彼女の足は、なぜかホテルの前で痛くなる

女性の中には、巧みに男をホテルに誘導する
達人がいらっしゃいます。しかし、「ホテルへ」とは
ひと言も口にしません。男に誘わせるのです。
そこで使うのが、「言い訳」というワナ――。
M は「男からのモテ技」、 W は「女からのモテ技」、 N は「男女共通のモテ技」です。
男性のみなさん。みなさんは、女性から「ホテルに入ろう」と誘われたことがありますか?
すでに何度かエッチをした、という女性じゃありませんよ。
デートは何度かしているけれど、まだ一度もそういう関係にはなってない――という女性から。
ない?
そうでしょうね。長年、男をやらせていただいている不肖・長住ですが、実は、私もないんです。だけど、あるんです。ないんだけど、あるんです。
ナニ言ってんの、おまえ?――と言われそうですが、つまり、こういうことです。
彼女たちは、誘ってなんかいないように誘う。
実にうまいんですね、それが。
どうやって?
本日は、それを、ぜひ、みなさんに聞いてもらいたいと思います。
気分わるかったんじゃないの?
A子は、私が学生時代にアルバイトしていた会社の先輩だった人。学生だった私の目には、十分に「おとなの女」と感じられる人で、ええ、それなりに美人ではありました。
そのA子さんが言うんです。「たまには先輩がおごるから、つき合いなさいよ」ってね。恥ずかしながら、その頃の私は、女性とふたりで飲みに行くなんて、経験したことがありません。半分は、ドキドキしながら、しかし、しっかりシッポを振りながら、ついて行ったわけです。
彼女が連れて行ってくれたのは、その頃、流行っていた「コンパ」。女性バーテンダーが円形のバーカウンターの中にいて、たいていはひとりで飲みに来た男や女がカウンターに座って酒を飲むというスタイルの店でした。そうして飲みながら、男も女も、気に入った相手を見つけると、「あちらのお嬢さんに、ジンフィズを一杯」とかやるんだよ――と、当時の『平凡パンチ』(ナンパ系週刊誌の走りです)には書いてありました。
ま、その日はナンパが目的じゃないんで、そこそこ飲んで外へ出ると、A子さんが突然、言い出したんです。
Sクン、先に帰って。
ど、どうしたんですか?
いいから、先に帰って! ちょっと気分わるくなったから、私、少し休んでいく。いいから、あなたは帰って。
そのまま、道端にしゃがみ込んでしまうじゃありませんか。
そんなこと言われて、「ハイ、じゃ失礼します」と、女性をひとり、繁華街にうずくまらせたまま、帰れるわけないじゃないですか。
何とか介抱ぐらいはしてあげないと――と、付き添っている私に、なおも彼女は言います。
みっともないとこ見せたくないから、帰って。
言いながら、ボクの体を押し離そうとするんです。
それでも、そばを離れないでいると、
こんなとこ、人に見られたくないから、どこか、連れてって……。
どこか――たって、思いつくところは「あそこ」ぐらいしかありません。
仕方なく(ほんとに仕方なくですよ)、近くのホテルに入ったのですが、彼女、別にトイレに駆け込む、という様子でもありません。
大丈夫ですか?
大丈夫。こうしてじっとしてれば、落ち着くから……。
ベッドの縁に腰掛けたまま、私にもたれかかってくるんです。
不肖・長住、これでも男のつもりです。寄りかかってくる体を押しのけたりなんてことが、できるわけありません。驚いたのは、それからです。
不思議なことに、A子女史は、そのあと一度も気分がわるくなることもなく、ベッドに倒れ込み、なんと、私の体に手を伸ばしてくるではありませんか。どう考えても、「抱いて」と言われてるようにしか見えませんでした。
見えないので、そこは素直に、ご要望にお応えしました。
事が終わると、A子女史、シラッとこうおっしゃるのです。
きょうだけよ。こういうことがあったからって、自分の女になったなんて、思わないでね。
おとなって怖い――と、青年・長住は、つくづく思い知らされたのでありました。
それにしても、あれは何だったんでしょう?
あのときの彼女は、ほんとに、いまにも吐きそうだったのに……。
すでに何度かエッチをした、という女性じゃありませんよ。
デートは何度かしているけれど、まだ一度もそういう関係にはなってない――という女性から。
ない?
そうでしょうね。長年、男をやらせていただいている不肖・長住ですが、実は、私もないんです。だけど、あるんです。ないんだけど、あるんです。
ナニ言ってんの、おまえ?――と言われそうですが、つまり、こういうことです。
彼女たちは、誘ってなんかいないように誘う。
実にうまいんですね、それが。
どうやって?
本日は、それを、ぜひ、みなさんに聞いてもらいたいと思います。

A子は、私が学生時代にアルバイトしていた会社の先輩だった人。学生だった私の目には、十分に「おとなの女」と感じられる人で、ええ、それなりに美人ではありました。
そのA子さんが言うんです。「たまには先輩がおごるから、つき合いなさいよ」ってね。恥ずかしながら、その頃の私は、女性とふたりで飲みに行くなんて、経験したことがありません。半分は、ドキドキしながら、しかし、しっかりシッポを振りながら、ついて行ったわけです。
彼女が連れて行ってくれたのは、その頃、流行っていた「コンパ」。女性バーテンダーが円形のバーカウンターの中にいて、たいていはひとりで飲みに来た男や女がカウンターに座って酒を飲むというスタイルの店でした。そうして飲みながら、男も女も、気に入った相手を見つけると、「あちらのお嬢さんに、ジンフィズを一杯」とかやるんだよ――と、当時の『平凡パンチ』(ナンパ系週刊誌の走りです)には書いてありました。
ま、その日はナンパが目的じゃないんで、そこそこ飲んで外へ出ると、A子さんが突然、言い出したんです。



そのまま、道端にしゃがみ込んでしまうじゃありませんか。
そんなこと言われて、「ハイ、じゃ失礼します」と、女性をひとり、繁華街にうずくまらせたまま、帰れるわけないじゃないですか。
何とか介抱ぐらいはしてあげないと――と、付き添っている私に、なおも彼女は言います。

言いながら、ボクの体を押し離そうとするんです。
それでも、そばを離れないでいると、

どこか――たって、思いつくところは「あそこ」ぐらいしかありません。
仕方なく(ほんとに仕方なくですよ)、近くのホテルに入ったのですが、彼女、別にトイレに駆け込む、という様子でもありません。


ベッドの縁に腰掛けたまま、私にもたれかかってくるんです。
不肖・長住、これでも男のつもりです。寄りかかってくる体を押しのけたりなんてことが、できるわけありません。驚いたのは、それからです。
不思議なことに、A子女史は、そのあと一度も気分がわるくなることもなく、ベッドに倒れ込み、なんと、私の体に手を伸ばしてくるではありませんか。どう考えても、「抱いて」と言われてるようにしか見えませんでした。
見えないので、そこは素直に、ご要望にお応えしました。
事が終わると、A子女史、シラッとこうおっしゃるのです。

おとなって怖い――と、青年・長住は、つくづく思い知らされたのでありました。
それにしても、あれは何だったんでしょう?
あのときの彼女は、ほんとに、いまにも吐きそうだったのに……。

こういうこともありました。
B恵は、仕事先で知り合った女性でした。
「一度、食事でも」という話になって、都心のビストロで食事したときの話です。

風も気持ちいいし、「じゃ、腹ごなしに」ってことになって、赤坂から乃木坂に向かって歩き始めたふたり。しばらく歩くと、繁華街の喧騒を抜けて、ほどよい散歩道という感じになるんですけど、途中で彼女、「足が痛い」なんて言い出したんですねェ。

少し、足を引きずるような歩き方になって、とうとう止まっちゃったんです、彼女。

あたりを見回して、気づきました。
なんと、そこは、通りにただ一軒あるラブホの前。
「ハイヒール、脱いじゃいたいわ」と言う彼女を、私は仕方なく(ホントに、仕方なくですよ)、そのホテルにご案内することになりました。
驚いたのは、豊満な彼女の体を存分に堪能して、ホテルを出たあとのことです。

駅まで急ぎ足で歩くその足の速いこと。
ネ、キミ、足が痛かったんじゃなかったっけ――?

まだまだありましたよ。
彼女たちの手口(?)だけ、紹介しちゃいますね。

→つっても、そこは夜の繁華街の裏通り。公衆トイレも、ドトールもスタバもありません。履き替える場所……ったら、もうあそこしかないじゃありませんか。

→コンビニかラブホしかない通りでそんなこと言われたら、みなさん、どうします? ハイ、私は私の選ぶべき道を選びました。

→まさか、電柱をよじのぼって電気を頂戴するわけにもいかないでしょ。コンセントの使える場所……って、他に思いついたら、教えてもらいたいくらいのもんです。

→この人もムチャを言います。どうせついでに「甘い饅頭もほしい」とか言い出すんだろうと思ったから、しかるべき場所にご案内しました。残念ながら、最近の「しかるべき場所」には、急須なんてないんですよね。みんなティー・バッグ。ちなみに彼女は、それも飲みませんでしたけど。
ま、こんなわけで、見事に誘われちゃった愚かな長住。
みなさんにも、そんな経験、あるんじゃありませんか?

女性は、自分の口から「ホテルに入ろう」とは言い出しにくいものです(最近は、そうでもないようですけど)。
そこで、「言い訳」を用意するわけですね。その「言い訳」は、相手に対する「言い訳」であると同時に、自分に対する「言い訳」でもあるわけです。
「私は、男が欲しくてホテルに入ったんじゃない。たまたま、足が痛くて歩けなかったからよ」とね。
でも、女性のみなさん、確かにこの方法は、百発百中に近い効果を上げるかもしれませんが、男性に「逃げ道」を用意する作戦であることもお忘れなく。「私を抱いたくせに……って、あれは、キミが足が痛いっていうから、仕方なく」なんて言われたら、反論できないですよ。
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