住めば都…とはならない、タワマンの現実

都心部に乱立するタワーマンション。しかし、そのタワマン、住んでみたはいいが退室する――という人たちが、続出しています。理由のひとつは、後からかかってくる高額な修繕積立金――。
Talker
シランケン・重松シュタイン 自ら著作を手がけるエッセイスト&作家。当ブログの管理人です。旧ペンネーム/長住哲雄。
AKI エステ嬢として働きながら作家を目指すアラサーの美女。
AKI セレブ気分を味わおう――と住んでみたら、話が違った。そんな話がボロボロ出て来た。前回は、そんな話をしたんですよね。話が違うとは、どこがどう違ったのか? 今回は、そこらへんをじっくり聞かせていただきたいのですが……。
シランケン ハイハイ、そうでしたね。実はね、AKIクン、タワマンって入居したはいいけど、もう住んでられない――と退室する人が、引きも切らない。なぜか? それにはね、いくつか理由があるんだけど、まず、大きいのが、経済的理由。
AKI エッ、経済的? ローンが払えなくなった……とか?
シランケン 経済情勢の変化で、ローンが払い続けられなくなって……という人も、なくはない。しかし、それより大きいのが、後からかかってくる費用。たとえば、「修繕積立金」。
AKI それ、入居のときに決まってるんじゃないんですか?
シランケン 決まってるのは、「修繕積立金」がかかってきますよ――ってことだけ。たいてい、最初は、低く抑えられています。そうしないと売れないからなんですが、実際に住み始めると、それでは費用が足りないことがわかって、後から値上げされます。これがバカにならない。特にタワーマンションの場合は、その値上げ幅が大きい。そりゃそうでしょう。あのデカくて高いビルのすべての共用部分を修繕するとなると、気が遠くなるような費用がかかりますからね。
AKI それって、管理組合とかに諮らないんですか?
シランケン 諮りますよ。諮りはするけれど、「第二次大規模修繕について」なんていう議案が提出されても、組合員の中にその数字を読める人間がいない。その数字が高いのかどうかを判断できる人間もいない。せいぜい、「複数社から見積もりを取ったのか?」「相見積もりも取ってないのか?」と追及するウルサ型がいる程度。私も、管理組合の総会でそういう発言をしたことがありましたが、管理会社である大手不動産会社などは、たいていの場合、傘下の施工会社などとグループを組んでいますから、そこを崩せ――というのは、容易ではない。
AKI 結局、管理会社の言いなりに、値上げを受け入れざるを得なくなるわけですね?
シランケン です。ところが、その値上げ率がハンパじゃない。入居者の中には、ムリムリ、ローンを組んで、やっとこさ、憧れのタワマンを手に入れたという人も、少なくないはずですが、そういう人たちは、最大2倍近くにハネ上がった「修繕積立金」に「エーッ」と目をひん剥いたでしょうね。そして、起こったことは何か?
AKI 払えなくなった――ですか?
シランケン ハイ、払えなくなっちゃったんです。その結果、滞納者が続出した。
AKI 滞納するとどうなるんです?
シランケン その部屋を売って出ていくしかありません。つまり、中古物件として売りに出されるわけですが、前居住者が残した「修繕積立金」の滞納分は、次に居住する入居者が支払うことになります。これを知らないで入居すると、新しい入居者もまた、積立金に苦しめられることになるんですね。
AKI まぁ、大変! 部屋が高く売れて、儲かっていれば別でしょうけど……。
シランケン あり得ないね、それは。人口減少が進行する日本社会で、マンションを売って儲けるなんてことは、この先も、期待できません。上層階のよっぽど特殊な眺望が期待できる物件が、ウワサになって……てなことでもあれば別ですが、それは、稀有。その眺望も、三日も眺めれば飽きてしまう。飽きてしまうだけじゃありません。上層階であればあるほど大変だ――って思うことがいろいろ出てきます。
シランケン ハイハイ、そうでしたね。実はね、AKIクン、タワマンって入居したはいいけど、もう住んでられない――と退室する人が、引きも切らない。なぜか? それにはね、いくつか理由があるんだけど、まず、大きいのが、経済的理由。
AKI エッ、経済的? ローンが払えなくなった……とか?
シランケン 経済情勢の変化で、ローンが払い続けられなくなって……という人も、なくはない。しかし、それより大きいのが、後からかかってくる費用。たとえば、「修繕積立金」。
AKI それ、入居のときに決まってるんじゃないんですか?
シランケン 決まってるのは、「修繕積立金」がかかってきますよ――ってことだけ。たいてい、最初は、低く抑えられています。そうしないと売れないからなんですが、実際に住み始めると、それでは費用が足りないことがわかって、後から値上げされます。これがバカにならない。特にタワーマンションの場合は、その値上げ幅が大きい。そりゃそうでしょう。あのデカくて高いビルのすべての共用部分を修繕するとなると、気が遠くなるような費用がかかりますからね。
AKI それって、管理組合とかに諮らないんですか?
シランケン 諮りますよ。諮りはするけれど、「第二次大規模修繕について」なんていう議案が提出されても、組合員の中にその数字を読める人間がいない。その数字が高いのかどうかを判断できる人間もいない。せいぜい、「複数社から見積もりを取ったのか?」「相見積もりも取ってないのか?」と追及するウルサ型がいる程度。私も、管理組合の総会でそういう発言をしたことがありましたが、管理会社である大手不動産会社などは、たいていの場合、傘下の施工会社などとグループを組んでいますから、そこを崩せ――というのは、容易ではない。
AKI 結局、管理会社の言いなりに、値上げを受け入れざるを得なくなるわけですね?
シランケン です。ところが、その値上げ率がハンパじゃない。入居者の中には、ムリムリ、ローンを組んで、やっとこさ、憧れのタワマンを手に入れたという人も、少なくないはずですが、そういう人たちは、最大2倍近くにハネ上がった「修繕積立金」に「エーッ」と目をひん剥いたでしょうね。そして、起こったことは何か?
AKI 払えなくなった――ですか?
シランケン ハイ、払えなくなっちゃったんです。その結果、滞納者が続出した。
AKI 滞納するとどうなるんです?
シランケン その部屋を売って出ていくしかありません。つまり、中古物件として売りに出されるわけですが、前居住者が残した「修繕積立金」の滞納分は、次に居住する入居者が支払うことになります。これを知らないで入居すると、新しい入居者もまた、積立金に苦しめられることになるんですね。
AKI まぁ、大変! 部屋が高く売れて、儲かっていれば別でしょうけど……。
シランケン あり得ないね、それは。人口減少が進行する日本社会で、マンションを売って儲けるなんてことは、この先も、期待できません。上層階のよっぽど特殊な眺望が期待できる物件が、ウワサになって……てなことでもあれば別ですが、それは、稀有。その眺望も、三日も眺めれば飽きてしまう。飽きてしまうだけじゃありません。上層階であればあるほど大変だ――って思うことがいろいろ出てきます。
AKI たとえば、どんなこと?
シランケン まず、風が強いです。当然、ベランダに洗濯物を干すなんてことができない。というか、外観上の理由もあって、洗濯物をベランダで干すことを禁じているマンションのほうが多い。さらに、そもそも、ベランダそのものが付いてないというマンションもある。
AKI 超高層のベランダで、夜景を眺めながらワインを傾ける――なんてことができないわけですね、そういうマンションでは?
シランケン オヤ、そんな生活を夢見てるんですか、AKIクンは? しかし、それはまずムリですなぁ。あのね、タワマンでは、ベランダに物を置くことは、原則、禁じられてます。特に高層階では。たぶん、プランターとか植木鉢もダメなんじゃないかな。理由は、わかりますよね?
AKI 外観の問題……? エッ、違うの?
シランケン 違いますッ! 安全上の理由です。万が一、それらの物が強風に飛ばされて落下したりしたら、大きな事故を起こしかねない。その危険を防ぐために、たいていの高層マンションでは、ベランダへの物置きを禁止しているんですよ。
AKI 知らないで住むと、あら、勝手が違う――ってなっちゃうわけですね?
シランケン 他にも、勝手が違う――と感じることはあるようですよ。たとえば、郵便物とか宅配の荷物。たいていの場合、郵便の集合ポストも、宅配ボックスも、1階の共用部に設置されていると思うのですが、上層階に住むほど、何か届く度に、これをエレベーターに乗って取りに行かなくちゃならない。エレベーターだけで20~30秒はかかる。これがけっこう大変。
AKI あっ、そう言えば、ゴミ出しも大変ですよね。ゴミ袋を抱えて、エレベーターに乗って、1階のゴミ置き場まで往復しなくちゃならない。これも、上層階ほど大変ですよね?
シランケン 見栄で選んだ上層階に潜む悲劇。上を、上を――と望む上層指向(?)の強い人には、そうした現実も知っておいていただきたいものです。
AKI ファーイ、小さな胸に染みます。
シランケン まず、風が強いです。当然、ベランダに洗濯物を干すなんてことができない。というか、外観上の理由もあって、洗濯物をベランダで干すことを禁じているマンションのほうが多い。さらに、そもそも、ベランダそのものが付いてないというマンションもある。
AKI 超高層のベランダで、夜景を眺めながらワインを傾ける――なんてことができないわけですね、そういうマンションでは?
シランケン オヤ、そんな生活を夢見てるんですか、AKIクンは? しかし、それはまずムリですなぁ。あのね、タワマンでは、ベランダに物を置くことは、原則、禁じられてます。特に高層階では。たぶん、プランターとか植木鉢もダメなんじゃないかな。理由は、わかりますよね?
AKI 外観の問題……? エッ、違うの?
シランケン 違いますッ! 安全上の理由です。万が一、それらの物が強風に飛ばされて落下したりしたら、大きな事故を起こしかねない。その危険を防ぐために、たいていの高層マンションでは、ベランダへの物置きを禁止しているんですよ。
AKI 知らないで住むと、あら、勝手が違う――ってなっちゃうわけですね?
シランケン 他にも、勝手が違う――と感じることはあるようですよ。たとえば、郵便物とか宅配の荷物。たいていの場合、郵便の集合ポストも、宅配ボックスも、1階の共用部に設置されていると思うのですが、上層階に住むほど、何か届く度に、これをエレベーターに乗って取りに行かなくちゃならない。エレベーターだけで20~30秒はかかる。これがけっこう大変。
AKI あっ、そう言えば、ゴミ出しも大変ですよね。ゴミ袋を抱えて、エレベーターに乗って、1階のゴミ置き場まで往復しなくちゃならない。これも、上層階ほど大変ですよね?
シランケン 見栄で選んだ上層階に潜む悲劇。上を、上を――と望む上層指向(?)の強い人には、そうした現実も知っておいていただきたいものです。
AKI ファーイ、小さな胸に染みます。
筆者の最新刊官能小説です!
盆になると、男たちがクジで「かか」を交換し合う。
明治半ばまで、一部の地域で実際に行われていた
「盆かか」と呼ばれる風習。本作品は、その風習を
題材に描いた官能フィクションです。
与一の新婚の妻・妙も、今年は、クジの対象になる。
クジを引き当てたのは、村いちばんの乱暴者・権太。
権太との三日間を終えた妙は、その夜から、
様子が変わった。その変化に戸惑う与一は、
ある日、その秘密を知った??。
筆者初の官能作品、どうぞお愉しみください。
2020年9月発売 定価:200円 発行/虹BOOKS
⇒Kindle でお読みになる方は、ここをクリック。
⇒BOOK☆WALKER からお読みになる方は、ここをクリック。
既刊本もどうぞよろしく 写真をクリックしてください。






明治半ばまで、一部の地域で実際に行われていた
「盆かか」と呼ばれる風習。本作品は、その風習を
題材に描いた官能フィクションです。
与一の新婚の妻・妙も、今年は、クジの対象になる。
クジを引き当てたのは、村いちばんの乱暴者・権太。
権太との三日間を終えた妙は、その夜から、
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ある日、その秘密を知った??。
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管理人は常に、下記3つの要素を満たせるように、脳みそに汗をかきながら、記事をしたためています。
あなたの押してくださったポイントを見ては、喜んだり、反省したりの日々です。
どうぞ、正直な、しかしちょっぴり愛情のこもった感想ポチをお送りください。よろしくお願いいたします。



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