感情的になった人とは、感情で向き合うな

感情的に言葉をぶつけてくる。日常生活では、そんな人に
ぶつかることがしばしばあります。そんなとき、もっとも
やってはいけないのは、感情に感情で向き合うこと。
おすすめなのは「階層ずらし」のテクニックです――。
愛が生まれる日本語・殺す日本語 レッスン4-21
だれかがあなたに「感情」をぶつけてきた。
日常生活では、しばしばあることだと思います。
ぶつけてくる「感情」には、「怒り」もあれば、「悲しみ」もあります。「苦しい」もあれば、「楽しい」もあるだろうと思います。「楽しい」とか「うれしい」であればいいのですが、「怒り」や「悲しみ」「苦しみ」だと、ちょっとやっかいです。
こういうとき、やってはいけないのは、「感情」に「感情」で向き合うということです。
相手が「感情的」であればあるほど、応じるあなたも「感情的」になってしまう。これをやると、ふたりは、抜き差しならない「感情のぶつかり合い」という泥沼に足を踏み入れることになってしまいます。
では、どうするか?
そんなときには、「理性」にお出まし願うしかない――と私は思っています。
そして、相手が「感情」をぶつけてくるそのステージを、1階層分でもいいので、ずらして応じる。これをやれば、「感情」と「感情」が正面からぶつかり合って、おたがいに傷つくだけ、という事態を避けられるのではないか、と思うわけです。
その「理性」には、いくつかの階層があります。本ブログの『心の抱き枕』シリーズでもご紹介しました(その34)が、私は、その階層には、4段階ほどある――と考えています。もう一度、ご紹介しておきましょう。
「感情」と「感情」がぶつかりそうになったときには、相手が拠って立っている「階層」を理解して、その階層をずらしてあげると、無用の衝突を避けることができる。わかりやすく言うと、「感情的」になった相手とは「同じ土俵」で闘うな――ということです。
私たちは、ふだんの生活の中で、何気なく、この「階層ずらし」を行っていることがあります。
お母さんが子どもの感情を誘導するように
たとえば、甘いお菓子を「もっと食べたい」と駄々をこねる子どもがいたとしましょう。よく、お母さんたちは、こんな言い方で子どもの情動=「食べたい」を抑制しようとします。
そんなに食べてると、おデブちゃんになっちゃうでしょ。
「食べたい」という「感情」に、「わがまま言う子は嫌いよ!」などと「感情」をぶつけると、ヘタすると、子どもは泣き出してしまうかもしれません。そこで、お母さんたちは、「おデブになっちゃうよ」などと子どもの「理性」に訴えるわけです。
ここで訴えている「理性」は、損得を判断する【第1階層】の「理性」ですが、もし、それでは効き目がないとなると、さらに上の階層の「理性」に訴えます。
おデブちゃんになると、○○ちゃんや××ちゃんに笑われちゃうわよ。
今度は、集団のルールや序列を理解する【第2階層】の「理性」に訴えて、子どもに「ウン。笑われるの、イヤだから」と、納得させようとします。
それでも効果なし――となれば、相手の理解力に応じて、訴える「理性」の階層をさらにUPしていけばいいわけです。
これが「階層ずらし」の原理。
相手のやっかいな「感情」と向き合うときには、この原理を応用すれば、無用な衝突は防げるし、傷つけられることもなくなります。
おとなの「感情」と向き合うときにも、これは、同じです。
日常生活では、しばしばあることだと思います。
ぶつけてくる「感情」には、「怒り」もあれば、「悲しみ」もあります。「苦しい」もあれば、「楽しい」もあるだろうと思います。「楽しい」とか「うれしい」であればいいのですが、「怒り」や「悲しみ」「苦しみ」だと、ちょっとやっかいです。
こういうとき、やってはいけないのは、「感情」に「感情」で向き合うということです。
相手が「感情的」であればあるほど、応じるあなたも「感情的」になってしまう。これをやると、ふたりは、抜き差しならない「感情のぶつかり合い」という泥沼に足を踏み入れることになってしまいます。
では、どうするか?
そんなときには、「理性」にお出まし願うしかない――と私は思っています。
そして、相手が「感情」をぶつけてくるそのステージを、1階層分でもいいので、ずらして応じる。これをやれば、「感情」と「感情」が正面からぶつかり合って、おたがいに傷つくだけ、という事態を避けられるのではないか、と思うわけです。
その「理性」には、いくつかの階層があります。本ブログの『心の抱き枕』シリーズでもご紹介しました(その34)が、私は、その階層には、4段階ほどある――と考えています。もう一度、ご紹介しておきましょう。
「理性」の4つの階層
【第1階層】 損得・利害などを計算し、「得な行動」を選択しようとする利己的な「理性」のはたらき……処世術、蓄財術、各種実用の知恵など。
【第2階層】 所属する集団のルールや序列などを理解し、良好な関係を築こうとする「理性」のはたらき……道徳、常識、マナー、人間関係の知恵など。
【第3階層】 広く社会や世界との関わり方を考え、自分の生き方に道筋をつけようとする「理性」のはたらき……世界観、価値観、倫理など。
【第4階層】 生きていることの意味を考え、生と死を超えた超越的なものへと思いを馳せる「理性」のはたらき……宗教、哲学、思想など。
【第1階層】 損得・利害などを計算し、「得な行動」を選択しようとする利己的な「理性」のはたらき……処世術、蓄財術、各種実用の知恵など。
【第2階層】 所属する集団のルールや序列などを理解し、良好な関係を築こうとする「理性」のはたらき……道徳、常識、マナー、人間関係の知恵など。
【第3階層】 広く社会や世界との関わり方を考え、自分の生き方に道筋をつけようとする「理性」のはたらき……世界観、価値観、倫理など。
【第4階層】 生きていることの意味を考え、生と死を超えた超越的なものへと思いを馳せる「理性」のはたらき……宗教、哲学、思想など。
「感情」と「感情」がぶつかりそうになったときには、相手が拠って立っている「階層」を理解して、その階層をずらしてあげると、無用の衝突を避けることができる。わかりやすく言うと、「感情的」になった相手とは「同じ土俵」で闘うな――ということです。
私たちは、ふだんの生活の中で、何気なく、この「階層ずらし」を行っていることがあります。

たとえば、甘いお菓子を「もっと食べたい」と駄々をこねる子どもがいたとしましょう。よく、お母さんたちは、こんな言い方で子どもの情動=「食べたい」を抑制しようとします。

「食べたい」という「感情」に、「わがまま言う子は嫌いよ!」などと「感情」をぶつけると、ヘタすると、子どもは泣き出してしまうかもしれません。そこで、お母さんたちは、「おデブになっちゃうよ」などと子どもの「理性」に訴えるわけです。
ここで訴えている「理性」は、損得を判断する【第1階層】の「理性」ですが、もし、それでは効き目がないとなると、さらに上の階層の「理性」に訴えます。

今度は、集団のルールや序列を理解する【第2階層】の「理性」に訴えて、子どもに「ウン。笑われるの、イヤだから」と、納得させようとします。
それでも効果なし――となれば、相手の理解力に応じて、訴える「理性」の階層をさらにUPしていけばいいわけです。
これが「階層ずらし」の原理。
相手のやっかいな「感情」と向き合うときには、この原理を応用すれば、無用な衝突は防げるし、傷つけられることもなくなります。
おとなの「感情」と向き合うときにも、これは、同じです。

この「階層ずらし」の原理がもっとも効果を発揮するのは、「怒り」や「悲しみ」や「落胆」といった、ちょっと取り扱いに困る感情を、あなたにぶつけてくる人たちと向かい合ったときでしょう。
たとえば、あなたが彼女との待ち合わせに30分遅刻。待ちくたびれた彼女はキレる寸前で、「女を何分待たせれば気がすむのよ!」と、感情むき出しに、あなたに非難の言葉を浴びせてきたとします。
こんなとき、あなただったら、彼女にどんな態度で応じるでしょう? ありがちなやりとりを、「階層のぶつかり合い」という観点で眺めてみましょう。
感情 × 感情
彼女 女を、何分待たせれば気がすむのよ!
あなた 30分ぐらいでカリカリするなよ。おまえだって遅れてくること、あるだろう?
→これでは、感情と感情がぶつかり合って、彼女の怒りは、ますますエスカレートするだけです。
感情 × 理性(第1階層)
彼女 女を、何分待たせれば気がすむのよ!
あなた 申し訳ない。きょうは何でもおごるから、機嫌直して。
→感情をむき出しにする彼女に対して、損得を判断する「第1階層」の「理性」に訴えることで、「怒り」を緩和しようとする言い方です。たぶん、効果あり。
感情 × 理性(第3階層)
彼女 女を、何分待たせれば気がすむのよ。
あなた ゴメン、ゴメン。あれ? 本、読んでたんだ?
彼女 お陰さまで、いっぱい読めたわよ。
あなた 何、読んでたの? トマス・ピケティ? オーッ、すごォ~い! オレの遅刻も、ムダじゃなかったね。
彼女 んもォ―ッ!
→感情をむき出しにする彼女を、「何を読んでたの?」で、世界観や社会との関わりを考える「第3階層」の「理性」の世界に引きずり込んで、「怒り」をやわらげています。これも、効果大な方法。
やっかいな「感情」をぶつけてくる相手に対して、同じ「感情」というステージで、ノーガードで打ち合うと、おたがい抜き差しならない関係に陥ってしまいます。そんなときは、階層をずらして、相手の矛先をかわすのがいい――という例をご紹介しました。
この「階層ずらし」は、どんな感情に対しても使える手段です。
そして、ずらす「理性の階層」が高レベルであるほど、「感情のぶつかり合い」は、上手に避けることができます。
もし、「感情」と「感情」がぶつかりそうになったら、ぜひ、試してみてください。
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盆になると、男たちがクジで「かか」を交換し合う。
明治半ばまで、一部の地域で実際に行われていた
「盆かか」と呼ばれる風習。本作品は、その風習を
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「盆かか」と呼ばれる風習。本作品は、その風習を
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クジを引き当てたのは、村いちばんの乱暴者・権太。
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