自伝的創愛記〈38〉 寄り添う乳房

Vol.38
先生は「一杯だけ」と言って
コップに琥珀の液体を注いだ。
「乾杯」と寄り添う先生の胸が、
ボクの左腕に触れていた――。
汗で濡れたシャツは、チャボがハンガーにかけて、壁のフックに吊るしてくれた。
ボクは、先生が貸してくれた短パンにランニング一枚という格好で、居間に用意してくれた座布団の上に腰を下ろした。
「何日に、こっち発つと?」
「8月3日になると思います」
「そォ、早かねェ……」
言いながら、先生はキッチンに立った。
先生も短パン姿だった。その腰が右に左に揺れるのを見ながら、ボクは、短パンの中で鎮まりかけていたアレが、再び、ムクッと起き上がるのを感じた。
やがて先生が大皿に盛って運んできたのは、鶏の唐揚げだった。もうひとつは、ボウルにたっぷり盛られたサラダ。そして、寿司桶に盛られたちらし寿司。
「先生、花嫁修業やらしてないけんね。こげなもんしか作れんかったと」
先生には「花嫁修業」やら似合わんばい。口元に出かかった言葉を、ボクは呑み込んだ。そんなボクの顔をまじまじと見ながら、先生はニコッと笑って言うのだった。
「そやけど、先生、一生懸命作ったとよ、料理本とか見ながら。重松クンの口には合わんかもしれんけど、バリバリ食べてくれたらうれしか……」
言いながら、先生は、大皿の料理を小皿に取り分けてくれた。前屈みになって小皿に取り分ける先生の胸元から、またもそのふくらみがのぞいた。
取り分けた小皿をボクのめの前に置いた先生は、「あ、そうたい……」と席を立った。キッチンに立った先生が手にして持ってきたのは、ガラスのコップが2つと、茶色のビンだった。
「重松クンが持ってきてくれたジュースは、温まっとったけん、いま、冷蔵庫に入れて冷やしとるんよ。帰るまでには冷えとると思うけん、後て飲もうね。その前に、これ……」
先生は、キッチンから持ってきた茶色のビンのキャップを栓抜きでシュポンと抜いた。
「未成年やけん、ほんとは飲ませちゃいけんのやけど、一杯だけ。これ、お母さんには言わんといて。バレると、先生、首になるけん」
そう言って、ボクのコップにジョボジョボと注がれた泡の立つ液体は、ビールだった。
ボクは、先生が貸してくれた短パンにランニング一枚という格好で、居間に用意してくれた座布団の上に腰を下ろした。
「何日に、こっち発つと?」
「8月3日になると思います」
「そォ、早かねェ……」
言いながら、先生はキッチンに立った。
先生も短パン姿だった。その腰が右に左に揺れるのを見ながら、ボクは、短パンの中で鎮まりかけていたアレが、再び、ムクッと起き上がるのを感じた。
やがて先生が大皿に盛って運んできたのは、鶏の唐揚げだった。もうひとつは、ボウルにたっぷり盛られたサラダ。そして、寿司桶に盛られたちらし寿司。
「先生、花嫁修業やらしてないけんね。こげなもんしか作れんかったと」
先生には「花嫁修業」やら似合わんばい。口元に出かかった言葉を、ボクは呑み込んだ。そんなボクの顔をまじまじと見ながら、先生はニコッと笑って言うのだった。
「そやけど、先生、一生懸命作ったとよ、料理本とか見ながら。重松クンの口には合わんかもしれんけど、バリバリ食べてくれたらうれしか……」
言いながら、先生は、大皿の料理を小皿に取り分けてくれた。前屈みになって小皿に取り分ける先生の胸元から、またもそのふくらみがのぞいた。
取り分けた小皿をボクのめの前に置いた先生は、「あ、そうたい……」と席を立った。キッチンに立った先生が手にして持ってきたのは、ガラスのコップが2つと、茶色のビンだった。
「重松クンが持ってきてくれたジュースは、温まっとったけん、いま、冷蔵庫に入れて冷やしとるんよ。帰るまでには冷えとると思うけん、後て飲もうね。その前に、これ……」
先生は、キッチンから持ってきた茶色のビンのキャップを栓抜きでシュポンと抜いた。
「未成年やけん、ほんとは飲ませちゃいけんのやけど、一杯だけ。これ、お母さんには言わんといて。バレると、先生、首になるけん」
そう言って、ボクのコップにジョボジョボと注がれた泡の立つ液体は、ビールだった。

「私も一杯ちょうだいするけん、ふたりで乾杯しよう」
そう言って、自分のコップにも琥珀色の液体を注ぐと、先生は、そのコップを持って、ボクの隣に腰を下ろした。
「重松クン、向こうに行ってもガンバってね。重松クンやったら、どこに行ってもガンバれると思う。なにしろ、県で5番目の秀才クンなんやけんね。ガンバって最高学府まで行きんしゃい。期待しとるけん……」
そう言って、先生はボクの右肩に手を回し、ボクの上体を抱き寄せるようにして、左手に持ったコップをボクが手にしたコップに合わせようと、左腕を伸ばしてきた。
乾杯のために傾いた先生の体は、ボクの左腕にそのやわらかさを伝えていた。ボクの上腕筋は、タンクトップからのぞいた先生の胸のふくらみの弾力を受け取って、ブルッ……と震えた。
ボクがコップを合わせると、先生は、さらに体を寄せてきた。
「重松クンがおらんごとなると、寂しゅうなるわ……」
言いながら、先生の弾力は、ボクの腕をスリスリするように押し付けられてきた。それは、生まれて初めて感じる女の胸のやわらかさだった。

これが、あのタンクトップからのぞいて見えた果実のようなふくらみの弾力か……。
そう思うと、ボクの胸はドキドキ……と鳴った。胸は高鳴ったが、そのときめきをどう行動に表していいのか、ボクにはまったく、その知恵がなかった。
まだ、14歳だった。
ボクは、のぞき込むように体を寄せて来る先生の弾力を左腕に感じながら、唐揚げをパクつき、サラダをつつき、チラシ寿司に箸を伸ばした。
あっ……という間に、1時間が過ぎ、2時間が過ぎていった。
「じゃ、そろそろ……」
ボクが腰を上げると、「そうね……」と、先生は少し悲しそうな顔をした。
ボクが短パンを脱いで穿いてきたズボンに穿き替えていると、先生はボクのズボンにベルトを通し、ジッパーを上げて、穿かせたズボンの上からボクの腰を抱き締めた。
先生の顔は、そのジッパーの上にあった。「元気でね」と言いながら、先生は開いた口で、まだ治まりのつかないボクのふくらみにキスをした。
ボクは、その先生の頭を両手で抱き締めた。
それが、ボクと先生の別れの儀式だった。
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