キャット・ファイター〈9〉 別れのベッド

第8話 キャットファイター 9
R18
このシリーズは、性的表現を含む官能読み物です。
18歳未満の方は、ご退出ください。
麗奈は、キャット・ファイトの本国
アメリカへ渡ると言う。止めると、
「それが言えるのは、私を嫁にする
男だけよ」と答えた麗奈は、
「抱いて」と良助の胸にすがった。

前回から読みたい方は、⇒こちらからどうぞ。
ここまでのあらすじ 「ビックリするようなもの、お見せしますよ」。歌舞伎町のショーパブの支配人・平山に言われて、顔を出したその店は、客席の真ん中に、プールのような泥レスのリングが設えられた変わった造りだった。リング・アナの紹介でリングに登場したその女性を見て、内村良助は「ハッ……」と息を呑んだ。彼女は、かつて、アイドル出身の女子プロとして、一世を風靡したこともある岬麗奈だった。やがて始まった泥レス。麗奈はたちまち石黒に組み伏せられ、ウエアをはぎ取られた。リングウエアを脱がされると、試合は負け。敗者の泥を洗い流す権利は、オークションにかけられる。バケツ一杯の水で、麗奈は、白い肌を露わにされた。平山は「これ、記事になりませんかね」と言う。しかし、それを記事にしたのでは、店も、掲載した『スポタイ』も、当局にニラまれてしまう。良助は、「麗奈の転落人生を描くインタビュー記事にしよう」と提案した。「結婚しようと思ったことはなかったの?」という良助の質問に、麗奈は力なく首を振った。「いたにはいたけど」と言うその男は、麗奈を「接待ドール」として利用する男だった。しかし、麗奈が女子プロを引退すると、麗奈に商品価値がないと判断した男は、彼女を捨てた。麗奈は、興行系のプロダクションに移って、「泥レス」の世界に身を投じた。その「泥レス」は、やがて「オイル・レス」に変わった。さらに客寄せを狙う支配人・平井は、客をリングに上げて、彼女たちと格闘させる「チャレンジ・マッチ」なる企画を打ち出した。しかし、そのショーは当局にわいせつ罪で摘発され、店は営業停止となり、麗奈も検挙されたが、不起訴処分となった。その麗奈から電話がかかってきた。「アメリカに渡ってキャット・ファイト」のショーに出ると言う。「止めろよ」と止める良助に麗奈は言うのだった。「それが言えるのは、私と結婚してくれる男だけだよ」と――
いかにキャット・ファイトとはいえ、それでも、麗奈はアスリートだ。
ホテルの部屋に入って、いさぎよく着ているものを脱ぎ捨てた麗奈の体には、どこにもムダなものがついていなかった。
かもしかのように引き締まった脚には、しっかりと筋肉の流れが浮き上がって見えた。
胸から肩にかけては、大胸筋が三角の盛り上がりを見せていた。
腕を上に上げると、上腕には筋肉が作る力こぶができた。
しかし、触れてみると、筋肉の上にはわずかばかりの脂肪を含んだやわらかい皮膚組織がついていて、それが、麗奈の「女」を主張していた。
良助は、硬い筋肉を覆ったそのわずかばかりの弾力を、愛しいと思った。
麗奈の体をベッドに横たえると、良助は、彼女の肌の弱く、繊細で、やわらかい部分を探しては、そこにそっと手をしのばせ、舌を這わせた。
そういう場所を探り当てられるたびに、麗奈は引き締まった体をブルッと震わせ、「あっ……」と、小さな悲鳴を挙げた。
リングで対戦相手の女子選手や飛び入りの男の客に触られたり、もまれたりして挙げる悲鳴とは違った、紛れもない女のしのび声だった。
麗奈の弱点は、ふだん、鍛えようのない場所にあった。
万歳の格好にしたときの腋の下。
ひざの裏の、やわらかな凹み。
指と指の間の股。
腿が会陰部へと連なる境界の、ちょっぴり黒ずんだくぼみ……。
そういう場所を手や舌でくすぐると、麗奈は身を捩じらせ、「あっ、あっ……」と声をもらしながら、つかんだ良助の腕にツメを立てた。
麗奈が見せる小さな反応のひとつひとつが、良助には切なかった。
そんな繊細な感覚を持っていながら、それを荒々しい手がいたぶるのにまかせ、しかもそれを客の目にさらす。そういう形でしか、自分の存在価値を示せない生き方を選んだ麗奈の人生が、恨めしくもあり、痛々しくも感じられた。
ホテルの部屋に入って、いさぎよく着ているものを脱ぎ捨てた麗奈の体には、どこにもムダなものがついていなかった。
かもしかのように引き締まった脚には、しっかりと筋肉の流れが浮き上がって見えた。
胸から肩にかけては、大胸筋が三角の盛り上がりを見せていた。
腕を上に上げると、上腕には筋肉が作る力こぶができた。
しかし、触れてみると、筋肉の上にはわずかばかりの脂肪を含んだやわらかい皮膚組織がついていて、それが、麗奈の「女」を主張していた。
良助は、硬い筋肉を覆ったそのわずかばかりの弾力を、愛しいと思った。
麗奈の体をベッドに横たえると、良助は、彼女の肌の弱く、繊細で、やわらかい部分を探しては、そこにそっと手をしのばせ、舌を這わせた。
そういう場所を探り当てられるたびに、麗奈は引き締まった体をブルッと震わせ、「あっ……」と、小さな悲鳴を挙げた。
リングで対戦相手の女子選手や飛び入りの男の客に触られたり、もまれたりして挙げる悲鳴とは違った、紛れもない女のしのび声だった。
麗奈の弱点は、ふだん、鍛えようのない場所にあった。
万歳の格好にしたときの腋の下。
ひざの裏の、やわらかな凹み。
指と指の間の股。
腿が会陰部へと連なる境界の、ちょっぴり黒ずんだくぼみ……。
そういう場所を手や舌でくすぐると、麗奈は身を捩じらせ、「あっ、あっ……」と声をもらしながら、つかんだ良助の腕にツメを立てた。
麗奈が見せる小さな反応のひとつひとつが、良助には切なかった。
そんな繊細な感覚を持っていながら、それを荒々しい手がいたぶるのにまかせ、しかもそれを客の目にさらす。そういう形でしか、自分の存在価値を示せない生き方を選んだ麗奈の人生が、恨めしくもあり、痛々しくも感じられた。

麗奈の体のもっとも弱い部分は、すでにあふれ出る蜜に濡れそぼっていた。
リングの上で金髪の巨漢男に抱え上げられ、用を足すときのような格好で、粘膜の血の色までも衆目にさらされた麗奈のそこは、羞恥の色をたたえながらひそかに息づいていた。
口を近づけると、フルーツ系の香りがした。
良助は、麗奈の両脚を自分の肩に担ぎ、香りが立ち上ってくる中心部へと口を這わせた。その入り口に覆いかかっているココア色の襞を唇でかき分けると、中から、すでに分泌物で潤った濃いピンク色の粘膜が現れた。
良助は、その分泌物を舌の先で掬った。
掬いながら、舌先を渓谷に沿って這わせた。
その渓谷の始まる位置でコリッと固まっている種実を、ツンツンと突つき、グリグリと押すと、やわらかいサヤの中から淡いピンク色の突起が、無垢の輝きを放ちながら顔を出した。
良助はそれをシュルリ……と吸った。
「あっ……ダ……ダメ……そこは……」
腕をつかんだ麗奈の指先に力が加わり、体がガクガクと震えた。
麗奈の小さな体が、何度もアクメの震えに襲われる。
「お願いだから……来て。ねェ、来て……」
度重なる懇願に誘われて、良助はゆっくり、麗奈の体に重なった。
麗奈のリングを見ているときから、何度も奮い立ち、いつか結合したい――と願い続けてきたものを、そろりと麗奈の入り口にあてがって、慎重に腰を押し進めた。
先端の傘が、窮屈な入り口をくぐり抜けるとき、良助のそこからは、圧迫と解放と心地よい摩擦の感覚が一緒くたになって立ち上り、脳天へと駆け上っていった。
「あっ、あ―――ッ」
深く、長い息と声を、胸の奥深くから吐き出しながら、麗奈の体は溶けていった。

麗奈のそこが、格別、ほかの女たちと変わっている――とは、良助は感じなかった。
ただ、筋力だけは、さすがにアスリートのそれだった。
リングで見せるブリッジのような形に体を反らせて絶頂を迎えた麗奈は、痛いほどに良助を締め付けながら、全身をガクガクと震わせ、一気に脱力した。
全身の力を解き放った麗奈は、無力な肉の塊となって、ベッドの上にしどけない体を投げ出した。
くの字に折り曲げた腕の上に頭を載せ、顔だけを良助のほうに向けている。
その大きな目が、何かを訴えるように、良助の目をのぞき込んでいた。
「ねェ、内村さん。私のこと……忘れないでいてくれる?」
「もちろんだよ」と答えながら、良助の胸は痛んだ。
忘れはしないけれど、おそらく、麗奈という名前も、その顔も、声も、古くなっていくニュースのように、ただの記憶として頭の片隅に押しやられてしまうことになるだろう。
そうならない方法は、ひとつしかない。
しかし、その方法は、良助には選べない。
それが苦しかった。
「引退したら、日本に戻って来るでしょう?」
「引退……したら?」
「いつかは、引退するでしょ? そんなにいつまでもやってられる仕事とは思えないもの。体だって傷めてしまうだろうし、まして……向こうだと……」
「もっとハードだから?」
「そう聞いてる……」
「そうね。あっという間にボロボロになってしまうかもね。品のないアメリカ人のオモチャにされて……」
麗奈は、自分が身を置くことになるショー・ビズの世界の性質を、頭では理解しているようだった。
それでも行く――という麗奈の決断を押し留める言葉を、良助はもう、持ち合わせていなかった。
「引退して生きていける方法が見つかったら、引退するでしょうね。そして、その方法が見つかった場所で生きていくことになるんだろうな……って思う。それが日本だったら戻って来るし、そうでなかったら……」
麗奈はそこで言葉を切って、頭を載せていた腕の上に顔を伏せた。
肩が、小さく震えた。
良助は、その背中をそっと手で撫でた。
「ねェ……」
しばらくして顔を起こした麗奈は、水をたたえた目の縁をけなげに輝かせて言った。
「もう一回、して……」
良助は、麗奈の目から溢れるものを指で拭い、それから、ゆっくり、けだるい体を麗奈の体に重ねた。(続く)
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