人は、「美しき敗北者」に心を奪われる

人の心情は「勝ち組」よりも「負け組」に、
より強く惹かれます。これは恋愛という場面でも
同じです。問題は、いかに美しく負けられるか?
そのポイントは――。
M は「男からのモテ技」、 W は「女からのモテ技」、 N は「男女共通のモテ技」です。
勝つと思うな、
思えば負けよ~
言わずと知れた美空ひばりのヒット曲『柔』の冒頭の歌詞です。
舞台は「柔」ですから、歌詞は、柔道の勝負に臨む心構えを説いているわけですが、柔の心得を説きながら、人生の心構えも説いている。当然、恋の奥義も説いてるんだよな、これ――と、シランケンの頭脳は、勝手に拡大解釈してしまいます。
そして、こう考えました。
どうも人間ってやつは、心情的には、「負け組み」の男(女)のほうに、より強く惹かれる性質を持っているようだ。
そして、その理由は、人間が「類的存在」であるからに違いない。特に女性の心の中には、傷ついて救いを求める人間に手を差し伸べ、その豊かな胸で抱き温めてあげたい――という気持ちが、男性には想像もつかないくらい、豊かに備わっているからではないか。
そこで、ハタと気づきました。
そうか。女性の愛を得ようと思ったら、「美しく負ける男」を演じたほうがいいのではないか――と。もちろんこれは、男性の愛を得ようとする場合も、同様。
しかし、話をわかりやすくするために、ここでは、「女の心を得る場合」を例に話を進めてみたいと思います。
「母なる心」を射止めるのはだれか?
たとえば、あなたの前に、男たちの憧憬を一身に集めている美女がいたとしましょう。
仮に、名前を霧子さんとしましょうか。
この霧子さんは、だれもが認める心やさしい、母性愛にあふれた女性です。
3人の男たちが、獲得に名乗りを挙げました。
ひとりは、出世街道まっしぐらの信一郎クン。
ボクは、あなたを絶対に幸せにしたい。幸い、ボクには、父親から譲り受けた家屋敷もありますし、今度、新設の海外事業部にも、係長待遇で抜擢が決まりました。将来は、あなたを社長夫人と呼ばせたいッ! あなたの将来を、ボクに任せてください。
と、自身満々のアプローチを繰り返しています。
ひとりは、こと女に関しては、自身満々の純一クン。
あなたの愛を得られたら、ボクはあなたにボクの過去も、現在も、未来も、すべてをゆだねます。あなたのいない夜を想像するくらいだったら、太陽の昇らない朝を想像するほうがましだ。もし、あなたが望むなら、ボクは裸足でクツを履くのなんか、止めたっていい。
と、それはもう、甘い甘い言葉で、彼女の愛を求めます。
もうひとりいたのですが、こちらは、いささかシリアス・モード。彼女をバーに誘った直人クン、しんみりと語り始めます。
あなたを想う気持ちだけは、だれにも負けないつもりだったのだけど、実は……ボク、いろいろ事情があって、この仕事を辞めることになっちゃって……。もう、あなたの目を輝かせるバラ色の夢を語ることもできなくなってしまいました。幸せになってくださいね、霧子さん……。
さて、霧子さんは、どの男性の言葉に、心を揺さぶられるか?
もし、霧子さんがサクセス願望の強いパワー・ウーマンなら、文句なしに信一郎クンを選ぶでしょう。
夢見るミー子さんなら、あるいは純一クンに心惹かれたかもしれません。
しかし、霧子さんがもっとも心を揺さぶられたのは、直人クンでした。
母性愛に富んだ霧子さんは、「バラ色の夢を語ることもできなくなった」と言う直人クンに、胸キュンとなり、「そんな悲しいこと言わないで」「私、直人クンを応援するから」と、シンパシーがMAXまでハネ上がってしまったのでした。
全女性の半数は、いや、男も、「敗者」の味方
ご紹介した霧子さんの例は、女性が男性に心惹かれていくプロセスの、ひとつのパターンにすぎません。
私の観察によれば、全女性の半数近くは、霧子さんと同じような選択をするタイプ。つまり、母性愛タイプです。男性の半数も、おそらく同じ。こちらは父性愛タイプです。
このタイプの女性や男性には、「勝ち組」の男も女も、モテません。「勝ち」を誇示する男も女も、必死こいて「勝ち」にこだわる男や女も、モテません。
このタイプには、「負けるが勝ち」なのですね、どう見ても。
であれば、大事なのは、「負け」をどう見せるか――ではないか?
そこで、考えてみました。
「負け」をどう美しく見せるか――を。
ポイントをまとめてみましたので、ぜひ、参考にしてみてください。
思えば負けよ~
言わずと知れた美空ひばりのヒット曲『柔』の冒頭の歌詞です。
舞台は「柔」ですから、歌詞は、柔道の勝負に臨む心構えを説いているわけですが、柔の心得を説きながら、人生の心構えも説いている。当然、恋の奥義も説いてるんだよな、これ――と、シランケンの頭脳は、勝手に拡大解釈してしまいます。
そして、こう考えました。
どうも人間ってやつは、心情的には、「負け組み」の男(女)のほうに、より強く惹かれる性質を持っているようだ。
そして、その理由は、人間が「類的存在」であるからに違いない。特に女性の心の中には、傷ついて救いを求める人間に手を差し伸べ、その豊かな胸で抱き温めてあげたい――という気持ちが、男性には想像もつかないくらい、豊かに備わっているからではないか。
そこで、ハタと気づきました。
そうか。女性の愛を得ようと思ったら、「美しく負ける男」を演じたほうがいいのではないか――と。もちろんこれは、男性の愛を得ようとする場合も、同様。
しかし、話をわかりやすくするために、ここでは、「女の心を得る場合」を例に話を進めてみたいと思います。

たとえば、あなたの前に、男たちの憧憬を一身に集めている美女がいたとしましょう。
仮に、名前を霧子さんとしましょうか。
この霧子さんは、だれもが認める心やさしい、母性愛にあふれた女性です。
3人の男たちが、獲得に名乗りを挙げました。
ひとりは、出世街道まっしぐらの信一郎クン。

と、自身満々のアプローチを繰り返しています。
ひとりは、こと女に関しては、自身満々の純一クン。

と、それはもう、甘い甘い言葉で、彼女の愛を求めます。
もうひとりいたのですが、こちらは、いささかシリアス・モード。彼女をバーに誘った直人クン、しんみりと語り始めます。

さて、霧子さんは、どの男性の言葉に、心を揺さぶられるか?
もし、霧子さんがサクセス願望の強いパワー・ウーマンなら、文句なしに信一郎クンを選ぶでしょう。
夢見るミー子さんなら、あるいは純一クンに心惹かれたかもしれません。
しかし、霧子さんがもっとも心を揺さぶられたのは、直人クンでした。
母性愛に富んだ霧子さんは、「バラ色の夢を語ることもできなくなった」と言う直人クンに、胸キュンとなり、「そんな悲しいこと言わないで」「私、直人クンを応援するから」と、シンパシーがMAXまでハネ上がってしまったのでした。

ご紹介した霧子さんの例は、女性が男性に心惹かれていくプロセスの、ひとつのパターンにすぎません。
私の観察によれば、全女性の半数近くは、霧子さんと同じような選択をするタイプ。つまり、母性愛タイプです。男性の半数も、おそらく同じ。こちらは父性愛タイプです。
このタイプの女性や男性には、「勝ち組」の男も女も、モテません。「勝ち」を誇示する男も女も、必死こいて「勝ち」にこだわる男や女も、モテません。
このタイプには、「負けるが勝ち」なのですね、どう見ても。
であれば、大事なのは、「負け」をどう見せるか――ではないか?
そこで、考えてみました。
「負け」をどう美しく見せるか――を。
ポイントをまとめてみましたので、ぜひ、参考にしてみてください。

「負け」を見せても、みすぼらしさは見せるな!
オレ、もうダメだ。何もする気、なくなっちゃった。会社も、みんなも、知らん顔して、ボクの苦しみなんか、わかってくれようともしないし……。なんで、ボクだけが、こんな目に遭うのかなぁ……。ああ、もうイヤになっちゃったよ、何もかも。
グチと泣き言、そして、甘え。
こんなみすぼらしい姿を見せられたら、いかに母性愛に富んだ霧子さんといえど、「シッ、シッ」と言いたくなってしまいます。父性愛に富んだと自負するシランケンでも、もし相手が女性であれば、すごすごと引き下がってしまうだろうと思います。

堂々と負けて、美しく引け!
負けたときこそ、堂々と。
これは、わたくし重松の人生哲学でもあります。
どんな敗北に遭っても、胸を張り、そして、静かに消える。
少しむずかしいことを言うようですが、その敗北感を背中に漂わせる――というのが、「美学」だろうと思います。
首をうなだれ、見るからに暗い顔をしてみせる、というのではなく、あくまで強がってはいるけど、「あの人の背中、寂しそう」と言われるような背中を見せるわけです。
そのためには、「負け」を説明してはいけません。
言い訳をしてもいけません。
黙って、闘いの場を去る――そんな「負け方」をすれば、自然に、あなたの背中には哀感が漂い、それを見る彼女の胸を「キュン」とさせることになるのです。
ポイント3
「助けてくれ」ではなく、「ごめん」と謝る
「負け」を見せるときには、人は、「負けた自分を助けてよ」という信号を、つい、相手に送ってしまいそうになります。
しかし、これは、私に言わせれば逆。
「負けた」→「なぐさめてよ」「助けてよ」
ではなく、
「負けた」→「ごめん。キミを失望させたね」
伝えるべきは、「あなたの期待に副えなかった」という謝意です。
敗北の責任は自分の一身に負い、失望させた責任だけを表明するわけです。
敗北の中でも、なお、自分を気遣ってくれるあなたに、彼女は、カレは、ますます同調して、「なんとか、この人の力になりたい」と思ってくれるようになります。
ポイント4
勝ち負けなんて意味がない――と思わせる敗北を
最後に、いちばん大事なこと。
「勝った」「負けた」なんて、人生ではそんなに大きな意味を持たない――ということを、どこかに漂わせる。そんな「負け」を見せてあげる、ということです。
もし、そういう大局観を持っていれば、
➡「あいつとオレとどっちが上?」なんていう、つまらない勝負にこだわって、周囲を困惑させることはなくなります。
➡相手とつまらないことで言い争いになって、なんとか相手を言い負かそうと、ムキになることもなくなります。
➡仮に、恋の戦争に敗北しても、「あいつ、いいヤツだから、おまえ、幸せになれよ」と、勝者を讃えて身を引くことができます。
「この人は、勝負には負けても、人生の敗北者にはならないだろう」と思わせることができれば、彼女の心、カレの心が、あなたから離れてしまうことはない。
いつかは、蓮(はちす)の花と咲く日も来る――です。
ある種の人間たちには、この「負けるが勝ち」作戦がきわめて有効。
人よ、「美しき敗北者」であれ!
本日は、そんなお話。負け続けて40年の重松がお送りしました。
そのためには、「負け」を説明してはいけません。
言い訳をしてもいけません。
黙って、闘いの場を去る――そんな「負け方」をすれば、自然に、あなたの背中には哀感が漂い、それを見る彼女の胸を「キュン」とさせることになるのです。

「助けてくれ」ではなく、「ごめん」と謝る
「負け」を見せるときには、人は、「負けた自分を助けてよ」という信号を、つい、相手に送ってしまいそうになります。
しかし、これは、私に言わせれば逆。
「負けた」→「なぐさめてよ」「助けてよ」
ではなく、
「負けた」→「ごめん。キミを失望させたね」
伝えるべきは、「あなたの期待に副えなかった」という謝意です。
敗北の責任は自分の一身に負い、失望させた責任だけを表明するわけです。
敗北の中でも、なお、自分を気遣ってくれるあなたに、彼女は、カレは、ますます同調して、「なんとか、この人の力になりたい」と思ってくれるようになります。

勝ち負けなんて意味がない――と思わせる敗北を
最後に、いちばん大事なこと。
「勝った」「負けた」なんて、人生ではそんなに大きな意味を持たない――ということを、どこかに漂わせる。そんな「負け」を見せてあげる、ということです。
もし、そういう大局観を持っていれば、
➡「あいつとオレとどっちが上?」なんていう、つまらない勝負にこだわって、周囲を困惑させることはなくなります。
➡相手とつまらないことで言い争いになって、なんとか相手を言い負かそうと、ムキになることもなくなります。
➡仮に、恋の戦争に敗北しても、「あいつ、いいヤツだから、おまえ、幸せになれよ」と、勝者を讃えて身を引くことができます。
「この人は、勝負には負けても、人生の敗北者にはならないだろう」と思わせることができれば、彼女の心、カレの心が、あなたから離れてしまうことはない。
いつかは、蓮(はちす)の花と咲く日も来る――です。
ある種の人間たちには、この「負けるが勝ち」作戦がきわめて有効。
人よ、「美しき敗北者」であれ!
本日は、そんなお話。負け続けて40年の重松がお送りしました。
筆者の官能小説! 電子書店から発売中です!
盆になると、男たちがクジで「かか」を交換し合う。
明治半ばまで、一部の地域で実際に行われていた
「盆かか」と呼ばれる風習。本作品は、その風習を
題材に描いた官能フィクションです。
与一の新婚の妻・妙も、今年は、クジの対象になる。
クジを引き当てたのは、村いちばんの乱暴者・権太。
三日間の盆かかを終えて帰って来た妙は、その夜から
様子が変わった。その変化に戸惑う与一は、
ある日、その秘密を知った??。
筆者初の官能作品、どうぞお愉しみください。
2020年9月発売 定価:200円 発行/虹BOOKS
⇒BOOK☆WALKER からお読みになる方は、ここをクリック。
⇒Kindle でお読みになる方は、ここをクリック。
既刊本もどうぞよろしく 写真をクリックしてください。






明治半ばまで、一部の地域で実際に行われていた
「盆かか」と呼ばれる風習。本作品は、その風習を
題材に描いた官能フィクションです。
与一の新婚の妻・妙も、今年は、クジの対象になる。
クジを引き当てたのは、村いちばんの乱暴者・権太。
三日間の盆かかを終えて帰って来た妙は、その夜から
様子が変わった。その変化に戸惑う与一は、
ある日、その秘密を知った??。
筆者初の官能作品、どうぞお愉しみください。
2020年9月発売 定価:200円 発行/虹BOOKS
⇒BOOK☆WALKER からお読みになる方は、ここをクリック。
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既刊本もどうぞよろしく 写真をクリックしてください。

管理人は、常に、フルマークがつくようにと、工夫して記事を作っています。
みなさんのひと押しで、喜んだり、反省したり……の日々です。
どうぞ正直な、しかしちょっぴり愛のこもった感想ポチをお願いいたします。
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