「借金して家を持つ」が当たり前になった社会の怖さ

いつの頃からか、日本の社会では、「借金」して「マイホーム」を手に入れる――が、当たり前になってしまいました。その結果、太り続けたのは、旧財閥系などの巨大企業グループ――。
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シランケン・重松シュタイン 自ら著作を手がけるエッセイスト&作家。当ブログの管理人です。旧ペンネーム/長住哲雄。
AKI エステ嬢として働きながら作家を目指すアラサーの美女。
AKI ローンを借りて、マイホームを手に入れる。いまじゃ、当たり前のように、みんながやるようになったことですが、ジイは、そこがおかしいと思っているんですね?
シランケン そりゃそうですよ。「ローン」といえども「借金」ですからね。国民のだれもが「借金」することが当たり前になった社会って、おかしいでしょ。そうして借金させて何をさせるかと言うと、「マイホーム」を建てさせる。しかもですよ、その「マイホーム」を建てて売る企業と、そのためのローンを貸し付ける企業が、系列関係にある。これって、ますますもっておかしい。
AKI なんか、ビッグな企業集団にまるごと絡め取られてしまうような気がするんですね、シランケンとしては?
シランケン タワーマンションとか、大規模な分譲住宅とかは、たいてい、大手のディベロッパーが開発して売り出しています。売り出した物件には、最初から、系列銀行のローンが組み込まれていたりします。物件を売って儲け、ローンを組ませてその金利を稼ぎ、巨大企業グループは、全体としてますます太っていく構造。日本列島は、そんな巨大企業グループに切り刻まれ、他に利用しようのない私有物件として分譲され、やがては処理のしようのない「私権」だけが張り付いた土地や建物となって、朽ち果てていきます。
AKI 造るだけ造って、売ってしまったら、「後は知らん」ってわけですね。それじゃまずいでしょ。エーと、そういう企業グループって、何て言うんでしたっけ? 財閥……?
シランケン かつては、そう呼ばれていました。しかし、先の戦争で負けてからは、財閥こそが日本を戦争に突き進ませた元凶だとして、GHQは「財閥解体」を占領政策として打ち出し、企業グループとしての三菱・三井・住友・安田といった財閥は、系列関係を解消させられ、それぞれの部門の別会社として独立することを求められたわけです。しかしね、ここへ来て、その財閥が再編されるような動きを見せています。
AKI 何か、その動き、私も感じることがあります。やたら、企業同士が「××ホールディングス」とか言う会社を中心にしてまとまる動きを見せていますよね。あれも、財閥編成の動きとは見えませんか?
シランケン ホォ、よく気がつきましたね、AKIクン。そうなんですよ。日本の社会は、再び、財閥が支配する社会に戻るような気配を見せています。そんな動きを加速させるようなはたらきをしているのが、ひとつには、旧財閥系の企業グループが進める、タワーマンション建設だったり、都市の再開発計画だったり、大型の分譲住宅建設だったりするわけです。
AKI やっぱり、不動産が絡んでるんですね。
シランケン 絡んでますねェ。旧財閥は、かつての明治維新のドサクサに紛れて取得した土地などを原資に、また、電力や鉄道などの利権を手にした新興の企業グループも、利権と共に手にした土地などを宅地開発や遊興施設建設に充てたりして、巨大な利益を蓄積していきました。
AKI そういう企業グループが躍起になって売り出す「マイホーム」の夢に、国民が群がる。しかも、一生かかって返済しなきゃならない「ローン」を作ってまで。それっておかしいじゃないか――と、重ジイは思ってるんですね?
シランケン そりゃそうですよ。「ローン」といえども「借金」ですからね。国民のだれもが「借金」することが当たり前になった社会って、おかしいでしょ。そうして借金させて何をさせるかと言うと、「マイホーム」を建てさせる。しかもですよ、その「マイホーム」を建てて売る企業と、そのためのローンを貸し付ける企業が、系列関係にある。これって、ますますもっておかしい。
AKI なんか、ビッグな企業集団にまるごと絡め取られてしまうような気がするんですね、シランケンとしては?
シランケン タワーマンションとか、大規模な分譲住宅とかは、たいてい、大手のディベロッパーが開発して売り出しています。売り出した物件には、最初から、系列銀行のローンが組み込まれていたりします。物件を売って儲け、ローンを組ませてその金利を稼ぎ、巨大企業グループは、全体としてますます太っていく構造。日本列島は、そんな巨大企業グループに切り刻まれ、他に利用しようのない私有物件として分譲され、やがては処理のしようのない「私権」だけが張り付いた土地や建物となって、朽ち果てていきます。
AKI 造るだけ造って、売ってしまったら、「後は知らん」ってわけですね。それじゃまずいでしょ。エーと、そういう企業グループって、何て言うんでしたっけ? 財閥……?
シランケン かつては、そう呼ばれていました。しかし、先の戦争で負けてからは、財閥こそが日本を戦争に突き進ませた元凶だとして、GHQは「財閥解体」を占領政策として打ち出し、企業グループとしての三菱・三井・住友・安田といった財閥は、系列関係を解消させられ、それぞれの部門の別会社として独立することを求められたわけです。しかしね、ここへ来て、その財閥が再編されるような動きを見せています。
AKI 何か、その動き、私も感じることがあります。やたら、企業同士が「××ホールディングス」とか言う会社を中心にしてまとまる動きを見せていますよね。あれも、財閥編成の動きとは見えませんか?
シランケン ホォ、よく気がつきましたね、AKIクン。そうなんですよ。日本の社会は、再び、財閥が支配する社会に戻るような気配を見せています。そんな動きを加速させるようなはたらきをしているのが、ひとつには、旧財閥系の企業グループが進める、タワーマンション建設だったり、都市の再開発計画だったり、大型の分譲住宅建設だったりするわけです。
AKI やっぱり、不動産が絡んでるんですね。
シランケン 絡んでますねェ。旧財閥は、かつての明治維新のドサクサに紛れて取得した土地などを原資に、また、電力や鉄道などの利権を手にした新興の企業グループも、利権と共に手にした土地などを宅地開発や遊興施設建設に充てたりして、巨大な利益を蓄積していきました。
AKI そういう企業グループが躍起になって売り出す「マイホーム」の夢に、国民が群がる。しかも、一生かかって返済しなきゃならない「ローン」を作ってまで。それっておかしいじゃないか――と、重ジイは思ってるんですね?
シランケン ハイ、思ってます。たぶん、戦前……いや、前回の東京オリンピックぐらいまでの日本人は、我も我も……とマイホームを夢見たりはしなかったと思います。しかし、その頃、やたらとTVでアメリカ製や日本製のホームドラマが放送されるようになって、「マイホーム願望」が一般に、広く、深く、浸透しました。同時に、各銀行が「住宅ローン」などをしきりに宣伝して、日本人を「借金漬け」にしていきました。
AKI それ、家だけじゃないんじゃありませんか? クルマだって、家電だって、ローンで買うのが当たり前になっていったような気がするんですけど。
シランケン そうですね。その頃の先輩たちの中には、「借金できてこそ一人前」なんてことを平気で口にする人間がいました。街のあちこちに、「消費者金融」の看板が掲げられるようになったのも、その頃からでした。
AKI どんな街に行っても、目にするあの看板ですね。
シランケン ハイ。そうしてローンに抵抗のなくなった日本人が、こぞって入手に走ったのが、「マイホーム」という名の「私権」でした。しかしねェ……。
AKI そこが問題だ――と、シランケンとしてはそう言いたいわけですね?
シランケン そうなんです。そうして手に入れた「小さな私権」で、この国は埋め尽くされていく。実は、そここそが問題なのですが、この件については、長くなりますので、次回、詳しくお話したいと思います。
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「盆かか」と呼ばれる風習。本作品は、その風習を
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「盆かか」と呼ばれる風習。本作品は、その風習を
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