写真をたくさん撮ったカップルほど、別れにくい?

法則90 写真をたくさん撮ったカップルほど、別れにくい
「記憶」がたくさん残っているほど、交際は
長続きし、別れにくくなる。その記憶保持を
強化するのが「写真」という記憶媒体です。
どこかの大学の研究室が調べたわけではありません。
調べて、研究発表すれば、イグノーベル賞ぐらいは取れるかもしれない――と思うのですが、残念ながら、そういうデータは見つけることができませんでした。
なので、これは、不肖・重松が、長い間の悲喜こもごもの恋愛体験を経て悟るに至った経験則にすぎません。しかし、この経験則には、かなりの確信があります。
ひと言で言うと、その経験則とは――
ふたりの写真を数多く残しているカップルほど、
その交際は長続きし、
別れる率が低くなる。
です。
当たり前じゃないか――と思う人も多いかと思います。写真がたくさん残っているということは、それだけ仲がよかったのだろうし、仲がよければ、交際が長く続くのも当然だろう、というわけです。
それも一理。しかし、その逆もある。
つまり、写真をたくさん撮ったから仲よくなった――ということも、言えるのではないかと、私は思うのです。

「別れ」をためらわせた「思い出」の「量」
その男、Wは、10年間連れ添ったY恵さんとの生活ですれ違いが多くなり、「別れようか?」と考え始めていました。Y恵さんのほうも、「私たち、別々のレールを歩いてるみたいね」と、一緒にいることの意義を見失いつつある様子です。
そんなある日、W氏は何気なく、アルバムをめくっていました。そこには、それまでY恵さんと過ごした日々を切り取ったかのようなショットが、時系列で並んでいました。めくっているうちに、W氏は、まるでふたりのスライドショーを見ているような気分になりました。
あれ、こいつ、なんでこんなに笑ってんだろ? あ、そうか。あのとき、シャッターを押そうとしたオレの頭にトンボが止まってたんだ。
そうそう。ここ、ふたりで初めて泊まった宿。Y恵、徳利一本で「私、酔っちゃった」なんて、うっとりともたれかかってきたよなぁ。かわいかったなぁ、あのときのY恵。
ああ、この店で、彼女の25歳の誕生日を祝ったんだよな。あのとき、Y恵のやつ、言ったんだよな。30歳の誕生日も、40歳の誕生日も、こうして一緒に祝ってもらえるとうれしいな――なんてよ。それが、どうして、こんなことになっちまったんだか……。
思い出しているうちに、目の奥に熱いものがこみ上げてきます。
この「歴史」を捨ててしまうのか?
そんな思いが胸の奥から湧いてきて、W氏は、もう一度、Y恵さんとよく話し合ってみようと決意。結局、ふたりは、「別れ」という決断をせずにすんだのだそうです。
調べて、研究発表すれば、イグノーベル賞ぐらいは取れるかもしれない――と思うのですが、残念ながら、そういうデータは見つけることができませんでした。
なので、これは、不肖・重松が、長い間の悲喜こもごもの恋愛体験を経て悟るに至った経験則にすぎません。しかし、この経験則には、かなりの確信があります。
ひと言で言うと、その経験則とは――
ふたりの写真を数多く残しているカップルほど、
その交際は長続きし、
別れる率が低くなる。
です。
当たり前じゃないか――と思う人も多いかと思います。写真がたくさん残っているということは、それだけ仲がよかったのだろうし、仲がよければ、交際が長く続くのも当然だろう、というわけです。
それも一理。しかし、その逆もある。
つまり、写真をたくさん撮ったから仲よくなった――ということも、言えるのではないかと、私は思うのです。

「別れ」をためらわせた「思い出」の「量」
その男、Wは、10年間連れ添ったY恵さんとの生活ですれ違いが多くなり、「別れようか?」と考え始めていました。Y恵さんのほうも、「私たち、別々のレールを歩いてるみたいね」と、一緒にいることの意義を見失いつつある様子です。
そんなある日、W氏は何気なく、アルバムをめくっていました。そこには、それまでY恵さんと過ごした日々を切り取ったかのようなショットが、時系列で並んでいました。めくっているうちに、W氏は、まるでふたりのスライドショーを見ているような気分になりました。



思い出しているうちに、目の奥に熱いものがこみ上げてきます。
この「歴史」を捨ててしまうのか?
そんな思いが胸の奥から湧いてきて、W氏は、もう一度、Y恵さんとよく話し合ってみようと決意。結局、ふたりは、「別れ」という決断をせずにすんだのだそうです。

もっとも強い記憶=「エピソード記憶」
写真という形で残された「思い出」の「量」が、ふたりの絆を「強化」する場合がある、または、崩壊しようとする関係を「補強」する場合がある。
W氏のケースは、それを物語っているように見えます。
ちなみに、あまり彼女の写真を撮らなかった不肖・重松の場合、思い出そうにも写真一枚残っていないという彼女が何人かいて、そういう彼女たちとは、交際が1年ももたなかった記憶があります。唯一、写真を撮りまくった彼女とは、8年間、交際が続きましたが、もっとうまく写真を撮る男が現れて、彼女はその男の許へ去って行ってしまいました。その男、カメラマンでした。
ズルイよ、それ!――ですよね。
さて、「ふたりの写真」が残っているほうが、その関係は長続きする、という話ですが、実はこれは、脳の記憶のしくみの話でもあります。
脳の記憶には、数分から数時間で消えてしまう「短期記憶」と、数カ月から数年、場合によっては何十年も保存される「長期記憶」があります。
「短期記憶」は「その場限りの記憶」ですから、この際、度外視することにしましょう。
人間関係を考えるときに大事なのは、「長期記憶」のほうでしょう。これもさらにいくつかに分けられます。ざっと分類してみましょう。
手続き記憶 ……体の動かし方や習慣化した動作など、無意識のうちに取り出される記憶。
条件反射 ……ある刺激に対して、反射的に起こす行動の記憶。
プライミング記憶 ……「ニワトリ」と言えば「タマゴ」というふうに無意識のうちに取り出される記憶の連関。
技能記憶 ……包丁の使い方、ひもの結び方のように体に染みついた技能や習慣的な行動についての記憶。
陳述記憶 ……知識や思い出、考え方のように、意識的に取り出して使う記憶。
意味記憶 ……「1+1=2」のような一般的な知識や事実についての記憶。
エピソード記憶 ……個人的な出来事や体験、ストーリーに関する記憶。特に、恐怖や屈辱と結びついた出来事の記憶は、脳の奥深くに記憶されて、類似の出来事に出遭う度に取り出されます。逆に、うれしかった出来事も強く記憶されて、その人の人生観や生き方に大きな影響を与えます。
条件反射 ……ある刺激に対して、反射的に起こす行動の記憶。
プライミング記憶 ……「ニワトリ」と言えば「タマゴ」というふうに無意識のうちに取り出される記憶の連関。
技能記憶 ……包丁の使い方、ひもの結び方のように体に染みついた技能や習慣的な行動についての記憶。
陳述記憶 ……知識や思い出、考え方のように、意識的に取り出して使う記憶。
意味記憶 ……「1+1=2」のような一般的な知識や事実についての記憶。
エピソード記憶 ……個人的な出来事や体験、ストーリーに関する記憶。特に、恐怖や屈辱と結びついた出来事の記憶は、脳の奥深くに記憶されて、類似の出来事に出遭う度に取り出されます。逆に、うれしかった出来事も強く記憶されて、その人の人生観や生き方に大きな影響を与えます。

「写真」は「エピソード記憶」を補強する
もうおわかりかと思いますが、上記の記憶のうち、男女の愛をはじめとする人間関係に大きく関与するのは、最後に出てきた「エピソード記憶」です。
わたくし・重松は、こう確信しています。
「エピソード」として思い出すような、ストーリーを伴う出来事が、脳の中に保存されているほど、人は、その人のことを長く記憶に留めることができる。
それが、「恐怖」や「屈辱」という感情を伴って記憶された出来事であれば、「憎悪」や「忌避」の対象として。
「うれしい」「気持ちよかった」「しあわせだった」などの感情を伴って記憶された出来事であれば、「愛」の対象として。
ただし――です。
「エピソード記憶」は、長期記憶の中でも、もっとも長期保存の効く記憶ですが、それでも、「永久に」というわけではありません。よほど強い感情と結びついて記憶されたものでない限り、数年、あるいは数十年……と時が経つにつれて、その記憶はあいまいなものになっていきます。
忘却を防ぐためには、ときどき、その記憶を思い出して、「上書き保存」しておく必要があります。その作業は、脳内でも行えます。「夢」を見るというのも、その作業の一種と考えられています。
しかし、それでも、「リピート」されない記憶は、あいまいになっていきます。そんなときに、記憶を補強するのに役立つのが、「補助記憶媒体」です。「写真」も、そのひとつです。
ある人間について、「よい感情と結びついた記憶」が多く保存されている――ということは、その人間を「好き」と思う感情も長く保存されるということです。
「写真」という「補助記憶媒体」は、こうして、大事な人間との「エピソード記憶」を補強し、その人との関係を長期間、良好に保つのに役立つ。
したがって、写真を多く残しているカップルほど、別れにくい。
本日は、そんな話をご紹介しました。
みなさん、忘れたくない人の写真は、たくさん撮っておいたほうがいいですよ――という話でした。
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明治半ばまで、一部の地域で実際に行われていた
「盆かか」と呼ばれる風習。本作品は、その風習を
題材に描いた官能フィクションです。
与一の新婚の妻・妙も、今年は、クジの対象になる。
クジを引き当てたのは、村いちばんの乱暴者・権太。
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