第83夜☆それは、「親子セクハラ」です!



 第83夜  
「愛とは何か?」をめぐって、管理人・哲雄がパートナー・AKIを相手に展開する、オヤジ・ギャグ風+ちょっぴりアカデミックおしゃべり。今回は、お父さんと娘、お母さんと息子の入浴に触れながら、深く、「親子セクハラ」の問題に切り込んでみます――。

【今回のキーワード】 代用夫 代用妻 親子セクハラ 虐待

哲雄 AKIクンは、小さい頃、お父さんと一緒におフロに入ってた?

AKI あんまり記憶にないけど、でも、小学校に上がった頃には、もうひとりで入ってたような気がする。

哲雄 じゃ、お父さんに体を洗ってもらったなんて記憶はないよね?

AKI 残念ながら……。でも、友だちにはいますよ、中学校ぐらいまでパパと一緒におフロに入ってた――って子。その子は、それがふつうで、どの家でもそうしてるんだと思ってたんだよね。

哲雄 刷り込みだね。

AKI エッ!? 刷り込み?

哲雄 そう。親による性的虐待の、ひとつの典型的なパターンです。どこの家でもそうするんだよ、一緒におフロに入るのも、パパがおまえの体を洗ってあげるのも、パパがおまえを愛してるからなんだよ――と、繰り返し言い聞かせ、そう信じ込ませて、実は娘の体に触れたい、という欲求を満たしている。

AKI それくらいだったら、お母さんだってやるでしょ? 小さい男の子の体、洗ってあげるもの。

哲雄 ウン、やるね。でも、それを小学校高学年の子にまでやってあげたら?

AKI エーッ!? それはちょっと変……ていうか、言葉はわるいけど、母子相姦一歩手前のような気がします。

哲雄 だろうね。私の知っている女性の中には、なんと、中学生になる息子と一緒におフロに入って、あそこまで洗ってあげてるというお母さんがいた。それも、すごくていねいにね。「ちゃんと皮をむいて、溜まってる垢を落とさなきゃダメなのよ」とか言いながら……。

AKI それ、やりすぎですよ。

哲雄 だよね。この父娘の入浴でも、母息子の入浴でも、共通して見られるのは、陰部を洗ってあげるという行為なんだ。だけどね、これって、子どもがたとえば、乳幼児ぐらいで、自分では洗えない年頃であれば、だれでもやってあげることでしょう。だから、線引きがものすごくむずかしい。

AKI そうよねぇ。何歳までやってもいいけど、それから先はやってはいけません――なんて決まりがあるわけじゃないもんね。

哲雄 それにね、一緒に入浴して体を洗ってあげるという行為が、たとえ常軌を逸しているとしても、それを「虐待」とまで呼ぶのは、いささか違和感がある。で、こういう種類の行為、つまり、性的な意味を含んだ親から子への接触は、人によって「かわいがり」と呼んだり、「お気に入り」と呼んだりしてるんだけど、どうもピンとこない。私は、これらはひとくくりにして、「親子セクハラ」でいいんじゃないかと思うんだよね。

AKI では、定義していただきましょう。「性的虐待」と哲ジイの言う「親子セクハラ」の違いは、どこにあるんでしょうか?

哲雄 脅迫と暴力が介在するかどうかだと思います。特に、父と娘の場合には、この脅迫や暴力を伴うケースが非常に多くて、それゆえに、見るに見かねた周囲が、児童相談所に通報したりして、事が発覚するケースが多いんだけど、これはこれで複雑な問題があって、ひと口には語れないので、次回に回すことにしましょう。で、今回は、そうじゃないほう、「親子セクハラ」に絞って話をしましょう。

AKI ね、哲ジイが「親子セクハラ」だと思うことには、他にどんなことがあるの?

哲雄 一緒の布団で寝る……なんてのもあるね。

AKI それ、ふつうにやるでしょ?

哲雄 ある年齢まではね。でも、小学校高学年にもなってまで一緒に寝る、寝るように仕向けるというのは、やはり、おかしい。たとえば、これを、亭主が長期の出張に出て寂しいからと、「きょうから、お母さんと一緒に寝ようか?」なんて言い出す母親がいるとする。

AKI あ、それ、いるかもしれない。

哲雄 たとえ、ベッドの中で何も起こらなかったとしても、年頃の子どもにとっては、相手は、成熟した女の匂いを漂わせる女性です。何がしかの性的親密感が発生することは、十分に予想できる。ところがそこへ、父親が帰ってくる。「お父さんが帰ってきたから、きょうから、自分のベッドで寝なさい」と、今度は、母親のベッドから追い出されてしまう。子どもの心に何が起こるか?

AKI 父親を憎むかも……。もしかしたら、「あいつさえいなければ」なんて思い始めるかもしれないですね。

哲雄 ま、そういう感情は、きわめてキケンなので、ふつうは無意識の世界に閉じ込めてしまう(抑圧)んだけど、それをうまく処理できなくて、爆発させてしまうことだってあるかもしれない。実際、一家惨殺なんて大々的に報じられた事件の背後に、母子間の性的な関係があった――と指摘されている事件もあるんだよね。

【参考】この「抑圧」の問題については、以下の記事で詳しく解説していますので、ご参照ぐたさい。
第53夜『父を殺し、母と結ばれたいという潜在願望』
第58夜『拒否された欲望は、どこへ消えるのか?』

AKI ちょっと……怖い話ですね。あ、私には、そんな感情ないですよ。確かにファザコンではあるけれど、だからと言って、母を憎むとか、そんな感情はまったくないですから……。

哲雄 ハイ、よくわかってますよ。ま、私は、いつでもキミの父親代わりになる覚悟はできてますから……。

AKI 要らないですッ、そういう覚悟は。鉛の缶に詰めて、地中深く埋めちゃってください。

哲雄 いま、埋めました。

AKI 早ッ! でもね、哲ジイ、いまの話のお母さんって、やっぱり、息子を利用してることになりませんか? ダンナの不在という寂しさを埋めるために……。

哲雄 そのとおり。自分では意識してなくても、子どもを夫の代用品、妻の代用品として利用するケースって、けっこう多いんじゃないかと、私は想像してます。

AKI ハハァ、哲ジイも利用されたことがあるんですね?

哲雄 いや、母親と一緒に寝たとかおフロに入ったとか、そんなことはないですよ。ただね、これは、世のお母さんたちがよくやることだと思うんだけど、しょっちゅう、父親についてのグチをこぼされた。

AKI エーッ!? それも代用品にされたってことになるの?

哲雄 心理的には、そうだと思う。「あんたたちがいたから、お母さん、お父さんと別れなかったんだよ」てなことを言われてみなさいよ。子どもはどんな気分になるか?

AKI よし、ボクがガンバって、お母さんを幸せにしてあげる――と、健気にも思ったんだ、哲雄少年は?

哲雄 そう思っちゃう子もいるだろうね。残念ながら、少年Tは、そこまでウブじゃございませんでしたが……。

AKI じゃ、どう思ったの?

哲雄 子どもの前で、そんなこと言うなよ。結婚に夢も希望もなくなるじゃないか……とね、確か、そんなことを思ったような気がします。

AKI ワッ、かわいくな~い。

哲雄 すんません、けっこうひねてたもんで。でもね、私は、これだけは言っておきたいのだ。

AKI ハイハイ、何でしょ?

哲雄 子どもを「代用夫」や「代用妻」にしてはいけません。

それは、子どもの人格にけっして軽くはない傷を負わせることになってしまうからです。

AKI お父さんたちも、同じようなことをするのかなぁ?

哲雄 よくいるじゃないですか? 「わたし、大きくなったら、お父さんのおヨメさんになるの」と、娘に言わせて喜ぶお父さん。たまたま言われてうれしい――なんていうのならいいんだけど、「○○ちゃんは、パパのおヨメさんになるんだもんな」と、自分から言わせるように仕向けたり、カミさんの代わりに娘をデートに連れ回して喜んでるバカっパパ。

AKI 私は、かわいいと思うけどなぁ。

哲雄 あのネ、そういうことをしてると、いつの間にか娘の中には、「私はお父さんの奥さん代わり」という役割意識が出来上がってしまうんだよ。そして、そういう役割に応えていると、お父さんは自分にやさしくして、何でも買ってくれるんだ――ということに気づく。こういう感情は、やがて、母親への対抗意識を生み出すことになる。それが、キケンな方向へ進まないという保証はどこにもないんだよね。

AKI 一線を越えることもあり得る……と?

哲雄 ま、そんなことにならないように。親子の間の性的な境界線は、厳しすぎるぐらい厳しく、引いてもらいたいものだと思うわけであります。

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