「やさしい言葉」を生む心、「きつい言葉」を生む心

同じことを言うのに言葉がきつく感じられる人と、
やさしく感じられる人がいます。違いを生み出すのは、
その人の心のありよう。人との差を重視するか、同質性を
重視するか――の違いです。
愛が生まれる日本語・殺す日本語 レッスン4-16
同じことを言っているのに、「やさしく聞こえる言い方」と「きつく感じられる言い方」があります。
自分に対して、「やさしい言葉」を投げかけてくる人間と「きつい言葉」をぶつけてくる人間がいたら、ごく一部の例外を除いて、人は、「やさしい言葉」の人間を「好き」になります。
「やさしい」と「きつい」を分けるのは、声のトーンだったり、イントネーションの強さだったりもしますが、もっとも重要なのは、「言葉」そのものでしょう。
例1 ミスばかり犯す部下を「この役立たず」とののしるか、「もう一度、勉強し直せ!」と叱咤するか?
例2 太ってきた……と感じる妻を「ブタ」となじるか、「最近、少し食べ過ぎなんじゃないの?」と諭すか?
例3 相手の考え方を否定するのに、「全然、違うよ。常識じゃないか」と頭ごなしに否定するか、「オレは違うと思うけど」とやんわり批判するか?
ここに挙げた文例では、前段が「きつい言い方」、後段が「やさしい言い方」なのですが、「きつい」と感じられる言い方では、使う言葉がすべて「攻撃的」であるのに対して、「やさしい」と感じられる言い方には、「攻撃的」な言葉は含まれていません。
同じことを言われているのに、「カチン」と頭に来たり、「じんわり」と心に沁みたり――という違いが生まれるのは、選んだ言葉に「攻撃性」が含まれているかどうかによる、と言っていいかと思います。
筆者は、こう思っています。
人があることを他人に伝えるのに、「きつい攻撃的な言葉」を使うか、「やさしい融和的な言葉」を使うかは、その人間の心のありよう次第である――と。
その「心のありよう」とは?
常に「きつい言葉」を使いたがる人間の心のありよう
なぜ、言葉がきつくなるのか?
それは、心の中に「相手を屈服させたい」という思いが潜んでいるからだ――と、筆者は思っています。
「屈服させたい」と思うのは、相手より「優位に立ちたい」と思うから、もっと言うなら、自分のほうが「序列上位」に位置したいと思うからです。
こういう意識が働くのは、もともと「競争意識」が強い人です。
ふだんから、このタイプの人間が口にする言葉の中には、「序列」や「順位」を感じさせる言葉が、頻繁に登場します。
オレ(私)が、何年、この仕事をやってると思うんだ(思うの)!
新人のくせに生意気な……。
A社の案件も、B社の案件も、みんな、オレがまとめてやったんだぜ。
エッ、キミ、F大なの? 何期? なんだよ、後輩じゃないか!
子どもも生んでない人が、ナニ、エラそうなこと言ってるの?
あなた、先輩に向かって、そんな口、きくの?
こういう言葉を発しては、相手を「力ワザ」でねじ伏せ、自分を優位に立たせようとするわけです。目的は「相手をねじ伏せること」ですから、その言葉は、いきおい、きつく、攻撃的なものになります。
「それは××だよ」と教えればすむことを、「××も知らないの? いったい、学校で何を勉強してたんだよ。まったく、いい学校出てても、これだからな」などと余計な言葉を付け加えて、相手のプライドをズタズタに引き裂き、その地位を貶めようとするわけです。
自分に対して、「やさしい言葉」を投げかけてくる人間と「きつい言葉」をぶつけてくる人間がいたら、ごく一部の例外を除いて、人は、「やさしい言葉」の人間を「好き」になります。
「やさしい」と「きつい」を分けるのは、声のトーンだったり、イントネーションの強さだったりもしますが、もっとも重要なのは、「言葉」そのものでしょう。
例1 ミスばかり犯す部下を「この役立たず」とののしるか、「もう一度、勉強し直せ!」と叱咤するか?
例2 太ってきた……と感じる妻を「ブタ」となじるか、「最近、少し食べ過ぎなんじゃないの?」と諭すか?
例3 相手の考え方を否定するのに、「全然、違うよ。常識じゃないか」と頭ごなしに否定するか、「オレは違うと思うけど」とやんわり批判するか?
ここに挙げた文例では、前段が「きつい言い方」、後段が「やさしい言い方」なのですが、「きつい」と感じられる言い方では、使う言葉がすべて「攻撃的」であるのに対して、「やさしい」と感じられる言い方には、「攻撃的」な言葉は含まれていません。
同じことを言われているのに、「カチン」と頭に来たり、「じんわり」と心に沁みたり――という違いが生まれるのは、選んだ言葉に「攻撃性」が含まれているかどうかによる、と言っていいかと思います。
筆者は、こう思っています。
人があることを他人に伝えるのに、「きつい攻撃的な言葉」を使うか、「やさしい融和的な言葉」を使うかは、その人間の心のありよう次第である――と。
その「心のありよう」とは?

なぜ、言葉がきつくなるのか?
それは、心の中に「相手を屈服させたい」という思いが潜んでいるからだ――と、筆者は思っています。
「屈服させたい」と思うのは、相手より「優位に立ちたい」と思うから、もっと言うなら、自分のほうが「序列上位」に位置したいと思うからです。
こういう意識が働くのは、もともと「競争意識」が強い人です。
ふだんから、このタイプの人間が口にする言葉の中には、「序列」や「順位」を感じさせる言葉が、頻繁に登場します。






こういう言葉を発しては、相手を「力ワザ」でねじ伏せ、自分を優位に立たせようとするわけです。目的は「相手をねじ伏せること」ですから、その言葉は、いきおい、きつく、攻撃的なものになります。
「それは××だよ」と教えればすむことを、「××も知らないの? いったい、学校で何を勉強してたんだよ。まったく、いい学校出てても、これだからな」などと余計な言葉を付け加えて、相手のプライドをズタズタに引き裂き、その地位を貶めようとするわけです。

「競争意識」が言わせる言葉の「攻撃性」は、自分が「優位」に立っていると感じたときよりも、「劣位」に立たされていると感じたときのほうが、激しくなる傾向があります。
明らかに自分のほうが「優位」に立っている――と感じられるときには、心にもゆとりがありますから、そんなに「攻撃的」な言葉を浴びせかける必要がないのですが、その「優位性」が危うい位置にある、あるいは、脅かされている――と感じると、とたんに、その言葉は「暴力的」になります。
「今度、入ってきた新人は、T大卒らしいよ。頭がいいんだって」なんて言葉を聞いて、自分の地位が脅かせていると感じると、このタイプの人間は、「T大? フン!」という態度を見せ始めます。「T大まで出てて、こんなこともわからないのか!」などと、露骨に言葉攻めを始めたりもします。
女性の場合だと、「今度、入ってきた○ちゃんってかわいいよね」という周囲の男性の声に、「脅威」を感じ始めることもあるかもしれません。自分の「クイーン」としての座が危ういと感じると、「かわいい顔して、やってることはえげつない」などと、ネガティブ・キャンペーンを繰り広げたりもします。
こうした「攻撃性」は、一種の「自己防御」行動とも言えるのですが、それがMAXとして現れるのは、裏に「劣等感」や「コンプレックス」が潜んでいる場合です。
「自分は大した学校を出てない」「容貌に自信がない」「腕力に自信がない」……などの「劣等感」を抱えていて、眼前に現れた脅威がその「劣等感」を刺激するような存在だったりすると、このタイプの「攻撃性」には火が点きます。
「自分の学歴を鼻にかけやがって」とか「ちょっと顔がいいからって」などと、聞くに堪えないような言葉を投げつけることもあります。
こういう人のそばには、あまり近づきたくない――と、筆者だったら思います。

その反対は、どうでしょう?
言葉がやさしくなるのは、その心の中に「あなたと親しくなりたい」という気持ちが潜んでいるから――と考えられます。
「親しくなろう」とする性質、その程度を「親和性」と言います。
ひとが自分以外のある人間と「親和性」を高めようとするときに、目を留めるのは、どんなところでしょう。
「競争意識」が強く働いているときには、ひとは相手との「差異」に注目し、それを強調しようとしますが、「親和性」を高めたいと思うときに注目するのは、「同質性」や「共通性」です。
たとえば、だれかが仕事でミスを犯して落ち込んでいるとしましょうか?
「親和性」を高めようとするタイプは、こんな言葉で、「私もあなたと同じ」を伝えようとします。


相手との「心理的距離」を縮めたい――という気持ちが、こういう言葉を選ばせるのだろうと思います。こういう気持ちが強い人たちは、ふだんから、「オレも」「私も」と、「共通信号」を発信し続けます。




こうして「共通性」を確認することで、「心理的距離」を縮める。
これが、まず、このタイプが他人に対してとる基本的なスタンスです。
しかし、これだけでは、「私はあなたと同じ側の人間」ということを示したにすぎません。 「やさしい言葉」は、その「同じ側」から発せられる「ある精神的態度」によって導き出されます。

「共通性」を確認した人間がその相手に対してとる「精神的態度」とは、「同調」です。
「私もあなたと同じ」と言うだけでなく、相手の気分や心情に、「そうだよね」「わかる、その気持ち」とシンクロする、ということです。
「同調」には、「あなたの言おうとしていることはよくわかるし、自分もまったくそのとおりだと思う」と同調する《論理的同調》もあるのですが、こちらは、どちらかと言うと、「徒党」を組んだり、「同志的結合」を固めるときに有効な「同調」。その目的は、「信頼の構築」とか「結合の強化」ですから、そこから「やさしい言葉」が紡ぎ出されるということは、あまり期待ができません。
「同調」には、もうひとつ、「あなたの気持ちはよくわかる」と同調する《心情的同調》というのがあります。同調するのは、相手の「感情」や「気分」や「心情」です。




こうして「同調」した気持ちから発せられる言葉は、相手の胸にやさしく響きます。
すべての「やさしい言い方」は、ここからスタート。今回は、まず、このことを頭に入れてくだされば――と思います。
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