「土地所有」を「私権」と言い張るエゴイズム

将来の「値上がり」を期待して土地を「所有」する。そんなわがままが許されているのは、世界でも10か国ほど。それを「私権」と称して守ろうとするエゴは、やがて、この国を滅ぼしてしまう。
Talker
シランケン・重松シュタイン 自ら著作を手がけるエッセイスト&作家。当ブログの管理人です。旧ペンネーム/長住哲雄
AKI 出張エステ嬢として働きながら、作家を目指すアラサーの美女。
AKI 前回、重ジイは、「土地の私有」に反対だっておっしゃいましたよね。勝手に売り買いできる「私有財産権」を認めていると、そのうち、この国の生産性の高い土地は、みんな、中国資本に買い占められてしまう。それが心配である、ともおっしゃいました。
シランケン だから私有に反対――というわけではありませんよ。そもそも、「共有」であるべき土地を「私有」するという、その考え方が間違っている。私は、そう申し上げているわけです。
AKI でも、資本主義の世界では、「私有財産」を持つことは認められているんですよね?
シランケン しかし、土地はその対象ではない。
……だと思いますよ。
AKI エッ、そ、そうなんですか?
シランケン 陸続きの国境線を持っている国では、まず、土地の売り買いなんてとんでもないってことになります。そりゃ、そうでしょ。売り買いが行われる度に、国境線を引き直さなくちゃならなくなる。それじゃ、国家てものが成り立たなくなるでしょ?
AKI あ、そうか。そうですよね?
シランケン 島国である日本には、その心配はないと思うかもしれないけど、島国で国土が狭いからこそ、その国土は、有効に活用しなくてはならない。そうは思いませんか、AKIクン?
AKI そうですよね。活用しくちゃ……。私も、そう思います。
シランケン たとえば、日本と同じ島国であるイギリスでは、国土はすべて国王すなわち女王の持ち物になっていて、国民は、その国王から土地の利用権だけを借りている――ということになっています。つまり、「私有権」ではなくて、「リース権」ですね。イギリスでは「国王」でしたが、たいていは、「国」が「所有者」になる。それが、世界の主流だと思います。
AKI それじゃあ、「売り買い」するわけにはいきませんわねェ。
シランケン 「利用する権利」を譲渡することはできるが、「所有権」は移動できない。それが、世界のスタンダードだと言ってもいいかと思います。しかもです。大事なことは、それが「利用する権利」だということです。「利用しないで持っているだけ」なんていう権利は、ほとんどの国で認めていない。しかし、日本では……。
AKI そこ、そこ! そこなんですよ、私が疑問に感じているのも。日本では、マンションにしても、土地にしても、将来の値上がりを期待して、「資産」として保有しておこうという人がいたりします。そうかと思うと、もうそこに住む気もないし、農地であれば耕作する気もないのに、「私有権」だけを保持しているという土地が、「私有権」があるがために、だれも手をつけられないままで放置されていたりするでしょう?
シランケン 土地に「私有権」を認めると、そういう問題が起こってくることは、当然、予想できますよね。
んだそうですよ。
AKI エッ、エーッ!! 九州全体? それ、ひどいじゃないですか?
シランケン ひどいです。こんな国、世界のどこにもない。「利用権」だけを認めている国であれば、その土地が有効に利用されてないと判断された時点で、「利用する権利」そのものが没収されてしまいます。「利用権」には「利用する義務」が伴う。それが、世界の常識だと思うんですがね。
シランケン だから私有に反対――というわけではありませんよ。そもそも、「共有」であるべき土地を「私有」するという、その考え方が間違っている。私は、そう申し上げているわけです。
AKI でも、資本主義の世界では、「私有財産」を持つことは認められているんですよね?
シランケン しかし、土地はその対象ではない。
日本のように、土地を売り買いの対象にして、
ひと儲けを企むなんてことが許されている国は、
世界中探しても、10か国あるかどうか
ひと儲けを企むなんてことが許されている国は、
世界中探しても、10か国あるかどうか
……だと思いますよ。
AKI エッ、そ、そうなんですか?
シランケン 陸続きの国境線を持っている国では、まず、土地の売り買いなんてとんでもないってことになります。そりゃ、そうでしょ。売り買いが行われる度に、国境線を引き直さなくちゃならなくなる。それじゃ、国家てものが成り立たなくなるでしょ?
AKI あ、そうか。そうですよね?
シランケン 島国である日本には、その心配はないと思うかもしれないけど、島国で国土が狭いからこそ、その国土は、有効に活用しなくてはならない。そうは思いませんか、AKIクン?
AKI そうですよね。活用しくちゃ……。私も、そう思います。
シランケン たとえば、日本と同じ島国であるイギリスでは、国土はすべて国王すなわち女王の持ち物になっていて、国民は、その国王から土地の利用権だけを借りている――ということになっています。つまり、「私有権」ではなくて、「リース権」ですね。イギリスでは「国王」でしたが、たいていは、「国」が「所有者」になる。それが、世界の主流だと思います。
AKI それじゃあ、「売り買い」するわけにはいきませんわねェ。
シランケン 「利用する権利」を譲渡することはできるが、「所有権」は移動できない。それが、世界のスタンダードだと言ってもいいかと思います。しかもです。大事なことは、それが「利用する権利」だということです。「利用しないで持っているだけ」なんていう権利は、ほとんどの国で認めていない。しかし、日本では……。
AKI そこ、そこ! そこなんですよ、私が疑問に感じているのも。日本では、マンションにしても、土地にしても、将来の値上がりを期待して、「資産」として保有しておこうという人がいたりします。そうかと思うと、もうそこに住む気もないし、農地であれば耕作する気もないのに、「私有権」だけを保持しているという土地が、「私有権」があるがために、だれも手をつけられないままで放置されていたりするでしょう?
シランケン 土地に「私有権」を認めると、そういう問題が起こってくることは、当然、予想できますよね。
だれも住まないで荒れ放題になっている「放置住宅」や、
だれも耕作しないのでただの「荒地」と化した「耕作放棄地」が、
あちららにもこちらにも出現して、統計によると、
その総面積は、なんと、九州全体の面積に匹敵する
だれも耕作しないのでただの「荒地」と化した「耕作放棄地」が、
あちららにもこちらにも出現して、統計によると、
その総面積は、なんと、九州全体の面積に匹敵する
んだそうですよ。
AKI エッ、エーッ!! 九州全体? それ、ひどいじゃないですか?
シランケン ひどいです。こんな国、世界のどこにもない。「利用権」だけを認めている国であれば、その土地が有効に利用されてないと判断された時点で、「利用する権利」そのものが没収されてしまいます。「利用権」には「利用する義務」が伴う。それが、世界の常識だと思うんですがね。
AKI でも、不動産を取得する人たちには、そんな意識はないようですよ。私の先輩にもマンション買おうかなんて言ってる人がいるんだけど、しきりに言うのは、ここは交通の便もいいし、絶対に値上がりするから、買っとくだけ買っておこうか――って、そんなことばかり言ってます。
シランケン 寝上がりを期待して、不動産を取得しておく――なんて考えている人がいるとしたら、ハッキリ申し上げておきますが、その人、相当なバカですね。年々、子どもの数が減少するばかり……という日本の社会の中で、土地の値上がりを期待するなんて、どういう頭の構造をしているのか、私には想像がつきません。しかも、そういう人たちは、バカなだけじゃなく、欲の皮も突っ張らせている。勝手に値上がりを期待しておいて、何かと言うと、「資産価値が……」なんぞとおっしゃる。
AKI あ、それ、私も感じてました。近くに保育園ができるってだけで、「資産価値が下がるじゃないか」なんて言い出す人たちもいましたしね。この人たち、共有であるはずの自分たちの土地を、何だと思ってるんだろう――って、ちょっと腹が立ったりもしました。
シランケン オッ、キミもやっと、社会の矛盾に目覚めましたね?
AKI ハ、ハイ。お蔭様で。それにしても……って、私、怖くなっちゃうんですよ。最近、あっちにもこっちにも、タワーマンションと称する高層マンションが建ってるでしょ? その部屋を購入した住人たちが、銘々、勝手に「私権」とやらを主張し始めたら、いったい、どうなるんだろう?――って。
シランケン そこです、私がもっとも危惧しているのは。私は、「タワーマンションは国を亡ぼす」と主張しているんですが、その理由も含めて、次回、詳しく解説したいと思います。
AKI ハイ、楽しみにしておりますわ。
筆者の最新刊官能小説です!
盆になると、男たちがクジで「かか」を交換し合う。
明治半ばまで、一部の地域で実際に行われていた
「盆かか」と呼ばれる風習。本作品は、その風習を
題材に描いた官能フィクションです。
与一の新婚の妻・妙も、今年は、クジの対象になる。
クジを引き当てたのは、村いちばんの乱暴者・権太。
権太との三日間を終えた妙は、その夜から、
様子が変わった。その変化に戸惑う与一は、
ある日、その秘密を知った??。
筆者初の官能作品、どうぞお愉しみください。
2020年9月発売 定価:200円 発行/虹BOOKS
⇒Kindle でお読みになる方は、ここをクリック。
⇒BOOK☆WALKER からお読みになる方は、ここをクリック。
既刊本もどうぞよろしく 写真をクリックしてください。






明治半ばまで、一部の地域で実際に行われていた
「盆かか」と呼ばれる風習。本作品は、その風習を
題材に描いた官能フィクションです。
与一の新婚の妻・妙も、今年は、クジの対象になる。
クジを引き当てたのは、村いちばんの乱暴者・権太。
権太との三日間を終えた妙は、その夜から、
様子が変わった。その変化に戸惑う与一は、
ある日、その秘密を知った??。
筆者初の官能作品、どうぞお愉しみください。
2020年9月発売 定価:200円 発行/虹BOOKS
⇒Kindle でお読みになる方は、ここをクリック。
⇒BOOK☆WALKER からお読みになる方は、ここをクリック。
既刊本もどうぞよろしく 写真をクリックしてください。

管理人は常に、下記3つの要素を満たせるように、脳みそに汗をかきながら、記事をしたためています。
あなたの押してくださったポイントを見ては、喜んだり、反省したりの日々です。
どうぞ、正直な、しかしちょっぴり愛情のこもった感想ポチをお送りください。よろしくお願いいたします。



→このテーマの記事一覧に戻る →トップメニューに戻る
- 関連記事
-
- タワーマンションは、国を亡ぼす (2021/06/26)
- 「土地所有」を「私権」と言い張るエゴイズム (2021/06/04)
- 空気と水はだれも「所有」できない。では、土地は…? (2021/04/15)