「ねたむ人」の自己評価は、高すぎるか低すぎる

疑いの目「愛」はときどきウソつき
 File-60  「ねたむ人」の自己評価は、高すぎるか低すぎる

「いいよなぁ」と、すぐ人をねたんだり、
ひがんだりする人がいます。
そういう人たちの「自己評価」は、
恐ろしく高いか、あきれるほど低い。
そのどちらであるかによって、
「ねたみ」の表し方も変わってきます。




 何かと言うと、「いいよなぁ、おまえは」「いいわねェ、あなたは」――などと、あなたをねたんでくる人たちがいるとします。
 ねたまれて「いい気がする」という人は、あまりいないでしょう。なぜなら、その「ねたみ」という感情には、「何とか、こいつを引きずり下ろしてやろう」という「」が仕込まれているからです。
 そもそも「ねたみ」という感情は、どこから生まれるのでしょう?
 発生源は「上昇志向」だろう――と、私はニラんでいます。「上昇志向」が強いからこそ、上昇が果たせないでいる自分をひがみ、それを果たしているように見える他人をうらやんで、「ねたみ」という感情が生まれるのではないか――と思うのです。
 「上昇志向」の背後に「劣等感」が隠されている場合もあります。「劣等感」があるから、何とか這い上がってやろうという「上昇志向」が生まれる――とも言えるし、その「上昇志向」が果たせないから「劣等感」を生み出す、とも言えます。
 「もっと上に行きたい」という上昇志向も、「自分はダだ」という劣等感も、「自己評価」に基づいて形成されます。
 「自己評価」とは、自分で自分を評価する心のはたらきのことを言いますが、その評価は、客観的に見た評価より高く見積もられることもあれば、低く見積もられることもあります。その評価に、他者による評価がどの程度影響を与えるかも、人によって違います。

 ▼自己評価が高いか、低いか?
 ▼他者の評価を気にするか、しないか?


 この2つがどうであるかによって、「他人をねたむかどうか?」も、そのねたみ方がどうであるかも決まってくる――と言っていいかと思います。
 考えられる4通りの組み合わせ別に、「ねたみ」の表れ方を見てみましょう。

悪魔女何を言われても気にしない
――自己評価が高く、他人の評価を気にしない人

 自分を高く評価して、しかも、周りが何を言おうと、その評価が揺るがない。こういう人は、悠然とわが道を行っているように見えます。
 たとえ、周囲から批判を浴びても、このタイプは、冷静な態度を貫きます。何か失敗をしても、「しまった、あれがいけなかったんだ。今度から気をつけよう」と気を引き締める程度で、「こんな失敗して、私の評価もガタ落ちじゃないだろうか」とか「これで、部長の信頼、なくしちまったなぁ」などと心配したり、気に病んだりすることはありません。
 そんなふうですから、だれかが、自分を飛び越えて出世したり、ビッグなチャンスを手にしたり、うらやましくなるような恋の花を実らせたりしても、その成功をうらやんだり、ねたんだりすることは、まずありません。
 元々、このタイプは、「いいところはいい」「わるいところはわるい」と、いつも、冷静で客観的な評価を受けて育っており、ムリに自分の評価を上げようとしたり、自分を誇大に見せようとしたりすることに、エネルギーを使う必要を感じていないのですね。
 「ねたみ」とは、もっとも無縁なタイプと言っていいでしょう。

悪魔女批判されると逆ギレする
――自己評価が高く、他人の評価を気にする人

 自分を高く評価してはいるが、周りの評価が変化すると、「自己評価」もグラついてしまう――というタイプ。
 幼い頃から、両親などに「頭がいい子」「かわいい子」などと、高い評価を受け続けて育った人たちに、よく見られる傾向です。しかし、その評価は、世間一般の評価とズレていることも多く、そのためにこのタイプは、「高い評価」を維持することにかなりエネルギーを使います。
 成功したら「ホラ、言ったとおりになっただろう」と胸を張り、失敗しても「それぐらいのこと、だれでもやるだろう?」と開き直り、他人から批判を受けると「そんなこと、おまえに言われたくない」と逆ギレします。
 もし、だれかが、自分を越えるような評価を受けたり、自分には届かないような幸せを手に入れたり……という現実に直面すると、このタイプは、敵意をむき出しにして、その人間の足を引っ張りにかかります。
 「ねたみ」には、相手を「うらやむ」という感情が伴いますが、このタイプが見せるのは、「闘争心」。「あんなことを言ってるけど、実際にやってることはさぁ……」と、相手の弱点や汚点を批判し、攻撃して、その地位から引きずり下ろそうとします。
 「ねたみ」よりは正統。そのぶん、危険――とも言える感情の持ち主です。

悪魔女成功者をマネようとする
――自己評価が低く、他人の評価を気にする人

 自分では自分をまったく評価できない。だから、他人の評価が気になる。いつも他人の目を意識して、「自分はどう思われているだろう?」と、ビクビクしているようなタイプです。
 「何をやらせてもダメな子だ」とダメ出しされながら育ったか、「おまえはひとりでは何にもできない子だから」と手取り足取りして育てられた人たちに目立つ傾向で、このタイプの「自己評価」は、「他人の評価」によってクルクル変わります。
 ホメられると、「エッ、私が……?」と半信半疑ながらも顔をほころばせ、叱られると「やっぱり……ダメなんだ」と肩を落とします。
 そういう性質なので、だれかが仕事で大きな成果を上げたり、自分よりいい評価を受けたり、いい女・いい男をゲットしたりすると、「いいよなぁ」「いいわねェ」と、羨望の眼差しを向けます。
 ただうらやむばかりではありません。このタイプは、自分もその成功にあやかりたい――と、「ねたみ」の対象から成功の秘訣を聞き出そうとしたり、そのやり方をこっそりマネしようとしたりします。
 ねたまれる側からすると、「油断のならないねたみ」。それが、このタイプの「ねたみ」の特徴と言っていいでしょう。

悪魔女「どうせ…」とひがむ
――自己評価が低く、他人の評価を気にしない人

 自分では自分を評価できないし、他人の評価も気にしない――というより、評価されることを期待してないタイプです。
 どうせ、何をやっても、自分が評価されることなどないと思っているので、自分をよく見せよう、よく思われようという努力も、ほとんど見せません。最初からあきらめているのですね。
 たぶん、このタイプは、小さい頃から、あまり両親に期待されることもなく、と言って厳しくしつけられることもなく、ほったらかしに近い状態で育てられたのだろうと思われます。
 ホメられる喜びも、叱られる怖さも知らないまま育ったので、おとなになってだれかにホメられても、「からかわないでくださいよ」と逃げ、叱られると「どうせ私はダメな人間ですから」と開き直ります。
 自分の周りの人間が、どんどん出世していっても、大きな仕事を成功させても、ビッグな恋を実らせても、「あの人たちは自分とは違うから」と、ただ、指をくわえて眺めるばかりです。
 この人たちが見せるのは、「ねたみ」というより「ひがみ」。「いいなぁ」という感情はほとんど見せず、「どうせ、オレなんて(私なんて)」と、暗い感情の中に引きこもってしまいます。

 以上、「自己評価」のあり方別に、「ねたみ」がどう表されるかを見てきました。
 「ねたみ」と向き合うときには、その人の「自己評価」がどういう状態か? それを見きわめて対処する必要がありそうです。
 原則は、本人が「足りない」と感じている評価を補ってあげる――なのですが、これは、そう単純な話ではありません。
 機会を改めて、詳しく解説したいと思います。



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