自伝的創愛記〈27〉 「教師の期待」に応えようとする性質

Vol.27
教師の期待に応える生徒でいる。
中学時代のボクには、
そういう考えが芽生え、
育っていった――。
小学校時代と中学校時代を較べて、いちばん変わったと感じたのは、教師と生徒の距離が近くなったということだった。
中1の初めから学級委員長に選ばれたボクは、特に、教師と言葉を交わす機会が多かった。多くは、学級をどう運営していくか――についての、教師からの依頼や相談だった。
「重松クン、最近、ボクの授業のとき、教室の後ろのほうがザワザワしとるんやけど、何か心当たりないやろか?」
と訊いてくる教師もいた。そうかと思えば、
「なぁ、重松クン。時間があったら、きょうの帰りに寄って、見てきてくれんやろか?」
と、不登校の生徒の家を訪ねてみてくれないかと、打診してくる教師もいた。
エッ、それ、先生の仕事じゃないの――と、思わないでもなかった。
しかし、どこかで、ボクは、こうも思うようになった。
それでもその期待に応えることは、わるいことじゃない。だったら、その期待に応えてやろうじゃないか。
そうしてボクの中には、「教師の期待に応えようとする生徒」という理念型が生まれ、育っていった。
中1の初めから学級委員長に選ばれたボクは、特に、教師と言葉を交わす機会が多かった。多くは、学級をどう運営していくか――についての、教師からの依頼や相談だった。
「重松クン、最近、ボクの授業のとき、教室の後ろのほうがザワザワしとるんやけど、何か心当たりないやろか?」
と訊いてくる教師もいた。そうかと思えば、
「なぁ、重松クン。時間があったら、きょうの帰りに寄って、見てきてくれんやろか?」
と、不登校の生徒の家を訪ねてみてくれないかと、打診してくる教師もいた。
エッ、それ、先生の仕事じゃないの――と、思わないでもなかった。
しかし、どこかで、ボクは、こうも思うようになった。
それでもその期待に応えることは、わるいことじゃない。だったら、その期待に応えてやろうじゃないか。
そうしてボクの中には、「教師の期待に応えようとする生徒」という理念型が生まれ、育っていった。

「教師の期待」は、中1の1学期から2学期、2学期から3学期と進むにつれ、中1から中2へと進級するにつれ、エスカレートしていった。
最初は、学級運営などに関する期待だったが、それが、市内のコンクールなどへの参加やそこでの受賞へと変わっていった。
市内中学校の作文コンクール、弁論大会……そうしたコンクールが行われる度に、教師がボクのところにやって来て、「頼むよ、重松クン」と肩を叩くようにもなった。
教師たちのネライは、そうしたコンクールで生徒に賞を取らせて、学校の名前を上げること。ボクは、そのことに薄々感づいてはいたが、それならそれで、その期待に応えて「どうだい?」と胸を張るのも、わるくはなかろう――と、思い直した。
そうして、事実、ボクが胸を張る日はやってきた。
まず、春の市内読書感想文コンクールで金賞を取り、次には、弁論大会でも金賞に輝いた。
その受賞を喜んでくれたのは、親でもなく、担任の教師でもなかった。

もっとも喜んでくれたのは、国語の女教師。
そして、もうひとりは、なぜか、保健体育を担当する養護教諭の女先生だった。
ボクが何か賞を取る度に喜んでくれる二人の女先生。
ボクの中学生活は、そんなふたりにリードされる生活でもあった。
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