ライバルはホメて殺す? けなして生かす?

好きなカレまたは彼女の周囲にチラつくライバルの陰。
そんなとき、人は、そのライバルをけなして消そうとします。
しかし、それは大抵、逆効果。ライバルはホメて殺すほうが、
効果があるらしいのです——。
愛が生まれる日本語・殺す日本語 レッスン2-16
カレの周囲には、あるいは彼女の周囲には、ちょっと怖い存在……なライバルがいる。
ふつうの恋愛関係では、こういう状況が当たり前だと思います。
あなたはもちろん、そのライバルの存在が気になって仕方がありません。できることなら、パートナーの心からライバルを消し去ってしまいたいけど、そんなことは望んでもムリ。
しかし、パートナーの心がライバルに傾いてしまわないよう、けん制だけはしておきたい。
さて、どうするか?
そんなときの会話法を工夫してみます。
もっともありがちな会話のパターンだと思います。
男女を逆にしたパターンも、よく耳にするはずです。
仮に、このパターンの話法を《禁止話法》と名づけましょうか? 子どもに、「このお菓子は甘くて歯にわるいから、食べちゃダメだよ」と言っているようなものです。
これは、男女の関係に限らないことですが、人間は、《禁止》されたものには心が動きます。そして、それを「ダメだよ」と禁止する人間を、疎ましく感じます。
特に、ここで彼女が言っている「お茶とか誘われても、断ってね」というフレーズは、あまりにも直接的で、幼稚です。
さて、これを言われたほうは、その結果、どう思うようになるか――というと、《禁止》された対象をますます魅力的に感じ、《禁止》してきた彼女の人格を低く見積もることになります。
つまり、「こんなことをゴチャゴチャ言う彼女より、K子のほうがいいかもしれない」と、ほんとに思い始めてしまうわけです。
この話法は、結果、逆効果にしかならない――と、私は思います。
ふつうの恋愛関係では、こういう状況が当たり前だと思います。
あなたはもちろん、そのライバルの存在が気になって仕方がありません。できることなら、パートナーの心からライバルを消し去ってしまいたいけど、そんなことは望んでもムリ。
しかし、パートナーの心がライバルに傾いてしまわないよう、けん制だけはしておきたい。
さて、どうするか?
そんなときの会話法を工夫してみます。
会話例1 禁止話法
彼女 K子さんって、美人だね。タイプでしょ、ああいう子?
カレ ちげェよ。ああいうの、全然、タイプじゃねェって。
彼女 ホント? じゃ、いいけど、近づいちゃダメだよ。お茶とか誘われても、断ってね。
カレ あ、ああ……しねぇよ、そんなこと。(うるせぇなぁ、この女)
彼女 K子さんって、美人だね。タイプでしょ、ああいう子?
カレ ちげェよ。ああいうの、全然、タイプじゃねェって。
彼女 ホント? じゃ、いいけど、近づいちゃダメだよ。お茶とか誘われても、断ってね。
カレ あ、ああ……しねぇよ、そんなこと。(うるせぇなぁ、この女)
もっともありがちな会話のパターンだと思います。
男女を逆にしたパターンも、よく耳にするはずです。
仮に、このパターンの話法を《禁止話法》と名づけましょうか? 子どもに、「このお菓子は甘くて歯にわるいから、食べちゃダメだよ」と言っているようなものです。
これは、男女の関係に限らないことですが、人間は、《禁止》されたものには心が動きます。そして、それを「ダメだよ」と禁止する人間を、疎ましく感じます。
特に、ここで彼女が言っている「お茶とか誘われても、断ってね」というフレーズは、あまりにも直接的で、幼稚です。
さて、これを言われたほうは、その結果、どう思うようになるか――というと、《禁止》された対象をますます魅力的に感じ、《禁止》してきた彼女の人格を低く見積もることになります。
つまり、「こんなことをゴチャゴチャ言う彼女より、K子のほうがいいかもしれない」と、ほんとに思い始めてしまうわけです。
この話法は、結果、逆効果にしかならない――と、私は思います。
会話例2 依願話法
カレ あのTさんって、男気あるよね。
彼女 でしょ? けっこう、面倒見もいいから、みんなに頼られてるの。
カレ もしかして、タイプだった?
彼女 そりゃ、いい人だけど……私には、Jクンがいるじゃない。
カレ オーッ、ラッキー! あんな人とガチンコで争ったら、オレ、負けちゃうかもしれないもんな。
彼女 ダイジョーブだよ。私の心は、もうJクンのものなんだから。
カレ ありがとう。あんまり、オレを心配させたり、悲しませたりしないでほしい、と願うだけだね、オレとしては。
カレ あのTさんって、男気あるよね。
彼女 でしょ? けっこう、面倒見もいいから、みんなに頼られてるの。
カレ もしかして、タイプだった?
彼女 そりゃ、いい人だけど……私には、Jクンがいるじゃない。
カレ オーッ、ラッキー! あんな人とガチンコで争ったら、オレ、負けちゃうかもしれないもんな。
彼女 ダイジョーブだよ。私の心は、もうJクンのものなんだから。
カレ ありがとう。あんまり、オレを心配させたり、悲しませたりしないでほしい、と願うだけだね、オレとしては。
これも、男女共用パターン。
「××しちゃダメ」と相手の行動を束縛するのではなく、「オレ(私)を悲しませないで」「心配させないで」とお願いしている話法で、仮に、これを《依願話法》と名づけましょうか。
この話法の特徴は、まずは、ライバルをホメ上げること。ホメた上で、自分はまともに闘ったら勝ち目がないかもしれない。頼むから、そんなことにはさせないでね――と、お願いしているわけです。
訴えているのは「義」ではなく、「情」。そんなライバルがいるにもかかわらず、「あなたの愛が得られた自分はラッキーだ」と訴えて、カレまたは彼女の自尊心をくすぐり、「この人を心配させたり、悲しませたりしちゃいけないな」と、自発的に行動を自重するように仕向けています。
ライバルを「優れている」と認めることに抵抗があるかもしれませんが、こういう話法が使える人は、かなりデキる人です。
言われたほうは、謙虚にライバルのすぐれたところを認めてくれるカレ(彼女)の人間としての器の大きさに感動し、「そんな人を裏切ってはいけない」と、強く思うようになるはずです。
会話例3 囲い込み話法
カレ キミの先輩のSさんって、サーフィン、めちゃくちゃうまいんだって?
彼女 なんかね、スポーツ万能らしい。カッコいいんだよォ。
カレ フーン、カッコいいんだぁ……。よし、今度、紹介してよ。オレも、サーフィン覚えたいんだ。一緒に習って、ふたりで海に出かけようよ。
彼女 ウ、ウン……。じゃ、今度、頼んでみるね。
カレ キミの先輩のSさんって、サーフィン、めちゃくちゃうまいんだって?
彼女 なんかね、スポーツ万能らしい。カッコいいんだよォ。
カレ フーン、カッコいいんだぁ……。よし、今度、紹介してよ。オレも、サーフィン覚えたいんだ。一緒に習って、ふたりで海に出かけようよ。
彼女 ウ、ウン……。じゃ、今度、頼んでみるね。
これ、実は、高等戦術です。
カレや彼女の周りに見え隠れするライバルの影。「見え隠れ」するから不安になるのであって、だったら「見え見え」にしちゃおうという作戦です。もっと言うなら、何するかわからないライバルを自分のナワバリの中に取り込んでしまって、手足を縛ってしまおう――というわけです。
昔、戦国武将たちもよく使った作戦で、仮にこれを《囲い込み話法》と名づけることにしましょうか。
「仲間」になってしまった男(女)の彼女やカレには、ライバルもヘンな気を起こせなくなってしまいます。だいいち、何をするにもパートナーが一緒にくっついて来る――では、そのチャンスも生まれません。
女性だったら、「今度、ホームパーティやるから、その彼女も呼べば?」などと持ちかけてもいいでしょう。カレとライバルがこそこそ何かやる前に、あなた自身が彼女の友だちになってしまう。こうすれば、ライバルは身動きとれなくなってしまいます。
会話例4 ネガティブ話法
彼女 ね、こないだの飲み会で、ずいぶん話し込んでた女、いたでしょ?
カレ ああ、R恵さん? なんかね、オレと郷里が一緒らしいんだよね。
彼女 フーン。私はまた、あのオッパイに目がくらんだのかと思ったわ。
カレ エッ、オッパイ? 気がつかなかったなぁ。
彼女 なんか、やたら胸を強調してたじゃない。ああいうのはね、男をそそろうとしてるんだよ。女から見ると、イヤ~なタイプなの。ダメだよ、あんなタイプにコロッとだまされちゃ。
カレ あ、ああ……って、別に、オレ、そそられてないんだけど。
彼女 ね、こないだの飲み会で、ずいぶん話し込んでた女、いたでしょ?
カレ ああ、R恵さん? なんかね、オレと郷里が一緒らしいんだよね。
彼女 フーン。私はまた、あのオッパイに目がくらんだのかと思ったわ。
カレ エッ、オッパイ? 気がつかなかったなぁ。
彼女 なんか、やたら胸を強調してたじゃない。ああいうのはね、男をそそろうとしてるんだよ。女から見ると、イヤ~なタイプなの。ダメだよ、あんなタイプにコロッとだまされちゃ。
カレ あ、ああ……って、別に、オレ、そそられてないんだけど。
最後に、もっともNGなパターンをご紹介しておきましょう。
ライバルになるかも……と思う女や男がいると、徹底的にこき下ろしにかかる話法です。
仮に、《ネガティブ話法》と名づけましょうか。
ライバルの長所と思われるポイント、特に自分になくて相手にあると思われるポイントを、徹底的にこき下ろすことによって、パートナーの目をライバルから逸らそうとする話法ですが、ハッキリ言って、この話法は、まったくの逆効果です。
まず、こき下ろせばこき下ろすほど、パートナーの目をライバルの持っている、その魅力ポイントに向けさせてしまうことになります。
次に、こき下ろしている本人が、ほかならぬそのポイントを弱点としているのだということを、パートナーに見破られてしまいます。
結果、パートナーの目は、ますます、ライバルのほうを向いてしまうことになります。
この話法では、ライバルを攻撃しながら、実はその矛先は、自分に向いてしまうことにしかならないわけです。
くれぐれも、こんな話法はとらないように――と、アドバイスして、今回はこのへんで。
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