「お返し」は「受けた好意」の「量的価値」を超えてはいけない

法則86 「受けた好意」を「倍返し」してはいけない
たとえば何かごちそうしてもらった。「お返しに」と
「今度は私が」とやる。そのとき、エビにタイを
お返しするようなマネをしてはいけない、という話。
たとえば、あなたがだれかにごちそうになったとしましょうか。
ああ、おいしかった! でも、散財させちゃったなぁ。
感動したあなたは、「何か、お礼しなくちゃ……」と考えます。
その日のうちに、「じゃ、お礼に、お茶は私が……」でもいい。というか、これがもっともスマート! なのですが、中には、そんなもんじゃすまないとばかり、「今度は、私が何かごちそうしますね」と、後日、席を設けて「ごちそう返し」しようとする人もいます。
問題は、この「お返し」です。

「豪華すぎるお返し」は、相手の心象を害する
かつて、私がごちそうした女性から、こんな「お返し」が返ってきたことがありました。
その女性は、筆者がときどき執筆をお願いしていた占い師で、それなりに美人と評判の人でもありました。ま、多少の下心もあり、「一度、食事でも」とお誘いして、「ぼんじり(鶏のお尻の肉です)」が美味いと評判の鶏料理の店にお誘いしたわけです。鶏料理と言っても、ま、ちょっとおしゃれな焼き鳥屋程度のもの。勘定も、ひとり3000円でおツリが来るぐらいの、そこそこ庶民的な店でありました。
「ごちそうさまでした。変わった味で、とてもおいしかったわ」と、どうやら喜んでくれたらしい彼女から、後日、オフィスに電話がかかってきました。
「この前は、ごちそうになりました。お礼に、今度は、私がごちそうさせていただきたいのですが……」と言うのです。
それはまた、ごていねいに――と、ありがたくご招待に応じることにしたのですが、招待された店というのが、なんと、超有名なふぐ料理店。予約3カ月待ちという人気店で、ひとり1万5千円は覚悟しなければならない、という高級店でもありました。
ひとり3000円の「ぼんじり」のお返しが、ひとり1万5000円の「ふぐ」?
これじゃ「お礼のお返し」どころか「自慢返し」。
私のほうがおいしくて、いい店知ってるわよ。
と言われてるようで、何だか「ムッ」としてしまったのを覚えています。

感動したあなたは、「何か、お礼しなくちゃ……」と考えます。
その日のうちに、「じゃ、お礼に、お茶は私が……」でもいい。というか、これがもっともスマート! なのですが、中には、そんなもんじゃすまないとばかり、「今度は、私が何かごちそうしますね」と、後日、席を設けて「ごちそう返し」しようとする人もいます。
問題は、この「お返し」です。

「豪華すぎるお返し」は、相手の心象を害する
かつて、私がごちそうした女性から、こんな「お返し」が返ってきたことがありました。
その女性は、筆者がときどき執筆をお願いしていた占い師で、それなりに美人と評判の人でもありました。ま、多少の下心もあり、「一度、食事でも」とお誘いして、「ぼんじり(鶏のお尻の肉です)」が美味いと評判の鶏料理の店にお誘いしたわけです。鶏料理と言っても、ま、ちょっとおしゃれな焼き鳥屋程度のもの。勘定も、ひとり3000円でおツリが来るぐらいの、そこそこ庶民的な店でありました。
「ごちそうさまでした。変わった味で、とてもおいしかったわ」と、どうやら喜んでくれたらしい彼女から、後日、オフィスに電話がかかってきました。
「この前は、ごちそうになりました。お礼に、今度は、私がごちそうさせていただきたいのですが……」と言うのです。
それはまた、ごていねいに――と、ありがたくご招待に応じることにしたのですが、招待された店というのが、なんと、超有名なふぐ料理店。予約3カ月待ちという人気店で、ひとり1万5千円は覚悟しなければならない、という高級店でもありました。
ひとり3000円の「ぼんじり」のお返しが、ひとり1万5000円の「ふぐ」?
これじゃ「お礼のお返し」どころか「自慢返し」。

と言われてるようで、何だか「ムッ」としてしまったのを覚えています。

「エビ」に「タイ」をお返ししてはいけない
「ぼんじり」に「ふぐ」のお返し――は極端ですが、似たようなことを、私たちはついうっかり、やってしまいます。
ケーキのプレゼントのお返しに、それと同じくらいの、あるいはそれよりもちょっと高いかもしれないケーキをお返ししてしまう。
バラ5本のお返しにランの鉢植えを返してしまう。
引っ越し祝いの観葉植物のお返しに置時計を返してしまう……などなどです。
こういう「お返し」をすると、返されてしまったほうは、どう思うでしょう?
「ぼんじり」に「ふぐ」?
やったぁ、儲かった!――と思うでしょうか?
ま、中には、そう思う人もいるかもしれません。なにしろ日本には、「エビでタイを釣る」なんぞという立派(?)な格言もあるくらいですから。
しかし、この「エビタイ理論」は、彼我の間に明らかな経済的・社会的な力の差があり、しかも、「エビ」を贈る側に「過大な見返り」を期待する下心がある場合にのみ成り立つ理論です。
そんな下心がない場合にはどうか?
「エビ」に対して「タイ」が返ってきたりしたら、たいていの人は、こう思うだろうと思います。



あまりいい感情は持たないだろうと思います。
その理由は、こうです。

「貸し」を作らせてあげるのが、やさしさ
人がだれかに「ごちそう」したり、何かをあげたり、贈ったりするとき、その行為は、本人の脳の中では、「いいこと」として記憶されます。人によっては、その「いいこと」は「貸し」として意識されることもあります。
しかし――です。
もし、ごちそうしたり、何かをあげたり、贈ったりした相手から、「お礼に」と、その「いいこと」のレベルを上回る「いいこと」が返ってきたら、本人の中に記憶されていた「いいこと」はどうなるか? おそらく、影が薄くなり、場合によっては「帳消し」にされてしまうかもしれません。
「貸し」を作った気になっている人なら、せっかくの「貸し」を帳消しにされただけでなく、逆に「借り」を作ることになって、「ムッ」としてしまうことも考えられます。
与えられた以上の「好意」を「お返し」してはいけない――というのは、そういう理由からです。
筆者・重松は、こう考えることにしています。
だれかが自分に何かをしてくれて、「いいこと」をしたという気持ちになっているのだとしたら、その気持ちをできるだけ損なわないように尊重してあげよう。もし、「貸し」を作った気になっているのなら、作らせておいてあげよう。
それがやさしさというものだ――と、私は考えています。
もちろん、これは、男性に対しても女性に対しても、共通して堅持している原則です。
「過剰なお返し」は、この原則を踏みにじってしまうことになります。
参考までに、私が「お返し」に関して自らに戒めている原則は、以下の3点です。
〈1〉オウム返しをしない。つまり、もらったものやしてくれたことを、間髪を入れずに、同じような形で返す――ということをしない(少し間を置く)。
〈2〉「お返し」は、「もらったもの」の価値を超えない範囲で行う。理想的には「2分の1返し」や「3分の1返し」程度にとどめる。
〈3〉「お返し」よりも大事なのは、感謝の気持ち。たとえ「お返し」がムリなときでも、感謝の気持ちは、相手に伝えておく(はがき一枚、メール一通でもいい)。
〈2〉「お返し」は、「もらったもの」の価値を超えない範囲で行う。理想的には「2分の1返し」や「3分の1返し」程度にとどめる。
〈3〉「お返し」よりも大事なのは、感謝の気持ち。たとえ「お返し」がムリなときでも、感謝の気持ちは、相手に伝えておく(はがき一枚、メール一通でもいい)。
もし、あなたが「何かお返しを」と考えることになった場合には、頭の片隅にでもいいので、思い出してくださると光栄です。
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既刊本もどうぞよろしく 写真をクリックしてください。






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管理人は、常に、下記3つの要素を満たすべく、知恵を絞って記事を書いています。
みなさんのポチ反応を見て、喜んだり、反省したり……の日々です。
今後の記事作成の参考としますので、正直な、しかし愛情ある感想ポチを、どうぞよろしくお願いいたします。



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