キャット・ファイター〈2〉 脱げれば「負け」というリング

第8話 キャット・ファイター 2
R18
このシリーズは、性的表現を含む官能読み物です。
18歳未満の方は、ご退出ください。
下着のような水着でリングに
登場したかつてのアイドル・
岬麗奈。ゴングと共に、その体は
泥まみれになった。相手の石黒は
麗奈の水着を脱がせにかかった。

ここまでのあらすじ 「ビックリするようなもの、お見せしますよ」。歌舞伎町のショーパブの支配人・平山に言われて、顔を出したその店は、客席の真ん中に、プールのようなリングが設えられた変わった造りだった。リング・アナの紹介でリングに登場したその女性を見て、内村は「ハッ……」と息を呑んだ。彼女は、かつて、アイドル出身の女子プロとして、一世を風靡したこともある岬麗奈だった――
どうしているのだろう――と、気にしなくもなかったが、日々、新しいタレントが生まれては消えていく、そんな世界を見続けてきた良助にとっては、岬 麗奈もまた、いつの間にか現れ、気がついたときには消えていた、そういう徒花のひとつにすぎなかった。
それが、目の前に復活した。
それも、「泥レス」という、とてもスポーツとは言えない世界、ほとんど風俗に近い世界に――だ。
良助は、少なからず衝撃を受けていた。
「ただいまより、60分3本勝負を行います。勝負は、どちらか一方がフォールされるか、ギブアップするかで一本とします。ただし、どちらかの衣服が完全に脱げてしまった場合には、その時点で、KOとして、脱げたほうの負けといたします」
アナウンスと同時に客席から喚声が挙がった。
中には、「キャー、脱がせてェ~」などという野次も混じっていた。
麗奈も対戦相手のハウンド石黒も、セパレートタイプの水着のようなリング・コスチュームだった。およそ、格闘技の衣装とは思えなかったが、「キャット・ファイト」の世界では、まだおとなしいほうと言えた。
やがて、ゴングが鳴った。

「てめェ、この野郎~ッ!」
ごつい体の石黒が、いきなり、麗奈の体に飛びかかり、その体をリングに押し倒した。
麗奈は泥だらけのリングに顔から落ちて、顔も、胸も、腹も、泥だらけになった。
起き上がろうとする麗奈の体に、石黒が飛び乗った。麗奈の腋の下から手を差し込み、その体をひっくり返そうとするのだが、泥で滑ってうまくいかない。
捕まえようとする石黒の手をスルリと抜けて立ち上がると、麗奈は石黒の背後に回って、バックを取ろうとする。今度は、石黒がその手を逃れて、ふたりは泥の上で組んず解れつの状態となった。
髪も顔も、たちまち泥だらけとなった。そんな女ふたりが泥の中を転げ回るのを、観客は酒を飲みながら、笑い転げて見ている。
一瞬、「泥まみれの人生」という言葉が、良助の頭の中を駆け巡った。
何も、ここまで泥まみれになることはないじゃないか――と、何やら怒りのようなものさえ、込み上げてきた。
そんなときだった。
それが、目の前に復活した。
それも、「泥レス」という、とてもスポーツとは言えない世界、ほとんど風俗に近い世界に――だ。
良助は、少なからず衝撃を受けていた。
「ただいまより、60分3本勝負を行います。勝負は、どちらか一方がフォールされるか、ギブアップするかで一本とします。ただし、どちらかの衣服が完全に脱げてしまった場合には、その時点で、KOとして、脱げたほうの負けといたします」
アナウンスと同時に客席から喚声が挙がった。
中には、「キャー、脱がせてェ~」などという野次も混じっていた。
麗奈も対戦相手のハウンド石黒も、セパレートタイプの水着のようなリング・コスチュームだった。およそ、格闘技の衣装とは思えなかったが、「キャット・ファイト」の世界では、まだおとなしいほうと言えた。
やがて、ゴングが鳴った。

「てめェ、この野郎~ッ!」
ごつい体の石黒が、いきなり、麗奈の体に飛びかかり、その体をリングに押し倒した。
麗奈は泥だらけのリングに顔から落ちて、顔も、胸も、腹も、泥だらけになった。
起き上がろうとする麗奈の体に、石黒が飛び乗った。麗奈の腋の下から手を差し込み、その体をひっくり返そうとするのだが、泥で滑ってうまくいかない。
捕まえようとする石黒の手をスルリと抜けて立ち上がると、麗奈は石黒の背後に回って、バックを取ろうとする。今度は、石黒がその手を逃れて、ふたりは泥の上で組んず解れつの状態となった。
髪も顔も、たちまち泥だらけとなった。そんな女ふたりが泥の中を転げ回るのを、観客は酒を飲みながら、笑い転げて見ている。
一瞬、「泥まみれの人生」という言葉が、良助の頭の中を駆け巡った。
何も、ここまで泥まみれになることはないじゃないか――と、何やら怒りのようなものさえ、込み上げてきた。
そんなときだった。

リング上を逃げようとする麗奈を捕まえようと、石黒の手が麗奈のウエアのトップをつかんだ。肩にかかったホルダーの部分をつかんで引っ張ったので、麗奈の上衣は、肩からはだけた。
石黒がなおもグイと引っ張ると、麗奈の片胸は完全に露出してしまい、泥にまみれた乳首が飛び出した。
石黒は、客席に向かって「ウォーツ!」と雄叫びを挙げ、後ろから麗奈の首に腕を回してホールドすると、むき出しになった麗奈の胸を手のひらで揉んで見せた。
客席から「いや~ん、止めて~」と野次が飛び、それに合わせてドッと笑い声が起こった。
首をホールドしたまま、石黒の手は、今度は、麗奈の左肩のホルダーを外しにかかった。左の肩もはだけてしまい、麗奈の胸は、両方の乳房を観客にさらす形になった。
泥に覆われているとはいえ、立派にヌードである。むしろ、泥に覆われているぶん、余計にエロチックであるとも感じられた。ヌードの塑像が、動き出してもつれ合っている、というふうにも見えた。

ハウンド石黒は、最後の仕上げにかかった。
麗奈の体を後ろから押さえ込み、手をパンツの縁にかけた。今度は、麗奈のパンツもはぎ取り、KOに持ち込もうとしているのだ。
「KO! KO!」
客席からは、それを催促するコールが湧き起こった。
麗奈は必死に石黒の手から逃れようと、泥の中を這い回る。
その背中を追いかけ、石黒はパンツにかけた手をグイと引っ張る。
まだ、泥に汚れてない麗奈の白い尻が、煌々と照らされたライトの中に浮かび上がる。
「止めろ! バカヤロー!」
麗奈の叫ぶ声が、観客の「KO」コールにかき消される。
良助は、夢中でシャッターを切り続けた。
翌日の「スポタイ」最終面のタイトルが、頭の中に浮かんでいた。
《元アイドル・岬 麗奈、泥レスデビュー!
泥だらけの転生
観客注視の中、屈辱の泥ヌード》
タイトルを思い浮かべながら、その胸はキリキリと痛んだ。
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