未亡人下宿〈1〉 大家夫人の客

第7話 未亡人下宿 1
R18
このシリーズは、性的表現を含む官能読み物です。
18歳未満の方は、ご退出ください。
「下宿のおばさん、ワシに色目
使いよるんよ。いっぺん来いや」
大輔に誘われて、幸一は下宿を
のぞきに行った。その大家の元
には、通って来る男がいた——。
「あら、お客さん?」
幸一が「おじゃましまーす」と玄関を入ると、奥から女の人の声がした。
「あ、友だち連れてきたんで……。ちょっと、上に上がってもらいますけん」
大輔が声をかけると、「どうぞ、ごゆっくり。あとで、冷たいお茶でもいれて持っていきますけん」と声が返ってきた。
声の調子が若い。
「下宿のおばさん」という言葉から想像するガラガラ声やしゃがれ声ではなく、張りのある声。張りはあるけど、艶っぽい。幸一は、思わずドキッとした。
幸一や大輔が通う高校は、全生徒の6割強が、県内外の親元を離れて寮生活や下宿生活を送る非自宅組だった。
大輔は、受験校であるA学園では珍しい無頼派で、成績も出席率も、あまりいいほうではない。
幸一も、あまり真面目なほうではなかったが、どちらかというと、文学や演劇などに熱を入れてしまう軟派で、ロマンチストなのに対して、大輔は、肉体派で硬派。あまり共通点のないふたりだったが、幸一は、大輔のどこか破天荒なところに惹かれ、大輔は幸一の語るロマンに興味を示して、いつの頃からか、おたがいの下宿を行き来する関係になった。
その大輔が、3年生になって、新しい下宿に移った。高1から通算すると、もう4回目の引っ越しだった。
「今度の下宿な、おばさんがちょっと変わっとるんや。ワシに色目使いよんで。面白いんで、いっぺん来てみんかい」
そう言われて、その日が初めての訪問だった。
幸一が「おじゃましまーす」と玄関を入ると、奥から女の人の声がした。
「あ、友だち連れてきたんで……。ちょっと、上に上がってもらいますけん」
大輔が声をかけると、「どうぞ、ごゆっくり。あとで、冷たいお茶でもいれて持っていきますけん」と声が返ってきた。
声の調子が若い。
「下宿のおばさん」という言葉から想像するガラガラ声やしゃがれ声ではなく、張りのある声。張りはあるけど、艶っぽい。幸一は、思わずドキッとした。
幸一や大輔が通う高校は、全生徒の6割強が、県内外の親元を離れて寮生活や下宿生活を送る非自宅組だった。
大輔は、受験校であるA学園では珍しい無頼派で、成績も出席率も、あまりいいほうではない。
幸一も、あまり真面目なほうではなかったが、どちらかというと、文学や演劇などに熱を入れてしまう軟派で、ロマンチストなのに対して、大輔は、肉体派で硬派。あまり共通点のないふたりだったが、幸一は、大輔のどこか破天荒なところに惹かれ、大輔は幸一の語るロマンに興味を示して、いつの頃からか、おたがいの下宿を行き来する関係になった。
その大輔が、3年生になって、新しい下宿に移った。高1から通算すると、もう4回目の引っ越しだった。
「今度の下宿な、おばさんがちょっと変わっとるんや。ワシに色目使いよんで。面白いんで、いっぺん来てみんかい」
そう言われて、その日が初めての訪問だった。

その下宿は、ふつうの民家だった。
2階建てで、1階に茶の間と台所と大家夫人の寝室。2階は2部屋で、そのうちのひと部屋を大輔が間借りしていたが、もうひとつの部屋は、ふだんは納戸として使われていて、特別に来客があったときなどに、客用の寝室として使われていた。
大輔によると、大家夫人は20歳そこそこで土木関係の事業を営む30も歳の離れた男と結婚したが、その亭主は、結婚して5年かそこらで卒中で倒れ、大家夫人は20代半ばにして未亡人となった。
以後、再婚することもなく、ひとり暮らしを続けてきたが、まだ若い女が一軒家にひとりでは物騒だというので、2階の1部屋を間貸しすることになった。
といっても、おとなの男では何かと問題になりそうなので、男子の高校生ぐらいがいいだろうと、大輔や幸一が通うA学園に下宿生募集の手続きをとった。A学園の生徒なら、素行にも問題ないだろう――と判断したらしい。
大輔に言わせると、素行に問題があるのは、大家のほうだった。
ひとり身ではあるが、男出入りがないというわけでもない。
週に1度か2度、あまり柄のよくない男が、階下の大家夫人の部屋を訪ねてくる。
大輔も、一度、顔を合わせたことがあるが、黒いズボンの上から派手な柄のオープン・シャツを羽織り、足にはピカピカ光るエナメルの靴。毛むくじゃらの腕には、刺青らしいものも見えた。
どう見ても、堅気とは思えない男だったが、夜、その男がやって来ると、大家夫人の部屋からは、大きな声が響いた。
「ああ―――ッ、許して。もう……もう……」
声に混じって、ビシッ、ビシッ……と肉を打ち付けるような音が響き、そのたびに、「痛~い!」「いやッ!」「許して」などの悲鳴が挙がった。
しばらく静かになったと思うと、その後には、すすり泣くような声が聞こえてくる。その声がだんだん大きくなって、最後には、「あ――ん」「いいッ」「いくゥ~!」などの声が挙がって、後は静寂に包まれる。
男は、夜が明ける前に、帰っていく。
帰っていく男を、大家夫人は、下着の上からナイトガウンを羽織っただけの格好で見送りに出てくる。
大輔がそっとカーテンを開けて様子を窺っていると、大家夫人は男の手にそっと何かを握らせている。男は、それをズボンのポケットにねじ込むと、むんずと大家夫人の髪を引っつかんで顔を上向かせ、そこへ自分の顔を重ねる。
そのキスが長い。
男に唇を吸われながら、大家夫人の腰が揺らぎ始める。揺らぎながら、その腰は男の腰に張り付いていく。
ガウンの前がはだけて下着がチラチラと見えるのだが、もう、そんなことはどうでもいい――と思っているに違いない。
男は、そのガウンの間から、夫人の股座に手を突っ込みながら言う。
「なら、行くけんのぉ。こんな、わかっとるやろのぉ。下宿のガキなんかに色目遣いよったら、ただじゃすまさんでよ。ええな?」
大家夫人はうなずいて男を見送り、乱れた髪を後ろ手にちょちょっと直して、フッと視線を2階の大輔の部屋のほうに向ける。
大輔は、あわてて、カーテンから顔を隠す。
そんなことが、何度かあった。

「その男、何者なん?」
「さぁ、わからん。もしかしたら、ヒモかもしれんし、ただのダニかもしれん」
「ヒモゆうても、おばさん、働いてないのんやろ?」
「働いてはないけんど、金は持っとるらしいで。ダンナの遺産と死亡保険金で、一生、食うには困らんぐらいの金は持っとるらしい」
幸一と大輔がそんな話をしていると、階段をトントンと上がってくる音がした。
「村上さん。お茶いれたで、入ってもええ?」
「あ、すみません」
スーッと襖が開けられた。
3人分のお茶と菓子を載せたお盆を脇に置いて、おばさんが廊下に正座していた。
エッ、3人分?
ということは、おばさんもここでお茶を飲む気なんだ――と、幸一が大輔を見やると、大輔は、「な、わかるだろ?」というふうに目くばせした。
大家夫人は、黄色地にヒマワリの花がプリントされた、ムームーのようなワンピースを着ていた。
「いらっしゃい」とお辞儀をすると、ゆったりした胸ぐりから、胸元がのぞいた。
幸一は、ドキッ……となった。
大家夫人は、胸に下着を着けていなかった。
大きく開いたワンピースの胸ぐりの中に、白い乳房が三角むすびのような形で垂れ下がっているのが見え、その先端でアーモンド大の乳首が実を硬く尖らせているのが見えた。
「いらっしゃい。村上さんと同じ学校のお友だち?」
言いながら、大輔のほうをチラと見る。
「あ、ワシと同じクラスの上原クンです」
「あら、じゃ……やっぱり、A学園の? 道理で賢そうな顔しておいでやわ」
「こいつ、ワシと違うて、よぉ、勉強しよるんよ。あんまり、勉強ばっかりしとんで、たまに遊びに来いやゆうて、誘うたんです」
「まぁ、ほたら、ゆっくりしてってもらわなな」
言いながら、幸一の顔を見てニコリと微笑む。
大きな目。その目に宿る光が、一瞬だけ、キラリと光った。
目の下では、小作りな鼻が鼻頭をツンと上に向けて鎮座し、その下では肉厚な唇が少しめくれ上がって前歯をのぞかせている。
小悪魔っていうのは、たぶん、こういう人のことを言うんだろうな――と思いながら、幸一が見とれていると、夫人は、「なぁ、村上さん。この部屋、暑ぅないかいな?」と言いながら、ワンピースの胸元をパタパタとさせた。
夫人のパタパタで、また、胸のふくらみがのぞき、ちょっと甘酸っぱいような匂いが、その胸元から立ち上った。
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