満月の夜の神社の姫子〈2〉 木陰から覗く白い腕と白い脚

第10話 満月の夜の神社の姫子 2
R18
このシリーズは、性的表現を含む官能読み物です。
18歳未満の方は、ご退出ください。
満月の夜になると、その神社の脇の
楠の袂に女が現れる。「姫子」と
呼ばれるその女を見に行こうと、
亀吉が言い出し、純平が従った。
そこへ男がひとり、石段を上がってきた。

ここまでのあらすじ 満月の夜になると、神社の楠のたもとにその女が現れるという。「見に行こう」と言い出したのは、亀吉だった。純平は、しぶしぶその後にしたがった――
神社の社の裏手から、小路をやって来たのは男だった。
「あれ……?」と、亀吉が声を挙げた。
「あいつ、漁協の古田さんじゃねェか」
「あっ……」と純平も声を挙げた。
古田さんは、確か、操業中にロープに足を巻き取られて、片足を複雑骨折し、もう船には乗れない――と、漁協の仕事を始めたんじゃなかったっけ。あの歩き方は、間違いない、古田さんのものだ。
重い右足を引きずるようにして、古田さんは、あの楠の幹のほうへと歩いて行く。
間違いない。古田さんは「姫子」に会いに来たんだ。
幹のところまでたどり着くと、古田さんは、キョロキョロと周囲を見回し、それから幹の裏側に回り込んだ。
古田さんの体は、半分、幹の陰に隠れた。純平たちからは、古田さんの背中と尻と左の脚しか見えなくなった。その背中と尻と脚が、モゾモゾと動いている。
何かヒソヒソと話す声がしたが、何を話しているのかは、聞き取れない。
しばらくすると、古田さんはズボンの尻のポケットに手を突っ込んで、何かを取り出して、それを腰の前に差し出した。紙切れのようなものに見えたが、それが何であるかも、純平たちの位置からは確かめることができなかった。
次の瞬間、純平と亀吉の目は、点になった。
幹の陰から、二本の白い腕が、まるで双頭の蛇のように差し出されたからだ。
二本の腕は、古田さんの頭に絡みつくと、それを呑み込むように幹の陰に引き寄せる。
亀吉が、ゴクッ……とツバを呑み込む音がした。
純平の心臓は、ドクドクと音を立てて、全身に血を送り始めた。その血が、下腹を熱く火照らせた。

頭を絡め取った二本の腕は、古田さんの髪をクシャクシャに掻き乱し、首筋を撫で回し、背中を這い下りていく。
その腕は、やがて古田さんの腰に巻きついて、一方の手がズボンのベルトに伸ばされた。
緩められた古田さんの作業ズボンが、ゆっくりと腰から脱げ落ちていく。
「エッ……!?」
純平と亀吉は、思わず顔を見合わせた。
「あれ……?」と、亀吉が声を挙げた。
「あいつ、漁協の古田さんじゃねェか」
「あっ……」と純平も声を挙げた。
古田さんは、確か、操業中にロープに足を巻き取られて、片足を複雑骨折し、もう船には乗れない――と、漁協の仕事を始めたんじゃなかったっけ。あの歩き方は、間違いない、古田さんのものだ。
重い右足を引きずるようにして、古田さんは、あの楠の幹のほうへと歩いて行く。
間違いない。古田さんは「姫子」に会いに来たんだ。
幹のところまでたどり着くと、古田さんは、キョロキョロと周囲を見回し、それから幹の裏側に回り込んだ。
古田さんの体は、半分、幹の陰に隠れた。純平たちからは、古田さんの背中と尻と左の脚しか見えなくなった。その背中と尻と脚が、モゾモゾと動いている。
何かヒソヒソと話す声がしたが、何を話しているのかは、聞き取れない。
しばらくすると、古田さんはズボンの尻のポケットに手を突っ込んで、何かを取り出して、それを腰の前に差し出した。紙切れのようなものに見えたが、それが何であるかも、純平たちの位置からは確かめることができなかった。
次の瞬間、純平と亀吉の目は、点になった。
幹の陰から、二本の白い腕が、まるで双頭の蛇のように差し出されたからだ。
二本の腕は、古田さんの頭に絡みつくと、それを呑み込むように幹の陰に引き寄せる。
亀吉が、ゴクッ……とツバを呑み込む音がした。
純平の心臓は、ドクドクと音を立てて、全身に血を送り始めた。その血が、下腹を熱く火照らせた。

頭を絡め取った二本の腕は、古田さんの髪をクシャクシャに掻き乱し、首筋を撫で回し、背中を這い下りていく。
その腕は、やがて古田さんの腰に巻きついて、一方の手がズボンのベルトに伸ばされた。
緩められた古田さんの作業ズボンが、ゆっくりと腰から脱げ落ちていく。
「エッ……!?」
純平と亀吉は、思わず顔を見合わせた。
ふたりには、まったく想像のつかないことが、楠の幹の向こうで行われているらしい。何が行われているかはわからないが、それが、おとなの男と女の世界に属する、見てはいけない世界のように思えた。
生ツバを呑みながら見ていると、今度は、白い手が古田さんのパンツを尻の下まで下ろした。日焼けした古田さんの体の中で、そこだけ焼き残された白い尻が、月明かりの中に浮かび上がった。
白い手は、その尻の前のほうから股倉に潜り込んで、何かモソモソとやっていたかと思うと、次の瞬間には、両手が古田さんの尻の肉をつかんで、それをグイと引き寄せるような動きを見せた。
「オーッ!」
幹の後ろから、太いうめき声が聞こえた。
重い荷物を抱え上げるときのような声。たぶん、それは、古田さんが挙げている声だ。
「ウ……フンミャーッ……」
今度は、甲高い、ネコのような声。こっちは、たぶん、あの「姫子」の声に違いない。
女は、「フンミャー」「フンミャー」と鳴きながら、古田さんの尻を引っつかんだ手に力を込める。あれじゃ、古田さんの尻の肉は、掻きちぎられてしまう。
そう思ったときだった。
それまで見えていなかった女の脚が、幹の陰からニョキッと突き出された。
月の明かりにさらされたまっ白な脚。その脚が、古田さんの尻に巻きつく。古田さんの左手が、その脚を抱え上げる。抱え上げた脚の真ん中へ向けて、古田さんの尻がヒョコヒョコと動く。
女の挙げる「フンミャー」という声の間隔が短くなり、激しくなった――。

それは、純平たちには、異様としか言いようのない光景だった。
煌々と照らす満月の明かりの下に、巨大な樹影を浮かび上がらせる楠の大木。その幹の陰に隠れて、ネコのような鳴き声を挙げる「姫子」と思われる女。その陰から突き出された白い脚。
古田さんの尻に巻きついた白い脚の先では、真っ赤なハイヒールが、男の尻の動きに合わせて、ブラブラと揺れていた。
何をしているのか見たい――と、純平は思った。
亀吉も、同じことを考えたのだろう。
「オイ」と純平を手招きして、灌木の中を這うように進んでいく。
幹の陰がのぞき込める位置まで、回り込もうというのだ。
純平も、腰を90度に折って、その後に従った。
心臓は、破裂するんじゃないか――と思うほど、バクバクと音を立てていた。
楠を取り囲むように生い茂っている灌木の茂みを半周りすると、太い幹に隠されていた真実が暴かれた。
女は、白いスカートの上に白いブラウスを着て、その上から淡いパープル色のカーディガンを羽織っていた。
スカートの裾は、腰の上までめくり上げられ、ももの付け根までがむき出しになっていた。
右脚を古田さんの尻に巻きつけた女は、背中を楠の幹に預け、両手で古田さんの尻をつかんで、それを自分の体に引き寄せるような動きを見せている。
古田さんは、自分の腰を、露わになった女のももの付け根の中央に密着させて、こすりつけるような動きを見せている。
女は、長い髪をしていた。
古田さんは、左手で巻きつけられた女の脚を抱え込みながら、もう一方の手でその長い髪をつかんで、女の顔を仰向けにさせ、その顔に自分の顔を重ねていた。
古田さんの頭の陰からのぞく女の顔は、苦しそうに歪んで見えた。
歪んではいたが、その顔は、教科書に出てくる絵巻物語の女官のようだった。
細い眉は八の字に寄せられ、その下の切れ長の目は、虚ろな視線を天に向けていた。
「姫子」は、ウワサどおりの美人だ――と、純平は思った。
⇒続きを読む
生ツバを呑みながら見ていると、今度は、白い手が古田さんのパンツを尻の下まで下ろした。日焼けした古田さんの体の中で、そこだけ焼き残された白い尻が、月明かりの中に浮かび上がった。
白い手は、その尻の前のほうから股倉に潜り込んで、何かモソモソとやっていたかと思うと、次の瞬間には、両手が古田さんの尻の肉をつかんで、それをグイと引き寄せるような動きを見せた。
「オーッ!」
幹の後ろから、太いうめき声が聞こえた。
重い荷物を抱え上げるときのような声。たぶん、それは、古田さんが挙げている声だ。
「ウ……フンミャーッ……」
今度は、甲高い、ネコのような声。こっちは、たぶん、あの「姫子」の声に違いない。
女は、「フンミャー」「フンミャー」と鳴きながら、古田さんの尻を引っつかんだ手に力を込める。あれじゃ、古田さんの尻の肉は、掻きちぎられてしまう。
そう思ったときだった。
それまで見えていなかった女の脚が、幹の陰からニョキッと突き出された。
月の明かりにさらされたまっ白な脚。その脚が、古田さんの尻に巻きつく。古田さんの左手が、その脚を抱え上げる。抱え上げた脚の真ん中へ向けて、古田さんの尻がヒョコヒョコと動く。
女の挙げる「フンミャー」という声の間隔が短くなり、激しくなった――。

それは、純平たちには、異様としか言いようのない光景だった。
煌々と照らす満月の明かりの下に、巨大な樹影を浮かび上がらせる楠の大木。その幹の陰に隠れて、ネコのような鳴き声を挙げる「姫子」と思われる女。その陰から突き出された白い脚。
古田さんの尻に巻きついた白い脚の先では、真っ赤なハイヒールが、男の尻の動きに合わせて、ブラブラと揺れていた。
何をしているのか見たい――と、純平は思った。
亀吉も、同じことを考えたのだろう。
「オイ」と純平を手招きして、灌木の中を這うように進んでいく。
幹の陰がのぞき込める位置まで、回り込もうというのだ。
純平も、腰を90度に折って、その後に従った。
心臓は、破裂するんじゃないか――と思うほど、バクバクと音を立てていた。
楠を取り囲むように生い茂っている灌木の茂みを半周りすると、太い幹に隠されていた真実が暴かれた。
女は、白いスカートの上に白いブラウスを着て、その上から淡いパープル色のカーディガンを羽織っていた。
スカートの裾は、腰の上までめくり上げられ、ももの付け根までがむき出しになっていた。
右脚を古田さんの尻に巻きつけた女は、背中を楠の幹に預け、両手で古田さんの尻をつかんで、それを自分の体に引き寄せるような動きを見せている。
古田さんは、自分の腰を、露わになった女のももの付け根の中央に密着させて、こすりつけるような動きを見せている。
女は、長い髪をしていた。
古田さんは、左手で巻きつけられた女の脚を抱え込みながら、もう一方の手でその長い髪をつかんで、女の顔を仰向けにさせ、その顔に自分の顔を重ねていた。
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