、わるい言い方をすると、いつも相手の顔色をうかがって、順応しようとするわけだから、自分にもストレスが溜まるわけだけど、もしこの相手が子どもだったら、その子どもにはどんな影響が出るかというと……。
AKI それ、前回、話しましたよね。わがまま放題の子どもが育ってしまう?
哲雄 想像がつくのは、子どものFC(自由な子ども)要素が強くなる、ということだね。よく言えば、自由奔放、わるく言えばわがままな子どもに育ってしまう。あとは、教育の影響もあるだろうけどね。もし、その子が母親のNP要素も合わせて引き継ぐと、世話焼き好きで天真爛漫な子どもになる。グラフにすると(下図左参照)、ちょうどアルファベットのM字のような形になるよね。


AKI 世話好きで天真爛漫……って、いいじゃないですか?
哲雄 問題は、真ん中のA(自立したおとな)の要素がどれくらいかなんだよね。「教育の影響が重大」と言ったのは、そのことで、そこそこA要素があれば、アイドルとかの人気商売にはピッタリのキャラが出来上がる。でも、Aの要素をある程度獲得できないと、目立ちたがりの「不良」になってしまう可能性も、かなり高い。
AKI 不良になるか、人気者になるか――ですか。そう言えば、アイドルって、けっこう「不良」上がりの子、多いですよね。
哲雄 もうひとつの可能性。子どもがNP要素ではなく、CP(批判的親)の要素を育ててしまった場合はどうなるか、なんだけど……。
AKI そういう場合もあるんですね。
哲雄 むしろ、こっちの可能性のほうが高いかもしれない。CPは、自分の理想を追求する性質でもあるんだけど、ある意味で独善的でもあるんだよね。親が子どもの顔色をうかがってばかりいると、子どもは、自分の言い分はいつでも通る、と思い込み、自分の掲げる理想や信条は絶対だというふうに振る舞うようになる。グラフ(上図右参照)にすると、ちょうど逆N字のようになるよね。
AKI わかった! これが「暴君」タイプだ。
哲雄 ウン。暴君にもなるし、もしかしたら偉大なアーティストになるかもしれない。自己主張が強く、自由奔放に振る舞い、周囲に適応したり、人を気遣うなんてことが苦手だから、ヘタすると、定職に就けないなんてことにもなりかねない。やっぱり、教育でA要素をどれだけ身に着けられるかが、カギになるでしょうね。
AKI ね、ね。もしも、親が逆のタイプだったらどうなるの? 子どもの顔色なんかまったく見ようともしないで、一方的に自分の考えを押し付けるようなタイプだったら?
哲雄 それ、AKIちゃんのケースだよね。じゃ、次回は、その話をしましょう。

管理人は常に、下記3つの要素を満たせるように、脳みそに汗をかきながら、記事をしたためています。
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