ものが決められないふたりの「会話」の秘密

「どうする?」「どうしよう?」と言うばかりで、なかなか物事が
決められないカップルがいます。たがいに「依存」し合っているのが
その原因。しかし、ちょっと話し方を変えるだけで……。
愛の会話力レッスン 第15回(改訂版)
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決められないふたり――とでも呼ぶべきカップルがいます。 決めようという意思はあるのですが、なぜかいつも、話がまとまらないのです。 なぜ、そうなるのか? 秘密は、会話にあります。まずは、ものが決められないカップルにありがちな会話のパターンをご紹介しましょう。
今回、取り上げた2つの会話例は、たぶん、このままじゃ、ふたりの間で何も決まらないだろうな――と思われる会話のパターンです。
もしかしたら、私たちもふだん、こんな話し方をしているかもしれません。
問題はいろいろあるのですが、この会話に特徴的な性質は、「依存性」です。
これも、エゴグラムを使って、分析してみましょう。
会話例1 レストランでメニューを見ながら
R美 ねェ、何食べる?
T男 何でもいいよ。適当に決めて。
会話例2 休暇の計画をめぐって
妻 ねェ、ねェ。今度の旅行、このスパにしようよ。タラソテラピーとかあるんだよ。私、行きた~い! ここに決めよう! ネ、ネ、ネッ!
夫 つまんねェよ、そんなとこ。それよか、オレは、ゴルフがしたいの!
R美 ねェ、何食べる?
T男 何でもいいよ。適当に決めて。
会話例2 休暇の計画をめぐって
妻 ねェ、ねェ。今度の旅行、このスパにしようよ。タラソテラピーとかあるんだよ。私、行きた~い! ここに決めよう! ネ、ネ、ネッ!
夫 つまんねェよ、そんなとこ。それよか、オレは、ゴルフがしたいの!
今回、取り上げた2つの会話例は、たぶん、このままじゃ、ふたりの間で何も決まらないだろうな――と思われる会話のパターンです。
もしかしたら、私たちもふだん、こんな話し方をしているかもしれません。
問題はいろいろあるのですが、この会話に特徴的な性質は、「依存性」です。
これも、エゴグラムを使って、分析してみましょう。
「エゴグラム」と「交流分析」の考え方については、前々回の記事 『心理学が見つけた、絶対、ケンカにならない話法』 で詳しく解説しましたが、もう一度、簡単にまとめておきましょう。

「エゴグラム」では、自我の状態を大きく次の3つに分けて考えます。
ほんとうは、「P=親の自我」には、「CP=批判的親」「NP=養護的親」の2種類が、「C=子どもの自我」には、「FC=自由な子ども」「AC=順応する子ども」の2種類があって、全部で5つなのですが、ここでは簡略化するために3つにまとめて考えます。

【この自我で話すときに期待する相手の反応】
相手が素直に耳を傾け、言うことを聞いてくれるか、同じ親同士としての対等な反応を期待。
▼期待する相手の自我=C(子どもの自我)、P(共感する親の自我)
▼歓迎しない相手の自我=A(冷静なおとなの自我)、P(支配的な親の自我)

【この自我で話すときに期待する相手の反応】
相手が冷静で、客観的な反応を示してくれることを期待。
▼期待する相手の自我=A(おとなの自我)
▼歓迎しない相手の自我=P(支配的にふるまう親の自我)、C(依存的な子どもの自我)

【この自我で話すときに期待する相手の反応】
相手がわがままや願いを聞き入れてくれるか、子ども同士として共感し合うことを期待。
▼期待する相手の自我=P(養護的または指導的な親の自我)、C(共感する子どもの自我)
▼歓迎しない相手の自我=A(冷静なおとなの自我)、P(過度に批判的な親の自我)
【図の見方】
話し手が、自分のどんな自我から相手のどんな自我に向けて語りかけているかを「→」で示しています。「P→C」とあれば、その人は自分の「親の自我」を使って、相手の「子どもの自我」に向けて語りかけている――ということになるわけです。
この「→」が交差し合う交流を「交差交流」と呼んで、こうした交流ではストレスが蓄積されると考え、これをストレスのたまらない(→が交差しない)「相補交流」に変えましょう――というのが、「交流分析」の基本的な考え方です。
冒頭の会話を「交流分析」の考え方に基づいて図にすると、次のようになります。
会話例1の交流図


会話例2の交流図


さて、こんなふうな会話では、いつまでたっても物事が決められないので、改善の要あり! 先に、依存された側がどう答えを返すかが重要になります。
その際、自分も同じ「C→P」の姿勢では、→が交差してしまいますので、スタンスの変換が必要になるのですが、そこでとるべきスタンスは、次の3つのどれかしかありません。
[1] 依存してくる相手に対して、「P→C」で強い指導性を発揮する。
多少、きつい言い方になるかもしれませんが「CP=批判的親」の自我を使って、「○○ではダメだ。××しなさい」と、ハッキリ、ものを言う――ということです。
[2]依存してくる相手に対して、「P→C」で受容的な態度を示す。
同じ「P」でも、こちらは「NP=養護的親」の自我を使って、「しょうがないな。じゃ、今回は、キミのわかせままを聞いてあげよう」と、寛容な態度を見せます。
[3]依存してくる相手に対して、冷静なおとなの対応を求める。
つまり、「A→A」の話し合いに持ち込むということですが、いきなり「A→A」で話をすると、→が交差してしまいますから、いったん、「P→C」のスタンスで受け止めたあとで、「A→A」への転換を図ります。
実際にどう変わるか、改善例を図で示してみましょう。
会話例1の改善例

会話例2の改善例

↓

会話例1は、[2]の方法で、会話例2は[3]の方法での改善例を示しましたが、どの例にどの方法をあてはめても、問題は解決できると思います。
ぜひ一度、試してみてください。


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