「〇〇のくせに」が口癖の人間は、差別と嫉妬のかたまり

人は人にその性別や地位にふさわしい「ある性質」を
勝手に期待します。その「期待値」と「現実」に違いを
感じたときに発するのが、「〇〇のくせに」という言葉。
そこには、差別意識も含まれれば、嫉妬も含まれて――。
愛が生まれる日本語・殺す日本語 レッスン5-02
いまどき、こんな言葉を口にする人間がいるのか――と思うのですが、いるんですね、あちこちに。
「〇〇のくせに」の「くせ」は「癖」と書いて、「それなのに」の意で使われます。通常は、「金持ちのくせにケチだ」とか「金はないくせに高いものを買う」のように、「期待される性質」と「その現実」の間に乖離がある場合に、「のくせに」の言葉が飛び出すことが多いのですが、問題は、この「〇〇」に何が入るか――です。
入る言葉によって、この言い方は「差別的言い方」になることもあれば、「ねたみ」や「嫉妬」を表す言い方になることもあります。
いろんな言葉を当てはめて考えてみましょう。
性差別的言い方
おそらくですが、「〇〇のくせに」と言われた経験のある人が、もっとも言われた経験が多いのは、この種の言葉だと思います。
女のくせに……
「のくせに」の後には、「出しゃばるな」とか「文句を言うな」など、相手の言動を制限するような言葉が続くのがふつう。場合によっては、「女のくせに、できないの?」と、料理とか裁縫の技能の不足を嘆く調子で使われることもあります。
いずれにしても、こんな言い方の背景には、《女は控えめにふるまって、料理や裁縫など、家事の能力を備えておくべき》という、古い時代の女性観が前提されていることが多く、「女のくせに」発言の主は、「女性差別主義者」として、心ある女性たちからはパージされることになります。
男のくせに……
もちろん、これは男性が言われるのてすが、口にするのは、何も女性と限ったわけではありません。
「男のくせにメソメソするんじゃない」――これは、母親や恋人が口にすることもありますが、年配の男性(父親や教師)が子どもや教え子を叱咤する目的で言うことも多いかと思います。
「男のくせにびびってんじゃねェぞ」――こちらは、男の友人同士や先輩・後輩の間で交わされることが多いかと思います。
どちらにしても、その背後には、《男は強く、涙など見せない、勇気ある者でなくてはならない》という、これまた、カビが生えるほど古い男性観が潜んでいる場合が多いと思われます。
言われた側の感じ方は、いろいろです。「いまはそんな時代じゃないんだけど」と、押し付けられる「男性観」に反発を感じる人もいるでしょうし、「自分は男らしくない」のかと、落ち込む人もいるかもしれません。
「〇〇のくせに」の「くせ」は「癖」と書いて、「それなのに」の意で使われます。通常は、「金持ちのくせにケチだ」とか「金はないくせに高いものを買う」のように、「期待される性質」と「その現実」の間に乖離がある場合に、「のくせに」の言葉が飛び出すことが多いのですが、問題は、この「〇〇」に何が入るか――です。
入る言葉によって、この言い方は「差別的言い方」になることもあれば、「ねたみ」や「嫉妬」を表す言い方になることもあります。
いろんな言葉を当てはめて考えてみましょう。

おそらくですが、「〇〇のくせに」と言われた経験のある人が、もっとも言われた経験が多いのは、この種の言葉だと思います。

「のくせに」の後には、「出しゃばるな」とか「文句を言うな」など、相手の言動を制限するような言葉が続くのがふつう。場合によっては、「女のくせに、できないの?」と、料理とか裁縫の技能の不足を嘆く調子で使われることもあります。
いずれにしても、こんな言い方の背景には、《女は控えめにふるまって、料理や裁縫など、家事の能力を備えておくべき》という、古い時代の女性観が前提されていることが多く、「女のくせに」発言の主は、「女性差別主義者」として、心ある女性たちからはパージされることになります。

もちろん、これは男性が言われるのてすが、口にするのは、何も女性と限ったわけではありません。
「男のくせにメソメソするんじゃない」――これは、母親や恋人が口にすることもありますが、年配の男性(父親や教師)が子どもや教え子を叱咤する目的で言うことも多いかと思います。
「男のくせにびびってんじゃねェぞ」――こちらは、男の友人同士や先輩・後輩の間で交わされることが多いかと思います。
どちらにしても、その背後には、《男は強く、涙など見せない、勇気ある者でなくてはならない》という、これまた、カビが生えるほど古い男性観が潜んでいる場合が多いと思われます。
言われた側の感じ方は、いろいろです。「いまはそんな時代じゃないんだけど」と、押し付けられる「男性観」に反発を感じる人もいるでしょうし、「自分は男らしくない」のかと、落ち込む人もいるかもしれません。

「のくせに」は、階級・地位に関わる「〇〇」についても使われます。たとえば、こんな具合に――。

集合時間にぎりぎりに滑り込むと、「新人のくせに遅いんだよ」と言われる。上司の指示に異議を申し立てると、「新入りのくせに上司に歯向かうのか?」と注意される。
ときには、同じ学校の先輩だった、後輩だったを盾に、いつまで経っても「後輩のくせに」と言われ続けることもあるかもしれません。

職場では、仕事上の役職、身分、立場の違いを「〇〇」に入れて、「ヒラのくせに大きな顔する」「派遣のくせに有給とるの?」などと、通常は、立場の強い人間が弱い人間を責めたり、バカにしたりするときに使われるので、言われたほうはムッとしてしまいます。
しかし、この言い方には、その逆バージョンも存在します。

自分よりも地位や立場が上の人間に向かって、「上司のくせに酒もおごってくれない」「管理職のくせに定時で帰ってしまう」など、相手がその地位にふさわしい行動をとらないことを批判したり、グチったりするときにも、このフレーズは使われることがあります。

「〇〇のくせに」の「〇〇」には、ときに、人がうらやむような経歴や能力などが使われることもあります。この場合、「くせに」を言う人の精神を支配しているのは、「嫉妬」や「ねたみ」という負の感情です。よくあるのが、こんな使い方――。

これは主に、高卒・専門学校卒など、学歴で劣っていると感じる人間が、自分より高い学歴を持つ人間に向かって、「大学まで出たくせに、こんな計算もできないの?」などと口にすることが多いのですが、この「くせに」に込められる感情は、相手を「見下す」ではなく、「やっかむ」です。言えば言うほど、墓穴を掘ってしまう言い方。「いい家育ちのくせに」とか「御曹司のくせに」なんていうのも、同様の言い方です。
ほかにもいろいろな「〇〇」が登場するのですが、これくらいにしておきましょうか。あまり申し上げると、「もの書きのくせに」と言われてしまいそうですから。
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