人生を「寝落ち」するのも、わるくない

何かをしようと思っているうちに、いつの間にか
眠りに落ちてしまう。これを「寝落ち」と
言うのですが、人生も「寝落ち」できたら
いいのでは――と筆者は思います。
眠りに落ちてしまう。これを「寝落ち」と
言うのですが、人生も「寝落ち」できたら
いいのでは――と筆者は思います。
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寝落ち 脳内ホルモン
筆者は、よく、寝落ちします。
若い頃は、受験勉強をしているうちに、いつの間にか眠りこけていた――ということが、よくありました。
難解な本を読んでいるうちに――ということもあったし、退屈な先生の授業を聴いているうちに――ということも、起伏に欠けるクラシックのコンサートを聴いているうちに――ということも、つまらない映画を観ているうちに――ということも、そりゃもう、しょっちゅうでありました。
そうそう、列車のレール音に耳を傾けているうちに……てことも、これはもう、ほとんど条件反射のように、心地よく落ちておりました。
最近……と言っても、60を過ぎてからは、フロに入ったまま寝落ちすることもあるし(これは危ないので、近頃はシャワーだけにしています)、食べながらうつらとしていることもあるし、こないだなんぞは、便器に座ったまま、いつの間にか寝ておりました。
筆者は、この「寝落ち」というのが、そう嫌いではありません。
あれ? オレは何をしようとしてたんだったけ?
寝落ちから覚めて、現実を取り戻そうとする時間も、そんなにイヤではありません。
で、私は、近頃、思うのです。
人生も「寝落ち」できたらいいのに……
「人生を寝落ちする」とは、一生懸命生きようとしているうちに、眠ってしまうように、生命活動を休止してしまうということです。
たぶん、多くの人が「そうなったらいいのに」と願うことかもしれません。
「寝落ち」を願うことではありません。
それではただ、「安楽な死」を願うだけになってしまいます。
寝るつもりなんぞは、さらさらないのに、何かをしようと思ったまま、眠りに落ちていた。
そしてそのまま、二度と目覚めることがなかった。
これ、最高じゃありませんか?
大事なことは、何か?
「寝落ち」したっていいじゃないか――という覚悟を持って、その時その時を「大事に生きよう」とすることではないか。
私は、そう思っています。
そのためには、避けなければいけないことがあります。
若い頃は、受験勉強をしているうちに、いつの間にか眠りこけていた――ということが、よくありました。
難解な本を読んでいるうちに――ということもあったし、退屈な先生の授業を聴いているうちに――ということも、起伏に欠けるクラシックのコンサートを聴いているうちに――ということも、つまらない映画を観ているうちに――ということも、そりゃもう、しょっちゅうでありました。
そうそう、列車のレール音に耳を傾けているうちに……てことも、これはもう、ほとんど条件反射のように、心地よく落ちておりました。
最近……と言っても、60を過ぎてからは、フロに入ったまま寝落ちすることもあるし(これは危ないので、近頃はシャワーだけにしています)、食べながらうつらとしていることもあるし、こないだなんぞは、便器に座ったまま、いつの間にか寝ておりました。
筆者は、この「寝落ち」というのが、そう嫌いではありません。

寝落ちから覚めて、現実を取り戻そうとする時間も、そんなにイヤではありません。
で、私は、近頃、思うのです。

「人生を寝落ちする」とは、一生懸命生きようとしているうちに、眠ってしまうように、生命活動を休止してしまうということです。
たぶん、多くの人が「そうなったらいいのに」と願うことかもしれません。
「寝落ち」を願うことではありません。
それではただ、「安楽な死」を願うだけになってしまいます。
寝るつもりなんぞは、さらさらないのに、何かをしようと思ったまま、眠りに落ちていた。
そしてそのまま、二度と目覚めることがなかった。
これ、最高じゃありませんか?
大事なことは、何か?
「寝落ち」したっていいじゃないか――という覚悟を持って、その時その時を「大事に生きよう」とすることではないか。
私は、そう思っています。
そのためには、避けなければいけないことがあります。

安らかに「寝落ち」するために、避けたいこと。そのひとつは、病に苦しむことです。
肉体の苦痛や苦しさにのたうち回るような状態では、「寝落ち」するどころではなくなります。そういう病に落ちないように、自分の健康には気を配る。
筆者も、年齢相応の既往症のいくつかは抱えていますが、それについては定期的な診察を受け、お蔭様でいまのところ、苦痛に苦しむような状態にはならずにすんでいます。
と言って、筆者は、「健康!」のためなら、何でもする――という健康おタクではありません。
喫煙だって、ほどほどには嗜んでいます(ただし「電子タバコ」ですが)し、誘われれば飲みにも出かけます。
しかし、「体のために××を×回しなければならない」というようなルールは、いっさい作らないし、意識もしないようにしています。
そんな義務を自分に課してしまうと、「ああ、××できなかった」が、ストレスになってしまいます。ストレスこそ健康の最大の敵である――と確信する筆者は、ストレスを生み出してしまうかもしれない「××しなくてはならない」は、決して自らに課さないようにしているわけです。
そうです、このストレスもまた、「安らかな寝落ち」の敵なんです。

安らかに「寝落ち」しようとする私たちを妨げるストレス、その最大のものは、「不安」です。




こんな不安が脳を支配していたのでは、「寝落ち」するどころじゃありません。逆に、「眠れない夜」を過ごすことになってしまいます。
「怒り」もまた、「安らかな寝落ち」を妨げます。


こんな「怒り」や「憎悪」が頭の中に渦巻いていたのでは、やはり「寝落ち」どころじゃない。朝まで、頭の中では怒りの炎がメラメラと燃え続けてしまいます。
こんな「不安」や「怒り」が頭の中に生まれて、増幅しそうになったときには、私は、それを打ち消すイメージを脳の中に映し出して、目を閉じます。

私が脳の中に描き出すイメージは、愛する女性、あるいは、ひそかに憧れる女性のふくよか胸のクッションだったりします。
たとえば、いつも通う歯科医院で私の歯をのぞき込むようにして手入れしてくれる歯科衛生士の、その豊満とは言えないけれど小ぶりでツンと張り出した胸が、私の歯をのぞき込む度に、私の頭につと触れる。そのふくらみに頭を埋もれさせたまま、知らないうちに眠りに落ちてしまう――とか。
もっと壮大なイメージを描くこともあります。
そこは、一面にやわらかそうな牧草だか芝生だかが生え広がる、なだらかな丘陵。その起伏の奥の小高い斜面のてっぺんには、モンキー・ポッド(「この木、なんの木、気になる木」で知られた日立グループのCMに出てくる木)のような木が枝葉を広げ、その下には木製のテーブルが置いてあって、そこで、イエスと釈迦がワインを酌み交わして、何やら語り合っている。丘を巡るように、清流の流れる小川があって、そこではアフロディテが湯あみをしている。ボクが丘を登っていくと、木陰のふたりは「早く来いよ」と手招きし、アフロディテは、一糸まとわぬ姿でボクの手を引く。そうして、安らかな眠りにボクは落ちていく――。
そんな夢とも現ともつかないイメージを思い描いているうちに、私は深く、安らかな眠りに落ちていくというわけです。

実は――ですが、 「臨死」状態を体験した人たちの中にも、そのとき、説明のつかない「不思議な夢を見た」と語っている人たちがいます。



実は、これらの夢は、脳内ホルモンによるものだ――という説もあります。
死の縁に瀕した人間の脳の中には、死への恐怖を取り除き、その苦痛をやわらげようとするホルモンが分泌されます。
「脳内麻薬」とも呼ばれる「エンドルフィン」という脳内物質で、このホルモンの投射を受けると、人は緊張や抑うつ状態から解放され、「多幸感」に満たされると言われています。
そんなホルモンの影響を受けた脳内では、さまざまな作業が行われるのですが、その作業のひとつに、「記憶の整理」があります。
通常、記憶は、感情と結びついて脳のフォルダーに保存されることが多く、強い感情と結びつくほど、記憶も強く残るとされています。人間と言わず動物にとって、もっとも強い感情は「恐怖」です。つまり、かつて恐怖とともに保存された記憶ほど、強く脳に残るというわけです。
そんな記憶が、死の直前によみがえったんじゃ、たまったものではありません。
なので、エンドルフィンの投射を受けた脳は、「わるい感情」や「苦しい感情」と結びついた記憶を取り除き、「いい感情」や「楽しい感情」と結びついた記憶だけを保存しようとします。
脳が「記憶の整理」を行うのは、何も、死ぬ直前ばかりではありません。「レム睡眠」の状態にある脳は、ふだんからこうした作業を行っているのですが、そのとき、脳の中では、整理されている記憶が一時的に「再生」されます。それが「夢の正体」である――と、大脳生理学の世界では説明されています。
不肖シランケンが「寝落ち」するときに見ようとする夢も、そんな夢に近いのではないか。
であれば――と、私は思うのです。
私が毎夜、心がけているイメトレは、私が最後の時を迎えるときのためのメントレにもなっているのではないだろうか。
ほんとに逝っちまったんじゃ話にならないので、このイメトレは、ほどほどにしておくことにしましょうか。
筆者初の官能小説! 電子書店から発売中です!
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明治半ばまで、一部の地域で実際に行われていた
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題材に描いた官能フィクションです。
与一の新婚の妻・妙も、今年は、クジの対象になる。
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