「〇〇してやった」が口癖の、恩着せ人間たち

人が何気なく口にする言葉で、耳にして、
いちばん不快に感じるのは、「してやった」という
言葉です。口にした人間の不遜さを感じるからです。
もし、あなたがその言葉を言いたくなったら……。
愛が生まれる日本語・殺す日本語 レッスン5-01
人が口にするのを聞いて、私がもっともゾッとするのは、このフレーズです。
たとえば、私がそこにいないだれかのことを、「○○、最近、ガンバってるよな」などとホメたりすると、決まって、こう言い出す人間がいます。
いまはリッチな生活を楽しんでいるように見える友人のリッチぶりが話題になると、こう言い出す人間もいます。
オフィスで異例の抜擢を受けた新人がいると、だれかが決まって、こんなことを言い出します。
最悪なのは、親が子に対して、このフレーズを発する場合です。まさか……と思うのですが、私も、親がそれを口にするのを耳にしたことがあります。
「してやった」を口にする目的は、「優位性」の確保
「教えてやった」にしても「食べさせてやった」にしても、「推薦してやった」にしても「育ててやった」にしても、そこには共通の構造が含まれています。
「動詞(連用形)」+「て(助詞)」+「やる(動詞)」
という構造です。
問題は、末尾の「やる」という動詞です。辞書には、その意味はこう記されています。
同等以下の者のために労を執り、恩恵を与える意を表す。
つまり、この言い方には、身分や立場の「上下関係」が含まれていることになるわけです。
たとえば、私がそこにいないだれかのことを、「○○、最近、ガンバってるよな」などとホメたりすると、決まって、こう言い出す人間がいます。
例1
あいつ、最初は何もわかんなくてさぁ。オレが、手取り足取りして、一から教えてやったのよ。
あいつ、最初は何もわかんなくてさぁ。オレが、手取り足取りして、一から教えてやったのよ。
いまはリッチな生活を楽しんでいるように見える友人のリッチぶりが話題になると、こう言い出す人間もいます。
例2
あの子、昔は貧乏でさぁ、ろくなもの食べてないから、私がいっつも、いろんな店に連れてって、ごはん食べさせてやってたのよォ。
あの子、昔は貧乏でさぁ、ろくなもの食べてないから、私がいっつも、いろんな店に連れてって、ごはん食べさせてやってたのよォ。
オフィスで異例の抜擢を受けた新人がいると、だれかが決まって、こんなことを言い出します。
例3
ああ、今度の人事ね。周囲には、何であいつが――って声もあったんだけどさ、オレが上層部に推薦してやったんだよ。
ああ、今度の人事ね。周囲には、何であいつが――って声もあったんだけどさ、オレが上層部に推薦してやったんだよ。
最悪なのは、親が子に対して、このフレーズを発する場合です。まさか……と思うのですが、私も、親がそれを口にするのを耳にしたことがあります。
例4
そんな勝手なことばかり言って、母さん、何のためにあんたを育ててやったのか、悲しくなるわ。
そんな勝手なことばかり言って、母さん、何のためにあんたを育ててやったのか、悲しくなるわ。
例5
生意気なこと言うな。おまえたちを学校に行かせてやっとるのは、この父さんだぞ。
生意気なこと言うな。おまえたちを学校に行かせてやっとるのは、この父さんだぞ。

「教えてやった」にしても「食べさせてやった」にしても、「推薦してやった」にしても「育ててやった」にしても、そこには共通の構造が含まれています。
「動詞(連用形)」+「て(助詞)」+「やる(動詞)」
という構造です。
問題は、末尾の「やる」という動詞です。辞書には、その意味はこう記されています。
同等以下の者のために労を執り、恩恵を与える意を表す。
つまり、この言い方には、身分や立場の「上下関係」が含まれていることになるわけです。
当然ながら、「してやった」と言っているほうが、立場が上。言われているほうが、立場が下――ということになるので、言われたほうには、あまり愉快でない感情が生まれます。
その感情は、だいたい、こんなものではないかと思われます。
恩を着せられちゃたまらない
「してやった」なんて、何だかエラそう。
この人に何かをやってもらうと、全部、「自分の手柄」として語られてしまうに違いない。後で何と言われるかわかったもんじゃないから、この人にものを頼むのは止めておこうか。
周囲には、そんな警戒心を抱く人たちも現れるかもしれません。
もし、「してやった」と言いたくなったら、言い方を少し変えてみる。「××してやった」ではなく、「××させてもらった」という言い方に――です。
「面倒みてやった」は「面倒みさせてもらった」に。「教えてやった」は「教えさせてもらった」に。「させてもらった」は、何かをしてあげる自分をへりくだって見せる言い方です。
言われたほうも、わるい気はしません。
中には、「何て謙虚な人だろう」と、あなたに信頼を寄せる人も、現れるかもしれません。よければ、ぜひ、お試しを。
その感情は、だいたい、こんなものではないかと思われます。

「してやった」なんて、何だかエラそう。

周囲には、そんな警戒心を抱く人たちも現れるかもしれません。
もし、「してやった」と言いたくなったら、言い方を少し変えてみる。「××してやった」ではなく、「××させてもらった」という言い方に――です。
「面倒みてやった」は「面倒みさせてもらった」に。「教えてやった」は「教えさせてもらった」に。「させてもらった」は、何かをしてあげる自分をへりくだって見せる言い方です。
言われたほうも、わるい気はしません。
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筆者の最新官能小説! 電子書店から発売中です!
盆になると、男たちがクジで「かか」を交換し合う。
明治半ばまで、一部の地域で実際に行われていた
「盆かか」と呼ばれる風習。本作品は、その風習を
題材に描いた官能フィクションです。
与一の新婚の妻・妙も、今年は、クジの対象になる。
クジを引き当てたのは、村いちばんの乱暴者・権太。
三日間を終えて帰って来た妙は、その夜から、
様子が変わった。その変化に戸惑う与一は、
ある日、その秘密を知った??。
筆者初の官能作品、どうぞお愉しみください。
2020年9月発売 定価:200円 発行/虹BOOKS
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「盆かか」と呼ばれる風習。本作品は、その風習を
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クジを引き当てたのは、村いちばんの乱暴者・権太。
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