「男も潮を吹く」というチン説について

「潮吹き」という言葉がよく使われます。
本来は、女性の「射精現象」を指す言葉。
その「潮吹き」を男もするというチン説
が巷にあふれて大混乱。これ、誤用です。
性とエッチの《雑学》file.30 R15
このシリーズは真面目に「性」を取り上げるシリーズです。
15歳未満の方はご退出ください。
最近、あちこちのブログに登場するある話題が、筆者は気になって仕方がありません。
そのある話題というのは、
潮吹き!
あまりにこの話題が多く、しかも、その情報がかなり混乱しているようなので、この際、一度、整理しておきたいと思います。
まず、「潮吹き」という言葉についてです。
現在のところ、この用語に医学的定義はありません。
「潮吹き」自体が俗説なので、どう使おうと個人の勝手なのですが、その解説には、医学的に「?」という部分も見られます。
まずは、言葉の用法から――
たぶん、どこかでカン違いされている方も多いと思うのですが、「潮吹き」という言葉は、女性に見られる「男性の射精」に相当する生理現象を指す言葉です。
つまり、「潮吹き」は「女性版・射精」なわけです。
しかも「吹き」ですから、「飛ぶ」という現象が伴うことが条件。つまり、「流れ出す」とか「あふれ出る」現象を「潮吹き」と言うのは、国語的にも適切でない――と、筆者は考えます。
実際、「初代潮吹き女」として勇名を馳せた窪園千枝子さんの「潮」は、かなり飛びました。通常、飛距離10センチ程度と言われているのですが、筆者が取材で目撃した窪園さんのそれは、1メートル近く飛んだような気がします。
この「女性版・射精」である「潮吹き」という言葉が、男性側に逆輸入されて、最近では、「男も潮吹きする」などというチン説(?)まで飛び交うようになりました。

男は「潮を吹く=射精する」から「男」なのです
まず、基礎知識から。
男の精液を構成している成分は、主に3つあります。
ひとつは、精子。精巣(こう丸)で作られ、射精が近づくと輸精管に押し出されて、まず精嚢(せいのう)に到達し、ここで精嚢分泌液とブレンドされます。次に、このブレンド液が前立腺に送られて、前立腺液とブレンドされた上で、尿道に押し出されます。しかし、精液全体に占める精子の量は、わずか1%程度にすぎません。
精液の約7割を占めるのが、精嚢からの分泌液で、この中には精子の栄養分となる果糖が含まれています。精液がドロッとしているのも、白く濁っているのも、実は、この精嚢分泌液のせい。
残り3割のほとんどを占めているのが、前立腺液です。前立腺液にはクエン酸が含まれていて、精子が生き延びやすい弱アルカリ性の環境を作る役目を果たすと同時に、分解酵素のはたらきで、射精後の精液をさらさらにする役目もになっています。
つまり、こういう仕組みです。
射精直後の精液は、白く濁り、どろどろとしていますが、これは主に精嚢分泌液のせいで、精液が女性器から流れ落ちてしまわないように膣壁にへばり着かせているわけです。
しかし、精子が精液の中を泳ぎ始めると、この粘性は、精子の運動の妨げとなります。そこで、前立腺液がはたらいて、たんぱく質を分解し、精液をさらさらの状態に変えていくわけです。色も無色透明に変わっていきます。
人体のしくみって、つくづくよくできてるなぁ――と、こういう話をまとめるたびに、筆者は感心するばかりです。
そのある話題というのは、
潮吹き!
あまりにこの話題が多く、しかも、その情報がかなり混乱しているようなので、この際、一度、整理しておきたいと思います。
まず、「潮吹き」という言葉についてです。
現在のところ、この用語に医学的定義はありません。
「潮吹き」自体が俗説なので、どう使おうと個人の勝手なのですが、その解説には、医学的に「?」という部分も見られます。
まずは、言葉の用法から――
たぶん、どこかでカン違いされている方も多いと思うのですが、「潮吹き」という言葉は、女性に見られる「男性の射精」に相当する生理現象を指す言葉です。
つまり、「潮吹き」は「女性版・射精」なわけです。
しかも「吹き」ですから、「飛ぶ」という現象が伴うことが条件。つまり、「流れ出す」とか「あふれ出る」現象を「潮吹き」と言うのは、国語的にも適切でない――と、筆者は考えます。
実際、「初代潮吹き女」として勇名を馳せた窪園千枝子さんの「潮」は、かなり飛びました。通常、飛距離10センチ程度と言われているのですが、筆者が取材で目撃した窪園さんのそれは、1メートル近く飛んだような気がします。
この「女性版・射精」である「潮吹き」という言葉が、男性側に逆輸入されて、最近では、「男も潮吹きする」などというチン説(?)まで飛び交うようになりました。

男は「潮を吹く=射精する」から「男」なのです
まず、基礎知識から。
男の精液を構成している成分は、主に3つあります。
ひとつは、精子。精巣(こう丸)で作られ、射精が近づくと輸精管に押し出されて、まず精嚢(せいのう)に到達し、ここで精嚢分泌液とブレンドされます。次に、このブレンド液が前立腺に送られて、前立腺液とブレンドされた上で、尿道に押し出されます。しかし、精液全体に占める精子の量は、わずか1%程度にすぎません。
精液の約7割を占めるのが、精嚢からの分泌液で、この中には精子の栄養分となる果糖が含まれています。精液がドロッとしているのも、白く濁っているのも、実は、この精嚢分泌液のせい。
残り3割のほとんどを占めているのが、前立腺液です。前立腺液にはクエン酸が含まれていて、精子が生き延びやすい弱アルカリ性の環境を作る役目を果たすと同時に、分解酵素のはたらきで、射精後の精液をさらさらにする役目もになっています。
つまり、こういう仕組みです。
射精直後の精液は、白く濁り、どろどろとしていますが、これは主に精嚢分泌液のせいで、精液が女性器から流れ落ちてしまわないように膣壁にへばり着かせているわけです。
しかし、精子が精液の中を泳ぎ始めると、この粘性は、精子の運動の妨げとなります。そこで、前立腺液がはたらいて、たんぱく質を分解し、精液をさらさらの状態に変えていくわけです。色も無色透明に変わっていきます。
人体のしくみって、つくづくよくできてるなぁ――と、こういう話をまとめるたびに、筆者は感心するばかりです。

射精は繰り返すたびに、精液の成分が変わる
ところで、「男も潮吹きする」説を主張する方の論拠のひとつに、こういうのがありました。

いいえ、これもリッパな射精です。
男は、一度、射精しても、連続して刺激し続けると、2度、3度……と、射精を繰り返すことができます。
中には「ヌカ6=抜かずに6回」などと豪語する人もいますが、筆者にはとてもそんなマネはできません。
しかし、1時間のAVを見ながら、その間に3回、4回ぐらいは抜くことができました。少なくとも40代までは……。
ただし、精液の形状、性質は、射精を繰り返すたびに変化していきます。
繰り返すたびに量が減り、色は透明になっていきます。
実は、これは、精嚢分泌液のせいなのです。
精嚢は、1回の射精で、蓄えた分泌液のかなりの部分を使いきってしまいます。立て続けに射精すると、精嚢はほぼ空になって、再び満タンになるには2~3日かかると言われています。
射精したあとで刺激し続けて出てきた「透明な液体」は、「精嚢分泌液をほとんど含まない精液」。「精液とは違う液体」と感じたのもそのせいでしょう。
つまり、これもちゃんとした「射精」なんですね。

男性が射精直後にトイレで出すものは?
「男も潮吹き」説の中には、こんな主張も登場します。
《射精後すぐのトイレで出てくるものは、小便ではなくて、実は「潮」。》
エーッと、ポリポリ……。
これは、どこからどう見ても99.99%、尿です。
まず、なぜ、男性が射精直後にトイレに行きたくなるかということからお話しましょうか。
前立腺の中を通ってきた精管が尿道と合流するのは、ぼうこうの出口付近です。
「File-16☆男は朝がいちばん元気――のホントの理由」 でもご説明しましたが、射精を迎える男性は、せっかくの精液がぼうこうに逆流しないように、骨盤底筋の力で、ぼうこうの出口を強く締め付けます。
射精が終わると、骨盤底筋は一気に緊張を緩め、ぼうこう出口の筋肉バルブも開放されます。ぼうこう内に尿が溜まっていると、男性は不意に尿意を覚え、トイレに駆け込むことになるわけですね。
このとき、尿とともに、尿道内に残っていた精液の残液も、一緒に洗い流されてしまいます。したがって、射精直後の尿には、若干の精液成分が含まれることになります。
といって、これを「潮」と言ってしまうわけにはいきませんよね。
ちなみに、射精後にペニスの先端からにじみ出てくるのも、この尿道内の残液です。
ただし、射精前ににじみ出てくる透明の液体は、「カウパー腺液」と言って、こちらは、精液が尿道内をスムーズに流れていくようにするための、潤滑油の役目を果たします。
ま、そんなわけで、「男性の潮吹き」説はいただけない――というのが、筆者の見解です。
では、女性の「潮吹き」についてはどうか?
これについても、いろいろ混乱が見られるのですが、長くなってしまいますので、機会を改めて、この記事の続編としてお届けしたいと思います。
筆者初の官能小説! 電子書店から発売中です!
盆になると、男たちがクジで「かか」を交換し合う。
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筆者初の官能作品、どうぞお愉しみください。
2020年9月発売 定価:200円 発行/虹BOOKS
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既刊本もどうぞよろしく 写真をクリックしてください。






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