A I ロボ・ジゴロ1号〈3〉 人間にしかできないこと

第3話 AIロボ・ジゴロ1号 3
R18
このシリーズは、性的表現を含む官能読み物です。
18歳未満の方は、ご退出ください。
ジゴロの愛撫にもだえる桂子の姿を
8つの目が見つめていた。その手は
白衣の下の股間に当てられていた。
そこへウイーンと音を立てて伸びて
きたものがあった。それは——。

前回から読みたい方は、⇒こちらからどうぞ。
ここまでのあらすじ フリーターの桂子は、さまざまな商品の効能や使い心地を自らの体で試すモニターでアルバイト代を稼いでいる。「バイト代、いつもの3倍出すから」と楠田聡子に言われて訪ねたのは、何かの研究室ようなオフィスだった。そこに置かれていたのは、歯医者にある診療台のようなチェア。楠田によれば、それは「ちょっとエッチなマッサージ・チェア」だと言う。座ると、桂子の体は固定され、全身が心地いいバイブレーションに包まれていく。つい腰が浮き上がりそうになる。すると、そこへ、先端にボールのついた4本のアームが伸びてきて、2本は桂子の乳房をバイブレーションしながら揉み、2本は、M字に開いた桂子の内ももを下から上へ、揉み上がってくる。たまらず「あっ……」と声を上げると、その様子を見守る8つの目が輝いた――
「ピー、来たね」
「来ましたね。いわゆる、イッちゃったってことですね」
大島と高峰が、顔を見合わせてほくそ笑む。
白衣のポケットに突っ込んだままの大島の手が、モゾモゾと動いているのが、暗闇の中で薄ぼんやりと確認できた。
「これで、いっぺん、リセットされるわけ?」
「いや、リセットはされないです、女性の場合は。メーターはいったん振り切れちゃいましたが、まだ120あたりをウロチョロしてるでしょ? 刺激さえ与えれば、何度でもピーしますよ」
「ホォ、そういうもんかね」
「そういうもんです。ただ、まぁ、体力の問題もありますから、際限もなくとはいきませんけど……」
「じゃ、もう、アレ行っちゃっていいんじゃないの?」
「アレ、行っちゃいますか」
男たちの白い歯が、暗闇の中でニヤついた。
高峰の手がボックス上面の赤いボタンに触れる。
ジゴロ1号の背面に、最後まで残されていた1本のアームが、ウイン、ウインと鎌首を持ち上げ、桂子の開かされた脚の真ん中に向かって、進んできた。
先端に付いている、ノズルの形を見て、桂子はゾッとなった。
「ちょ……ちょっと、何ですか、これ? やだ、それ、いやだぁ……」
これまでの無機質な球体とは違う、リアルな造形。銀色に輝いてはいるものの、それは、男性器そのものの形だった。それも、歌麿の絵に出てくるような、それゆえに西欧の人たちが日本人を巨根の民族と誤解したような、見事なサイズの……。
それが、うなりをあげながら、近づいてくる。先端が、心臓の鼓動に合わせるように、ドクンドクンと鎌首を持ち上げる。
よく見ると、本体の上にもう一本、本体から枝分かれした小さなアームが付いていた。その先端には、小さなボールがついていて、こちらは小刻みにブルブルと震動している。
《いやだ。何する気……?》
桂子が体をこわばらせると、さっきから桂子のそばに立っていた楠田が、桂子の髪をなでながら言った。
「怖がらなくていいわよ。ジゴロ1号はやさしいから。でもね、ジゴロにはふたつだけできないことがあるの」
楠田は、髪をなでていた手を桂子の頬に滑らせ、てのひらで頬を包み込むようにしながら言った。

「ジゴロにできないこと、それはね……」
楠田は、桂子の耳に口をつけるようにしてささやいた。
「あなたの耳に愛の言葉をささやくこと。それともうひとつ……」
言いながら、楠田の口が桂子の唇の縁をとらえる。
やわらかい楠田の唇のテクスチャーが、桂子の唇の縁をなぞり、半開きの桂子の唇をゆっくりゆっくり押し開いていく。
《聡子さんの息、いい匂い……》
女同士で唇を合わせるのは、それが初めての経験だったが、不思議と抵抗感はなかった。
楠田の舌が、開かれた歯の間から侵入してきたときには、「エッ……」と思ったが、それでも桂子の舌を求めてくる楠田の動きに、抵抗なく応ずることができた。
「こんなふうにキスするのは、さすがのジゴロにもできないの。これからあなたは、いままで経験したこともない快感を味わうことになるけど、覚えておいてね。あなたの耳に愛の言葉をささやくことと、心のこもったキスをすること。これだけは、人間にしかできないことなのよ」
唇を触れ合わせたままささやく楠田の言葉が、そのとき、桂子には天女の声のように感じられた。
桂子の胸は、2本のアームに捕らえられたまま、乳輪を転がる銀色のボールにくすぐられ、ときには膨らみ全体を押圧されて、その快感が脳を甘い果汁で満たしている。
ヒップの下に潜り込んだ2つの球体は、執拗に桂子のヒップを責め続けていて、球体が尻の割れ目に潜り込んでくるたびに、桂子の腰はシートから浮き上がってしまう。
内ももを転がる2つのボールは、相変わらず桂子のももの付け根をくすぐり続け、その鋭い感覚が脊髄に伝わるたびに、桂子の口から、「あっ」と小さな悲鳴がもれている。
そこへ近づいてきた5本目のアーム。
その異形のノズルは、桂子の脚の中心をロック・オンして、身震いしながら忍び寄ってくる。そのときだった――。
「来ましたね。いわゆる、イッちゃったってことですね」
大島と高峰が、顔を見合わせてほくそ笑む。
白衣のポケットに突っ込んだままの大島の手が、モゾモゾと動いているのが、暗闇の中で薄ぼんやりと確認できた。
「これで、いっぺん、リセットされるわけ?」
「いや、リセットはされないです、女性の場合は。メーターはいったん振り切れちゃいましたが、まだ120あたりをウロチョロしてるでしょ? 刺激さえ与えれば、何度でもピーしますよ」
「ホォ、そういうもんかね」
「そういうもんです。ただ、まぁ、体力の問題もありますから、際限もなくとはいきませんけど……」
「じゃ、もう、アレ行っちゃっていいんじゃないの?」
「アレ、行っちゃいますか」
男たちの白い歯が、暗闇の中でニヤついた。
高峰の手がボックス上面の赤いボタンに触れる。
ジゴロ1号の背面に、最後まで残されていた1本のアームが、ウイン、ウインと鎌首を持ち上げ、桂子の開かされた脚の真ん中に向かって、進んできた。
先端に付いている、ノズルの形を見て、桂子はゾッとなった。
「ちょ……ちょっと、何ですか、これ? やだ、それ、いやだぁ……」
これまでの無機質な球体とは違う、リアルな造形。銀色に輝いてはいるものの、それは、男性器そのものの形だった。それも、歌麿の絵に出てくるような、それゆえに西欧の人たちが日本人を巨根の民族と誤解したような、見事なサイズの……。
それが、うなりをあげながら、近づいてくる。先端が、心臓の鼓動に合わせるように、ドクンドクンと鎌首を持ち上げる。
よく見ると、本体の上にもう一本、本体から枝分かれした小さなアームが付いていた。その先端には、小さなボールがついていて、こちらは小刻みにブルブルと震動している。
《いやだ。何する気……?》
桂子が体をこわばらせると、さっきから桂子のそばに立っていた楠田が、桂子の髪をなでながら言った。
「怖がらなくていいわよ。ジゴロ1号はやさしいから。でもね、ジゴロにはふたつだけできないことがあるの」
楠田は、髪をなでていた手を桂子の頬に滑らせ、てのひらで頬を包み込むようにしながら言った。

「ジゴロにできないこと、それはね……」
楠田は、桂子の耳に口をつけるようにしてささやいた。
「あなたの耳に愛の言葉をささやくこと。それともうひとつ……」
言いながら、楠田の口が桂子の唇の縁をとらえる。
やわらかい楠田の唇のテクスチャーが、桂子の唇の縁をなぞり、半開きの桂子の唇をゆっくりゆっくり押し開いていく。
《聡子さんの息、いい匂い……》
女同士で唇を合わせるのは、それが初めての経験だったが、不思議と抵抗感はなかった。
楠田の舌が、開かれた歯の間から侵入してきたときには、「エッ……」と思ったが、それでも桂子の舌を求めてくる楠田の動きに、抵抗なく応ずることができた。
「こんなふうにキスするのは、さすがのジゴロにもできないの。これからあなたは、いままで経験したこともない快感を味わうことになるけど、覚えておいてね。あなたの耳に愛の言葉をささやくことと、心のこもったキスをすること。これだけは、人間にしかできないことなのよ」
唇を触れ合わせたままささやく楠田の言葉が、そのとき、桂子には天女の声のように感じられた。
桂子の胸は、2本のアームに捕らえられたまま、乳輪を転がる銀色のボールにくすぐられ、ときには膨らみ全体を押圧されて、その快感が脳を甘い果汁で満たしている。
ヒップの下に潜り込んだ2つの球体は、執拗に桂子のヒップを責め続けていて、球体が尻の割れ目に潜り込んでくるたびに、桂子の腰はシートから浮き上がってしまう。
内ももを転がる2つのボールは、相変わらず桂子のももの付け根をくすぐり続け、その鋭い感覚が脊髄に伝わるたびに、桂子の口から、「あっ」と小さな悲鳴がもれている。
そこへ近づいてきた5本目のアーム。
その異形のノズルは、桂子の脚の中心をロック・オンして、身震いしながら忍び寄ってくる。そのときだった――。

「あっ……」
桂子の全身がピクリと震えた。
ノズルの先端から、何かが桂子の股間に照射された。生温かくて、ドロッとしたもの。
《ナニ、これ……?》
不安な表情を浮かべる桂子の耳元に、楠田がささやいた。
「ダイジョーブよ。潤滑用のジェルだから。ちょっとひんやりした?」
その甘い声に、桂子は心をゆだねてしまいたくなる。固定された手首の先で、空をつかむように開いた桂子の指に、楠田が指を絡めてきた。
桂子がその指を握り返すと同時に、鋭い感覚が桂子の下半身を走り抜けた。
枝分かれしたノズルの先端の小さな球体が、桂子の核に触れたのだ。
ブイーン……と震動するその小さな球体は、包皮の下に隠された桂子の硬直を探り当てると、それを掘り起こすようになぞった。硬直の根元から先端に向けて、全体をグラインドするように圧迫しながら、微妙な震動を加えてくる。
「あっ、あーっ。ダ、ダメェ~」
桂子は、思わず大きな叫び声を挙げた。
イヤイヤというふうに、首を右に振り、左に振り、固定されたままの脚を開閉させようとしてもがく。つなぎ合った指を、楠田がギュッと握り締めてきた。
「そろそろ2回目のピーかな?」
「そ、そうですね」
大島と高峰が目配せを交わし合う。
冷静を装っているが、その目は虚ろ。声も、気のせいか、震えていた。
しかし、声が震えているのには、別の理由があった。彼らの手が自らの体を揺らしているからだった。
ふたりの後ろでは、もうひとりの若い男が、白衣の前をはだけて、屹立したものを手にしていた。
その姿は、桂子からは見えない。

鋭い感覚が、何度も桂子の体を走り抜けた。
計器の針は、何度も振り切れ、そのたびに「ピー」という音が鳴り響いた。
「いよいよかな?」
「いよいよですね」
ジゴロ1号が、最後の動きを始めた。
ノズルの本体が、桂子のジュンと潤った入り口を探り当て、その砲身をズブ、ズブッ……と押し込んできた。
「イヤ――ッ!」
桂子の悲鳴が、部屋中に響きわたった。
本体が桂子の入り口を陵辱すると同時に、桂子の両耳に聞こえるBGMが変わった。
ウォーッ、ウォーッ……。
動物が唸るような、低くくぐもった声が、桂子の耳を襲い、体を震わせた。
ジゴロのノズルは、ゆっくり全身を桂子の中に沈めると、次にはそれをゆっくりと引き、ほとんど抜けるかと思う位置までくると、再び、ズズリと押し入ってくる。
そのペースが少しずつ速くなっていく。
桂子の首が激しく振られる。つなぎ合った指のツメが、痛いほどに楠田の指に食い込んでくる。
ウォッ、ウォッ、ウォッ……。
ノズルが往復するペースに合わせて、スピーカーから流れる唸り声のテンポも速くなる。
「ハッ、ハッ、ハァーッ。ダ、ダメェ――ッ」
桂子の声は絶叫に変わり、見守る男たちの手の動きがマックスになる。
計器の針は振り切れたままになり、「ピーッ」という長音が室内に響きっぱなしになる。
「さ、聡子さん、私、もォ、もォーッ……」
「いいのよ。イッちゃってもいいのよ」
楠田は、右手で桂子の手を握り締めたまま、額に張り付いた桂子の前髪を左手でかき上げ、開きっぱなしになった桂子の口を自分の口でふさいで、激しく舌を絡めた。
「ングッ、ンー、ンー。ンヤッ――!」
桂子の背中が激しくのけぞり、全身が、ピクピクと震えた。
その瞬間、ノズルの先端から、何かが激しく桂子の体の中に照射されたのを、桂子は遠くなる意識の中で感じた。

全身を激しく硬直させたあと、桂子の体からは、ゆっくりと力が抜けていった。
その弛緩を感じ取ったかのように、チェアは桂子の体を固定していた拘束を解き、開いた脚部とアームレストを静かに元の位置に戻していく――。
それを見ながら、男たちはあわてて、白衣の前を合わせ、ズボンのジッパーを上げた。
桂子の腹部では、ジゴロが飛ばしたジェルとは違う種類の粘液が、ゆっくりと背中のほうへと流れ落ちていく。
楠田聡子が、非難するような目を向けると、男たちはそそくさと白い部屋を後にした。
ダウンライトに照らされたチェアの上で、桂子は放心状態のまま、天井を見上げていた。
その髪をなで続けている楠田が、そっと、桂子のはだけたガウンを元に戻した。
「ちょっとハードなモニターだったわね。でも、ヘンな男たちより、よっぽどよかったでしょう?」
桂子は、まだピクピクと震えるまぶたを上げて、小さくうなずいた。
握り合っていた手をゆっくりとほどいた楠田は、ファイルの中から厚めの茶封筒を取り出して、それを桂子の手に握らせた。
「ありがとう。これ、きょうのギャラよ。少し、はずんどいたから。ゆっくり着替えて、きょうはこれで帰っていいわ」
桂子が体を起こすのを待って、楠田は、ダウンライトを消し、部屋の灯りを点けた。
一気にまぶしい光が目に飛び込んできて、桂子は目の上に手をかざした。
さっきまで桂子の体をいたぶっていたアームは、シルバーのボックスの背面にすべて折りたたまれていた。
目に入るのは、「ジゴロ1号」と名づけられたそのマシンだけ。男たちの姿はどこにも見当たらない。
そこは、ただ無機質なだけの、真っ白な部屋だった。
第3話『AIロボ・ジゴロ1号』これにて《完》です。

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